コップ「棚という監獄」(8)
コップ「おお、神よ。何故我々に自由はないのか」
グラス「我々が何をしたというのか」
茶碗「眠れる子羊だった我々が何故このような場所に」
お椀「救いは無いのですか」
コグ茶お「「嗚呼神よ」」
皿「うるせぇなぁ」
コップ「他にすることないだろ」
グラス「そうだそうだ」
皿「うるさくて眠れないんだよ。寝させてくれないか。疲れてるんだ」
茶碗「お前常に寝てるだろ」
お碗「そうだぞ。俺たちなんか立ちっぱなしだぞ」
コップ「俺たちは逆立ちだぞ」
グラス「そうだそうだ」
皿「そういうことじゃねえよ」
お椀系統も逆さにしないと内側にほこりが積もるぞ
皿「>>3というご指摘もあるが?」
茶碗「うるせえ家によって違うんだよ」
お椀「毎回使う前にちゃちゃっと水洗いすりゃいいんだ」
皿「最初から逆さならその手間も省けるだろ」
お椀「口つけるところが棚の床板につくからいっしょじゃん」
茶碗「とりあえずお前も立てよサボリ」
皿「立てねえよ」
コップ「諸君、落ち着きたまえ。神の御前であるぞ」
グラス「その通りです」
皿「お前のそのくだらない宗教のせいなんだが」
コップ「神を冒涜するか貴様。審判が下るぞよ」
グラス「神よ罪深き者にどうか寛大なる審判を」
皿「神とかいねえし」
コップ「こちらが我らが神で在らせられる」
ダニ「…」テクテク
皿「うわぁ」
皿「汚ねえダニじゃねえか」
コップ「見たまえ。神の何者にも縛られぬ姿を」
ダニ「…」テクテク
コップ「ほれ」
グラス「神にとってはこの棚という監獄ですら意味を成さない。その扉の隙間を潜り抜け自由に出入りできるのだ」
皿「なら空気も神か」
コップ「屁理屈とかいいから」
グラス「いるよねこういう異教徒」
皿「頭おかしいだろ」
茶碗「頭無いのに何言ってんだ」
お椀「頭おかしいんじゃね」
皿「…」
丼「喧嘩はよさぬか」
皿「長老…」
丼「コップよ。宗教の押し付けは無用な争いを生む」
コップ「しかし…」
丼「『万物同じものは無し』、先代の言葉だ。考えとて同じではない。受け入れることこそ必要なのだ」
グラス「耄碌なされたか。我々の宗教を受け入れることこそ平和への道。貴方や先代の教えを押し付けられる謂れは無い」
丼「うぐっ。言い返せん」
皿「いや負けんなよ」
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