【PSYCHO-PASS】常守「仮面ライダー…!?」【仮面ライダー555 feat.ディケイド】 (56)

仮面ライダーとPSYCHO-PASSのクロスオーバーモノ第二弾です。
前のお話↓
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429488627

常守(東金事件が解決してから3ヶ月…壊滅しかけたこの国も、立ち直ろうとしている。)

常守(…でも。復興の過程で私はまた多くの潜在犯を手にかけた…)

常守(私は…時々正気なのかわからなくなる…)

常守(門矢さん…狡噛さん…私は正気なんでしょうか…)

隔離施設

雑賀「なるほど、それでお前さんは悩んでいるわけだ。」

常守「…執行した潜在犯の数はもう数え切れません。それでも、私の色相がクリアカラーなのは…私はもう壊れてしまったんじゃないかって…」

雑賀「心とPSYCHO-PASSはまた別のものだ。」

常守「そんなものなんでしょうか…」

雑賀「シビュラがお前さんを監視官として認めているのは、お前さんの心がまともだと認め、お前さんがこの国の正義を守り通せると信じているからだ。違うか?」

常守「…そう、ですよね」ニコ

雑賀「自信を持て、じゃないと、飲み込まれるぞ。」

常守「…はい。」

車内

常守(雑賀先生は、私の正気を信じて疑わなかった…でも…)

プルルルルル

常守「…はい、常守です。」

霜月『先輩、新宿、商業施設付近で暴行事件が発生しています。地図を送るので鎮圧に。』

常守「わかったわ。」

常守(…また、これだ。事件が起こる度に、私はドミネーターの引き金を引き、潜在犯を…せめて、エリミネーターが起動しないことを祈ろう。)

新宿・商業施設

常守「やめなさい!」

市民A「こ…公安の常守だ!」

市民B「逃げろ!殺されるぞ!」タッタッタッ

常守(『公安の常守』…これは、この世界において殺し屋の代名詞のようなものになりつつある…それが、また、私を…ダメ。今はこの人を…)

常守「大丈夫ですか?公安局です。あなたを保護しに来ました。」

???「…お前、ひどい顔してるな。」

常守「え?」

???「特に、目だな。お前の目、死んでるぞ。」

常守「…」

???「怪我の方は問題ないからな、俺はもう行かせてもらうぜ。」

常守「ちょっと、待ってください!」

???「!…おい!お前、伏せろ!」

常守「えっ!?」

ズドン!!

オルフェノク『こうなったら…公安の常守…!お前を道連れにしてやる!』

常守「怪物…!?」

???「ここは俺に任せろ。」

5・5・5 standby

???「変身!」

complete

常守「仮面ライダー…!?」

???「はあっ!」

オルフェノク「ぐあっ!」

ready ガチャッ ガシャッ

???「手早く終わらせてやるか。」

exceed charge

???「ハアーッ!」

チュドーン

常守「…」

ヘンシンカイジョ

???「…」

常守「…あなたは…?」

乾「…巧。乾巧だ。」

常守「乾さん、さっきのは、一体?」

乾「ファイズの力、俺はそう読んでいる。」

常守「仮面ライダーの一種なんですか?」

乾「質問が多いんだよ…悪いが、今度こそ失礼させてもらうぜ。」

ブゥーン

常守(仮面ライダー…ファイズ。また、仮面ライダーがこの世界に現れた。)

霜月『先輩、なにかありましたか?』

常守「はい。また、『仮面ライダー』が現れました。」

霜月『『仮面ライダー』…』

常守「報告のために、現場はドローンに一任し、私は公安局に戻ります。」

霜月『わかりました。』

常守(あの、灰色の怪物…何が起こったっていうの…?)

公安局 刑事課一係大部屋

常守「ただ今戻りました。」

宜野座「大丈夫か?」

常守「はい。それでは、先程の件について、詳細な報告を。」

カクカクシカジカ

東金「つまり、妙な怪物と、門矢士以外の仮面ライダーが出現した、と。」

常守「はい。その変身者、つまり乾巧は、ファイズ、と呼んでいました。」

常守「唐之杜さん、公安局のデータには…?」

唐之杜『ないわね…監視カメラの顔から検証してみたけど…該当する人物はなし。』

常守「日本語も自然だったことから、密入国者とも考えにくい…」

六合塚「異世界からの来訪者、と考えるべきですね。門矢士や海東大樹と同様に。」

常守「…」

雛河「…で、でも、なんでそんなことが起こっているんだろう…」

常守「わからないわ。だから、まずはそこの捜査を始めましょう。」

???

乾(不思議なオーロラに巻き込まれたと思ったら、訳のわからない世界にたどり着き、俺は暴漢に襲われた。どうなっているんだ…)

乾(この世界でも、人を襲うオルフェノクは存在するらしい。さっきはあの女を助けるために変身したが、俺の身体はもう、戦いに耐えられるものじゃない…)

乾(…どうすればいい?俺は、どう生きればいい?啓太郎も、真理もいないこの世界で。俺は…)

市街地 夜

常守(捜査は一向に進まない…そもそも、どこから切り込んでいけばいいのか…)

乾「なんで入れてくれねえんだよ!」

店員「そりゃ、あんたの色相が悪いからに決まってるからだよ!公安を呼ぼうか?」

乾「なんだよ、色相とか公安とか…」

常守(乾さん…?)

タッタッタッ

店員「公安の常守だ、ほら、お迎えが来たよ。」

乾「迎えなんか頼んでねえよ。」

常守「ちょっと、乾さん、何やってるんですか?」

店員「いや、ね、常守さん、この男、色相はめちゃくちゃなのに店に強引に入ろうとしてるんですよ…」

乾「なんで店に入ろうとしただけで追い出されなきゃなんねえんだ。俺はラーメンを食いたいんだよ。」

常守「…乾さん、ラーメン食べたいんですか?」

乾「ああ。」

常守「追い出されないところ、ひとつ知っているので、ついて来てくれますか?」

乾「…わかった。」

公安局 食堂

乾「お前は何も食わないのか?」フーフー

常守「夕食はもう済ませたので。」ニコ

乾「そうか…」フーフー

常守「乾さん…」

乾「なんだ?」フーフー

常守「猫舌…ですか?」

乾「…それがなんだ。」フーフー

常守「」

乾「あっつ!」

常守「…」(ひどい猫舌だなぁ…)

乾「しっかし、変なところに来てしまった。」フーフー

常守「やっぱり、この世界の人じゃないんですね?」

乾「だろうな。少なくとも、俺のいた世界はここまで…ここまで苦しくはない。」フーフー

常守「苦しい、ですか?」

乾「なんだろうな、大きなものに支配されて、人の心さえも自由ではないような。そんな居心地の悪さを感じている。」

常守「居心地の、悪さですか…私も、時々感じてしまうんです。」

乾「そうか。」

常守「…」

乾「…」

常守「…すいません、なんか、変なこと言っちゃって。」

乾「…あぁ。」

常守「これから、どうするんですか?」

乾「さあな。とりあえず、こんな狭苦しいとこは出ていこうと思う。」

常守「捜査のためにも、本当はとどまって欲しいんですけれど…わかりました、止めません。」

乾「…そうか。ご馳走さん。」ガタッ

常守(乾さん…不思議な人だ…)

翌日

公安局 局長室

常守「今度の要件は何?」

禾生「新しい公安の人事について、君に頼みがあってね。執行官一名と分析官一名の招聘について協力して欲しい。」

常守「それは誰なの?」

禾生「君も良く知る人物だ。新たな分析官には、雑賀譲二に就任してもらう。現任の唐之杜志恩はそのまま。単純な増員だ。そして、新たな執行官として…」

禾生「乾巧。彼を採用する。」

常守「!」

禾生「君の報告によると、彼もまた仮面ライダーのようだな。」

常守「仮面ライダーの力を、公安の力にするつもりなの?」

禾生「ああ、そのとおりだ。」

常守「昨晩、彼と接触してけれど、彼がそれを承諾するとは思えないわ。」

禾生「そう、だから、少しでも面識のある君に説得をしてもらいたいのだ。」

禾生「君は乗り気ではないだろうが、これはチャンスでもある。乾巧は紛れもない潜在犯だ。それを公安局の中に連れ込んでおきながらみすみす市街地に再び放ってしまった。重大な背任行為だ。本来であれば、監視官の権限を剥奪するところだが、我々は君を気に入っている。ここで乾巧を執行官にできたら、今回の件は不問に付そう。」

禾生「しかし、君の今の心理状態は決して芳しいものではないようだね…さしずめ、公安の尖兵となり、潜在犯たちを執行し、民衆から恐れられることに疲れた、というところかね?」

常守「知ったような口を聞かないことね…」

禾生「いくら強靭な精神を持っていようとも、そうなるのは仕方が無いだろう。そこで、だ。君には、一週間の休暇を与えよう。」

常守「休暇…!?刑事課の人員不足に喘いでいるこの状況で?」

禾生「その通りだ。人員の不足は確かに問題だが、今いる監視官を減らさないよう務めることも重要なことだ。君の色相はまだ規定値を逸脱していないが、このまま任務を遂行し続けることにより、君が潜在犯化することは十分に考えられる。ちなみに、これは決定事項だ。君は今この瞬間から一週間、公安局の職務に関わることはできない。謹慎といってもいいだろう。霜月監視官にはすぐに伝える。健康な精神を取り戻して来い。我々には、君が必要だ。」

常守「…仕方ないわね…わかったわ。」

公安局 食堂

霜月「はぁ…なんで急に先輩の仕事まで振られなきゃいけないんですか…」

六合塚「大丈夫?」

霜月「正直、大変です(苦笑)」

六合塚「無理は禁物。何かあったら私たち執行官を頼っていいのよ。監視官の負担を軽減するのも執行官の役目なんだから。」

霜月「そう、ですね…でも、やっぱり難しくて…」

六合塚「潜在犯は、信頼できない?」

霜月「…弥生さんは、信頼できます!でも、ほかの人達は…」

六合塚「あなたが経験したことを考えれば、無理もないわ。執行官を信頼できないなら、青柳監視官や酒々井監視官を頼るのも一つだと思う。」

青柳「呼んだかしら。」

霜月・青柳「「!?」」

青柳「そんなに驚かなくてもいいじゃない。別に幽霊が出たわけじゃあるまいし。」

霜月「…アハハ…」

青柳「で、何を話してたわけ?良かったら聞かせてくれる?」

霜月「カクカクシカジカ」

青柳「なるほどね、執行官との信頼関係、か…私も悩んでいたことね…」

霜月「青柳監視官はどう解決したんですか?」

青柳「…ごめん、それはあまり聞かないでくれるかな。でも、私からのアドバイスをするなら、深くハマりすぎるな、てことかな。強すぎる好意も強すぎる憎悪も、結局は自分の色相にマイナスになるから。アドバイスになってなかったらごめん。」

霜月「いえ、参考になります。」

青柳「ところで、霜月監視官、あなたは、今度の強制捜査、どう思う?」

霜月「東金財団への強制捜査、ですか?」

青柳「ええ。」

霜月「私は…」

公安局 局長室

禾生「今回の捜査は時期尚早。そう思うのももっともだ。乾や雑賀が加わる前、そして、常守がいない状態で捜査に臨む。ハイリスクな上、リターンは望めない。そう、その通りだ。今回の強制捜査は、いわば囮。向こうの出方を伺うための策だ。なに、今度は損害は出さないだろう。こちらには、新兵器があるのだからね。仮面ライダーと言う名の。」

常守宅

常守「はあ…まさか謹慎になるとは…」

キャンディ「気分転換に旅行はどうでしょうか!」

常守「旅行かぁ…」

キャンディ「車に乗って海を見に行くというのがオススメですよ!」

常守「海かぁ…行ってみようかな。」



常守(久々に海を見たけど、やっぱりきれいだなぁ)

常守(一応キャンプ用品は一通り持ってきたし、食料や水も困らない分は持ってきた。泳げないけど、水着も持ってきたし…あれ?あそこにいるのは…)

常守「い、乾さん!?」

乾「お前は!?」

乾「ラーメンの女!」

常守「?!」

乾「…そういや、名前聞いてなかったな。」

常守「常守朱です。」

乾「朱、か。」

常守「乾さんは、なんでここにいるんですか?」

乾「迷ったときは、海を見ろ。知り合いの町医者が言ってたからな。とりあえず来てみた。お前は?」

常守「似たようなもんです。ちょっと、気分転換に。」

乾「そうか。」

乾「あいつが死んだのも、海だった…」

常守「あいつ?」

乾「かつて、一緒に戦った仲間がいた。愛する者のために、全てを犠牲にして、戦った仲間が、な。いけ好かないやつだったが、あいつはあいつなりの正義を貫こうとしていた。だが…あいつは、独りで戦った。俺たちが駆けつけた頃には、あいつはただの灰になっていた。」

常守「灰?」

乾「お前を襲った怪物達のことを、オルフェノクって言うんだが、あいつらに襲われ、殺された人間は大抵灰になる。草加も、そうだった…」

常守「そう、だったんですか…」

乾「オルフェノクとの戦いの中で、俺は友を、仲間を、大勢失った。やがて戦いは終わり、俺は生き残った。あいつらの死を無駄にしたくない、そう思って生きてたが、その思いだけが空回りしている気がしてな。」

常守「死を、無駄にしない…」

乾「…ああ。」

オルフェノク「ファイズ!」

常守「乾さん!」

乾「っ!?」

乾「…」ガチャリ

常守「乾さん…!変身してください!」

乾「…」

常守「乾さん!?」

乾「…俺は…あと、どれくらい戦える…?」ボソッ

オルフェノク「何をためらっている…ファイズ!」

乾「…」

ピピッ Battle mode

乾「オートバジン…逃げるぞ!朱!」

常守「逃げるって…!?ちょっと、乾さん!?」

オルフェノク「くっ!?何だこのバイク!があっ!?」

バババババババババババ

オルフェノク「くっ!?見失ったか!」

数分後

常守「はぁ…はぁ…」

乾「上手く撒けたか。」

常守「…なんで、なんで変身しなかったんですか?」

乾「!…それは…」

常守「何か訳があるんですよね。教えてくれませんか?」

乾「…無理だ。お前には、いう必要のないことだ。」

常守「…何でですか?」

乾「俺がいるせいで、お前は迷っているだろう?俺たちは知り合うべきじゃなかったんだ。お互いをダメにしちまう。じゃあな。」

常守「そんな…乾さん!?」

ちょっと離れたところ

???「乾巧、か。」カシャリ

翌日

東金財団 本部前

青柳「いよいよ突入ね…」

霜月「はい。」

宜野座「東金、大丈夫だな?」

東金「はい。今の俺には、この組織に未練はありません。」

霜月「作戦をもう一度確認します。今回の作戦メンバーには、監視官として私と青柳監視官が、執行官として東金執行官・宜野座執行官・六合塚執行官・須郷執行官が参加。酒々井監視官・雛河執行官・新庄執行官は公安局で遠隔サポートをします。彼らは有事の際の救出部隊としても動いてもらいます。作戦内容は簡単。監視官一人と執行官二人のチームを組み、それぞれ別の入口から侵入。内部の人間を動揺させた上で潜在犯の確保や薬品の押収を行います。」

全員「了解!」

霜月「それでは、各班突入!」

東金財団 北口 第一班
メンバー 霜月・東金・六合塚

タッタッタッ

霜月「公安局です!公安局権限により、東金財団及び関連企業の強制捜査に…あれ?」

東金「人の気配が全くない…」

六合塚「そして、荒らされた形跡がありますね。」

東金「防犯カメラも作動している様子がない。この建物のセキュリティは死んでいるようですね。」

六合塚「どういうこと?」

霜月「わかりません…」

東金「考えられるのは、何者かによる襲撃。もう少し進んでみることを提案します、監視官。」

霜月「現状、それしかなさそうですね。」

東金財団 南口 第二班
メンバー 青柳・宜野座・須郷

青柳「入るわよ…」

青柳「公安局刑事課です。公安局権限により、東金財団及び関連企業の強制捜査を行います。」

シーン

宜野座「誰も、いないのか?」

須郷「…?足音が聞こえてきます。」

コツコツコツコツ

職員A「あぁ、公安局の方ですか。ようこそ、お待ちしておりました。心より歓迎申し上げます。歓迎の印に、あなた方を天国へとご招待させて頂きましょう。」

青柳「ふざけないで!」

『犯罪係数286。執行対象です。』

職員A「そう来ると思っていましたよ。ですが、これではどうでしょう。」ニヤリ

オルフェノクニヘンシン

職員Aオルフェノク「この姿ならドミネーターは犯罪係数を計測できない。」フフフフフ

宜野座「まさか、そんなことは…」

須郷「計測できない…」

職員オルフェノク「そして、この施設には私のようなオルフェノクが大勢います。あなた方がこの施設に入り込んだ時点で、あなた方に勝機はない。」

宜野座「…勝機なら、ある。青柳、武装許可を。」

青柳「…仕方ないわね。宜野座執行官の変身を許可するわ。」

職員オルフェノク「変身?」

青柳「はい、バックル。宜野座くん、わかってるとは思うけど…」

宜野座「反逆行為の場合は即解除即処刑だろ?わかってるさ。」ガチャ

『バックルノ装着ヲ確認。装着者・宜野座伸元執行官。適正ユーザーデス。変身プロセスヲ行ッテクダサイ。』

宜野座「変身!」

『プロセス確認。』

須郷「これが…公安の新兵装『仮面ライダーシビュラ』…」

公安局 分析室

唐之杜「ついにお披露目ってわけね。私の趣味全開の『仮面ライダー』が。」

酒々井「これは…どう役に立つんですか?」

唐之杜「まず、スーツ。常人の三倍の力を発揮できるロボットスーツを導入したわ。そして、スーツ頭部には周囲の危機を感知するCPUとセンサーを搭載。で、何よりも…あ、水絵ちゃん、これ見て。」

青柳『宜野座くん、これも!』

シビュラ『すまない。』

『ドミネーター・X起動シマシタ。ユーザー認証・宜野座伸元執行官。適正ユーザーデス。』

職員オルフェノク『ちょっとちょっと…話が違いませんか…?』

唐之杜「頭部のセンサーやCPUと連動し、さらに通常のドミネーターよりも早い通信回線を使うことで、相手に銃を向けた瞬間に適切な執行モードで撃てるという優れもの。執行モードに合わせた変形がないから、タイムラグも少ない。さらに、バッテリーも通常のドミネーターの五倍積んでるわ。」

酒々井「とにかく、すごいんですね…」

東金財団

シビュラ「決めるぞ!」

ズバン!

職員オルフェノク「ぬあああああ!」

ドカーン

シビュラ「終わったか…」

青柳「そうね、お疲れ様。」ポチッ

宜野座「一瞬で解除された…すごいな。」

青柳「私もびっくりよ。」

おはようございます、主です。

続き書く前に設定とかどうでもいいこととか書いていきます。

一応たっくんは本編から12年くらいたったのを想定してます。町医者描写もありますが、昭和対平成と同一というわけではないので、やっぱりうじうじしてます。

それにしても、今回は常守もうじうじしすぎな気がしました。自分で書いててやりすぎた感が出てきました…(´・ω・`)

東金財団 第一班

霜月「いつの間にか取り囲まれてる!?」

東金「やられましたね…」

霜月「『仮面ライダー』はさっき向こうが使ったみたいだから、暫くはスリープさせないといけないし…ああ!」

六合塚「とにかく、第二班がこちらに合流するまで持ちこたえるしかありませんよ。」

オルフェノク「貴様もオルフェノクにしてやる!」

霜月「六合塚さん!」

六合塚「!」

『執行モード・デストロイ・デコンポーザー。対象を完全排除します。ご注意ください。』

ズドン

オルフェノク「」

東金「こちらの残弾は合計5発。敵はそれより多い…」

霜月「増援を待つにしたって、敵が多過ぎる!持ちこたえられない!」

オルフェノク「お前らも終わりだっ!美沙子様の仇!」

???「そう簡単に彼らを殺させるわけにはいかないな。一応、僕の『仲間』なんだから。」

六合塚「その声、まさか!」

海東「久しぶりだね、公安局のみんな。変身!」

『カメンライド・ディエンド!』

ディエンド「行きな、僕の兵隊さん。」

『カメンライド・ライオトルーパー!』

ディエンド「早くここから逃げるんだ!」

霜月「行きましょう!」タッタッタッ

霜月「青柳監視官!聞こえますか!」

青柳『ええ、何かあった?』

霜月「常守監視官の報告にあった怪物がこの施設内に大量に潜伏している可能性が高いです。一時撤退を提案します。」

青柳『わたし達もそれに襲われて『仮面ライダー』を使ったところ。ただ、あれはまだ不完全なところが多いから…そうね、撤退しましょう。』

霜月「それと、これはいい報告なんですが…海東大樹が現れました!」

青柳『まさか!』

霜月「とりあえず、第一班は施設から早急に撤退します。二班も気をつけてください。」

青柳『わかったわ。そちらも気をつけて。』



常守(まだまだ謹慎はあるなぁ…どうしよう。)

門矢「久しぶりだな、常守。」

常守「門矢さん!?なんでここに!?」

門矢「次の世界に行こうと思ったらまたここに来ちまった。何かあるに違いないんだが…お前はなんでここにいる?」

常守「カクカクシカジカ」

門矢「そうか…」

常守「…」

門矢「弱くなったな、お前。」

常守「え…?」

門矢「この世界を出ていったとき、俺はお前の目に、システムに屈するだけではない強さと正義があると信じた。だが…今のお前にはそれがない。」

常守「…それは…」

門矢「潜在犯を執行し続け、正義を見失いかけている。大方そんなとこだろうが、お前はそんなところで立ち止まるやつだとは思えない。」

常守「でも、私の手はどこまでも血に汚れてしまって…そんな私が、新しい時代に進む価値があるのか…」

門矢「価値があるか、どうかじゃないだろう。価値は見出してくもんだ。たとえそれが、世界の破壊につながろうともな。」

常守「世界の破壊って…」

門矢「俺は、世界の破壊者だからな。」

常守「門矢さんは破壊者なんかじゃありません!むしろ、この世界を東金財団から救った恩人です。」

門矢「どうかな…おかげで、お前の手は血に汚れた。それには俺も負い目を感じてる。だから…」

門矢「俺も、ケリをつけに行く。」

門矢「役所勤めは気に食わないが、公安局に一回戻る。お前はどうする?常守。」

常守「私は…」

門矢「お前はどうしたい?お前自身は、どうありたい?」

常守「私人身がどうあるか。私は…私は刑事でありたい。この社会に、正しい法の正義を見出したい。」

門矢「なら、答えは一つだな。」

常守「はい。行きましょう、門矢さん!」

門矢「あとは、いい歳してうじうじしてる乾だな。」

常守「え、乾さんのところにも行くんですか?」

門矢「まあな。あいつも仮面ライダーだからな。」

乾のところ

乾「朱…お前には来るなって言っただろうが。」

常守「乾さん、私はもう、刑事であることを迷いません。だから、もう大丈夫です。」

乾「そうか、そりゃ良かったな。で、用は何だ?」

常守「私に力を貸してください。」

乾「そいつは無理だ。」

門矢「なぜだ?」

乾「…俺の命は、長くはない。もう何回か変身したら、俺は、きっと…」

門矢「『俺には夢がない、でも、守ることはできる』。誰かが言った言葉だ。」

乾「!」

門矢「俺はいろんな世界を巡り、その中でお前と同じ名前、同じ顔の男と何度か出会っている。顔も名前も同じなら、性格も同じだ。どいつもこいつもうじうじしていた。中には俺の目の前で灰になった奴もいる。だが、どの世界のあいつも、誰かの夢を守るために戦った。常守には夢がある。この世界に、法の正義をもたらす。そんな、とてつもないくらいにでかい夢がな。どうだ、常守の夢、守ってくれないか。」

巧「…最期に、それくらいやってもいいか。いいぜ、行ってやるよ。」

門矢「決まりだな。よし、行くとするか…て、どうした、乾。」

乾「あいつは…まさか」
ヨロヨロヨロバタン

乾「!?三原!?」

三原「…いぬ…い…」

乾「三原!どうした、三原!」

三原「デルタのベルトを…奪われた…」

常守「この人は?」

乾「三原だ。12年前、共に戦い、生き残った数少ない仲間だ。三原、誰にベルトを取られた?」

三原「エビのオルフェノク…最後の戦いにもいた、あいつだ…」

乾「エビ…まさか、あいつが?」

三原「デルタを見かけたら、敵と思った方がいい…」バタン

門矢「大丈夫だ、気を失っているだけだ。」

常守「ただ、この怪我は放っておけません。応急処置をしたあと、公安局に連れていきましょう。」

乾「ああ。三原まで死なせるわけには行かないからな。」

公安局 局長室

禾生「休暇はまだ終わっていないはずだが。」

常守「もう、大丈夫よ。もう私は迷わない。」

禾生「なるほど、確かに君の色相は完全に安定しているようだな。いいだろう、職務に励み給え。」

常守「ええ。」

禾生「それと、門矢士を監視官とし、海東大樹・乾巧・三原修司を執行官に任命した。臨時の三係だ。」

常守「海東大樹が?彼もこの世界に来ているの?」

禾生「ああ。彼は、東金財団に潜入し、危機に陥った刑事課の人員を救出した。」

常守「…!」

禾生「彼には感謝しなければな…」

常守「珍しく感情的ね。」

禾生「我々とて、元は人間だ。それぐらいの情はある。」

常守「そう、失礼するわ。」

公安局 分析室

常守「唐之杜さん、三原さんの容態は?」

唐之杜「あら、朱ちゃん戻ってきたのね。三原くんの容態ね。外傷がそれなりにあって、骨も何本かやられているけど、命に別条なし。ウチの医療スタッフにかかれば二、三日中に治るわよ。」

常守「ありがとうございます。あ、あの、面会ってできますか?」

唐之杜「一応、意識はしっかりしてるからね。短時間の面会なら大丈夫。部屋の位置、そっちの端末に送っておくわね。」

常守「ありがとうございます。」

公安局 病棟 333号室

常守「失礼します。」

乾「…お前も来たのか。」

常守「はい。やっぱり、心配ですから。」

三原「心配してくれてありがとう。」

常守「いえ。体の方はいかがですか?」

三原「結構痛いけど…この世界の医療はホントにすごいからな。思ったより早く治ってる気がする。」

乾「それは良かったな。」

三原「乾…すまない。」

乾「ベルトのことか。」

常守「ベルトって、仮面ライダーになるためのベルトですか?」

乾「そうだ。かつて、俺たちの世界にはオルフェノクの王を守るための三本のベルトがあった。デルタ、カイザ、そして、ファイズ。」

三原「俺の義父さんは、それを盗み出して、オルフェノクと戦う力として俺たちに与えてくれた。」

乾「そして、ベルトを使い、変身し、戦って多くの仲間が死んでいった…最後には、カイザのベルトも失った。」

常守「じゃあ、今あるベルトっていうのは…」

乾「そうだ。俺の持つファイズのベルトと、三原が持っていたデルタのベルトだ。」

常守「そして、残りのベルトの一つであるデルタのベルトが奪われた…」

乾「そういうことだ。三原、あの話、もう一度してやってくれないか?」

三原「ああ。」

三原「ある日、オルフェノクが襲ってきたんだ。何年もオルフェノクが襲ってきたことはなかったのに。俺は、デルタに変身してそいつと戦った。そいつを倒したあとだった。エビのオルフェノクが出てきて、襲いかかってきた。アイツにはベルトの力は効かない。何度キックをきめても、アイツは灰にならなかった。そして、俺が疲れ果てた後、アイツはベルトを奪っていった。意識がなくなる前に、オーロラが俺たちを飲み込んでいくのが見えた。そして、目が覚めたら乾たちがいた海に倒れていた。」

常守「…」

門矢「なるほど、だいたいわかった。」ガチャリ

常守「門矢さん!?」

門矢「まずは、デルタのベルトだ。」

乾「ああ。あのベルトは強い。敵に回すと厄介だ。」

三原「すまない。」

乾「もういい、三原。お前は怪我を治せ。」

門矢「俺と海東、そして、乾でちゃんと取り戻してくる。そして、お前とそのエビのオルフェノクをぶっ潰す。」

三原「ああ。俺もやられるだけじゃ気が済まない。」

ピーピーピーピー

常守「!?」

『厚生省ノナタワーで非常事態発生。公安局内の刑事課の人員は全て現場へ急行してください。』

門矢「このタイミングでノナタワーだと!?」

常守「まさか…」

厚生省 ノナタワー

常守「…そんな…」

キキィー バタン

霜月「先輩、状況は!?」

常守「…見ての通り、よ…」

門矢「この国の支配者、厚生省の象徴が、この有様か…」

宜野座「まずいな。電波塔でもあるこの建物がやられれば、都市機能の麻痺は避けられない…」

常守「…」

『携帯型心理診断鎮圧執行システム・ドミネーター・起動しました。ユーザー認証・常守朱監視官・公安局刑事化所属。使用許諾確認。適正ユーザーです。通信エラー。システムとのリンクを構築できません。』

常守「ドミネーターが、使えない…」

東金「この社会に不可欠な電子ネットワーク回線が潰れれば、当然その影響はシビュラシステムを導入している各方面にも及びます。まず考えられるのが、潜在犯の収容所。あそこのセキュリティはもはや意味をなしません。重篤な潜在犯が施設の外に出てくるのも時間の問題です。」

宜野座「ならどうする!?」

常守「…ドミネーター頼みの通常の捜査方法は行えません。不審な点がないか、私たち自身の足で検証しましょう。」

雛河「え…僕たちの足で…?」オロオロ

六合塚「そうよ。」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom