Fate/joker night -運命の切り札を掴み取れ!- (247)

凛「━━━告げる」

凛「汝の身は我が下に、我が運命は汝の剣に」

凛「聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

呪文を詠唱する。
我が元に最強の僕来たれ。

身体の血流が煮え滾るような感覚の中全ての詠唱を終わる。

凛(文句なし!間違いなく最強のカードを引き当てた・・・!)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428505015

溶解した宝石で描いた魔法陣が、眩いばかりの深緑の光を照らし出す。

凛(ウソでしょ?な、によこれっ! こんなに魔力を吸い取られるなんて聞いてないわよ!!)

魔法陣から発する緑の光が強まれば強まるほど遠坂凛の身体から魔力は吸い出されていく。
平均的な魔術師の20倍もの魔力を身に宿す遠坂凛が、最も波長の合う時間、最善の準備を施しても尚、その程度では足りない---と言わんばかりの神秘の具現。

凛「うっ、ーーぐ、うああああ!」

遠坂凛の身体はとっくに限界を迎えている。
魔力とは生命力ーー即ちガソリン。
魔術師とは魔術という名の神秘を発揮するための道具ーー即ちエンジン。

ガソリンを流し続けることでエンジンは回り続ける。 だが、限界を超えればたちまちエンジンは焼きつく。
遠坂凛の身体は、魔術師【エンジン】としての限界をとっくのとうに迎えていた。

だがーー、

凛「ーーーんじゃ」

エンジンが焼きつくことを厭わなければ。

凛「なめんじゃ、ないわよ!!」

魔術師にとって、限界など、障子紙程度の薄い壁に成り下がる。

生命力を魔力に変換し、変換し、変換する。

全身の血流は煮え滾るどころかマグマのように熱し、この熱で着ている服どころか館すら燃やし尽くすと錯覚するほど。 視界はもはや深緑の光など通さずただただ体から発するエーテルが魔法陣に吸い込まれる際に発する赤き閃光に塗りつぶされていく。

凛「ーーー」

時間にして5秒。
遠坂凛にとっては永遠とも思える時間。 意識など、もはや一欠片残さず彼方へと弾き飛ばされている。

限界を超えるという代償。 焼きつくことを恐れず回し続けたエンジンの待つ先ーーー

凛「わかってるわよっ…それくらい」

少女を奮い立たせるものは執念か、プライドか。

凛「でも、こん…、な、大物、逃がせるわけないじゃない」

召喚するだけでもこれ程までの魔力を必要とする神秘。 もし、召喚に成功すれば、この戦いの切り札になるに違いない。

凛「それにーーこんだけ苦労してるんだから、文句ぐらいつけれないときが済まないっていうのよコンチクショーーー!!!!」

凛「うそ……失…敗…?」

凛「…って、あれ?」

余りにも悲惨な結果についに緊張の糸が切れたのか、意に反し足の支えがきかなくなり倒れこむ遠坂凛。

凛(まさか、戦いが始まる前にドジっちゃうなんてーー)

凛(そういえば、家の時計、一時間はやいん、だっ、け)

その思考を最後に、TVの電源を消すかのように遠坂凛の意識は途切れた。

ーーーーー2人の男が雨の中向き合っている。

ここではないどこか、私の知らない風景。
だからコレは決して私の記憶ではない。

では、この映像は何なのだろう?

まるで映画を見ているかのように感じるほど鮮明な映像。 だが実感はともわない。
まるでーー他人の記憶を覗き見てるよう。

男たちは何かを話しているが何を言っているのか私には分からない。

会話が終わり。

1人は青い戦士に姿が変わり

1人は緑の化物に姿を変える


戦いは青い戦士の防戦一方だった。

いや、防戦というよりかは、緑の化物と戦う事を躊躇っているよう。

だが、緑の化物は…容赦せず襲いかかる。

遂に覚悟を決めたのか、青い戦士はさっきまでとは見違える動きで緑の化物と拮抗し、押し始め、ついには圧倒する。

青い戦士の右足に電流が迸り、その電流を纏わせ大きく跳躍して緑の化物に蹴りを放つ。

避けようと思えば避けれたその一撃を、何故かーーー緑の化物は自分から胸を差し出してーーー

ここまで。

ID:kVaxnM3voさんありがとうございます。

ミスってた>>3>>4の間にこれ挟んで下さい




バーンと、さっきまで目が痛いぐらい魔法陣から発せられていた深緑の光が、魔法陣の中心に吸い込まれるように収束し消えていった。

凛「ーー!」

途端、遠坂凛の身体からさっきまでの苦痛はウソのように過負荷から開放される。

凛「成、功した、の?」

エンジンの過剰運転から開放されたとはいえ、さっきまでの無茶が無かったことになるわけではない。 無茶の代償として、一瞬でも気を緩めば床にダイビングキスをしそうなくらい疲れが襲ってきている。

凛「ーーーふぇっ?」

ボヤける視界を何とか気合いを入れて魔法陣の中心に焦点を合わして見れば、




何も、無かった

なんかとのクロスなの?

凛「んーーーもう、朝……?」

妙なユメを見てたようだ。

ベッドから身を起こそうとするが言うことを聞かない。

やばい……身体がたまらなくダルイ。

ぼんやりとした意識のまま窓に視線をやると、とっくに日が昇って、いや、もう沈みかかっていた。

凛「……4時…。遅刻どころの話じゃないわね……」

時計に目を向けると針はジャスト4時。 まさか、学校をサボるのはともかく、無断欠席をするのは初めてだ。遠坂凛一生の不覚。

凛「……体が重い……。 半分どころか3分の2は持ってかれたみたい…」

…体がダルいのは私が朝……に弱いわけではない。
通常サーヴァントを召喚したばかりのマスターは満足に活どーーー

凛「ーーー待った。 昨日私は、サーヴァントの召喚に失敗した、はず」

なぜーーサーヴァントの召喚に失敗したのにこんなに魔力が持ってかれているのか。

凛(あんな無茶をしたから?)

遠坂凛【エンジン】の限界を超える無茶な稼動、これだけでも自分の体が言うことを聞かなくなるのは納得出来る。

だが、ならば何故、地下室の冷たい床に倒れ伏した筈の私が、自分の部屋のベッドで寝ているのか。

?「ようやく起きたようだな」

凛「っ!」

まるで私が今の考えに至ったのを見計らったかのように見知らぬ男がドアを開けて入ってくる。

青のジーンズのズボンに白のワイシャツ。 その上に古くさいベージュのコートを羽織っている。

?「まさか召喚されて初めての仕事がマスターの看病だとはな。 先が思いやられる」

そう言い放つ男の顔には全く思いやりというものがない。
こいつ…、物凄く無愛想だ。

凛「なによアンタいきなり失礼ねっ。 どこの誰か知らないけどここが誰の家か知っててって……アンタ誰?」

?「………本気で言ってるのか?」

物凄く残念そうな物を見る目でこの男は言う。

凛「なによ本気に決まっ……マスター? 誰が?」

?「……」

答える代わりにこっちに指を差す無愛想男。 そういえばさっき召喚されたとかなんとか…。

凛「って、あなたサーヴァントなの!?」

ガバッと、ダルさなんてどっかに飛んでいったかのにように身を起こして驚いた。

ごめん今日はここまで。

やっぱりこんな時間だと頭が働かない。

>>14
仮面ライダー剣とのクロスです

?「そうだ。 俺は、君に『無理やり』召喚され、アーチャーのクラスで顕現したサーヴァントだ。
全く…君の強引な召喚のせいで居間が吹っ飛んだぞ。 とんでもない人間がいたものだ」

無理やりの部分を強調してこの男は私の意見に同意した。 こいつの嫌味ったらしい言い方と相変わらず無愛想な顔に、召喚に成功していた喜びよりもこの男に対する怒りがフツフツと湧いてくるーー!

凛「なによ! こっちだってまさかセイバーじゃなくてアーチャーが来るなんてがっかりよ!」

一度怒りを現すとどんどんどんどん止まらなくなる。

凛「それに会って早々マスターに嫌味ぶつけてくるサーヴァントなんてーーーって、あれ? 」

このサーヴァントに怒りをぶつけているといきなり、私の体がガソリンが切れた車のように力が抜け、起こした上半身がベッドに倒れ伏した。

凛「そういえば私、殆どの魔力持って行かれてるんだったぁ……」

体が今まで驚きと怒りで忘れていた凄まじいくらいの倦怠感に満たされていく。

それに合わせるかのようにお腹がなった。 深夜から夕方の4時まで何も食べていなかったのだ、体がエネルギーを求めるのは分かるが年頃の女の子だと言うことを少しは自覚してほしい。

凛「うぅ…」

アーチャー「……少し、待ってろ」

凛「?」

そう言うとアーチャーはドアを抜け部屋を去りどこかに行ってしまった。

アーチャー「以外と、と言うのは心外だな」

凛「あ…ごめん。 でも、あなたがおかゆを作るなんていうキャラに見えなくて」

アーチャー「……」

黙々とおかゆを私の口に運ぶアーチャー。 時計の秒針が時を刻む音だけが響いていく。

凛「ねぇアーチャー、その…、ありがと」

アーチャー「何の事だ」

凛「昨日の事と今の事。 あなた、私を地下室からここのベッドまで運んでくれたんでしょう?
それとおかゆのお礼」

アーチャー「……人として、当然のことをしたまでだ」

そう言ったアーチャーの顔が、なぜか、どこか悲しげに見えた。

おかゆを食べ終え、改めて自己紹介をする私。

凛「私の名は凛。 遠坂凛よ」

アーチャー「遠坂凛……か。 凛、と呼ばせてもらおう」

凛「ええ良いわよ。 ねぇアーチャー、あなたの真名、教えてもらっても良いかしら?」

英霊には真名というものがある。その英霊を現す言葉、名前。 聖杯戦争において真名というのはとても重要なファクターだ。

真名が分かれば、どこの英雄か、そして何が弱点なのかも分かる。 例を挙げればジークフリートやアキレウスの様な不死の英雄は真名が知られれば弱点が丸分かりになってしまい不利になる。

アーチャー「……残念だがそれは出来ない。 君の無茶苦茶な召喚のせいで、自分に対する記憶が飛んでしまっている。 次にやる時はもっと上手くやれ」

凛「嘘っ。 それじゃああなたがどれ程の英霊か分からないし、対策も立てれないじゃないっ」

アーチャー「対した問題じゃない、凛」

凛「どこがよ!」

アーチャー「戦い方は覚えている。 それに、君に誓う。 俺は必ず君を守る。
君のーーー切り札になる」

凛「ーーー」

その言葉には圧倒的な自信と、それを信じさせる決意がこもっていた。

ゴメン順番間違えて投下してました。

順番をなおして改めて投下していきます

?「そうだ。 俺は、君に『無理やり』召喚され、アーチャーのクラスで顕現したサーヴァントだ。
全く…君の強引な召喚のせいで居間が吹っ飛んだぞ。 とんでもない人間がいたものだ」

無理やりの部分を強調してこの男は私の意見に同意した。 こいつの嫌味ったらしい言い方と相変わらず無愛想な顔に、召喚に成功していた喜びよりもこの男に対する怒りがフツフツと湧いてくるーー!

凛「なによ! こっちだってまさかセイバーじゃなくてアーチャーが来るなんてがっかりよ!」

一度怒りを現すとどんどんどんどん止まらなくなる。

凛「それに会って早々マスターに嫌味ぶつけてくるサーヴァントなんてーーーって、あれ? 」

このサーヴァントに怒りをぶつけているといきなり、私の体がガソリンが切れた車のように力が抜け、起こした上半身がベッドに倒れ伏した。

凛「そういえば私、殆どの魔翌力持って行かれてるんだったぁ……」

?「そうだ。 俺は、君に『無理やり』召喚され、アーチャーのクラスで顕現したサーヴァントだ。
全く…君の強引な召喚のせいで居間が吹っ飛んだぞ。 とんでもない人間がいたものだ」

無理やりの部分を強調してこの男は私の意見に同意した。 こいつの嫌味ったらしい言い方と相変わらず無愛想な顔に、召喚に成功していた喜びよりもこの男に対する怒りがフツフツと湧いてくるーー!

凛「なによ! こっちだってまさかセイバーじゃなくてアーチャーが来るなんてがっかりよ!」

一度怒りを現すとどんどんどんどん止まらなくなる。

凛「それに会って早々マスターに嫌味ぶつけてくるサーヴァントなんてーーーって、あれ? 」

このサーヴァントに怒りをぶつけているといきなり、私の体がガソリンが切れた車のように力が抜け、起こした上半身がベッドに倒れ伏した。

凛「そういえば私、殆どの魔力持って行かれてるんだったぁ……」

体が今まで驚きと怒りで忘れていた凄まじいくらいの倦怠感に満たされていく。

それに合わせるかのようにお腹がなった。 深夜から夕方の4時まで何も食べていなかったのだ、体がエネルギーを求めるのは分かるが年頃の女の子だと言うことを少しは自覚してほしい。

凛「うぅ…」

アーチャー「……少し、待ってろ」

凛「?」

そう言うとアーチャーはドアを抜け部屋を去りどこかに行ってしまった。さ

ーーーーーーーーー

凛「って、何これ?」

アーチャー「見てわからないのか、おかゆだ」

凛「そんな事ぐらい分かるわよっ。 私が言ってるのはね、何であなたにそのおかゆを口に運んでもらっているのかっていうことよ!」

どこかに行ったと思ったらおかゆを持ってきたアーチャー。 サーヴァントとおかゆという組み合わせにとんでもないシュールさを覚えるのと同時に、少しこいつの事を見直した。
とんでもなく無愛想で嫌われるのにも無頓着に思ったことをズバズバ言ってくるけど、根は良いやつそうだと、、


だけど……その……アーンはどうかと思う。

アーチャー「何をそんなに動揺している。 人間というものは体が弱っているときは素直に看病されるものだろう」

看病。 この男にとっては看病のつもりで、純粋な厚意から来る行動なのだろう。

1人で勝手に舞い上がるのも恥ずかしい物だし、この無愛想なサーヴァントの親切を無碍にするのもどうかとは思うのだが、流石にもっとやり方はないものだうろか。

アーチャー「腕を動かすのも億劫なのに自分で食べれるとでも言うのか?」

凛「うっ……」

まぁ、確かに……、食べさせてもらうと有難いのは確かだ。

凛「わ、分かったわよ食べるわよ食べさせてもらうわよっ。 ほら、そうと決まったら早くしなさいよね」

私の許可をもらったアーチャーは、ため息をつきながらスプーンでおかゆを掬い私の口に持ってくる。 素直にそれを口に含み、咀嚼する。

凛「あれ…以外と、美味しい」

予想に反してというか何というか、美味しかった。

熱すぎもせず冷め過ぎてもない絶妙な熱さ、具の梅ぼしの酸っぱさが心地よく体に染み渡っていく。

何となくーーー優しい味だと思った。

おかゆを食べ終え、改めて自己紹介をする私。

凛「私の名は凛。 遠坂凛よ」

アーチャー「遠坂凛……か。 凛、と呼ばせてもらおう」

凛「ええ良いわよ。 ねぇアーチャー、あなたの真名、教えてもらっても良いかしら?」

英霊には真名というものがある。その英霊を現す言葉、名前。 聖杯戦争において真名というのはとても重要なファクターだ。

真名が分かれば、どこの英雄か、そして何が弱点なのかも分かる。 例を挙げればジークフリートやアキレウスの様な不死の英雄は真名が知られれば弱点が丸分かりになってしまい不利になる。

アーチャー「……残念だがそれは出来ない。 君の無茶苦茶な召喚のせいで、自分に対する記憶が飛んでしまっている。 次にやる時はもっと上手くやれ」

凛「嘘っ。 それじゃああなたがどれ程の英霊か分からないし、対策も立てれないじゃないっ」

アーチャー「対した問題じゃない、凛」

凛「どこがよ!」

アーチャー「戦い方は覚えている。 それに、君に誓う。 俺は必ず君を守る。
君のーーー切り札になる」

凛「ーーー」

その言葉には圧倒的な自信と、それを信じさせる決意がこもっていた。

あぁ…スイマセン。>>39>>40の間にこれを挟んで下さい



アーチャー「以外と、と言うのは心外だな」

凛「あ…ごめん。 でも、あなたがおかゆを作るなんていうキャラに見えなくて」

アーチャー「……」

黙々とおかゆを私の口に運ぶアーチャー。 時計の秒針が時を刻む音だけが響いていく。

凛「ねぇアーチャー、その…、ありがと」

アーチャー「何の事だ」

凛「昨日の事と今の事。 あなた、私を地下室からここのベッドまで運んでくれたんでしょう?
それとおかゆのお礼」

アーチャー「……人として、当然のことをしたまでだ」

そう言ったアーチャーの顔が、なぜか、どこか悲しげに見えた。

凛「……ふわぁ…ごめん、アーチャー。 私…眠くなってきちゃった」

ダルさに負けて睡魔がまたやってきた。

アーチャー「ああ、どうやら親睦を深めるのもここまでのようだ。 無理をせずに寝ろ」

凛「うん…そうさせてもらうわ。 だけど、これだけは言わせてもらうわよアーチャー」

アーチャー「なんだ」

凛「私はあなたに守られっぱなしになる気はさらさら無いわ。 私もあなたと一緒に戦って、一緒に勝つのよアーチャー」

アーチャー「ーーー」

ただじっと縮こまっているのなんてゴメンだしそんな事をしたら遠坂の名が廃れるってものだ。 私は自分のチカラを試すために聖杯戦争に臨むのだから。

それにーーーアーチャーの決意に応えなければ、それは嘘だと思ったのだ。

アーチャー「凛……」

凛「それと……あなた…が吹っ飛ばした居間……明日…まで…にかたづけて……おい…て」

アーチャー「……」

アーチャーがまた無愛想な顔に戻ったのを見ながら、私は眠りについた。


凛「ん……っ…朝、かぁ…。 時間は…3時?
随分と早起きしたもんねこりゃ」

目を覚まして時計を見ると朝の3時を示してる。 外はまだ真っ暗で、夜明けにもさしかかっていない。
いくら私が朝に弱いとはいえ、昨日の4時からぐっすり眠ったら流石に充分疲れは取れるし、目が覚めたばっかりでも頭は冴えてる。

凛「アーチャー、いる?」

アーチャー「なんだ」

アーチャーに呼びかけると、アーチャーは霊体化を解き姿を現した。

凛「出かけるわよ。 準備するから手伝って」

アーチャー「出かけるだと? こんな時間に、どこにだ」

凛「街の探索。 冬木市を歩いて少しでもあなたに土地勘を持ってもらわなくちゃ。 それが終わったら学校に行くわよ」

アーチャー「待て、街の探索はいいが…、学校に行くというのはどういうことだ」

アーチャーはその無愛想な顔を、「正気かキサマ」と、こちらに訴えるような顔に変えて、言葉を返す。


凛「どういうことって、そのままの意味よ。 あなたに街を案内して、そのまま学校に行く。 何か問題ある?」

アーチャー「大アリだ。 もし学校で敵に襲われたらどうする。 大勢の人間を巻き込むことになる」

凛「巻き込むことになるからよアーチャー。 基本、聖杯戦争は一般人に目撃されてはいけないんだから昼間の学校を襲うマスターなんて誰も居ないわよ」

アーチャー「……だが、それでもわざわざ学校に行く必要などない。 昼間はこの館に篭っていれば確実に安全な筈だ」

凛「アーチャー。 私は、自分を変えるつもりはないわ。 私は遠坂凛として、正々と正面から戦って勝つ。
勝つ為に、戦うの」

アーチャー「勝つ為に…戦う?」

凛「えぇ、そうよ聖杯にかける願いなんて無い私には無いもの。 ならーー自分の力を知ることぐらいしかこの戦いで得られるものはないじゃない」

アーチャー「…………いな」

凛「なに? アーチャー」

アーチャー「…何でもない。 マスターがそう言うのなら、俺はそれに従うだけだ」

凛「そう。 ならちゃっちゃと行くわよ」

アーチャーがこぼした言葉が何だったのか気になりつつも、私は、

まだ夜が明けない冬木の街へと繰り出した


…………………


朝の3時から探索を開始して3時間。 流石に冬が長く続く冬木市の空も、夜明けに入っている。

快晴の空が、冬木の街を清らかに照らし出す。
爽やかな朝の風が気持ちよくて、何だか心地いい。



アーチャー「最初からここに来れば良かったんじゃないのか凛」

……そんな、私には滅多に縁のない爽やかな1日の始まりを、ぶち壊す無愛想な声が私の耳に響いてくる。

凛「高みから俯瞰するのと実際に体感するのとでは違うでしょ。 ちゃんと街を歩かないといざっていう時に経路が頭に出てこないじゃない」

アーチャー「それにしては無駄に路地裏にも入ったり無計画な道のりだったがな」

凛「そ、そんな事は無いわよ。 ほら、あれよ、どこかの路地裏が必要になることがあるかもしれないじゃない」

アーチャー「……」

あ、信じてない。
だって仕方ないではないか、深夜の徘徊というのはそれだけでワクワクするものなんだから。

凛「それにほら、ここからなら大体の街の作りは分かるけど路地裏なんかの細かい道は分からないじゃない?」

アーチャー「…そうい事にしておこう。 それに、確かに、ここなら街の全体は見渡せるがそこから先の末端までは分からない」

空気を読んで私に合わせてくれる。 アーチャーは無愛想だが決して気がきかないというわけではないようだ。

私たちが今いる場所は冬木大橋を東に渡った所にある新都。
西側にある私が住んでる深山町を和洋敷き詰めた住宅街とすれば、
新都は和も洋も近代化という波に押し出されたオフィス街だ。

その新都で一番高い建物であるセンタービルの屋上から、冬木の街の全貌を私とアーチャーは見渡している。
だが、ここに来た目的はもう一つある。


凛「ねぇアーチャー。 ここなら貴方に一番適した狙撃ポイントになるんじゃない?」

アーチャー【弓兵】のサーヴァントである彼に、狙撃ポイントを決めてもらうためでもある。
ここがダメでも、この場所からならいくらでも他の場所を探せるだろう。

アーチャー「…狙撃……か」

アーチャーの含みのある一言が気になった。

凛「なに? もしかしてアーチャーの癖に射が出来ないとか言わせないでよね」

アーチャー「狙撃もやろうと思えば出来るだろうが、俺の戦い方にそぐわん」

凛「アーチャーのクラスなのに狙撃が得意じゃないって…貴方、一体何者なのよ」

思えばこのサーヴァントは謎が多い。
英霊の癖に服は現代の物。 それに今のアーチャーにはそれなりの神秘が感じ取れるものの、召喚の際に感じた圧倒的な神秘程ではない。

記憶が戻ればこのサーヴァントの謎も全て分かるのだろうが、今は何の手掛かりもない。

凛(そういえばアーチャーのステータス見てなかったわね、どれどれ…………って、幸運と魔力以外オールEじゃないっ!
ホントになんなのよこいつ!?)

アーチャー「…」

視線に気づいているのかいないのか、アーチャーは冬木の街並みを、相変わらず無愛想な顔で眺めていた。


ステータス情報

【クラス】アーチャー
【真名】?
【性別】男
【身長/体重】172cm/63kg
【属性】中立・中庸

【クラス別スキル】
対魔力:D
一工程による魔術行使を無効化する。
魔術避けのアミュレット程度の対魔力。

単独行動:A
マスターからの魔力供給がなくても行動が可能。
Aランクならマスターがいなくても一週間は現界できる。

【固有スキル】


【宝具】

今日はここまで。


イリヤ…安らかに眠れ


ステータス情報

【クラス】アーチャー
【真名】?
【性別】男
【身長/体重】172cm/63kg
【属性】中立・中庸

【ステータス】
【筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A 幸運D 宝具?

【クラス別スキル】
対魔力:D
一工程による魔術行使を無効化する。
魔術避けのアミュレット程度の対魔力。

単独行動:A
マスターからの魔力供給がなくても行動が可能。
Aランクならマスターがいなくても一週間は現界できる。

【固有スキル】


【宝具】

10時30分頃に投下します


………………



凛「何よ…これ…..ーーー空気が淀んでるどころの話じゃない、
既に…、結界が張られているっ」

学園の門をくぐった瞬間感じる甘ったるい悪寒。
隠す気などさらさらない厚顔無知な結界。

ーーー結界は人に気付かれてはならない。 異常【非常識】と正常【常識】の遮断壁、異常を気付かせないための境界、それが結界と呼ばれるものだ。

上の上の結界が、張られてる事すら気付かせないものとしたら、
この学園を囲っている結界は下の下以下。

だが、この結界が最期にもたらすものはーー

凛「ロクなもんじゃないわね。 まだどんな結界か分からないけどこの悪寒からして歓迎出来る物じゃないのは確かよ」

アーチャー『その結界とやらはいつ発動するんだ』

凛「分からないわ。 そればっかりは結界の起点を調べてみないと。
アーチャー、放課後は結界の下調べ。 どんな結界か調べてから残すかどうか決めましょ」

アーチャー『了解した。 マスター』

凛(誰かは知らないけど私のテリトリーでこんな下衆な結界を張ったこと、必ず後悔させてやるんだからっ)


…………………



凛「これで7つ… 多分これが結界の起点ね」

校内を軒並み調べ、最後の締めとして屋上に出た頃には外はすっかり闇に落ちていた。
時刻は既に八時。 学校に残っているのは私達だけだ。

屋上に堂々と刻まれている刻印。
魔術師である者にしか見えない赤紫の文字は見たこともないカタチ、聞いたこともないモノで刻まれている。

凛「チッ…想定してた中でも一番最悪なモノだわ……これ」

アーチャー『一体…何だコレは』

凛「魂喰いの結界、
結界内の人間を文字通り溶解させ、滲み出る魂を自分の糧とする血の要塞ーーーこんなものを使ってまで誰が魂を欲してるかと言えばーーー」

アーチャー『サーヴァント、という訳だな』

凛「えぇ、貴方達サーヴァントというのは霊体としてこの現世に顕現しているんでしょう? なら、霊体である貴方達が人の魂を吸って力を強めるっていうのも道理よね」

アーチャー『……』

凛「でも、私はそんな道理気にくわないのよアーチャー。 消すことは無理でも、邪魔くらいはしちゃいましょう」

アーチャー『ああ、俺も同感だ』

いつもと変わらない無愛想な声。 でも、アーチャーのその返答(こたえ)にはーー確かに力強いモノが宿っていた。

凛「よしっ。 それじゃあ早速やっちゃいーーー」

左手の魔術刻印を起動させ、結界消去の術式を発動させる。

これで、結界の邪魔をすることは出来る筈だがーーーー

?「なんだよ。 消しちまうのか、もったいねえ」

唐突に、私とアーチャーしか居ないはずのこの屋上に、第三者の声が響き渡った。


凛「ーーー!」

咄嗟に立ち上がり、振り返る。
10メートル程離れた給水塔の上で、そいつは私を見下ろしていた。

全身を蒼い衣裳で象っている男は、涼やかな視線で私を見つめている。

だが、最も目を引くのはーーー男が握っている、二メートルはある血の様に紅い、槍。

凛「ーーーこれ、貴方の仕業?」

?「いいや。 小細工を弄するのは魔術師の役割だ。 俺たちはただ戦うのみ。 だろう、そこのとっぽい兄ちゃんよ」

凛「ーーー!
アーチャーが、見えてるっ」

凛「やっぱり、サーヴァント……!」

ランサー「それが判るお嬢ちゃんは、オレの敵ってことでいいのかな?」

凛「くっ…」

四方を囲まれたこの場所で槍使いとやり合うのは不利。

いや、ステータスで圧倒的に劣る私のアーチャーでは、どんなに有利な場所でもこのサーヴァントには勝てないーーー!

4

?「ほうーー大したもんだ、何も判らねえようで要点は押さえてやがる。
あーあ、失敗したなこりゃあ。 面白がって声をかけるんじゃなかったぜ」

槍から、迸る魔力

凛「は、っーーーー!」

考えるより先に身体が跳ぶ。
身体を動かすのは、恐怖。 一刻も早くこの男から逃れなければ私とアーチャーはーーー!

?「ハッーー!」

間一髪。
男の槍は私の髪を舞い上げ空を斬る

退路などない。 ならーー、これしかない!

凛「Es ist gros,《軽量》Es ist klein 《重圧》………!!」

身体の軽量化と重力調整の術式を発動し、羽と化した身体は軽々とフェンスを飛び越え屋上から落下した。

凛「っーーvox Gott 《戒律引用》 Es Atlos《重葬は地に還る……!》ーーー!」

凛「アーチャー! 着地任せたっ!」

着地の衝撃をアーチャーに殺させて、地面に足がついたと同時に走りだーー

?「へっーーー、ハァッーーー!」

アーチャー「凛っ!」

凛「えーーー? キャアアっ!」

飛んでいくーーーー

アーチャーが私に抱きついてきたと思った瞬間私は、いやーー、私とアーチャーはまるでメジャーリーガーの豪速球のように一直線に吹っ飛んでいた。


?「ほうーー大したもんだ、何も判らねえようで要点は押さえてやがる。
あーあ、失敗したなこりゃあ。 面白がって声をかけるんじゃなかったぜ」

槍から、迸る魔力

凛「は、っーーーー!」

考えるより先に身体が跳ぶ。
身体を動かすのは、恐怖。 一刻も早くこの男から逃れなければ私とアーチャーはーーー!

?「ハッーー!」

間一髪。
男の槍は私の髪を舞い上げ空を斬る

退路などない。 ならーー、これしかない!

凛「Es ist gros,《軽量》Es ist klein 《重圧》………!!」

身体の軽量化と重力調整の術式を発動し、羽と化した身体は軽々とフェンスを飛び越え屋上から落下した。

凛「っーーvox Gott 《戒律引用》 Es Atlos《重葬は地に還る……!》ーーー!」

凛「アーチャー! 着地任せたっ!」

着地の衝撃をアーチャーに殺させて、地面に足がついたと同時に走りだーー

?「へっーーー、ハァッーーー!」

アーチャー「凛っ!」

凛「えーーー? キャアアっ!」

飛んでいくーーーー

アーチャーが私に抱きついてきたと思った瞬間私は、いやーー、私とアーチャーはまるでメジャーリーガーの豪速球のように一直線に吹っ飛んでいた。


アーチャー「ぐっ、グァあああああっ!」

アーチャーが身体を入れ替え、咄嗟に足を地面に放つ。
アーチャーの足が地面を抉りながらも尚ーー私達の飛行は止まらない!

凛「ぐっ、やぁっ!」

ガンドを目前に放つ。 その衝撃で私達の弾丸飛行は終わったが、その代償にロクに受け身も取れないまま校庭に投げ出される。

凛「きゃっ、ケホッケホッ。 な、何が起こったのアーチャー!?」

アーチャー「蹴りだ」

凛「蹴り?」

アーチャー「奴は只の蹴りで、俺たちをここまでぶっとばした」

凛「ーーーうそ」

私が着地した所からここまで100メートルはある。
つまり、あのサーヴァントは私とアーチャーをただの蹴りで校庭の端から端まで、文字通り吹っ飛ばしたっていうのっ!?


?「へ〜随分と飛んだもんだぜこりゃ。 少し力を入れすぎちまったかな」

あの男が顔に余裕をたたえたまま、悠然とこちらに向かって歩いてくる。

凛「その槍にこの身体能力ーーあなた、ランサーのサーヴァントね」

ランサー「いかにも。 そういうあんたのサーヴァントはセイバー、って言う割には余りにも脆い。 アーチャーって辺りが妥当か」

アーチャー「……」

私の前に立つアーチャーは何も答えず一分の隙もなく身構えている。

ランサー「しかし妙な野郎だ。 身体は脆い。 姿(ナリ)もそこらにいる奴らと変わんねぇが、その身に宿す神秘はそんじゃそこらのもんじゃないと来てる。
ーーー何者だ、テメェは」

アーチャー「……貴様に答える必要など無い」

ランサー「へっ、陰気な野郎だぜ。 嬢ちゃんもこんな奴引き当てて大変だな」

凛「っ……」

ランサーは軽口を叩いてるがその身に隙は全く見当たらない。
アーチャーがランサーにステータスで圧倒的に劣っている以上こちらが打つ手は逃げしかない。

だが、セイバーがサーヴァント中最優のクラスならばランサーは最速のクラス。 どうすればこのサーヴァントから逃げーー

ランサー「逃げようだなんてツマンネーこと考えてんじゃあねえぜ。 アーチャーのマスターよ」

凛「ーーー!」

私の考えを見透かしたように、私の考えが見過ごせないというようにランサーは言葉を投げかける。

ランサー「活路なんてもんは前に出なきゃ切り開けねえモンだ。 逃げる奴は死ぬしかねぇ。
ハッーーーどうやら、あんたのサーヴァントも同じ考えらしいぜ」


凛「っーー! アー、チャー?」

アーチャー「……凛。 いや、マスター」

凛「……」

私を守るように、ランサーの行く手を阻むように立つアーチャー。
その瞳には一片の畏れも不安もない。
そこにあるのは、ただ、私を護るという、意思のみ。

……決めた。

使い魔(サーヴァント)の心意気に答えれなくて、何が遠坂凛(マスター)だ。

凛「アーチャー」

近寄らずに、その瞳に語りかける。

凛「手助けはしないわ。 貴方の力、ここで見せて」

アーチャー「ーーーーフ」

それは笑い、だったのか。
私の言葉を聞いたアーチャーの腰には、ベルトが、

顔にまで掲げた右手には、蟷螂の絵が描かれたカードがーーー。

アーチャー「ーーー変身」



【Change】







今この瞬間に、私とアーチャーの聖杯戦争が幕を開けたーーー。

今日はここまで。

皆大好き橘さん。

今夜10時頃投下します


……………

アーチャーが手に持ったカードをベルトに通すと同時に、アーチャーの身体は水飛沫を上げながら変貌……いや、変身していく。
漆黒の身体を白銀の鎧で包み、顔は赤いハートのような複眼と、触覚が生えた仮面で表情や感情と言ったものを覆い隠す。

変身は一瞬で終わり、そこには漆黒の蟷螂を彷彿とさせる戦士が佇んでいた。

凛「か、変わっ、た……?」

呆けたように私の口から溢れる一言。 だが、私が呆然としたのはアーチャーの変容にではなく、アーチャーが変身した事により、アーチャーのステータスが爆発的に上昇したからでもなく、

その姿に、見惚れたからだ。

実用性のみを探求した日本刀が、刃だけで人を魅了する様に。
戦う事にのみ特化した今のアーチャーの姿は、見るものに敬意を持たせるような鋭い美しさを醸し出している。

ランサー「……」

傍らから見るだけの物にとってはただ魅了するだけの物であっても、対峙する者にとってそれは危難を予感させる威迫。

ランサーの顔にはもう余裕など一欠片も浮かんでいない。 今のランサーの顔は、獲物を狩る狩人ではなく、強敵を前にする戦士の顔だ。

アーチャー「…」

アーチャーが右足を半歩後ろに下げた瞬間





ビシュッ、とーー風を斬る音を残して仮面の戦士は疾走した。


ランサー「ーーーーハァッ!」

迎え撃つは蒼い槍兵、深紅の槍突。
駆けるアーチャーが疾風ならば、迎え撃つ槍撃は嵐だ。
奔る刃を、アーチャーはすんでの所でスウェーイングで躱す。

アーチャー「クッーーーー!」

仮面の戦士が止まる。
ランサーはアーチャーの疾走を許さなかった。

更に、ランサーは自ら距離を詰め、前進すら阻む。

ランサー「たわけ、弓兵風情が接近戦を臨むどころか、空手で挑んだな!」

繰り出される神速の一撃。
それをーーーアーチャーは手甲で弾いた。

ランサー「ーーー!!」

顔を驚愕で歪めるランサー。
己の槍を、獲物すら使わず凌ぐ敵など信じられないというように。

アーチャー「トゥアッ!」

空いた胴に、アーチャーはすかさず回し蹴りを撃ち出す。

ランサー「ナメんなぁっーーー!」

ランサー「グッーーヌァアッ!」

槍を引き戻し柄でアーチャーの蹴りを防ぐ。

だが、それでも弓兵の蹴りは停まらず、槍兵を押し込む。

ランサー「チィッ!」

堪らないとばかりに自ら後ろに飛ぶランサー。

アーチャー「流石に、貴様がやった様に校舎までは吹き飛ばせない、か」

ランサー「根に持ってやがったのかテメェ。 男ならんなもん いちいち気にしてんじゃねえ!」

気性高々に吼えると同時にアーチャーに向けて突貫するランサー。

ランサー「ウラァッ!!」

アーチャー「ぐ、っーーー」

槍のしなりを利用した打ち払いの連撃。
躱し、弾くも、ランサーの打突は鋭さも威力も際限なく上がっていき、必殺の域に達していく……!


ランサー「そこだッ」

連撃の中から放たれる神撃の刺突。
狙いは鎧で覆われていない下腹部。 手甲と同じ材質で出来ている胸の鎧ならばいざ知らず、何の護りもない腹など、ランサーの槍は容易く貫くだろう。

アーチャー「トァッ!」

だが、その必殺の一撃は、アーチャーが瞬時に出現させた『弓』によって阻まれた。

アーチャー「タァアアアッ! ヤァッ!」

ランサー「チィーーー!」

アーチャーの追撃に憎々しげに舌打ちをこぼし、槍で防ぎつつ距離を取るランサー。

闇を照らす様に飛び散る火花。 アーチャーが『弓』を振るう度にそれを受けるランサーの槍は光を灯す。

アーチャーが振るう武器。 それは随分と卦体(けたい)な代物だった。

本来、弓とは矢を放つ為の道具にしかすぎない。 矢があって始めて弓は弓たり得るのであり、弓単体では何の役にも立たない。
だが、アーチャーが持つ弓はーーいや、あれはもはや弓を模した何かだ。
アーチャーが持つソレは、中央の持ち手を除いて、両刃のブレードになっており、弓どころか武器としても成立つかどうか怪しい。

しかし、アーチャーはソレを巧みに扱い、ランサーと鎬を削るーーー!


アーチャー「フンッ! ハァッヌンッ!」

ランサー「ハァッ! セヤッッ!」

耳を打つ剣戟、響き合う鋼。
火花を散らす剣戟は良く出来た音楽のように響き渡り、リズムを上げていく。
一瞬の内で交わされる数十合の剣戟。 本当は一瞬。 けれど、見ている自分には永遠かと錯覚する程長い時間に感じる。

アーチャー「ハッーーー!」

打ち切るように後方に大きく跳躍するアーチャー。
それを追わんと瞬時に駆け奔るランサー。

アーチャー「ーーー」

迎えうつ様に立つアーチャーは、ベルトの右腰に付いたケースからカードを一枚取り出し、弓に取り付けられたハートのバックルにカードリーダーの様に通した。

【Tornado】

ランサー「ッーーー!」

音声が響いたと同時に、足を停止させ、瞬時に槍を構えるランサー。

アーチャー「ハァッーーー!」

アーチャーの弓から撃ち出される烈風の弾丸ーーー大気を斬り裂きながら、ランサーに迫る!


ランサー「そらよっ、と」

だが、その身に烈風が届くよりも早く、ランサーは空に文字を刻んだ。

凛「あれは…ーーールーンっ!?」

ルーン、北欧に伝わる、ルーン文字を刻むことで神秘を起こす魔術。
ランサーが刻んだのは、災害を意味するhagalaz(ハガラズ)のルーン。

ルーンは忽ち風を呼び、烈風の弾丸を防ぐ為の暴風の壁を創り上げる。

アーチャー「ーーー!」

烈風の弾丸と暴風の壁は、お互い反発しあい体が飛んで行きそうになるような風を撒き散らしながら消えていった。


アーチャー「まさか、今の攻撃をただの魔術で防ぐとはな」

ランサー「そっちこそ、俺にルーンを使わせるたあ思わなかったぜ」

間合いを保ったまま、仕切り直しをするように話す弓兵と槍兵。

ランサー「しかし…テメェ、何処の英雄だ。
『バケモン』に姿を変え、弓だけで戦う弓兵なぞ聞いた事がない」

アーチャー「……そう言う貴様は判りやすいなランサー。 これ程までの槍の遣い手、そしてルーンを使う槍兵なぞ一人しかいない」

ランサー「ーーーーほう。 よく言ったアーチャー」

途端。
あまりの殺気に、呼吸を忘れた。


ランサーの腕が動き、槍の穂先は地上を穿つかのように下がる。
獣のような双眸は、ただアーチャーを刺し貫かんとばかりに見開かれている。

ランサー「ーーーーならば食らうか。 我が必殺の一撃を」

アーチャー「……来い」

ランサーの体が沈む。
同時に、校庭の空気が、凍った。

比喩ではない。 本当に大気中のマナが凍っていく。
呼吸を許されるのは、魔槍の担い手であるランサーだけ。

凛「ーーー」

ーーーーまずい。

やられる。
あの槍に心臓を刺し貫かれればアーチャーは死に、敗北する。

身にひしひしと響き渡る警告。 この戦いを止めないと、アーチャーは死ぬのだと。

ーーーなのに、そこまで予感出来ているのに私の体は動かない。
私が指一本動かせば、それが開始の合図となってしまうから。

……だから、この戦いを止める事が出来る者がいるとしたらそれはーーーー

ランサー「ーーー誰だ………!!!!」

不運な第三者【目撃者】…….だけだった。

今日はここまで。

剣のBlu-rayの売り上げが良かったら何か良い事があるかもしれないと、剣の脚本家の會川昇さんが言ってたみたいです。

ドラマCD…Blu-ray…小説…多々買え……多々買うんだ…


凛「……え?」

ランサーから放たれていた殺気が消え、走り去っていく足音が響き渡った。

凛「うちの生徒……! まだ学校に残ってたの!?」

アーチャー「ランサーは今の目撃者を追っていったようだ。 どうする凛……? ランサーを追うのか、このまま退くのか」

凛「追うに決まってるでしょ! 行ってアーチャーっ!!」

アーチャー「ーーーー」

即座にランサーを追うアーチャー


凛「……くそ、なんて間抜け……!」

目撃者は消す。 それが魔術師のルールだ。
それが嫌だったから今まで目撃者目撃者なんて出したことなかったのに、今日に限ってこんな失敗を……!

月明かりも雲に隠れた夜。

廊下には、床に倒れた生徒と、立ち尽くしているアーチャーの姿があった。

アーチャー「……」

彼は無言で生徒を眺めている。 仮面の奥の顔は、どんな表情なのか、私には分からない。

血の匂い。 魔術師ならば嗅ぎ慣れた匂い。
でも、私は、自分以外の血の匂いはーーーー

凛「……追ってアーチャー。 せめてランサーのマスターの顔ぐらい把握しないと、割が合わないっ」

アーチャー「……あぁ」

ランサーを追っていくアーチャー。

残されたのは私と、床に倒れ伏した生徒…、だけ。


凛「ランサーの槍で、一突きか」

ご丁寧にあの槍兵は心臓を刺していった/私の所為だ
ランサーの槍の特性か、出血は酷くない/私の所為だ
だが、心臓を壊されたのならどの道長くないだろう/私の所為だ

凛「うそ…まだ息がある」

凛「顔を見ないと…それぐらいは…、しなくちゃ」

遠坂の魔道を継いだ者としての覚悟は出来ている。 それが、何を意味するのかも。
魔術師に、善も悪もないのだから。

凛「でも、だからこそ、私はこの顔を刻み込まなくちゃいけないのよ、遠坂凛」

凛「ごめん。 看取るぐらいは、してあげる」

凛「なんでっ…ゆびが、震えてるのよっ……!」

震える指を理性で抑えつけて、生徒の顔を確認した。

凛「ーーーーそん、な」

がつーんと、後頭部を思いっきりハンマーで叩かれた気がした。


……………

凛「ああ……、やっちゃった」

自宅のソファーにどばっと倒れ込んで呟く。

結局私は…あいつを、私の10年分の魔翌力を込めた極上の一品で助けてしまった。
しかもそのペンダントを学校に忘れてきたのだと言うのだからうっかり極まる。

凛「はぁ……」

あれだけの魔翌力が有ればどんな神秘も可能になっただろう。
私は、聖杯戦争の切り札をこんな所で使い潰してしまった。

凛「あぁもうやめやめ! 何時迄悔やんでのよぉもうっ」

学校から家までの帰り道でもぐだぐだと同じようなことを考え込んでしまった。

凛「やっちゃった事はもうしょうがないじゃない。 それにーー」

それに、もう役目を果たしてしまったペンダントにはもう毛ほどの魔翌力も残っていない。
だからーーー

凛「ーーーって、いい加減本当に頭を切り替えなさいよわたし。 あれだけの戦いをついさっき経験しておいて、なに惚けてるのよ」


……………

凛「ああ……、やっちゃった」

自宅のソファーにどばっと倒れ込んで呟く。

結局私は…あいつを、私の10年分の魔力を込めた極上の一品で助けてしまった。
しかもそのペンダントを学校に忘れてきたのだと言うのだからうっかり極まる。

凛「はぁ……」

あれだけの魔力が有ればどんな神秘の行使も可能になっただろう。
私は、聖杯戦争の切り札をこんな所で使い潰してしまった。

凛「あぁもうやめやめ! 何時迄悔やんでのよぉもうっ」

学校から家までの帰り道でもぐだぐだと同じようなことを考え込んでしまった。

凛「やっちゃった事はもうしょうがないじゃない。 それにーー」

それに、もう役目を果たしてしまったペンダントにはもう毛ほどの魔力も残っていない。
だからーーー

凛「ーーーって、いい加減本当に頭を切り替えなさいよわたし。 あれだけの戦いをついさっき経験しておいて、なに惚けてるのよ」


シャキッと立ち上がってコーヒーを淹れる。
一杯目を飲み干すと同時にアーチャーが帰ってきた。

アーチャー「すまない。 ランサーを見失った。 どうやら、ランサーのマスターは余程用心深い奴のようだ」

凛「そう…。 ま、そう簡単にはいかないわよね」

アーチャー「どうした。 今までの覇気はどこにいったんだ」

凛「…」

わたし、落ち込んでいるように見えたのか。

凛「別に……ただ、今日はちょっと奇想天外な事が立て続けに起こって疲れただけよ」

凛「奇想天外と言えば、アーチャー…あなたのアレ。 アレって一体何なのよ」

アーチャー「アレとはなんだ」

凛「アレって言ったらアレよっ。 そう、『変身』よ『変身』! 一体何なのよアレ!」

ランサーとの戦いで見せたアーチャーの変容。
姿形だけではなく、ステータスや内包する神秘すらも変化……いや、爆発的に向上した。
ランサーではないけど、あんな伝承がある英雄なんて聞いたことがない。


アーチャー「……そう言われても俺には記憶がない。 使い方を知っているだけで、これが具体的にどういったものかは分からない」

そう言ってアーチャーは一枚のカードを私に見せてきた。

凛「これって…変身した時に使ったやつよね?」

ハートのA(エース)。 どうやらこのカードはトランプを模しているらしい。
CHANGEという文字と、蟷螂の絵が描かれている。

凛「って…何かこの蟷螂動いてない…? ……しっかしこのカード本当に不思議ね。 あなたがこのカードを使って変身した時はランサーすら凌駕する程の神秘を感じたのに、今は何も感じさせない。
蟷螂が動いてなかったらホントにただのカードよ」

アーチャー「そのようだな」

凛「そのようだなって、本当に何か思い出せないの? このカードの事だけじゃなくて、あなた自身の事も」

アーチャー「……残念だが、さっぱり思い出せない」

凛「はぁー…1日経っても無理ってことは、当分は無理かもしれないわね」

凛「ねえ、記憶が無いって事は、聖杯にかける願いも忘れてるって事?」

サーヴァントは皆、生前に叶えられなかった願いを叶えるために召喚に応じ、聖杯戦争に赴く。 アーチャーもそのはずだ。
だが、記憶を失い、聖杯にかける願いすら忘れてしまっているとしたら、アーチャーは今何の為に戦っているのだろう。

アーチャー「そうだな……俺には聖杯にかける願いなんて無い」

凛「なら、貴方は何の為にこの聖杯戦争に臨んでいるのよ?」

アーチャー「サーヴァント、だからだ。 マスターが戦う意思を持っているのなら、サーヴァントはそれに従うしかない」

凛「なによその言い方。 まるでわたしが無理やり従わせてるみたいじゃない」

アーチャー「フっ。 始めて顔を合わせた時は『マスターに絶対服従しろ』、なんていう令呪をかけてきそうな勢いだったがな」

凛「んなっ、わたしがそんな無駄なことに令呪を使う事なんて絶対ないわよ!」

アーチャー「さて、どうだかな」

凛「ぐぬぬぬぬっーーー!」

あったま来た……! ランサーも言ってたけど、この男、相当根に持つタイプだ!


アーチャー「…どうやら元の凛に戻ったようだな」

凛「ふぇっ?」

アーチャー「落ち込んでいるより、そうやって頬をふらませている方がお前らしい」

凛「アーチャー……貴方…」

まさか今までの嫌味は私を元気づけるためのもの?
……いくら何でも不器用すぎる。

無愛想の癖に優しい。 だけど、不器用だからその優しさを上手く表せない。
多分生前は、よっぽど恵まれた理解者がいない限り、誤解されまくって敵も作り放題だったのだろう。

凛「クっ…… あははははははは! アーチャー、あなたって最高よ! あはははは!」

アーチャー「……何がだ」

キョトンとした顔のアーチャーがツボに入ってまた笑ってしまう。 しばらく笑い転げてしまった。

凛「わたし、本当に貴方のことが気に入ったみたい。
アーチャー、あなた受肉しない? もう一度人生を楽しむっていうのはどう?」

アーチャー「もう一度……生を楽しむ……か。 それも…良いかも、な」


凛「ね? サーヴァントだからってだけで戦うなんて、そんなのつまんないでしょ?」

アーチャー「そうかも知れないな。 なら、 こっちも聞かせてもらうがマスター。 聖杯戦争に求めるのは…ただ勝つことだけというのは本当か?」

凛「ええそうよ。 わたしも願いらしい願いなんてないから、ただ自分の力を試すために、わたしの力を証明する為に戦うの」

アーチャー「これは…忠告として受け取って欲しい」

アーチャー「いくらお前が優れた魔術師で、敵と圧倒的な差があったとしても」

アーチャー「時に執念や信念と言うものはいとも簡単にそれを覆す。
それだけ、頭に留めておいてくれ」

凛「? え、えぇ。 分かったわ」

何だろう。 今のアーチャーの言葉には、いやに実感がこもっていた気がする。


凛「さて、聖杯戦争も始まったばかり。 次は今日みたいなヘマをしないように寝ましょう」

そう。 次にまた目撃者が殺されるなんて事がないように、英気をやしな……って

凛「待って……ランサーは私たちとの戦いより目撃者を消すことを優先した……ということはそれは、マスターの考えであるはず……」

目撃者は消すのが聖杯戦争のルール。 ならば、目撃者が死に損なってまだ生きているとしたらーーー

凛「マズいっ…衛宮君はまだ狙われてるっ!」

今日はここまで。 もうちょっと書き溜めてから投下した方が良いだろうか…

あと、後々仮面ライダー剣とFateの世界を擦り合わせるためにオリ解釈とオリ設定が出てきますがご了承下さい(主に統制者と○○○関連で)

今夜10時頃投下します


夜を走る。
私を抱いて走るアーチャーは漆黒の影光を残しながら疾走する。

アーチャー「ーーーー」

アーチャーは今から私がやろうとする事について肯定も否定もしない。
ただその身を仮面と鎧で覆い、再び戦場になるであろう地へと、主と共に駆ける。


ーーーー午前零時

薄い雲に覆われた夜空の下、私たちは武家屋敷に辿り着いた。



屋敷から漂ってくる濃密な魔力。
これは……。

凛「ランサーがいるっ。 早く行かないと!」

この寒気のする魔力の波。 間違えるはずもない。 これはランサーの気配……!

アーチャー「……! 待て…凛! サーヴァントの気配が一つじゃないっ!!」

凛「えっ?」

瞬間、太陽を落としたような白光が屋敷から迸り、ランサーという力の波を、更に上回る波が押し流していく。

凛「うそーーーー」

信じられないーーーこんなの、出来すぎている。
この現象を私は知っている。 だけど、頭が理解を拒んでいる。

ーーーだって、彼がサーヴァントを召喚しただなんて


だが……、信じられないが事実だ、その証拠に、自らを上回る存在に押し出されるかのように、ランサーは塀を飛び越え去っていった。

凛「まさか……アーチャー……」

アーチャー「あぁ…。 今ここで、『7人目』が揃った」

凛「……」

またもや起こった想定外の事態。 正常な判断力と言うものを失っていた私は、容易に想像できる筈の次の展開を、全く頭に思い浮かべなかった。

アーチャー「………!!!!」

凛「アーチャーっ!!??」

塀を飛び越え降り立つ白銀の騎士。

彼女…いや、ーーーー爆発するかのように猛り狂う竜巻が、アーチャーを彼方へと吹き飛ばした。


アーチャーは反応していた。
だが、私は反応できなかった。
コンマ一秒の隙。 けれど、私にとっては一秒でも、あのサーヴァントにとっては度し難い隙。

私を突き飛ばしたアーチャーと、莫大な魔力と共に手元に竜巻を呼び起しアーチャーに剣嵐を浴びせるサーヴァント。
アーチャーはなす術もなく吹き飛ばされ、あっという間に視界の外に消えた。

本当に、一瞬。
ランサーと互角の戦いを繰り広げていたアーチャーが、ものの一撃で倒されたのかーーーー

?「ーーー」

当然のように、マスターである私に襲いかかってくるサーヴァント、

凛「舐めるなーーー!」

ポケットから風呪の呪いを込めた宝石を取り出す。
十七年間魔力を込め続け練り上げた十の宝石の内の一つ。 家の一軒や二軒は軽く吹き飛ばせる程にまで昇華した代物。
倒すことは出来なくても、せめて足止めぐらいには!

?「…」

凛「 …っ!」

なら……、なかった。

あのサーヴァントが剣を振るうまでもなく、ただその身に触れただけで手品のように消失した。

ーーー変身したアーチャーすら超える対魔力。

このサーヴァントには、魔術師程度では傷一つつけられない……!?


魔術は通じず、アーチャーという守りを彼方に吹き飛ばされたわたしにはこのサーヴァントを止めることは出来ない。

アーチャーが戻ってくるよりも早く、このサーヴァントの剣はわたしを斬り捨てるだろう。

夜空を見上げれば、そこには無様に倒れこんだ私に手を下す死神の姿が……。

凛「ーーーーな」

夜の風が吹く。
雲の切れ間から零れる月の光が照らす、あまりにも可憐な顔立ち。
今この時だけは…夜空に輝く月も星も、彼女の美しさを彩る飾りにしかならない。

それがーーーランサーを逃げ帰らせ、
わたしのアーチャーを一撃で吹き飛ばし、
事も無げにわたしの魔術を無効化した、サーヴァントの姿だった。


?「今の魔術は見事だった、魔術師」

ああーーー鈴のような少女の声も、今は悪夢のよう。

?「だが最期だ、アーチャーのマスターよ」

突きつけられた不可視の剣が煌めく。

凛(これ、が……わたしが求めていた……『セイバー』ーーー)

サーヴァント中最強と謳われる剣の英雄。

それは王道を征き、正道を踏破した者のみに許されるクラス。

あぁーーー本当にどうかしている。
後数秒もすれば確実に殺されてしまうというのに、またも見惚れてしまうなんて。

でも仕方ないと思ってしまう。

ーーー私を殺す最強のサーヴァント。

その姿は、その、凛々しくて………とても、可愛かったんだから。




彼女が振り下ろした腕が、月光を遮る。

ーーーー少女が手にする剣は、わたしの喉へとーーー。

今日はここまで

ぜ、全然話が進まねえ…

9時半ごろに投下します


「やめろっーーー! セイバー……!!!!」

セイバー「なっ….…!?」

セイバーの腕が止まる。

死の運命から解放された私に浮かんだ感情は安堵ではなく驚愕。
何故、セイバーは私を殺さなかったのか。
何故ーーー私よりも深い驚愕の色がセイバーに刻まれているのか。

セイバー「正気ですかシロウ! 今なら確実にアーチャーのマスターを倒せた。 それをマスターである貴方が令呪を使ってまで邪魔をするなんてっ!」

士郎「ま、待ってくれセイバー。 いきなりマスターだとか俺に言われても、こっちはてんでわからないんだ。 少しは説明してくれ……!」

士郎「それにーーーお前が襲いかかろうとしているヤツは俺が知っているヤツなんだ。 それを襲わせるなんて俺にはでき【Drill】


【Tornado】


【SpinningAttack】

セイバー「はっ!」

衛宮士郎の言葉を遮るように響き渡る電子音声。
頭を上げ空を睨むセイバーに一瞬遅れ私も空を見上げる。

凛「あっーーー」

そこにいたのは、月を背に浮遊する。 アーチャーの姿だった。


…………

ーーー何処まで飛ばされたのか。

少女が操る爆風になす術もなく吹き飛ばされたアーチャーは、何処とも知れぬ雑木林の中に突っ込んでいた。

アーチャー「くっ…」

【Float】

蜻蛉の絵が描かれたハートの4のカードを弓に通す。
どのようにして浮力を得たのか、アーチャーの体は重力の縛りなど消失したかのように雑木林を抜け空を浮遊する。

アーチャー「待っていろ……凛」

まだ彼のマスターとの繋がりは確認できる。 だが、今は一秒の遅れがマスターの死に直結する。
今はただ、一瞬でも早く彼女の元へと馳せるのみ。

アーチャー「セイバーのサーヴァント、か……」


だがアーチャーは思考する。 今、彼のマスターの命を脅かすサーヴァント……セイバーについて。

少女とは言えランサーすら上回る膂力。 そして、如何なるカラクリかは判らぬが、不可視の膜で覆われた剣の一撃。 だが、アーチャーの眼は一瞬で剣の正体を透視(み)ていた。

ーーー眩いばかりの、黄金の剣。

あれ程の剣の使い手、セイバーのクラスしかあり得ない。 それもセイバークラスの中でも最高峰のサーヴァントと言っても良いだろう。

アーチャー「ヤツなら……」

アーチャー「だが…、ヤツがセイバーなら、退くしかない。
戦っては…いけない」

勝てないから撤退するーーーではない。

かの騎士がセイバーのサーヴァントならば、アーチャーはセイバーを『倒す訳にはいかない』


いや、寧ろーーーー。

アーチャー「あれは…!」

見つけた。
どうやら彼のマスターである少女の首はまだ繋がってるようだ。

ーーー考えるのは後だ。 今はとにかく凛をたすけーーーっ!!!

ーーーーどくん、と

歓喜が躰を駆け巡った。

3


歓喜

歓喜

歓喜

歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜ーーー!!!!

ミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタ
テキヲころセテキヲコロしたいコロセヤリたイキリきざメキリサケキリサキタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイーーー。

ーーーほろぼし、たい。

アーチャー「やめ、ロ。 オれはっ、オレ、ハーーー」

アーチャー「グウゥッッ、ア、アァァアアア、ヤメロォォオオオオオオオオオオオオ■■■■■■■■■■ーーー!!!!」

【Drill】


【Tornado】


【SpinningAttack】

自らの体を烈風の大砲と化す。 触れる者全てを斬り刻む烈風の鎧を纏い、人外の雄叫びをあげながら、烈風の弾頭はセイバーへと突貫する。


歓喜

歓喜

歓喜

歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜歓喜ーーー!!!!

ミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタ
テキヲころセテキヲコロしたいコロセヤリたイキリきざメキリサケキリサキタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイーーー。

ーーーほろぼし、たい。

アーチャー「やめ、ロ。 オれはっ、オレ、ハーーー」

アーチャー「グウゥッッ、ア、アァァアアア、ヤメロォォオオオオオオオオオオオオ■■■■■■■■■■ーーー!!!!」

【Drill】


【Tornado】


【SpinningAttack】

自らの体を烈風の大砲と化す。 触れる者全てを斬り刻む烈風の鎧を纏い、人外の雄叫びをあげながら、烈風の弾頭はセイバーへと突貫する。

4

……………

魔風(かぜ)が吹く。
アーチャーを守らんとする鎧にならんと、アーチャーの前に塞がるモノを斬り刻む刃にならんと。

凛「なっーーー」

アーチャー「■■■■■■■ーーー!!」

ドリルの様にその身を高速回転させ、烈風の刃と共に、射出される弾頭のように一直線にセイバーへとその身を放つ。

セイバー「ぐっーーーハっ!」

だが、やすやすと愚直な一撃を受けるようなセイバーではない。
アーチャーの一撃が放たれる前に攻撃を察知したセイバーなら、避けることは容易いはずだ。
しかしーーーセイバーは逃走せず、剣を構え迎え討つ。

士郎「ーーーー」

後ろで呆然と佇む、無力なマスターを守る為に。


……………

魔風(かぜ)が吹く。
アーチャーを守らんとする鎧にならんと、アーチャーの前に塞がるモノを斬り刻む刃にならんと。

凛「なっーーー」

アーチャー「■■■■■■■ーーー!!」

ドリルの様にその身を高速回転させ、烈風の刃と共に、射出される弾頭のように一直線にセイバーへとその身を放つ。

セイバー「ぐっーーーハっ!」

だが、やすやすと愚直な一撃を受けるようなセイバーではない。
アーチャーの一撃が放たれる前に攻撃を察知したセイバーなら、避けることは容易いはずだ。
しかしーーーセイバーは逃走せず、剣を構え迎え討つ。

士郎「ーーーー」

後ろで呆然と佇む、無力なマスターを守る為に。


いくらセイバーと言えどもアーチャーのあの一撃を耐えれるのだろうか。
もし耐えられなかったら、受け止めきれなかったらーーーその先に待つのは無力なマスターとの心中。

それはいけない。 また死なす訳にはいかない。 あの宝石を使った意味が本当に無くなる。

だから、そう。

嫌なだけだーーーただ宝石を使った事が無意味になるのが、嫌なだけなんだから!!

凛「令呪をもって命じる! 止まりなさいアーチャーーーー!!!」


アーチャー「■■■! ■■■■■■■■グウウウゥゥおおおおおおお!!!!」

魔風の鎧は雲散し、アスファルトの地面を抉りながら転がり続けアーチャーは停止した。

アーチャー「っ、ハァっ…ハァ…はあ…」

凛「アーチャー、 止めなさい。 あっちのマスターは戦う気なんて無いわ」

アーチャー「……あぁ。 すまない、凛」

士郎「と、遠坂ーーー?」

ぽかん、と。 間抜けのように口を開いて私の名前を呼ぶ衛宮士郎。

凛「まさかあなたがマスターになってるなんてね」

凛「こんばんわ。 衛宮君」

ちょっと。 こっちは笑顔で挨拶したのに、何で顔が引きつってるのよ衛宮君。


……………

セイバー「マスター……その…いくら何でもこれは無いのではないでしょうか……」

士郎「し、仕方ないだろセイバー。 鎧の上から着れるのはそれしかなかったんだから」

私とアーチャー、セイバーと衛宮君はこの聖杯戦争の監督役がいる教会へと向かっている。
外を歩くなら鎧を脱いでくれと言う衛宮君と、頑として首を縦に振らないセイバー。
妥協案として、黄色のレインコートを上から羽織ってきている。

……微妙に似合っているのが少し笑える。

アーチャーを止めた後、わたしはこの聖杯戦争に巻き込まれた衛宮君に状況を説明した。
……まぁ、まさか衛宮君が魔術師で、魔術師というには余りにも魔術師としての常識を持っていないなんて思いもしなかったんだけど。

それで、結局監督役であるアイツの所に行ってセイバーを召喚したことを伝えるついでに、聖杯戦争についての説明を受けてもらうことにしたのだ。


アーチャー『……』

アーチャーはあの後元の姿に戻り、霊体化したままわたしと衛宮君との話に入ってくることもなく待機していた。( 人の姿に戻ったのを見た衛宮君がまた驚いたりしていたが)

凛「着いたわ。 あそこが今回の聖杯戦争においての中立地点であり監督役が居座る場所。
通称言峰教会よ」

士郎「言峰…教会」

飼い犬は飼い主に似るなんて言葉があるが、建物まで主に似るのはどうなんだろうか。 アイツの重苦しい威圧感そのものが覆い被さってくるこの感じが、わたしは昔から苦手だった。

凛「さぁ、行くわよ衛宮君」

士郎「あ、ああ」

ーーーぎいっと、教会の門を開け、わたしと士郎は神父が待つ礼拝堂へと足を踏み入れた。



ーーー風が吹く。

静かな、夜。

こんな夜に響くのは風の音と、葉鳴りのさざめきぐらいだろう。

セイバー「……」

アーチャー『……』

少年の従者は、不動のままただ一点を見据え、少女の従者は、霊体化を解かぬままただ時間が過ぎるのを待つ。

2人が話す理由など何もない。
2人の主次第では直ぐに殺し合いが始まる。
話しをして分かり合う必要など何処にもない。

だからーーー霊体化を解きセイバーの前に姿を現したアーチャーに、セイバーは即座に警戒の姿勢をとった。

セイバー「何のつもりだ、アーチャー」

アーチャー「争うつもりはない。 ただ一言…言いたい事があっただけだ」

セイバー「言いたい事……?」

アーチャー「さっきの…お前に放った攻撃……アレは俺の失態だ。
……すまない」

軽く、首を少し下に動かす程度だが、頭を下げてアーチャーはそう言い放つ。

セイバー「……」

セイバーは何も言葉を発さない。

ーーーまさか、この男はわざわざそんな事を言うために私の前に無防備な首を晒したのか。


セイバー「……頭を上げろ。 アーチャー」

セイバー「あの時貴方が取った行動はサーヴァントとして当然の行動だ。 何も恥ずべき所はない」

アーチャー「……」

その言葉を聞き、顔を上げセイバーの目を見るアーチャー。

セイバー「だが、それが貴方が考えて取った行動でなかったのなら話しは別だ」

アーチャー「ーーー気づいて、いたのか」

セイバー「アーチャー、一瞬だったが確かにあの時の貴方には、バーサーカーと言ってもいい程の狂気が溢れていた」

セイバー「それが貴方の英霊としての特性なのか、宝具の副産物なのかは私には分からない」

セイバー「だが、侮るなアーチャー。 私に誤魔化しなど通じない」

アーチャー「…流石だな。 セイバー」

アーチャー「あの聖剣の使い手なだけはある」

セイバー「っ……! アーチャー、貴方は……!!」

アーチャー「俺はもうお前を侮らない。 次に戦う時はーーー全力でやらせてもらう」

セイバー「……」

ーーー風が吹く。

風の音色と、葉鳴りのざわめきは、変わらず夜に響いていく。


今日はここまで。
始さんは不器用な人。

昨日のUBW最高だった。

アーチャー(武器が弓剣)
セイバー(弓であり剣)
バーサーカー(特性)
ライダー(のりもの)
キャスター(封印し使役する外法の使い)
他 霊長の力を崩す者、ルールを逸脱する者

エクストラクラス含め適応クラス多いな

8時頃に投下します


士郎「ーーーマスターとして戦う。
十年前の火事の原因が聖杯戦争だって言うんなら、俺は、あんな出来事を二度も……いや、三度も起こさせる訳にはいかない」

衛宮君は決断を下した。
己の願いの為ではなく、無辜の人々が踏みにじられないために戦う、と。

凛「三度……? 何の事よ衛宮君」

「十年前の冬木の大災害。 そして、四年前のダークローチ災害の事、か、衛宮士郎」

ダークローチ災害。

四年前、日本にーーいや、世界に突然訪れた滅び。
とある魔術師が己の野望(ねがい)の為の果てに、結局は滅びを招いてしまった事件。

士郎「あぁ、その通りだ言峰神父」

言峰「ーーー懐かしいな。 あの時は冬木のセカンドオーナーである凛と共に対応に追われていたものだ」

言峰「フフ。 あの時の凛はまだ可愛げがあった。 ダークローチから助けた際にはーーー」

凛「何言おうとしてんのよこのエセ神父!!」


あの時はようやく遠坂の当主として形になってきたばかりで今より全然未熟だったんだからしょうがない。
うん。 しょうがないしょうがない。

それに、体術だけでバッタバッタとゴキブリ怪人をなぎ倒していく神父の方が人間として問題があるというものだ。

士郎「遠坂も、あの化物と戦っていたのか?」

凛「戦いというよりは調査だったけどね。 あいつらは一体なんなのか、どうやったら消えるのか調べてたんだけど、あっという間に数が増えて倒すのに手一杯になっちゃった」

凛「って、『も』ってどういう事よ『も』って。 衛宮君、あなた避難してたんじゃないの?」

士郎「……藤ねぇを避難させた後逃げ遅れた人がいないか探してた」

凛「はあぁ!? 何であなたがそんな事してたのよ!」

士郎「お、俺も流石に無茶だったって思ってる。 藤ねぇにも散々怒られたし。
でも、あの時期は色々あったから……さ。 それに、まだ助けれる人がいるのなら助けるべきだと思ったんだ」

凛「……お人好しも過ぎるってものよ、それ」

本当に…衛宮君は聖杯戦争なんていう下法の戦いを生き残れるのだろうか。

言峰「さて、閑話休題と行かせてもらおうか。 監督役としての仕事を済ませたいのでね」

言峰「君をセイバーのマスターと認めよう。 衛宮士郎。
この瞬間に今回の聖杯戦争は受理された。
ーーーこれよりマスターが残り一人になるまで、この地における魔術戦を許可する。 各々が自身の誇りに従い、存分に競い合え」

神父の声が重々しく響く。
今、衛宮士郎にとっての始まりの鐘が鳴った。


凛「さて、用事も済んだ事だし。 行きましょうか衛宮君。 こんな重っ苦しい所からはさっさとオサラバよ」

言峰「少々誤解があるようだな、凛。 教会は神の家。 来る者は拒まず、去る者も追わない。
これ程までに開放的な場所は他に無いと思うがね」

凛「えぇ私も同感よ綺礼。 あんたみたいな人間が神父をやってること自体が、神様はどんな外道でも来る者拒まずっていう証明になるんだもの」

士郎「お、おい遠坂……」

凛「良いのよこれぐらい。 まだ砂糖みたいに甘いくらいよ」

取手に手を掛け、扉を開く。

凛「それじゃあ、私行くから」

返事を待たずさっさと出ていく。

衛宮君のため息が聞こえたような気がした。


…………

遠坂は立ち止まる事なく礼拝堂を横切り、出て行ってしまった。

士郎「はぁ…」

ため息をもらして遠坂の後に続く。
と。

「っーーーー!」

背後に気配を感じて、たまらずに振り返った。

言峰「……」

いつの間に背後にいたのか、神父は何を言うのでもなく俺を見下ろしていた。

士郎「っ……」

……やはりこいつは苦手だ。
相性が悪いというか何というか、ともかく好きになれそうにない。

士郎「話しがないなら帰るからなっ!」

神父の視線を振り払い、扉に手をかける。

その途中。

言峰「ーーーー喜べ少年。 君の願いは、ようやく叶う」

士郎「ーーー」

その言葉は。
自分でも気づいていなかった衛宮士郎の本心ではなかったか。



士郎「ーーーなにを、いきなり」

言峰「判っていたはずだ。 明確な悪がいなければ君の望みは叶わない。 正義の味方には倒すべき悪が必要だ」

士郎「っーーーおま、え」

何かを守ろうという願いは、何かを侵そうとするモノを欲する望みと変わらない。

けど、俺は、そんな事を望むはずがない。
望んだ覚えなんてない。

言峰「なに、取り繕うことはない。 十年前はただ巻き込まれ、四年前は力がなかった。
だが、今の君には災厄を止め、打ち倒す力がある。
存分に戦い、願いを叶えたまえ。 君の行く末を、私も祈ろう」

言峰「存分に、悪を討ち滅ぼしたまえ」

士郎「っーーーー」

神父の言葉を振り払って、扉に力をこめる。

言峰「さらばだ衛宮士郎。
最後の忠告だ。 帰り道には気をつけたまえ。
君は殺し、殺される側の人間になった。 その身は既に、マスターなのだからな」

ギィイイっと、音を立てながら扉は開き、また同じ音を立てながら閉まった。

短いですがここまで。

すいません最近仕事がクソ忙しかったのと、モチベーションがなかなか取り戻せなかったとで長らく投下できませんでした。

まだ仕事は忙しいですが、なんとか投下していこうと思います

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月21日 (日) 03:01:02   ID: qCrx3Cu-

所々にはいる訂正かくっそウザいな

2 :  SS好きの774さん   2015年07月07日 (火) 00:00:02   ID: oV7AvNAO

セイバー剣崎じゃーねーのかよ

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