八幡「765プロのプロデューサー?」 (126)

前置き
初スレ立て
俺ガイル×765のクロス
両方アニメ勢のドにわか
アニメ準拠のくせに独自解釈継ぎ足しマシマシ
赤羽根pも765にいます


2年生になりたて八幡から物語がスタートします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429548292



第1話
俺のプロデューサー人生は今日これから始まる

アイドル
言い表すなら偶像の類である

世の男共は、年端もいかぬ女の子のケツを追っかけ回し、女共は似たような男にホストのように貢ぐ

金が消費されて、経済が回るとかのたまう連中もいるが、はたしてそのようなことでやたらと財を消費してもいいのだろうか

そもそも、経済をそんなに回したいのなら本を買うなりするべきことは山ほどあるはずだ

所詮は自分の金の使い道を正当化させるために、特に思慮したわけでも無い軽い言葉が吐けるのである

稚拙な誤魔化しでは何も変わらないし、むしろ自己成長という面では後退しているだろうに

つまり何が言いたいかというと


八幡(小町かわいいし、なにかいいものを買ってやろう)


かわいい妹に対して金を使うのは進歩と言ってもいい

4月某日



2年になったのはいいが、やはり知り合いが出来る見込みがどうにもなさそうだ
が、1年の頃からぼっちの俺に死角はなかった


そんな悲しい事実はとりあえず置いておこう
今は愛しの妹、小町とともにららぽーとに訪れている


「3年になれた小町にご褒美が欲しー」という猫なで声と、マックスコーヒーを開栓した状態で渡してくるというコンビネーションにあえなく敗北した形だ


義務教育なら普通は進級自体出来そうだが、小町のためなら仕方がないし、シスコンだからというわけでもない

駅を降りて気付いたが、このららぽーとにアイドルが来る、といった広告が目立つ

最近はアイドルがトレンドらしく、ネットの情報では、最近は新幹少女というグループがアツいそうな





ネタで三次元も良いものだ、とかはよく見るが、手に届かない時点で二次元と変わらなくね?って聞いてみたくなる
聞いた後がダルそうだから飲み込んだけど





なんか、近い将来そんな面倒そうなことを面倒そうなテンションで騒ぐ奴が現れそうだが、可能な限り関わりたくない次第だ

しかしまあ、入学シーズンだからかえらく親子連れが多い
この中の一体何人の子どもがぼっちになってしまうのだろうか




小町「お兄ちゃん、暗黒微笑みたいな笑い方で気持ち悪いよ」

八幡「そんな変な顔してたか?」



流れるようにディスられるとは思いもしなかった



小町「いかにも邪悪っぽいオーラがだだ漏れだったよ」

八幡「ええ……有望なぼっちをスカウトしようとしてただけだぜ」

小町「だいじょーぶ、お兄ちゃんに並ぶのなんて小町未だに見たことないよ」



確かに、俺の16年ぽっちの人生を振り返ると、俺並みなんて見たことがない気がする



あれ、つまり俺って対人関係において、人並み以上に誇れることがあるんじゃね?



問題があるとすれば、自己紹介で絶対使えないことぐらいだな


だめじゃん、これ

頑張って八幡らしさを出してくれ

もう少し文章を見直してから投稿を再開します

>>12
アニメと妄言録というコミカライズ版しか見れていないので、原作からは程遠いかと思います
らしさをなるべく出していけるように努力します

最近、八幡(俺)が多いな

いっそ
俺「765プロのプロデューサー?」
にしろよ

様々なコメントをしていただきありがとうございます

好きな作品同士をただクロスさせただけなので、キャラがそれっぽくならないかもしれませんが、どうかお目こぼしを

行間の取り方などもわからないので、どの程度が良いか、などのご意見お待ちしております

トリテスト

遅ればせながら今から少しだけ投下したいと思います
トリップは一応これで

小町に連れられるがまま、小物やどこで使うかもわからないような物を買い、あっちこっちに行ったり来たりではしゃぎまくる妹を遠目に眺めていた

なぜ女性は買い物のときにあそこまで楽しげに出来るのだろうか
俺にはおおよそ見当もつかない

小町「お兄ちゃん、これとかどおー?」

八幡「うーん、いいんじゃねーの?」

小町「えー、反応うすーい。ポイントひくーい」

反応が思わしくないとこうなるのも男には一生理解できないことだろう

八幡(ふぅ……ん??)

買い物も佳境
座りこみたい気分を多めに含んだため息を頭の中で吐き、周りを一瞥すると信じられない人を見た

八幡(じょ、上半身が真っ黒……)

野郎だけで入るのは気がひけるこのエリアに、顔が視認できないほどガングロな、マックロクロホニャララも松崎ホニャララも裸足で逃げ出すほど黒い男がいた

八幡(なんなんだあの…人?…は)

顔の造形がわからないなんて、生活に不便をきたしそうなほどだ
肩から下がなければ幽霊の類と見間違えそうだ

小町「どったの、お兄ちゃん」

八幡「こ、小町…あれ…」

小町「え?どうかしたの?」

俺と同じ方向を見ているはずなのに、なぜ怯みもしない

小町「それよりさ、今度はあっち行こうよ!」

元気一杯の大声で、何事もなかったかのように提案された
これはあれか?俺だけしか異常を知覚できない的なあれか?

小町の大声で謎の男がこちらを向き、しかも近づいてきている

もし小町に何かしようものなら、全力で小町を逃がして警察を呼びつつ脚にしがみついて時間稼いでお縄につけてやる

男「ちょっと、そこの君。よろしいかな?」

なんと話しかけてきた

小町「どうかしましたか?」

普通に応対しちゃってるし

男「私はこういう者なんだがね」

あたふたしている俺に名刺を渡してきた
ガチビビりでひゅぉ!って悲鳴を上げそうになったが我慢できた

近くでよく見ると、どことなく高級感あふれる身なりをしている
スーツも靴もツヤがあるし、腕時計も目立ってはいないが彼の雰囲気の底上げに一役買っている
言えば、仕事の出来そうなオーラを放っていた

八幡「なんですか?ナンパとかなら勘弁してください」

小町を後ろに立たせながら様子を見る
俺の声と脚が震えていることを除けば、理想の兄貴出来てるなこれ

男「ナンパといえばナンパなんだがね」

八幡「765プロダクション社長、高木…?」

名刺を見る限りでは、アイドルをメインに扱うプロダクションだそうな

八幡「申し訳ありませんが、うちの小町が可愛いからといって、アイドルにさせるつもりは俺にはないです」

小町を世の男共に見せるなど言語道断、俺だけが眺めれればいいのだ
あと、そんな得体も知れない所に小町は預けれないし

高木「いやいや、その女の子に話しかけたんじゃないよ」

ん?つまりどういうことだってばよ
頭にクエスチョンマークを浮かべていると、この男性はとんでもないことを言いだした

高木「君に用があるんだ」

今回はこれで投下終了です

投下します

ららぽーと内の喫茶店

小町「アイドルのプロデューサー?」

いやに積極的な小町に引きずられ、高木という男性の話を聞くことになってしまった

八幡「いやいやいやいや、俺にはおそらく絶対無理ですって」

高木「いやいやいやいや、私はそう見込んだんだよ!一言で言い表すなら、ティンときたんだ!」

舞台が違えば、特攻がぐーんと上がりそうな軽快な効果音で表現された
インスピレーション的なものなのだろうか

小町「まあまあ、お兄ちゃん、話だけでも聞いとこうよ」

高木「お茶代くらいなら出すから、どうか聞いてもらえないだろうか」

俺の存在並みに軽くなってしまった財布の都合と相談した結果、話を聞くことにした
別に奢ってもらえるからとか、そういう事情ではない

小町「ふーむ、なるほどなるほど」

話を聞くと、アイドルにはスケジュール管理や仕事の融通などをこなすプロデューサーなるものが必要となるらしく、それを俺にやってほしいらしい

八幡「そんな大層なこと、俺には無理ですよ」

高木「どうかこの通り、頼むよ
君」

どのように答えても、とにかく頭を下げられてこう返される
さながらYESと言わないとストーリーが進まないゲームのようだ

小町「そういえば、どんなアイドルがいるんですか?765プロなんて聞いたことないですよ」

猫じゃらしを見て必死に我慢する猫のような表情で、小町は尋ねた

高木「うーむ、すまないがまだウチも有名じゃなくてねえ」

小町「ええ?そうなんですか?」

小町の余談によると、今や空前絶後のアイドルブーム、その波に乗れていない時点で察しがつくレベルの事務所なそうだ
人付き合いが少ないと、こういった流行りとか時間割変更とかを教えてもらえなくなるのが辛いところだ

つうか、その事務所の社長さんの目の前でそんなエグいこと言ってやんなよ
どんよりした雰囲気まとい始めたじゃねえか

高木「私が見込んだ子たちだからね、売れたら大爆発するのは間違いないと信じたいんだがねぇ」

なんとか負のオーラを抑えながら、
社長さんはぼやく

小町「何人くらいいるんですか?」

自らがダメージを与えたことなど意に介さず、特に興味ありげに訊く

高木「えーと、確か13人がアイドル候補生として登録されていたはずだね」

小町「13人も!?」

そこまで大きくなさそうな事務所に13人は大所帯といってもいいだろう
現に、俺も予想を超えた人数に驚きを隠せない

小町「お兄ちゃん、お兄ちゃん!」

わくわくした表情で俺の耳元でこしょこしょ話しかけてくる

小町「ハーレムの可能性大だよ!飲まない理由が逆にないよ!」

調子に乗って好きなことを言うなこいつ
そもそもアイドルとプロデューサーの恋愛って、問題しか見当たらないし

小町「バイトでも構わないって言ってるし、時給もそこらのバイトより断然いいし、最高だよ!」

そうなのだ、この社長さんは俺が高校生であることを伝えると、バイトでもいい、と断る理由を潰してくるのだ
しかも、芳しくないであろう経営状態で、高校生をこの額で雇おうとはなんとも気前がいい

八幡「でも、俺より適任がいると思うんです。それに、自分で言うのも難ですけど、俺の目とか腐りまくってるし」

小町「お兄ちゃん、さすがに自分のこと下げすぎだよ」

俺のやりたくない旨を遠回しに伝えると、社長の雰囲気が変わった

高木「何を言う!確かに君の目から生気が感じられないのは私にでもわかる!」

周りの談笑が途切れてしまうほど大きな声を出したのだ
でも、ここまで啖呵切られるといっそ殺してほしいまである

高木「だがね、君の目は腐ってはいるけどね、目の奥にはもっとこう、純粋な優しさとか、誇りとか、そんなものが見える気がするんだよ」

表情は見えないはずだが、真面目に語りかけるような声色から、本心での語りかけだというのはすぐにわかった

高木「それに、君は他の適任を探せ、と言うがね、君以上を探すのは現状不可能と思っているよ」

八幡「……」
なんでだ?初対面のはずなのに、なぜ?
あまりの衝撃に意識は社長に釘付けになった

高木「君ならば、ウチのアイドル達をしっかりと影で支えられる人になれる」


なんで……



高木「私にはそんなビジョンが見えたんだよ」



俺を……

小町「そうですか、よければウチの電話番号と住所、あと兄の携帯の電話番号も渡しておきますね」

どうやら俺のプライバシーなどゴミ屑同然の扱いのようだ
知ってはいたけど、妹にそれを再認識させられるのは少々酷ではなかろうか
それに口を挟む隙すらないとか、こいつ本当に俺の妹かよ

高木「一応君のお父様とお母様ともお話をしたい。けど、それは君が答え次第だ。遅くなってもいい。君の返事を待ってるよ」

八幡「…期待しないでくださいね」

高木「ふふ、そうかい。ところで、ここまで話したのはいいけど、まだ名前を聞いていなかったね」

高木「このことを決めてからでも構わないね、名前を聞くのは」

八幡「…比企谷、です」

高木「ほほぅ、ヒキガヤ君が。名前を教えてくれてありがとう」

高木「それでは、私はこれにて失礼するよ」

そう言うと、高木さんは俺たちの分の支払いも済ませてどこかへ風のように消えてしまった


もう少しいい物頼めば良かったな
ほんの少しだけ後悔した

八幡「ふぅ…」

小町「…ごめんね、あんなことしちゃって」

家に帰って来てから、小町と話すことにした
なぜあんなことをしたのか
俺はそれが知りたかった

八幡「そこまで気にしてねえよ。俺の電話番号はともかく、この家の住所と電話番号を教えるのは小町の自由だ」

八幡「それより、なんで渡そうって気になったんだ?なんだかんだ警戒してたくせに」

喫茶店に連れられた時、小町はしきりに辺りを見回していた
席に着くときも、どんな場所かを意識していたのだ
産まれてからの付き合いだし、その程度のことなら察しがつく

小町「えっとね、最初は怪しい人だと思ったんだけどね」

小町「周りに怪しい人もいないみたいだし、不用心なところも目立つし、おかしな人かも、って感じたんだ」

小町「でもね、お兄ちゃんの腐った目の話になった時ね、わかったんだ」

小町「初対面で表面だけ見て腐ってるとか言わずに、ちゃんとお兄ちゃんの内面を見ようとしてくれた人ってあの社長さんだけだと思うんだ」

小町「それにね、お兄ちゃんをあんなに求めてる人って始めてだなって」

小町「まだ信用しきれてはいないけど、本能とか、そういうレベルで任せてみてもいいかも、って感じたんだ」


小町「だからね、お兄ちゃんにも一歩を踏み出してほしくなったんだ」


なるほど
小町は俺とはかけ離れているように見えるが、割と似ているところもあるみたいだ

俺には青春の泥臭さとか、夢とか希望とか、そういったものとは無縁だと思っていた

友達だと思っていたらサラッと切り捨てられたりもしたし、告白も最悪な形で踏みにじられたりもしたし、人間関係は諦めていた

それでもまあ、信用してみようかとも思えた
それで裏切られたら、その後にどう復讐とかするか考えればいいし
見学とかで気に入らなければ辞めてもいい、とも言われたし

自分でも不思議なほどの前向きさに驚いたが、それでも少しぐらい何かしてもいいかも、と思えた


奢ってもらった手前、断りにくいしなぁ…

締めにそう心の中でぼやいとくことにした

今日はこの辺で終わりです

八幡っぽさが未だ無くて申し訳ない…

投下します

4月8日

今日は総武高校の始業式と、765プロの事務所見学の日だ

明日のオリエンテーションの説明と、自己紹介が今日のやることだそうだ
それでいて、高校生活を振り返ってとかいう作文を書け、ときたもんだ

テーマくらい先に決めておこう
……うん、これがいい
すんなり決まってしまって小さくない暇が出来てしまった

個人的には、変に時間を空けての雑談タイム設けるのよしてほしい
そもそも会話する相手いないし

ただ、早速出来上がっているカーストを眺めることぐらいは訳ない
一番凄そうなのは、あの無駄に身長が高く、しかも育ち良さそうなイケメンがいるグループだ
スポーツも勉強もかなり出来る、まさしく勇者タイプだろう

二番手はあの陰険とも取れそうな顔付きの女子がリーダーしてるグループか
意地悪で微妙な腕前の魔法使いレベルだなあれは

ギーグより下の俺はおそらく入れないように設定されてる家の中にいるモブクラスだな
プレイヤーから視認すらさせない八幡のぼっち力マジ最強

自己紹介でぷーくす食らう(つっても少なくとも年一のペースで食らう)という新たなトラウマを抱えつつ、一旦家に帰ってから765プロに向かう

今日はアイドルが全員集まる日だそうだが、事務所としてはかなり致命的な気がするなこれ

ちなみに親からの許可はすんなり取れた
社長が家に来て両親に話をしたら、二人とも二つ返事で了承してた

特に親父、厄介払いできてよかったっていう顔はやめてほしかったな
お袋も嬉しそうな顔だったし

俺の心にスレンドスピアのクリティカルヒットで3倍ダメージ的な傷つき方したよ、うん
あの地味に高い威力とささやかな5%で何回幸運低いやつやられてリセットしたと思ってるんだ

電車に揺られて約一時間、歩いて10分以内でやっと765プロ本社に到着だ


八幡「つーか、ほんとについてくんのかよ」

小町「ふっふっふっ。お兄ちゃんの今後を左右するということで、忙しいお父さん達の代わりでついてきましたー!」


小町的にポイントたかーい、とルンルンしている様を眺めるのはなんだか滑稽だった

電車賃に借りる為の交換条件とはいえ、本当に一緒に来るとはなんと暇な奴なんだろう
父と母から借りるという選択肢は絶対なかったので、しょうがないと言えばそれまでだが

ヒイコラ階段を上る
社長曰く、エレベーターが直る予定はないそうな

小町「いやー、さすがにしんどいねー」
全くだ
俺の為にも早くエレベーターを直してほしいもんだ

少しガタのきている扉がやっと見えてきた
この扉が、ここのビル周辺の場末感をより感じさせるようにも見える
若干擦れたアイドルの文字を見て、ふと思い出す



君にとって、『アイドル』とは?

社長に問われたことだが、俺には想像もできなかった
考えたことすらなかったので当然ではある
それより、上手くやっていけるのかとか、そもそも会話できるのだろうかとか、不安の方が大きい

しかし、ここまで来てしまったからにはショーマストゴーオンというやつだ

小町「ほらほら、物思いになんてふけらずに入っちゃおうよ」

わかったわかった
すぐ開けるよ
俺は扉に手を掛け、そして…





「ようこそ、765プロダクションへ!!」



一歩を大きく踏み出した

今回はまた短いですが、ここで投下終了です

第1話は奉仕部関連までの予定ですの
で、まだ先は長いですがどうぞお付き合いください

遅くなってしまい申し訳ありません

ほんの少しですが投下します

4月15日

先週の嵐のような質問タイムと、滝のように激しい雑談タイムを思い出す
小町を生贄…もといリリースしていなければ危ないところだった

そのせいか話を避けていたせいか、小町にかなりなじられてしまった
だけれども、ぼっちに人と会話しろだなんて酷ではなかろうか


それに、

平塚「比企谷、この作文の説明をお願いしようか」

今からさらに酷な目に会うのだから大目に見てほしいもんだ


……

そのまま紆余曲折あり、奉仕部なる部活にぶち込まれる結果となった
バイトしている、という言い訳も空いている日にくれば問題ない、と押し切られてしまった

とりあえず今日は少し遅い時間からなので、僅かながらも奉仕部に顔を出すことにする

雪ノ下「…」

八幡「…」

お互いかすかに様子を見ながら本を読んでいるだけだが、この部活はこれでいいのだろうか

雪ノ下「ねえ、比企谷君」

目線だけで応対する

雪ノ下「バイトをしているそうね」

八幡「悪いかよ」

雪ノ下「横領でもされて奉仕部の名に傷がついたらたまったものではないもの」

いきなりあらぬ疑いをかけられてしまった
顔合わせの時からこういうタイプの罵倒が飛んでくるもんだからたまったもんではない

八幡「不正するって前提をまず改めろ。俺がレジ打ちとかの横領できそうなとこに回れると思ってんのか」

雪ノ下「あら…ごめんなさい、失念していたわ。不正ガヤ君に任せられる部署ではなさそうね」

八幡「さらっと名前を不名誉なものにしてんじゃねえよ」

余談だけど、事件が起きると不思議と疑いの目がかけられるってなんの法則によるんだろうな
ああいう時に限って注目されるなら、なんで普段はいないものとして扱われるんだろうか

雪ノ下「それは捕まってから考えるとして」

八幡「俺が悪事に手を染めるのは確定なのかよ」
俺がバイトをしていることを尋ねられたはずなのに、なんでこんなにダメージ受けないといけないのか

雪ノ下「奉仕部に顔すら出せない時間があるなんて随分なバイトね」

八幡「まあいろいろあるんだよ」

雪ノ下「そう。学業などに影響が出ないように気をつけておくようにね」

そんなことは重々承知している
心配される謂れはない

それ以降はお互い喋らず、そのまま下校となった

放課後

家に帰ってスーツに着替えて電車に飛び乗り、765プロに到着した

八幡「おはようございます」

社長曰く、仕事入りはこう言うのが礼儀みたいなもんらしい

赤羽根「ああ、おはよう」

出迎えてくれたこの人は俺と同じ新人プロデューサーだそうな
小町に見た目では勝ててる要素が見当たらない、と猛烈なディスりを食らったのは記憶に新しい

音無「あら、比企谷さんおはよう」

こっちの落ち着いた女性は事務員、音無小鳥さんで、なんか包容力に満ち溢れている大人な感じが漂う人だ

指輪してないけど、多分既婚なんだろうな
かなり美人だし、胸おっきいし太ももすばらしいし

八幡「仕事はどうですか?」
他人の関係などを邪推するのもまずいので、仕事の話題にしてみる
別にシモい事を考えて収まりが悪いとか、そういうわけではない

赤羽根「いやー、まー、あはは」

どうやら今日も鳴かず飛ばずらしい
ここのみんなは素材は間違いなく戦えるレベルだと素人目でもわかるのに、なぜここまでボロクソに落とされるのだろうか

伊織「もー!なんでこの伊織ちゃんがオーディションに受からないの!?」

やよい「今月お仕事がなかったら大ピンチだよー…」

おでこがチャームな方が水瀬伊織、首にかけられた財布が目立つのが高槻やよい、だったはずだ

水瀬は雪ノ下財閥といい勝負できるほどの水瀬財閥のトップの娘だとのこと
雪ノ下といい水瀬といい、いいとこの娘さんはいろいろアグレッシブらしい

やよい「あ、比企谷さんおはようございます…」

八幡「おう、おはよう」

普段は元気満々な娘なのだが、その元気もどこへいったことやら
聞けば家計が苦しいらしく、それを少しはマシにするためにアイドルをやってるそうだ

亜美「はちにー、お仕事ほしいよー」

真美「ほしいよー」

こっちの二人は双海亜美と真美だったな
双子でアイドルと、とても珍しい娘たちだ

この二人には先の一週間でかなりの回数のいたずらをされたが、今はやはりする気も起きないようだ

『はちにー』とは、どうやら俺のあだ名らしい
比企谷とか八幡以外の呼ばれ方をされた経験は皆無に等しいので(ヒキガエルなどはNG)、呼ばれるたびに若干キョドりそうになる

八幡「しかし、一週間様子を見てますけどいよいよ芳しくないですよこれは」

赤羽根「うーん、そうだよな」

八幡「とりあえず原因を探ってみませんか?」

赤羽根「別に、みんな致命的なミスをしてないはずなんだよな」

だったら問題点はなんなのだろうか
答えを出すには材料が全く足りないし、どうしたものか

音無「あのー、二人とも。ちょっといいですか?」

すると音無さんがあるものを見せてくれた


…なるほど、これじゃ仕事の取りようもない訳だった

今回はこれで投下終わりです

投下するときは20レス分ぐらい一気に投下したほうがいいですかね?

なんとか完成できたので投下します

ここからは、大体の流れは原作と同じですが、色々な点を自分なりに変更しております

なんとか完成できたので投下します

ここからは、大体の流れは原作と同じですが、色々な点を自分なりに変更しております

4月16日

あれから、765プロの財布の紐を握る秋月さんに3人がかりで頭を下げることで、コンポジットの撮り直しを取り付けることができた

秋月さん曰く、次のステージの衣装のために金庫のお金をほとんど吐きだしてしまったそうな

いかに文系脳の俺でも、収入がないのにその状態がまずいのは察しがつく

雇われた瞬間に経営が傾かれると、疫病神の名を欲しいがままにしてしまうので、気張ってお辞儀させてもらった

今は奉仕部でコンポジット再作成のスケジュールを確認している

電車の乗換を考えると、何時までに最寄りの駅に着かないといけないか、確認する

??「失礼しまーす」

すると、優しげなノックとともに1人の女の子が入ってきた
確かリア充グループの一人、だったはずだ
もちろん話したこともないから名前までは出てこない

??「え!?なんでヒッキーがここにいんの!?」

向こうには悪名が知られてて、こっちは逆に全く知らないってぼっちあるあるだよね!
つーかヒッキーって俺のことかよ

八幡「まあ、俺ここの部員だし」

入部届書いてないから実は部外者だった、みたいな展開にならねえかな

雪乃「2-Fの由比ヶ浜結衣さんよね?とにかく座って」

こいつ、こういうのも把握してんのかよ
誰?って初対面で聴かれた俺とは比較にならない待遇の差を感じる

八幡「俺は『誰?』だったもんな」

雪乃「ごめんなさい、あなたのことを知りたくなかった私の心の弱さに問題があるわ」

八幡「慰めてすらねえよそれ」

結衣「なんかこの部活楽しそう!」

舌戦が続いた後で、目を輝かせながらこの爆弾発言だ
この会話に面白味を見出せる悪趣味なセンスは褒めておこう

雪乃「それで、由比ヶ浜さん。依頼とはなにかしら」

結衣「あーっと、それなんだけどね…」


……

調理実習室

雪乃「クッキーを作りたい、と」

話をまとめると、誰かさんへのお礼として手作りクッキーを作って、その人にプレゼントしたいそうな

結衣「あんまり料理の経験がないからサポートお願い!」

雪乃「まずはこの本のとおりにやってみてはどうかしら」


そこから15分しがた経ち、木炭のような物質が湯気を上げていた

結衣「うーん、上手くいかないなー」

雪乃「もう一度やり直してみましょう」

由比ヶ浜は諦めの表情を浮かべ、拗ねたような声を出す

結衣「私にはやっぱり無理だよ、才能ないかもだし…」

その言葉を聞いて、雪ノ下の目から若干の怒りを感じるようになった

雪乃「甘えたこと言わないで。最低限のことすら成さずに才能の有無をとやかく愚痴るのは不快だわ」

かなり棘を感じる言葉だ
やはり、こいつは攻撃して突き放すタイプのようだな
まあ俺との会話で察しはつくが

結衣「か、かっこいい…」

ん?雪ノ下のキツイ一撃で緩かった頭のネジがついに吹っ飛んだのかな?

結衣「雪ノ下さん、凄いね。周りに媚びずに思ったことを言えるなんて。私なんて周りに合わしてばっかなのに」

どうやらそうではなく、本人なりにもっともな理由があるようだ

結衣「よし、もう一回やってみるよ!」

由比ヶ浜の士気も高まったようだ

さらに15分後、少しマシになった木炭の山の出来上がりだ

結衣「やっぱりダメだー…」

雪乃「なぜこうも失敗できるのかしら」

雪ノ下もうんざりしているし、俺のターンに入っても良さそうだ
ここで、一つの疑問を問うてみる

八幡「なあ、なんで美味しいクッキーを作ろうとしてんだ?」

雪乃「あなたは何をほざいてるのかしら」
お願い、そこまで攻撃的な視線を投げつけないで

自分のバッグの中のある存在を思い出す
こういうことに使いたくはないが、使えるものは使わしてもらおう

八幡「俺のバイト先の子に貰ったクッキーの余りだ。食べてみてくれ」

結衣「え!?ヒッキーバイトしてたの!?」

八幡「始めたばっかだけどな」
驚かれた理由が俺がバイトなんてできなさそうだから、とかはやめてほしい

雪乃「そうよね、由比ヶ浜さん。この男がバイトなんてできなさそうに決まってるわ。私も初めて聞いた時は我が耳を疑ったわ」

お前が言うな
さらっと共通認識のように言うのもやめてほしい

八幡「まあつべこべ言わずに食ってみろ」

2人はゆっくりと口に運ぶ

結衣「う…すっごく甘い…」

雪乃「確かに、市販のものと比べても甘いわね」

うむ、期待通りの反応だ

八幡「そうだろう。俺も食べた時は目が飛び出るかと思った」

立て板に水、とばかりに言葉を続ける

八幡「そのクッキーを作ってくれた子は、仕事が終わってヘトヘトになっても、甘いものを食べて元気になってほしい。という願いを込めて砂糖たっぷりで作ったらしい」

雪乃「それで、気持ちを込めればそれでいい、ということを言いたいのかしら」

さすが校内一位の成績
頭の回転が速くて助かる

八幡「ご明察。見栄もあるかもしれないが、気持ちがこもっていないことには何を貰っても同じようなものだ」

結衣「確かに、一理あるかも」

八幡「そういうことだ。どういうものを渡したいのか、もう一度考えてみたらどうだ?」

さすがの雪ノ下でも、反論はできないようでむっすりした顔で俺を睨んでいる

結衣「うーん…」


……

そこから話がまとまるのは早かった
とりあえず、由比ヶ浜は手作りのクッキーを渡すことにしたようだ

『下手でも、下手なりに味を考え、外装も考える』

今回の依頼はこれでカタがついた


雪乃「ねえ」

下校前、雪ノ下が話しかけてきた

八幡「なんだよ」

雪乃「ずるいのね、あなたも」

八幡「…なにがだよ」

雪乃「いいえ、取り消すわ。今日はこれで部活も終わりよ」

八幡「そっちから振ってきて、それはないだろ」

雪乃「訂正はしたわ。この話はこれでおしまい」

ぶっきらぼうに返される
その言葉を聞かされた俺は、駐輪場にいつもより早歩きで向かった


ただ、ずるい、と言われたことが頭の中にいつまでも刺さり続けていたが、無理矢理忘れることにした


……

翌日

ああいう出来事があっても、部活は今日も問題なく始まる

部室で本を読んでいると、由比ヶ浜が強めのノックをしながら入ってきた


由比ヶ浜がお礼として手作りクッキーを渡してくれた

1日で作ったにしては綺麗な包装を丁寧に剥ぎつつ、中の昨日よりはマシなクッキーとご対面だ

あまり味を感じないように、一気に食い尽くした

苦い、とかく苦い

ひたすら甘いあいつのクッキーを家に忘れてきたことを悔やみながら、ごちそうさま、の一言だけは忘れずに呟いた

第1話 こうして彼らの間違った青春と、彼女たちの青春が始まった


比企谷八幡視点 完

今回の投下はこれで終わりです


次回は第2話ではなく、第1話の別視点を投下したいと思います


また長らくお待たせするとは思いますが、お待ちいただけると幸いです

更新します

春香視点

4月8日


こんにちは、天海春香です!
765プロでアイドル候補生をやってます!

765プロは優しくて、楽しい仲間がいっぱいなんです
私がとっても大好きな場所なんです!

そんな765プロに、新しい人が来てくれるかも、と社長さんから聞きました
どんな人がやってくるのか、とても楽しみです!


……

765プロ


??「なるほどー。そっちが千早さんで、こっちが雪歩さん、と」

頑張って私たちの名前を覚えているこの子は比企谷小町ちゃん

??「俺より真面目に覚えようとすんのね、お前」

小町「そりゃお兄ちゃんが人生初のたくさんの女の子とお関わりになれるバイトなんだから、小町が手取り足取りいろいろしてあげないとね。あ、今の小町的にポイント高くなーい?」

??「そもそもお前もバイト経験ないだろ。しかもそんなにポイント高くなーい」

もう一人の男の子が比企谷八幡くん
この765プロのプロデューサー候補生だそうです
この2人は兄弟で、見るからに仲が良さそうだね

ただ、話に参加できない真あたりがそわそわしてきてるから、何か私でもわかる話題を振らないとね

春香「比企谷くんはどう社長に誘われたの?」

八幡「そ、そりゃ、あ、あれだよ。あれ」

小町「ごめんなさい、春香さん。うちのお兄ちゃんは女の子、というより人全般との会話が不得手なんですよ」

八幡「何言ってんだ。人との会話が不得意なんじゃなくて、しようとしないだけだ」

小町「はいはい。今は目の前の春香さんやみなさんに集中しようね。まずは自己紹介しないと」

八幡「え?マジでやんの?」

春香「大丈夫、まずは自己紹介しようか」

みんなも比企谷くんに視線が釘付けになったところで
比企谷くん、一発お願いします!

八幡「…ひ、比企谷八幡でひゅ…です…」

春香「…」

小町「…」

八幡「…」

一同「…」

春香「…え?おしまい?」

八幡「…………」


……

小町「本当にごめんなさい、うちのダメ兄がご迷惑を」

春香「いいよ、悪いことじゃないし」

あれからすぐ、比企谷くんはお手洗いに駆け込んでしまいました
比企谷くんと仲良くなれるのは、まだ前途多難なようです

あずさ「洗面所の鏡の前で落ち込んだ感じでなにかつぶやいてたけど、大丈夫かしら」

伊織「なによ、男のくせにだらしないわね」

小町「まー、うちの兄はあれがデフォルト設定みたいなもんなので、大目にみてあげてください」

響「普段からあそこまでネガティブそうなのか?」

別段悪い人ではなさそうだけど、コミュニケーションが不得意なのかな?
目つきは少し怖いけど、これなら多分大丈夫、だよね?

小町「明日からはお兄ちゃん1人ですが、どうか皆さん邪険にはしないだけてください」

春香「大丈夫だよ。きっと仲良くできるよ」

小町「そうですか。それでは、小町はこれにてお暇をもらいますねー」

小町ちゃんはいそいそと出ていきました

小町「その前にー。さ、お兄ちゃん。後はお兄ちゃん次第だから頑張って」

八幡「おいよせやめろ。俺は自己嫌悪に忙しいんだ」

どうやら比企谷くんを連れて戻ってきてくれたみたいです

小町「そうだ、帰りに石鹸買ってきてねー」

そう言って、小町ちゃんは今度こそ帰ってしまったようです

八幡「あ、おい。…はあ」

八幡「…改めて、比企谷八幡です。趣味は読書。よろしく」

春香「…!…はい、こちらこそよろしくお願いします!」

自己紹介も終わったし、これから頑張っていこうね!比企谷くん!


……

……

赤羽根「比企谷八幡君だね。俺も今春からここで働くことになったんだ。よろしくな」

八幡「あっ、ハイ」

赤羽根「みんなの顔はもう覚えたかい?」

八幡「ええ、まあ資料は見たので」

赤羽根「お、それなら上出来だ。じゃあ、あそこにいる事務員の音無さんから簡単な話があるから、行こうか」

八幡「はい」

早速お仕事モードみたいですね
かくいう私たちもレッスンがあるから長居はできないし、頑張っていこう!

春香「そろそろレッスン場に行ってきます」

赤羽根「ああ。気をつけてな」

春香「はい!」

八幡「…」

春香「比企谷くん!」

八幡「!?」

春香「行ってきます!」

八幡「お、おう」

バタンッ


八幡「………」

赤羽根「ん?どうかしたか?」

八幡「…いえ、大丈夫ですよ」


………

レッスン場

真「春香、新しい人、どうだった?」

春香「うーん、まだなんとも」

雪歩「なんだか、目が怖いですよね…」

千早「私としては、ちゃんとプロデューサーとしての仕事をしてくれればそれでいいわ」

美希「見た感じ、目つきさえ悪くなければイケてると思うな」

真美「あのミキミキ師匠がかなりの高評価、だと…」

亜美「でもさー、いい加減様子見るのも飽きてきたし、歓迎のイタズラしようよー」

真美「そだねー。じゃあ、レッスンが終わったらいつものとこいこー」

亜美「さんせー」

伊織「頼りにならなさそうなのがいきなり2人も増えるなんて、うちの事務所の行く末は問題ないのかしら」

やよい「伊織ちゃん、プロデューサーも比企谷さんも優しそうだから大丈夫だよ」

真「悪い人ではないんだろうけど、雰囲気が話しかけにくい、っていうか…」

響「確かにそれはわかるぞ。妹さんにはあそこまでフランクなのにな」

あずさ「私の友達にも、家族と話すときは明るい子はいるし、彼もそうなのかも」

貴音「もしかしたらあの方は新しい環境に不安を抱いているのかもしれませんね」

春香「うーん、やっぱりご飯に誘う。みたいな無難な線からがいいのかな」


ガチャ

赤羽根「みんな、調子はどうだ?」

一同「お疲れ様です!」

八幡「…お疲れ様です」

春香「あっ!来てくれたんだね!」

八幡「まあ、仕事だからな…」

赤羽根「今日はトレーナーさんもお越しになるから、比企谷君も挨拶しておこうか。それまでレッスンの見学と、律子の指導を見てどんなことをするかも学んでほしい」

八幡「わかりました」

真美「えー?鬼教官りっちゃんの指導は勘忍してよー」

亜美「亜美達にも人権あるよー」

律子「ほほう、なるほど。私の指導はそんなに亜美達のためになるんだー」

亜美真美「!?」

律子「大丈夫、今日は新人さんが来てるから元よりバリバリにするつもりだし、あそこの2人は無駄口叩ける元気があるからなおさらキツくしても良さそうね」

亜美真美「りっちゃーん、どうかご無体をー」

律子「はい!休憩そこまで!まずは振り付けから!」

亜美真美「うへぇ…」

真「まあ頑張ろうか」

雪歩「そうだね」


……

律子「はい、今日はここまで!」

真美「ふへぇー…」

亜美「ちかれたよぅ…りっちゃん鬼すぎぃ…」

真「雪歩、大丈夫?」

雪歩「さすがに、座りたい、かな」

美希「うぅ…律子、さんは厳しすぎなの」

赤羽根「おーい、みんな。ドリンク渡すからゆっくり飲めよ」

貴音「ありがとうございます」

八幡「ほいよ」

やよい「あ!ありがとうございます!」

八幡「ッ?!」

伊織「なに頬赤らめてんのよ!」

響「やよい相手にそれはちょっと…」

雪歩「…」

八幡「なんか主に精神の状態が悪くなってきたんで早退とかありですか?」

律子「なしで」

春香「あはは…」


……

律子「初日から詰め込みすぎるのも良くないし、今日はこんなところね」

八幡「わかりました。資料は持ち帰らせてもらいます」

赤羽根「少し遅いけどお昼を食べないかい?」

八幡「大丈夫ですよ。お昼ならもう食べましたから。それでは失礼します」

春香「今日はもう終わり?」

八幡「天海か。そうだ、さすがに働き始めだしな」

春香「今日は時間ある?」

八幡「あるにはあるな」

春香「じゃあ、この辺りの案内をしたいんだけど、どうかな?」

八幡「いいよ、別に」

春香「まあまあ、そんなこと言わずに」

八幡「おい、あんまり押すなよ」

春香「う、おとっ、て、うわあ!」

ドテーン!

八幡「うぐぐ、早く背中から離れて、欲しい」

春香「あ、ごめんね!大丈夫、怪我はない?」

八幡「特にねえよ」

春香「ごめんね、私ドジで転びやすくて、その、えっと」

八幡「大丈夫だ、プロフィールにも書いてたぞ」

春香「え、それほんとに!?まあ、それはさておき出発!」

八幡「結局強引に連れてかれるのね」


ガチャ


春香「どうだった?うちの事務所」

八幡「なかなか個性的なんじゃねえの」

春香「慣れそう?」

八幡「どうだろうな」

春香「どうして?」
八幡「早々に黒歴史を3つも生み出してしまったからな。一応言っとくが高槻にどうこうしようとか思ったわけではなくて、動物的な愛くるしさを感じただけだから勘違いしないでくれよ」

春香「そ、そうだね」
八幡「今のは口が滑っただけだから。頼むからそんな露骨な愛想笑いしないでくれ、頼むから」

春香「ふふっ、比企谷くんって面白いんだね」

八幡「まあな、面白すぎて一人で勝手にニヤついて周りにドン引きされるまであるからな」

春香「ふーん。そうだ、比企谷くんはなにか好きな食べ物ある?」

八幡「好きな食べ物か……そうだな、ラーメンとか」

春香「ラーメンかー。じゃあ、お菓子はなにが好き?」

八幡「お菓子は選り好みなく食べるな。元々甘いの好きだし」
春香「たまにお菓子作るから持ってきてあげるね」
八幡「ああ。いつかな」
春香「楽しみにしててね。あっ、もう駅だ」
八幡「まあこの辺の立地も大方わかった。付き合わせて悪かったな」
春香「うん。それじゃ、また明日もよろしくね!」
八幡「お、おう」

甘い物が好きなんだ
それじゃあ、とっておきのを作ってこなくちゃね!


……

春香編の一話の一部は完了しましたが、地の文多さと会話文の長さなどで、問題ありましたか?


またまたアンケートのようなものです

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月29日 (水) 09:10:53   ID: m3PRNXLN

期待してる

2 :  SS好きの774さん   2015年04月29日 (水) 12:35:45   ID: jEJrGC_Z

期待しています

3 :  SS好きの774さん   2015年05月13日 (水) 23:19:47   ID: 0ovMUTYJ

待ってまーす

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