提督「響、ちょっとこの書類頼むよ」スッ
響「わかった」
提督「えーと、ここは・・・確かこうだったな」
響「」カキカキ
提督「今度は・・・これも調達しておくか」
響「」カキカキ
響「・・・・・・」
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響「(私には変な癖がある)」
響「(今ここで私が、これをしたら、あれをしたら)」
響「(一体どうなるんだろう?)」
響「(そんなことばかり考えてしまう)」
響「(今もそうだ)」
響「(私は司令官の秘書艦、執務室で一緒に仕事をしている)」
響「(私も司令官も真剣に仕事をしている)」
響「(ただ、もし今ここで私が司令官を殴ったら)」
響「(一体どうなるんだろうか?)」
響「(司令官は怒るのだろうか? 痛がるのだろうか?)」
響「(それとも呆然とするのだろうか?)」
響「(もし他の艦娘が偶然その光景を見てしまったとき)」
響「(私は罵倒されるのだろうか?)」
響「(そして私は、一体何を感じ、何を得て)」
響「(何を失うのだろうか?)」
響「(それが悪いこと、する必要性がないとわかっていても)」
響「(どうしても妄想してしまう)」
響「(私は頭がおかしくなってしまったのだろうか・・・?)」
響「(・・・手が震えてきた)」
響「(仕事に集中しよう)」
響「(・・・・・・)」
響「気になる」
響「気になる」
響「気になる」
暁「やっぱりみんなで作ったご飯は美味しいわね!」
雷「当たり前よ! 雷がいるんだから!」
暁「それどういう意味よ! 暁が一番お姉ちゃんなんだから!」
電「はわわ!」
響「・・・・・・」
響「(正直、今の生活は満足している)」
響「(優しい司令官、愛する姉妹、大切な仲間達)」
響「(私は1人ではない、みんながいる)」
響「(でもやめられない)」
響「(・・・・・・)」
響「(今は暁達と一緒に食事をしている)」
響「(みんな楽しそうだ)」
響「(もちろん、私も楽しい)」
響「(幸せな食事風景だ)」
響「(でも、もし今ここで私が突然粗相をしたら)」
響「(みんなはどんな反応をするのだろうか?)」
響「(慌てる? 親切に掃除をしてくれる? 戸惑う?)」
響「(楽しい時間を中断されて、少し悲しい気持ちになる?)」
響「(それとも私を心配してくれる?)」
響「(私は? 私は恥ずかしがる? 濡れた衣服と下着が気になって不快になる?)」
響「(泣く? みんなに申し訳ない気持ちになる?)」
響「(どうなるんだろう?)」
響「気になる」
響「気になる」
響「気になる」
雷「暁、クッキーなんて作れたのね」
暁「ふふん、すごいでしょ!」
電「美味しそうなのです!」
響「・・・・・・」
響「(あぁ、確かに美味しそうだ)」
響「(暁はすごい、一生懸命頑張ったのだろう)」
響「(心からそう思っている、そう思って当然なのに)」
響「(なのに、私は・・・)」
響「(何故か自分の思っていることとは正反対の)」
響「(思ってもいない感情が頭に過ってしまう)」
響「(不味そうだ、失敗すれば良かったのに・・・と)」
響「(どうしてだろうか? 本当にそんなこと思っていないのに・・・)」
響「(・・・・・・)」
響「気になる」
響「気になる」
響「気になる」
『夜 第六駆逐部屋』
暁「...zzz」
雷「...zzz」
電「...zzz」
響「・・・・・・」
響「(夜寝る前の妄想も欠かせない)」
響「(もし私が明日の遠征で大活躍したら?)」
響「(轟沈の危機に陥りそうな電を間一髪で助けたとしたら?)」
響「(一体どうなるんだろう?)」
響「(電は泣いて私に感謝してくれるのだろうか?)」
響「(暁達も安心して、もっと姉妹の絆が深まるのだろうか?)」
響「(司令官は褒めてくれるのだろうか?)」
響「(私は1人、嬉しさに身を震わすのだろうか?)」
響「(楽しいな・・・楽しいな・・・)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・そろそろ眠気がきた)」
響「(明日の夜は、どんな妄想をしようか)」
響「(楽しみだなぁ・・・楽しみだなぁ・・・)」
響「・・・・・・」
暁「響? 顔色が悪いけど大丈夫?」
響「・・・・・・」
暁「どうしたの? 具合悪い?」
響「いや、大丈夫・・・」
暁「そう・・・無理はしないでよね?」
響「うん」
響「・・・・・・」
響「(今日は嫌な1日になってしまった)」
響「(いつもの日常だったのに、アレが来てしまった)」
響「(ときどき、突然ふと嫌なことを思い出すときがある)」
響「(それも、中々頭から離れずに、ものすごくイライラしてしまう)」
響「(心臓の辺りがグーッと締め付けられるような感じがして気分が悪い)」
響「はぁ・・・はぁ・・・!」
響「(今日は我慢しよう・・・夜になったら早く寝てしまおう)」
『翌日』
響「・・・・・・」
響「(やっぱりまだ気分が悪い)」
響「(いくら睡眠をとっても、楽しいことをしても)」
響「(1度こうなってしまうと中々気分は晴れない)」
響「(あと3~4日は続くだろう)」
響「・・・・・・」
響「・・・ダメだ、辛い」
響「アレを使うか・・・」
響「」ゴクゴク
響「はぁ・・・」
響「・・・・・・」
響「(あの後、昼寝をしたらすごく気分が良くなった)」
響「(これで元通りだ)」
響「(やっぱり嫌なことを思い出すと気分が悪い)」
響「(これでしばらくは大丈夫だろう・・・)」
響「(・・・・・・)」
タバコ吸ってきます
『洋上』
暁「喰らいなさい!」ズガァァーーン
雷「電! そっちは任せたわ!」ズガァァーーン
電「なのです!」ズガァァーーン
駆逐棲姫「イッターイ!」グス
響「・・・・・・」ズガァァーーン
響「(今ここで私が死んだらどうなるんだろう?)」
響「(みんなは悲しんでくれるのだろうか?)」
響「(司令官は? 鎮守府のみんなは?)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・いや、考えるのは止そう)」
響「(それだと面白くない)」
響「(だって、私が好き勝手にできなくなってしまうから)」
響「(・・・?)」
響「(私は妄想を楽しんでいる・・・?)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
『食堂』
暁「響がボルシチ作ってくれるって!」
雷「楽しみね!」
電「なのです!」
響「」トントン
響「」トントン
響「」トントン
響「っ!」カラン
響「・・・・・・」
ポタ ポタ・・・・・・
響「指を切ってしまった」
響「・・・・・・」
響「・・・・・・・・・」
響「血・・・」
響「(私達艦娘には、人間と同じ血が流れている)」
響「(私にも、暁達にも・・・)」
響「(傷をつければ、血が流れてくる)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
響「(・・・そうだ)」
響「」チラ
暁「」グゥ~
雷「ちょっと! 大人のレディーがはしたないわよ!」
暁「仕方がないでしょ! ちゃんと胃腸が機能している証拠よ!///」
電「ふふ」クス
響「・・・・・・」
包丁『』
響「・・・・・・」
響「(今私は、包丁を持っている)」
響「(非常に切れ味の良い包丁だ)」
響「(今)」
響「(ここで)」
響「(みんなを殺したら)」
響「(どうなるんだろう?)」
響「(みんなは痛がるのかな?)」
響「(必死に命乞いをするのかな? 困惑するのかな?)」
響「(やめてぇ! と、叫ぶのかな?)」
響「(騒ぎを聞いて駆け付けた司令官や鎮守府のみんなは)」
響「(私を必死に止めるのかな?)」
響「(私はずっと気になっていた正体を掴むことができて、喜ぶのかな?)」
響「(それとも悲しむのかな? 興奮する? とてつもない喪失感と罪悪感を得る?)」
響「(どうなるのかな? どうなるのかな?)」
響「(て、手が震えてきた・・・!)」ガタガタ
響「(い、いつも私を気にかけてくれた暁)」
響「(しっかり者の雷)」
響「(優しい電)」
響「(みんな、わ、私の大事な姉妹)」
響「(愛している)」
響「(でも気になる)」
響「(き、気になって仕方がない・・・!)」
響「はぁ・・・! はぁ・・・!」ドクンドクン
暁『痛い! 痛いぃぃぃぃっ!!』ポロポロ
響「はぁ・・・はぁ・・・!」ドクンドクン
雷『やめてぇぇぇぇっ!! いやぁぁぁぁぁっ!!』ポロポロ
響「ハァ! ハァ!」ドクン! ドクン!
電『』ドクドク
響「 は ぁ ・ ・ ・ ! ! は ぁ ・ ・ ・ ! ! 」バクバクバクバクバクバク
暁「響?」
響「!?」ハッ
暁「大丈夫? すごい顔していたけど・・・」
響「だ、大丈夫だよ」
暁「そう? それなら良いんだけど」
響「・・・・・・」
響「ふぅ・・・」
響「(こんな妄想をしていても)」
響「(結局は理性が働いて、私は実際に行動に移すことができない)」
響「(いや、これで良いんだ)」
響「(これで・・・)」
響「(早くボルシチを作ってしまおう)」
響「(みんなの喜ぶ顔が見たい)」
響「(・・・・・・)」
響「(・・・・・・・・・)」
響「(・・・でも)」
響「(やっぱり気になってしまう)」
響「(どうなるんだろう?)」
響「(どうなるんだろう?)」
響「( ど う な る ん だ ろ う ? )」
終わり
このSSまとめへのコメント
どこかのスレで見たが、信頼確認願望なんて言葉が当てはまるね。
俺もそういう妄想するわ。