遊矢「今日はエイプリルフールなんだよな」 柚子「うん」 (14)

遊矢「年に一回大っぴらに嘘を言っていい日か」

柚子「ちょっとバカな考えはやめなさいよ」

遊矢「何か嘘をついてみる?」

柚子「たとえば?」

遊矢「嘘って言っても他人が傷つかない嘘さ」

柚子「他人が傷つかない嘘ね・・・」

遊矢「たまにはいいだろ?」

柚子「まあ・・・やってみようか?」

遊矢「そうと決まれば嘘を考えよう!」

柚子「うん!」

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遊矢「手始めにユートに嘘をついてみようか」

柚子「ユートは隙が無さそうよ」

遊矢「ユート!」

ユート「遊矢?それに柚子も」

遊矢「えーっと・・・」

柚子「何も考えて無いの!?」

遊矢「ゆ、柚子は」

柚子「考えてるわけないじゃない!」

ユート「?」

遊矢「やっぱりいいや・・・ごめんなユート」

柚子「ごめんねユート」

ユート「何なんだ?何があるんだ?」

遊矢「ユートは隙が無いもんな」

柚子「沢渡にしよ沢渡に」

沢渡「近所のケーキ屋が半額だと?」

柚子「うん」

沢渡「カップル揃ってエイプリルフールの嘘を頑張ってついてるのか?アホだな!」

遊矢「そんな言い方をしなくてもいいだろ!」

沢渡「嘘が下手なんだよ嘘が」

柚子「じゃあ沢渡はどういう嘘をつくのよ!」

遊矢「教えろよ!」

沢渡「俺?俺はな・・・」

「沢渡さんは年がら年中嘘ついてんだよ!」

「嘘のベクトルが違うって事だ!」

「どうだ!思い知ったか!」

沢渡「ってわけだ」

遊矢「それ自慢にならないからな」

柚子「行きましょ」

沢渡「ぐぬぬ・・・」

黒咲「何だと!?瑠璃が100人に!」

遊矢「ああ」

黒咲「案内しろ・・・とでも言うと思っているのか」

遊矢「・・・」

黒咲「瑠璃は4人しか居ない!いきなり96人も増えるか!」

柚子「だから言ったじゃない」

黒咲「瑠璃に変な事を吹き込んだな!」

遊矢「ち、違う!」

黒咲「瑠璃!彼氏に合わせる必要は無いのだぞ!」

柚子「違う違う!」

遊矢「今日はエイプリルフールって言ってさ」

黒咲「問答無用!歯を食いしばれ!」バシッ

遊矢「イッテッ!」

柚子「遊矢!いきなりビンタはやめてよ!」

黒咲「瑠璃を嘘つきに仕立て上げようとする遊矢に喝を入れてやった」

ユーゴ「はあ?ジャックがセキュリティにパクられた?」

柚子「う、うん」

ユーゴ「お前らすげえ顔に出やすいタイプだな。嘘ついてんじゃねえよ!」

遊矢「ユーゴもダメか・・・」

ユーゴ「ジャックがパクられるタマか?ねえよ!」

遊矢「ジャックさんいい人だもんな」

柚子「犯罪行為をするわけないよね」

ユーゴ「エイプリルフールだか何だか知らねえがガキかよ!」

遊矢「・・・」

ユーゴ「そりゃお互いガキだけどよ・・・すぐにバレる嘘つくんじゃねえよ!」

柚子「ごめん」

ユーゴ「謝んなよ!何か俺が悪りいみたいじゃねえか!」

遊矢「中々、引っかからないな」

柚子「そうね」

ユーゴ「珍しいな、こいつらが何か嘘つきやがるなんて」

権現坂「遊矢!柚子!見つけたぞ!」

遊矢「権現坂!?」

柚子「ど、どうしたの!?」

権現坂「エイプリルフールに現を抜かし嘘をついているようだな!」

遊矢「だ、だって」

権現坂「けしからん!」

柚子「年に一回何だし・・・今日ぐらいはいいかなって」

権現坂「そういう事をすると悪の道へと引きずり込まれるぞ!」

遊矢「・・・」

権現坂「何たる事だ!この男権現坂は怒りに震えておるぞ!」

遊矢「俺が悪いんだ。柚子は怒らないでやってくれ」

柚子「違うわ!私よ!」

権現坂「・・・」

遊矢「俺だ!」

柚子「私!」

権現坂「どっちも同罪だ!」

ユート「何だったんだ2人は」

黒咲「ユート!」

沢渡「っつうか何でエイプリルフールってだけで無理に嘘をつく必要があんだよ!」

ユート「隼に・・・沢渡まで居るのか」

黒咲「今日はエイプリルフールらしい」

ユート「それが何か関係あるのか?」

沢渡「遊矢と柚子がしょーもない嘘ついてんだよ」

黒咲「俺が喝を入れてやったがな」

ユート「あの2人は嘘をつこうとしていたのか」

沢渡「お前もつかれたのか?」

黒咲「そうなのか?」

ユート「いや俺は・・・嘘をつかれた隼と沢渡に嘘をつかれない俺か・・・フッ」

黒咲「何だユート!?」

沢渡「いきなり笑やがったぞ!?」

ユート「いや何でも無い」

素良「見つけたよ!エクシーズの残党!」

沢渡「えーっ・・・誰だっけ?何か見覚えあるぜ」

黒咲「瑠璃に融合を教えたろくでなしだ」

ユート「ついでに遊矢を騙して遊勝塾に寄生してたアカデミアの少年だったな」

沢渡「思い出した!あのガキだ!」

素良「今日は本気出すよ!」

ユート「今日は本気?今日はエイプリルフールだったな」

黒咲「という事は嘘か」

素良「うるさい負け犬!」

沢渡「赤馬零児は融合次元の奴は見つけ次第ボコボコにしてもいいって言ってたな」

ユーゴ「融合次元の奴か!ついに見つけたぜ!しかもクソガキじゃねえか!」

素良「エクシーズにシンクロ?来なよ!僕は本気だ!本気だよ!」

ユート「放っておこう」

ユーゴ「放っとくのか?まあ本気を連呼する奴にロクな奴は居ねえもんな。そういう奴に限って働かねえし」

素良「何だよ逃げるの!?じゃあ僕の勝ちだ!」

黒咲「好きにしろ。お前が勝とうが負けようが知った事ではない、それと瑠璃と遊矢には近づくな。融合次元の下劣さが移る」

沢渡「普段から嘘ばっかついてると誰にも相手にされねえって事だぜ。じゃあな」

素良「逃げるなよ!本気なんだぞ!ちょっと聞きなよ!デュエルしてよ!!!頼むから!!」

遊矢「権現坂ムチャクチャ怒ってたよな」

柚子「怒るわよね普通は・・・」

セレナ「落ち込んでるのか?」

遊矢「セレナだ」

柚子「何で救急箱なんて持ってるの?」

セレナ「な、何だっていいだろ」

遊矢「誰か怪我したのか?」

セレナ「・・・黒咲と子供が大喧嘩して子供の方が放り投げられて頭から血を出していたから」

柚子「黒咲が子供を?」

セレナ「怪我したらオロナイン塗ればいいってあいつが言っていた」

遊矢「あいつ?誰だ?」

セレナ「だ、誰だっていいだろ!」

遊矢「とにかく俺達も行こうか」

柚子「うん!」

セレナ「こっちだ」

素良「頭から血が出たじゃないか!」

黒咲「融合次元の者も血は赤いのか」

ユーゴ「ドス黒いのかと思ったぜ」

素良「この!」

ユート「やめるんだ」

素良「離せよ!負け犬のくせに指図するなよ!」

ユーゴ「うるせえぞクソガキ!」バキッ

素良「痛!ふざけるなよ!」

ユーゴ「てめえらに情けかけると思ってんのか!クソガキが!」

素良「シンクロ次元のくせに黙れよ!ゲームの駒のくせに!」

ユーゴ「ぶっ殺す!」

遊矢「素良!」

柚子「素良がどうして!?」

素良「チッ」

ユーゴ「なに舌打ちしてやがんだ!こっち向きやがれ!」ドスッ

ユート「いくら外道でも相手は子供だぞ。もうやめろ」

ユーゴ「ガキだろうが何だろうが融合次元の奴だぜ!?ここで仕留めんのが道理ってもんだ!」

遊矢「勘弁してやってくれよ!戻りたくて来たんだよな素良?」

素良「そんなわけないじゃん・・・友情ごっこは終わってるんだよ」

柚子「本当にそう思ってるの?」

黒咲「耳を傾けるな」

ユーゴ「こいつはお前らを騙すつもりだぜ?」

遊矢「ならエイプリルフールの日にわざわざ悪態つきに来ないだろ」

柚子「だから今の友情ごっこは嘘よ。そうよね素良?」

素良「ううっ・・・」

ユート「それにまだ子供だ。あそこに居るセレナのように更生する見込みはある」

ユーゴ「甘いぜ!てめえもそう思うだろ?」

沢渡「お、おう」

ユート「とりあえず様子見だ」

黒咲「ユートがそこまで言うなら」

素良「お前とは絶対に仲良くしない!」

黒咲「貴様!」

数日後

遊矢「素良は?」

セレナ「あそこで黒咲相手にはしゃいでいる」

素良「今日こそは本気の本気だよ!」

黒咲「毎回毎回嘘ばかりつくんじゃない!」

ユーゴ「うるせえよ!少しは静かにできないのか!?」

ユート「やれやれだ・・・」

遊矢「まあついていい嘘と悪い嘘もあるし」

柚子「素良の場合は悪い嘘かな?」

セレナ「あいつも十代に会えば自分の価値観が変わるだろ」

遊矢「十代さん?珍しいなセレナが十代さんを褒めるなんて」

セレナ「う、嘘に決まってるだろ・・・誰があんな奴を褒めるか・・・」

素良「それ!」バシッ

黒咲「ウロウロ動き回るな!」

ユーゴ「うるせえって言ってるだろ!」

柚子「でも素良が戻って来て良かったね」

遊矢「ああ」





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