モバP（これから誕生日会の準備をしようと思ったが、このままだとみちるが平らげかねん）

モバP（ホールケーキを独り占めした暴食アイドルみたいな噂が立っても良くないし）

モバP（とりあえず、みちるからケーキを隔離しないとまずいな……）

モバP「じゃあ、俺はむこうの部屋で準備してくるからな。みちるはここで待っててくれ」

みちる「いえいえ、そんな。あたしお手伝いしますよ！」

モバP「いいんだ、みちる。お前は主役なんだからゆっくりしててくれ」

みちる「そうですか……。なら、お言葉に甘えて！」

モバP（よし、既にバゲットが無くなってる事以外は問題ないな！）

ｶﾞﾁｬ ﾊﾞﾀﾝ

モバP「とりあえず、みちるとケーキを引き離す事はできたな……」

ｸﾞｩ-----

モバP「……ダメだ。扉越しでも無言の圧力を感じる……」

モバP「何か手を打たないとな……」


ｶﾞﾁｬ

ライラ「こんにちはでございますー」

みちる「あっ、ライラちゃん！こんにちは！」

ライラ「これはこれはフゴフゴさん。奇遇でございますね。」

みちる「ちょうど新作のパン持ってるんですけど、食べますか？」

ライラ「おぉー、ありがたくいただきますです」


モバP「よし、グッドタイミングだライラ！世間話でもして時間を稼いでくれ！」

モバP「つーか、みちるはパン持ってんのかよ！」

ライラ「アイドル活動の調子はどうでございますか？フゴフゴさん」

みちる「バッチリですよ！最近も法子ちゃん繋がりで有香さんやゆかりちゃんとも友達になりましたし！」

ライラ「それはすばらしいですねー。どんな人達なのでございますか？」

みちる「そうですねー、有香さんは表面はサックリと格好いいんですが、中身はふんわりして優しい人で」

みちる「ゆかりちゃんはしっとりやわらか、それでいてくどくない上品な甘さの人です！」

ライラ「なんだかおいしそうな人達でございますねー」

みちる「あたしもそう思います！」


モバP「ツッコミがいないな……」

モバP「とはいえ、この様子なら大丈夫そうだな！」


ライラ「美味しそうといえば、なんだか甘い匂いがしますですね」

みちる「あぁ、それは多分あたしの誕生日ケーキの匂いです。プロデューサーがむこうの部屋に持っていってて……」

ライラ「ケーキですか。それはそれは……」

みちる・ライラ「…………」

ｸﾞｸﾞｩ-----


モバP「堕ちたーーーーー！！！」

モバP「よくお腹を空かせてるライラじゃ分が悪かったか……」

モバP「他に誰か止めてくれる奴はいないか……？」

ｶﾞﾁｬ

法子「こんにちはー！あっ、みちるちゃん、ライラちゃん！」

みちる「こんにちは、法子ちゃん……」

法子「どうしたの？真剣な顔して」

みちる「実はですね……」

法子「えぇっ！？それはダメだよ、プロデューサーが待とうって言ってるんでしょ？」

みちる「でも、このおいしそうな匂いをかいでしまうとお腹が……」

ライラ「空いてしまいますです……」

法子「うーん……、そうだ！お腹が空いてるならドーナツ食べよ？いっぱいあるよ！」


モバP「ナーイスだ法子ぉ！ドーナツが絡まなければなんてマトモなんだ！」


ｶﾞﾁｬ

かな子「こんにちはー」

ｸﾞｸﾞｸﾞｩ-----


モバP「あーーーーーーー！！！！」

みちる「やはり今！」

ライラ「食べるべきなのでございます」

法子「えぇ～～～……」

かな子「聞いて、法子ちゃん」

法子「な、何？」

かな子「私達はなにも全部食べてしまおうって言ってるわけじゃないの」

かな子「きちんと皆が食べる分を残しておけば、プロデューサーさんもきっと怒らないよ」

法子「でも、皆が後から欠けたケーキを食べるのってちょっと可哀想じゃない……？」

かな子「それは食べ方を工夫すれば大丈夫だよ」

かな子「例えば、ケーキの真ん中をくり抜くように食べれば……」

かな子「きっと素敵な形になるんじゃないかな？」

法子「……ハッ！ドーナツ！！！」

ｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｩ-----


モバP「もーーーーーーーー！！！！！」

ｶﾞﾁｬ

有香「押忍！こんにちは！！」

ゆかり「皆さん、こんにちは」

法子「やっほー、ゆかゆか！」

みちる「ちょうど良かったです。有香さんもゆかりちゃんも一緒にケーキ食べませんか？」

有香「ケーキですか、おいしそうですね！」

ゆかり「レッスンで疲れていますから、甘いものは良く効きそうですね。いただきます♪」

ｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｩ-----


モバP「……」

里美「ほわぁ、ケーキですかぁ～？私も食べたいですぅ～～」

ｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｩ-----

真尋「お、ケーキ？私も走ってきたから甘いものほしいなぁ～！」

ｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｩ-----

亜子「なんやおいしそうな話しとるなぁ。アタシも入れて入れて！」

ｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｩ-----

ｶﾞﾁｬ!!

モバP「おいコラァァァーーーーーーーー！！！！！！！」

真尋「うわっ、プロデューサー！？」

モバP「まだ早いから！まだ準備中だから！！」

みちる「でも、お腹が空いてしまって……」

モバP「パンもドーナツもあるんだろ！？それを食べててくれよ！」

みちる「パンは別腹ですよ！」
法子「ドーナツは別腹だよ！」

モバP「意味わかんねぇよ！！」

モバP「それに、なんでお前達の周りはこんなに腹を減らしたアイドルばかりなんだ！？」

亜子「そりゃ、普段からパンやらドーナツやら配り歩いとるからやろ」

みちる「これぞ！」

法子「友達繋がる、ドーナツの輪！」

みちる「関係ふくらむ、ふんわりパン！」

法子「すなわち！」

みちる・法子「フラワー・パワー！！！」

モバP「もういいよ！！」

モバP「とにかく！まだケーキは出さないからな！」

かな子「そんなぁ、すっかりケーキの口になっちゃてるのに……」

モバP「お前はいつもだろう」

法子「じゃあ、いつケーキ出してくれるの？」

モバP「まぁ、人が十分集まってからだな。誕生日会だし人数欲しいだろ」

みちる「それならもう十分人数いると思いますけど」

モバP「あ……」

「「「「「みちるちゃんお誕生日おめでとーう！！！！！」」」」」

みちる「皆さん、ありがとうございます！」

モバP「はぁ～、いろいろ予定してたのになぁ……」

みちる「まぁまぁ、あたしは嬉しいですから！」

モバP「……そうか、ならいいか」

みちる「さぁ、プロデューサーもケーキを食べましょう！」

みちる「お腹は立てるものじゃなくて、いっぱいにするものですからね！あははーー！」

ライラ「おぉー、これがいわゆる“オチ”というものでございますね」

モバP「……なんか悔しい」

完