魔法使い「……解雇」

魔法使い「仕方ない。回復役のいない脳筋パーティーではこの先全滅必死」

魔法使い「勇者様の判断は正しい。その能力において彼女は優秀」

魔法使い「……」ﾍﾟｯﾀﾝ

魔法使い「……身体的にも」

魔法使い「……」

魔法使い「……ぼっち。……問題無い、もともと……ぼっち」

魔法使い「問題なのはこれから。このままでは帰る場所の無い私は完全に路頭に迷ってしまう」

魔法使い「……」

商人「いらっしゃい！　今日はなんのようだい？」

魔法使い「……やくそうを５つ」

商人「あいよ！　ちょっとまってな！」


「みろよ。あいつ、勇者様のパーティーだった奴だ」ﾋｿﾋｿ

「新たに加入した賢者がえらいボインだったて話だぜ」ﾋｿﾋｿ

「やっぱ胸だよな。偉い人の割にはそれがよく分かってる」ﾋｿﾋｿ


商人「はいよ！　やくそう５つ、まいどあり！」

魔法使い「……どうも」


ｶﾞﾀｶﾞﾀ


魔法使い「……？　奥の部屋から物音」

商人「ちっ！　おいっ！　静かにしやがれ！」


ｶﾞﾀｶﾞﾀ


商人「ったく……あの調子じゃ商品にすんのにどんだけ時間かかることやら」

魔法使い「……奥の部屋にいるのはもしかして」

商人「お察しの通り、奴隷予定の商品だ。このご時世、手広く何でもやんねぇとな。食いっぱぐれる」

商人「最近じゃぁ他種族の奴隷もけっこう入ってきてるぜ。飼いならせる奴ぁ少ねぇがな」

魔法使い「……そう」


ｶﾞﾀｶﾞﾀ



魔法使い「……あの」

魔法使い「……お金無くなった。杖と帽子とローブも」

魔法使い「……我ながら愚かしい。くしゅん」


？「……」


魔法使い「……私は、あなたを買った魔法使い」


？「……」


魔法使い「……自己紹介出来る？」


奴隷の種族>>7
性別>>9

大男の首の上から幼女の上半身が生えてる種族

通称ピグミー族

デュラハン

㊚

性別は>>11ね


ピグミー「はい！　ピグミーっていいまーす！」ﾑｷﾑｷ

魔法使い「……筋肉ムキムキなのに……可愛い顔……というか不思議な体の構造……」

ピグミー「ありがとーございまーす！」

魔法使い「……男？それとも女？」

ピグミー「嫌ですよもー！　私のフンドシに書いてるじゃないですかー！　㊚ってー！」

魔法使い「……頭痛くなってきた」

ピグミー「あのー、一つ聞いていいですかー？」

魔法使い「……なに？」

ピグミー「決まってるじゃないですかー！　一文無しになってまで私を買った理由ですよー！」

魔法使い「……気まぐれ。正直後悔している」

ピグミー「あはははーー！　気まぐれですかー！　よくありますよね分かります―！」

魔法使い「……とりあえず今日は寝る」

ピグミー「はいー！　どこの宿ですかー？」

魔法使い「野の宿と書いて野宿」

次の日


魔法使い「……この先どうするか。お金はない、装備もない」

魔法使い「……帰る場所がないのだから旅は続けたい」

魔法使い「……この町に留まってもいいのだけれど」

ピグミー「すぴー……すぴー」

魔法使い「……今の私にあるもの。魔法と奴隷」

魔法使い「……ものは何でも使いよう。……よし……起きて」

ピグミー「むにゅ……んんー……」

魔法使い「奴隷、ピグミー。我が命に従え」

ピグミー「は、はい！　おはよーございます！」


魔法使い「これからあなたには>>19をしてもらう」

穴掘り

ピグミー「穴掘りですかー？　かよわい㊚に肉体労働はキツイといいますかー」ﾑｷﾑｷ

魔法使い「……嘘はいいから」

ピグミー「仕方ないですねー。どれくらいの深さを掘りますか―？」

魔法使い「……ええと。……うん、計算だと2000メートルくらい」

ピグミー「ええー！」

魔法使い「無理？」

ピグミー「出来なくもないですけどー！　3分間もかかっちゃいますよー！　待ってられますかー？」

魔法使い「……もちろん。むしろ早すぎ」

ピグミー「掘りましたー！　」ﾄﾞｺﾞｰﾝ

魔法使い「2分40秒……まさに驚異」

ピグミー「いえいえー！　1分ほどで掘れましたよー！　掘ったあと上ってくるのに時間がかかりましたー！」

魔法使い「……」

ピグミー「でもどうするんですかー？　こんな穴ー？」

魔法使い「……メラゾーマ！」ﾎﾟｩ

ピグミー「ええっ！？　ま、魔法！？」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………


ピグミー「わわわっ！？　じ、地震ですかーーー！？」



コポコポコポ……


魔法使い「湧いてきた……」

1週間後


ガヤガヤ……


ピグミー「はーい！　魔法使いの温泉宿はこちらでーす！」

魔法使い「……売り上げ順調。旅の資金が稼げた」

ピグミー「いやー！　まさか掘った穴から温泉が湧きだすとはー！　凄いですねー！」

魔法使い「……ここら辺は炎系の魔物が多い。たぶん、火の魔力帯域」

魔法使い「火の魔力の影響を強く受けた地下水脈を探し出し、同じく火の魔法で活発化させれば」

ピグミー「温泉が湧き出すってわけですかー！」

魔法使い「……机上の空論ではあったけど。成功してよかった」

魔法使い「……じゃあ。ここの経営は任せる」

ピグミー「はいー！　任せてくださいー！」

魔法使い「……別にもう奴隷止めて自由になっていい。充分稼いだし」
　
ピグミー「と言われましてもー！　私も宛ての無い身の上ですのでー！　それに結構楽しいですしー！」

魔法使い「……そう」

ピグミー「行先は決めてるんですかー？」

魔法使い「……とりあえず次の町」

ピグミー「わっかりましたー！　それではいってらっしゃいませー！」

魔法使い「……うん。行ってきます」

道中



魔法使い「……行ってきますって……初めて言葉にした」

魔法使い「……あ」




「ひゅー！　さすが賢者さんだ！　魔物が一瞬で全滅だぜ！」

「うふん。これくらい当然よん」ﾎﾞｲｲﾝ

「一生ついていきやす！　姉御！」

「ささっ！　町に戻って温泉入りに行きましょう姉御！　出来れば混浴で！」


魔法使い「……しばらくあの町から動かなそう」

港町


魔法使い「……潮の臭い、波の音、鳥の声……あれが海……大きい」

魔法使い「ここで定期船に乗って海の向こうの町へ……」

魔法使い「……ん？」


まてー！　こらー！


ガヤガヤ



魔法使い「……何かあったのかな。騒がしい」

商人「逃げられるとでも思ったか！　てめぇは奴隷になるって決まってるんだよ！」


？「……！」


魔法使い「……あ」

商人「ん！？　なんだ、てめぇは！」

魔法使い「……あの、前の町でお会いしましたと思います」

商人「んん？　……ああ、そりゃ俺の弟だな！　俺は兄貴だよ！」

魔法使い「……兄？　そっくり」

商人「まぁな！　ってそんな話は後にしてくんな！　今立て込んでるんだ！」

魔法使い「……何があったのですか？」

魔法使い「奴隷予定の商品が脱走……」

商人「ああ！　ったく……あの調子じゃ商品にすんのにどんだけ時間かかることやら」

魔法使い「前にも同じセリフを聞いたような……」


？「……」


商人「やっぱ調教師を通さなきゃ碌な商品にはならねーな！やれやれだぜ！」


？「……」


魔法使い「……あの」

魔法使い「……お金無くなった。杖と帽子とローブも」

魔法使い「……我ながら本当に愚かしい。一度ならず二度までも」



？「……」


魔法使い「……私は、あなたを買った魔法使い」


？「……」


魔法使い「……自己紹介出来る？」


奴隷の種族>>30
性別>>32

リザードマン

↑

リザードマン「がうがう」

魔法使い「……言葉が通じない。基本魔物だから仕方ない」

リザードマン「がうー」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

魔法使い「……一応、懐かれてる？　恩人って思われてるのかもしれない」

魔法使い「……カタログによると……リザードマン。性別はメス」

魔法使い「武具を匠に操ることから戦闘力は高い。知能もそこそこある」

リザードマン「がう」

魔法使い「……よしよし」

魔法使い「……海……どうやって渡ろう。お金ないと船に乗れない」

リザードマン「がうー」

魔法使い「……前の町に戻って温泉宿の売り上げを貰って……でも……」


「あは～ん。いい気持ち～」ﾎﾞｲｰﾝ


魔法使い「……なんかやだ」

魔法使い「……あなたに翼があったなら……空を飛んで海を超えられたのかな」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

リザードマン「がう？」

魔法使い「……なんて。翼なんてなくても、あなたは卓越した武勇を持っている」

魔法使い「私にその力、貸してもらえる？」


リザードマン「がう」


魔法使い「リザードマンの武勇を活かして、>>37をしてみる」