吹雪「司令官。お疲れですか?」 (45)


・艦これSSです

・吹雪がメインです。

・出てくる面子がアニメ面子に似ていますが関連性はありません。


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吹雪「さっきからしきりに肩を回したり揉んだりしてますけど……」

提督「ん? ああ、机仕事が多いからな。どうしても同じ姿勢でいることが多くなって、体が固まってしょうがないんだよ」

吹雪「大丈夫ですか?」

提督「あー……。最近禄に運動もできてないし、寝ても疲れが取れてる気がしないからな。かといってゆっくり休暇を取れる身分でもなし。どうしたもんか」

吹雪「……あの」

提督「なんだ?」

吹雪「もしよろしければ、肩を揉みましょうか?」


提督「肩を? 迷惑じゃないか?」

吹雪「そんなことありません! 司令官はいつもわたしたちのために執務を頑張ってくださっているんですから、感謝の意味も込めてです」

提督「いや、提督として当たり前のことをしているだけなんだがな」

吹雪「その当たり前のことをしっかりとしているってことがありがたいんですっ」トトトッ

提督「む……」

吹雪「じゃあ、始めますね」サスサス


提督「おお……?」

吹雪「ええと、こうして撫でることで筋肉が温まって血行が良くなるんだそうです。そうすると疲れがとれやすくなって、筋肉も解れやすくなるんです」スリスリ

吹雪「ちょっとテレビで見ただけなんですけどね……」アハハ

吹雪「どうですか司令官?」サスリサスリ

提督「ああ。段々温かくなってきた。でもまあ、撫でられるっていうのは結構こそばゆいもんだな」

吹雪「あっ、くすぐったかったですか?」

提督「いや、悪くない」

吹雪「ほ、ほんとですか? なら良かったです。続けますね」サスサス


提督「……」

吹雪「首から肩と、首から背中を少し体重をかけて圧しながら流していきます……」グーッ

提督「ほお……」

吹雪「掌で軽く揉むようにしながら……」

提督「……」ボーッ

吹雪「んしょ……んしょ……」グッグッ

提督「……」ウトウト


吹雪(あ……司令官、眠そう)

吹雪「眠くなったら寝ちゃっても大丈夫ですよ。終わったら起こしますから」

提督「そう……か……すまんな……」ウトウト

吹雪「いえいえ、構いませんよ」

提督「……」スースー

吹雪「……ふふっ、司令官の寝顔、なんだか子供っぽい」ニコニコ


 …
 ……
 ………


吹雪「司令官」

提督「ん……んん……?」

吹雪「マッサージ、終わりましたよ」

提督「ん……そうか」グググッ

提督「ふぅ。かなり楽になった。ありがとう、吹雪」

吹雪「えへへ。司令官に喜んでもらえてよかったですっ」

提督「よし、それじゃあ残った書類を片付けよう」

吹雪「はいっ、司令官!」

吹雪(司令官、気持ちよかった、んだよね? だったら……)


 ~夜 談話室にて~


吹雪「~♪」カチ、カチカチッ

吹雪「あ、これ良さそうかも……メモメモ」カリカリ

吹雪「ええっと、次は……」カタカタ



睦月「あれ? 吹雪ちゃん……?」

夕立「ぽい? どうしたの睦月ちゃん」

睦月「夕立ちゃん。あそこ見て」

夕立「吹雪ちゃんがどうしたの?」


睦月「あんなに上機嫌でパソコン見て、どうしたんだろう」

夕立「何かメモってるっぽい~」



吹雪「これでいいかな……電源落としてっと」ポチ

吹雪「……司令官、喜んでくれるかな」

睦月「吹雪ちゃん?」

吹雪「ひゃあっ!?」ビクッ

睦月「きゃあっ!?」

夕立「び、びっくりしたっぽい~!?」


吹雪「あっ……な、なんだ。睦月ちゃんと夕立ちゃんかぁ」

睦月「びっくりしたのはこっちだよぉ」

吹雪「あはは……ごめんね」

夕立「吹雪ちゃんはここで何してたの? 楽しそうにパソコン弄ってたけど」

吹雪「ぅえっ!? え、ええと……ちょ、ちょっとした調べ物、かな」

睦月「調べ物?」

夕立「っぽい?」

吹雪「あっ! ほら、もう消灯時間も近いから部屋に戻ろう?」タタタッ

睦月「えっ、あっ! 吹雪ちゃんっ!?」トトトッ

夕立「待って欲しいっぽい~!」トトトッ


 …
 ……
 ………


 ~翌日 夜の談話室にて~


睦月「――ということが昨日ありまして……」

夕立「なんか、提督さんがどうこうって言ってたっぽい」

金剛「……むぅ~、ブッキーがそんなことを」

大和「どうしたんでしょうか、吹雪ちゃん……」

北上「それさー」

睦月「北上さん?」


北上「吹雪って最近提督の秘書艦じゃん?」

金剛「そうデスね」

北上「で、その秘書艦が提督のことを気にしながら嬉しげに何かを調べてたわけだ」

大和「そう、なりますね」

北上「つまりはさ。何かあったんじゃないの?」

睦月「何かっていうと、つまり……」

北上「若い男女が狭い部屋で二人きり、とくれば……」


金剛「ま、まさか……まさかブッキーが……」ワナワナ

睦月「はわわわわ……」

夕立「ふ、吹雪ちゃん大人っぽいぃ……」

大和「べ、別にそうと決まったわけではありませんし、少し落ち着いて……」

金剛「し、執務室でそんなハレンチなことをするなんて、時間と場所をわきまえてないデース!」

睦月「……はっ」

夕立「睦月ちゃん、どうしたの?」


睦月「そういえば、さっき提督と吹雪ちゃんが二人でどこかに歩いていってたような……」

金剛「ど、どこに向かってデスか!?」

睦月「え、ええと、ええと……。そうだ! 確か提督の部屋の方向、だった、気が……」



北上「……あれ、割りと冗談のつもりで言ったのにマジっぽくなってきてる?」

大和「やっぱり冗談のつもりだったんですね……」


金剛「の……」プルプル

北上、大和『の?』

金剛「ノー! そんなことは見過ごせませんヨー! ブッキー! ステーイ!」ダダダダッ

睦月「あ、金剛さんー!」タタタ

夕立「走ったら危ないっぽいー!」タタタ



北上「うーん……面白くなってきたかも」

大和「そんなのん気なことを……」


 ~少し前 提督執務室~


提督「……」カリカリ

吹雪「……」カリ、カリカリ

提督「……」ペラッ

吹雪「……司令官、書類のチェックをお願いします」スッ

提督「ああ……大丈夫だ。お疲れさま」

吹雪「いえっ。今日のお仕事はいつもより簡単なものが多かったですし」

提督「それに書類自体も少なかったから、今日はこれで終わりだな。こんな時間に終われたのはいつ以来だか」


吹雪「司令官! お茶、入れましょうか?」

提督「すまんな。よろしく頼む」

吹雪「はいっ」

提督「んー……」ペラッ、ペラッ

吹雪「……」カポッ、サッサッサッ

提督「……温泉か」ペラ

吹雪「温泉がどうかしたんですか?」コポポポ


提督「いや、久々に行きたいと思ってな」

吹雪「いいですね、温泉。わたしも行きたいです。どうぞ、お茶です。熱いから気をつけてくださいね」コトッ

提督「ありがとう」ズズッ

提督「ふう。しかしまあ、休暇が取れるのはここらの海域が安定してからになるか」

吹雪「司令官もみんなも頑張ってますから、直ぐに行けるようになりますよ!」

提督「……ああ、そうだな」


提督「さて、今日の業務はこれで終わりだ。お疲れさま、吹雪」

吹雪「はいっ。司令官もお疲れさまです!」

吹雪「……あの、それでですね」モジモジ

提督「どうした?」

吹雪「司令官は、昨日わたしがしたマッサージ……気持ちよかったですか?」

提督「どうした、いきなり? ……まあ、あれで楽にはなったが」


吹雪「でしたら、その、司令官がよろしければ、今日もマッサージいたしましょうか?」

提督「マッサージ? いいのか?」

吹雪「はい! もちろんです!」

提督「そうか……。なら、お言葉に甘えようか。だが、無理はしなくてもいいんだぞ?」

吹雪「大丈夫ですっ。わたしがしたいだけですから。それに、色々と調べてきたんですよっ」

提督「調べた……マッサージのことを?」

吹雪「はい!」


提督「凄いな。そこまでしたのか」

吹雪「いえ、調べていて楽しかったので! ……それに司令官に喜んでもらいたかったから」ボソッ

提督「なんだって?」

吹雪「い、いえ、なんでもないんです!」ワタワタ

吹雪「それよりも、行きましょう!」

提督「行くって……どこにだ?」


吹雪「司令官のお部屋ですっ。あ……もしかして都合が悪かったでしょうか?」

提督「いや、大丈夫だが……どうして俺の部屋に行く必要があるんだ? この間みたいにここでもできるんじゃ……」

吹雪「それだと肩くらいしかできませんから。今度は全身やって差し上げます!」

提督「そ、そうか」

吹雪「行きましょう司令官っ」グイッ

提督「お、おいおい、引っ張らなくてもちゃんとついて行くって」


 ~提督の部屋~


吹雪「……」キョロキョロ

提督「どうした、吹雪」

吹雪「あ、いえ。きちんと片付いているんだなぁ、と」

提督「整理整頓は基本だからな」

吹雪「ふふ、流石ですね。ええっと、布団を敷いて……」テキパキ

吹雪「よしっ。司令官、お布団に横になってください」

提督「これでいいのか?」ボスッ

吹雪「はい! じゃあ、始めますね」

提督「頼む」

吹雪「ではまず――」


 ~扉の向こう~


金剛「も、もう少し……」ギュウギュウ

睦月「ううっ……きついですぅ~」ギュウギュウ

夕立「ぽいぃ~……」ギュウギュウ

大和「や、やっぱりこういうのは良くないと思うんですけれど……」

北上「そう言いながらちゃっかりついてきてるじゃん」

大和「そ、それはみなさんが暴走しないように……」

金剛「シッ! 何か聞こえてきマシタ……!」ミミペター


『……凄く固く……』

『溜まって……』

『わたしでよければいつでも……』


北上「わー、だいたーん……」

大和「吹雪ちゃん……」カァッ


『司令官……大きい……』


睦月「きゃーきゃー……!」

夕立「あうあうあう……」


金剛「……」プルプル

睦月「……こ、金剛さん?」

北上「……こりゃちっとまずいかな?」



金剛「もう無理デス!」ガバッ

バァン!

金剛「ストーップ! ハレンチ行為は禁止デース!」

睦月「あわわ~!?」ドテッ

夕立「ぽいっ!?」ドテッ

北上「あーあー。突然開けたから倒れちゃって」

大和「こ、金剛さん! 急に開けたら……!」


金剛「……って、アレ?」

睦月「はにゃ……?」

夕立「ぽい……?」

大和「……あ、あら?」

北上「……まーそんなことだろうとは思ってたけど」


提督「……なにやってんだ、お前ら」

吹雪「え、ええ!? な、なんで皆さんが……」


金剛「え? え? だってテートクとブッキーはいやらしいことをしていたんジャ……」

提督「お前は一体何を言ってるんだ」ハァ

睦月「じ、じゃあ、昨日吹雪ちゃんが調べてたものは……」

吹雪「あれはマッサージのやり方を調べてたんだけど……」


大和「つまりは……」

北上「いわゆる勘違いってやつかなぁ」


提督「……で? お前らは一体何を考えてこんなことをしたんだ?」ムクッ

金剛「こ、これには深いわけがありマシテ……」シゴロモドロ

北上「あ、私は特に関係ないんで帰りますね~」シレッ

睦月「ええっ!?」

大和「そもそもと言えば北上さんが変なことを言うから……!」

夕立「ええと……ええっとぉ……」オロオロ


提督「おおよその考えはつくがな……阿呆なことさっさと部屋に戻って寝ろ。金剛と北上は明日出撃だろうが」

金剛「で、でもテートクぅ……」

提督「それとも全員まとめて説教の方がいいか?」

北上「うひゃあ、それは勘弁だよ」

睦月「金剛さん!」グイッ

夕立「行くっぽいぃ~!」グイッ

金剛「ノー! テートク、テートクー……!」ズルズル

大和「……その、失礼しましたっ」ペコリ

ガチャン


提督「……ったく。あいつらは」ヤレヤレ

吹雪「あはは……」

提督「まあ、丁度いいか。吹雪、もう大丈夫だ。ありが――」

吹雪「ダメです」ズイッ

提督「うわっ。……ど、どうした?」

吹雪「だって、まだまだマッサージしきれてません」

提督「もう十分過ぎるほどやってもらったと思うが……」

吹雪「全然です。ですから、司令官はもう一度横になってください」グッ

提督「っとと……随分強引なんだな」トスッ


吹雪「だって司令官はこうでもしないと受けてくれないじゃないですか」

提督「俺が本当に十分だと思っている、とは考えなかったのか?」

吹雪「ふふ、司令官も気持ちよかったですよね? 分かるんですから」

提督「……付き合いが長いってのも考えものだな」

吹雪「嫌でしたか?」

提督「いや……案外悪くない」

吹雪「なら良かったですっ」

提督「……ははっ」

吹雪「ふふっ」


 ~廊下~

金剛「テートクー……」ズーリズーリ

睦月「もう諦めましょうよぉ」ズリズリ

夕立「提督さんに怒られたくはないっぽい~」ズリズリ

北上「まー、よかったじゃん。勘違いでさ」

金剛「それはそうデスが……はっ」キュピーン

金剛「なんだかテートクとブッキーがイチャイチャしている気がしマス!」ズーリズーリ

大和「一体どこからそんな電波を受信したんですか」


 ~終わり~


ちなみに金剛たちが盗み聞きしてた会話の内容は、

吹雪「背中と腰の筋肉、凄く固くなってますよ」

提督「大分疲れも溜まってるだろうからなぁ」

吹雪「わたしでよければいつでもマッサージしますのに」

吹雪「司令官の背中って大きいですね」

といった具合です。

ではHTML化依頼スレッド行ってきます。

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