靖子「え、いや、結婚してますけど」 (34)

ザ☆短レス

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健夜「えっ」

靖子「いやだから旦那いますよ、って」

健夜「……それは何かの比喩だよね?」

靖子「たとえじゃないですね、現実的な話です」

健夜「ええっと、婚姻届に必要事項を記入して判子を押して役所に提出したってこと?」

靖子「まさに」

健夜「一人で書いたの?」

靖子「明らかに他人とわかる筆跡なんですけどね」

健夜「靖子ちゃん、代筆の技術をそんなところで発揮しちゃいけないと思うよ?」

靖子「言い方が悪かったですかね、書いたのは間違いなく私の旦那ですよ」

健夜「ちょちょちょちょっと待って」

靖子「構いませんよ」

健夜「いちおう私も麻雀のプロ。靖子ちゃんもプロ。だよね?」

靖子「そうですね」

健夜「じゃあ結婚はできないじゃない」

靖子「ちょっと繋がりが見えないですね」

健夜「そうかなあ……?」

靖子「そうですよ」


.



健夜「でも私、式に呼ばれてないと思うんだけど」

靖子「いえ、式挙げたの実業団時代だったんですよ」

健夜「そういうのってずるくないかな?」

靖子「どこがですか?」

健夜「だって実業団って扱いは会社員なわけでしょ?」

靖子「まあ、はい。うちのところはそうでしたね」

健夜「出会いがあるじゃない!」

靖子「正直言ってプロの方がよほどいろんな人と知り合う機会が多いと思うんですけど」

健夜「……」

靖子「……」

健夜「あとさ、気になってることがあるんだけど」

靖子「なんですか?」

健夜「私は靖子ちゃんがたぶんプロになるだろうな、って実業団のころからチェックしてたんだけど」

靖子「そうだったんですか、ありがとうございます」

健夜「ずーっと藤田靖子だよね? 登録名」

靖子「あー、はい。そうですね」

健夜「っていうことはやっぱり結婚してるって嘘だよね?」

靖子「別にアピールするつもりもないのでそのままにしてるんですよ、馴染みもありますし」

健夜「たとえその行為が人の心を傷つけるとしても?」

靖子「今の今まで傷つく人がいるとは思ってもみませんでした」


.



健夜「でも靖子ちゃんもプロじゃない?」

靖子「まあ、はい」

健夜「遠征とかあるでしょ? 場合によっては海外の大会もあるわけだし」

靖子「そうですね」

健夜「ほら、結婚なんて無理なんだよ」

靖子「出張とか単身赴任とかそこまで珍しい話じゃないですよね」

健夜「じゃあ逆に靖子ちゃんの旦那さんを見たことある人いるの?」

靖子「どこの逆なのかわかりませんけど、普通にいますよ。咏とか」

健夜「咏ちゃんが? じゃあさっそく電話してたしかめてみるね」

靖子「構いませんけどその疑り深さはどこから来るんですか」



健夜「靖子ちゃん、私は友達を洗脳するのってあんまりよくないと思うんだ」

靖子「“あんまり” で済むんですかそれ」

健夜「すごく楽しそうに話してくれたよ。いい人そうだったとか靖子ちゃんのお料理おいしかったとか」

靖子「それは何よりですね」

健夜「ほら、洗脳良くない」

靖子「今のどこにその要素が」

健夜「だって靖子ちゃんお料理できないでしょ? できないよね?」

靖子「フツーにしますよ。一人暮らしの時代もそれなりにありましたし」

健夜「えっ、靖子ちゃんカツ丼食べる専門じゃ……」

靖子「食べる専にしても狭すぎやしませんか」


.



健夜「あ、指輪は? 今してないよね?」

靖子「まあ、自宅以外では外してますよ。なんだか照れくさくて」

健夜「そんなこと言っちゃって、ホントはすべて架空の出来事なんでしょ?」

靖子「つい今しがた咏から聞いた話は無視ですか」

健夜「物的証拠と人の言葉じゃ重みが違うし……」

靖子「物的証拠もありますけどね」

健夜「ちょっと万力買ってきていい?」

靖子「この辺に工具店ありませんよね」

健夜「よく考えたら靖子ちゃんってもう本名っていうか名字が違うんだよね?」

靖子「そうですね、まだちょっと慣れてない部分もありますけど」

健夜「じゃあ未婚ってことでいいんじゃないかな」

靖子「もう戸籍上は既婚ですよ」

健夜「あっ、偽装結婚?」

靖子「なるほどみたいな顔しないでください。普通の恋愛結婚です」

健夜「何を偽装してるの?」

靖子「ちょくちょく話を聞かなくなるのはなんなんですか」

健夜「ねえ、靖子ちゃん」

靖子「はい、どうしました?」

健夜「どうして私には浮いた話がないのかな」

靖子「こういう絡み方するからじゃないですかね」


おしまい

藤田プロを書きたかった。後悔はしていない。

読んでもらえて嬉しいです
学生連中もやってみたいよね

風☆越



未春「華菜ちゃん、昨日のお休み何してた?」

華菜「あー、昨日はチビたちの相手で大変だったし」

未春「三人もいるもんね」

華菜「やんちゃ盛りだかんなぁ、あいつら」

未春「あはは、お疲れ様」

華菜「そういやみはるんは昨日は何かしてたの?」

未春「そうそう、昨日ね、久しぶりに街の方まで出たんだけど」

華菜「お買い物か何か?」

未春「うん、いろいろと買いにいきたいものがあってね。で、そこですごいもの見たんだよ」

華菜「どっかの芸能人でも来てた?」

未春「久保コーチがいたの」

華菜「あー、やっぱコーチも買い物っつったらあそこくらいしかないのか」

未春「違うの違うの、男の人と一緒だったの」

華菜「へー、コーチもやるもんだし」

未春「えっ、あんまり驚かないんだね」

華菜「そりゃコーチは見てくれはいいし、年齢的にもおかしいところはないし」

未春「もっとなんか、こう、“あり得ないし!” とか言ってくれるものだと」

華菜「みはるんは私を何だと思ってるのかな」

未春「いやだって私たちって女子高じゃない?」

華菜「まあ、風越女子ってくらいだし……」

未春「そこに男の人の影なんかないわけで」

華菜「えっ」


.



未春「今すごい聞き捨てならないものがあった。今すごい聞き捨てならないものがあった」

華菜「……なんで二回繰り返したし」

未春「今ひょっとして華菜ちゃん暗に彼氏いるって言った?」

華菜「そういう意図で言ったわけじゃないけど、まあ、いるっちゃいるし」

未春「華菜ちゃん大丈夫? うち女子高だよ? その場合は彼女でしょ?」

華菜「意外とその筋に理解を示してるみはるんに驚きを隠せないんだけど」

未春「あっ、二次元はさすがに違うと思うよ」

華菜「みはるんの視野がだいぶ狭まってる気がするし……」

未春「だってそもそも出会いがないはずなのに」

華菜「いや中学の頃からの付き合いなんだけど」

未春「えっ、ちょっ、あ、ええ?」

華菜「そこまで混乱するようなこと言ったっけ?」

未春「待って待って整理しよう?」

華菜「散らかってる部分ないよね」

未春「まず、華菜ちゃんに彼氏はいない。オーケー?」

華菜「大前提を崩すのはやめようよ」

未春「だって今まで一度もそんなこと言ってなかったのに」

華菜「部でそんな話題になったことないよね?」

未春「彼氏を隠すことと華菜ちゃんの麻雀における精神性に何らかの相関関係が……!?」

華菜「それと図々しさはまた別の話だと思うなぁ」


.



未春「華菜ちゃんって料理できたっけ?」

華菜「んー、それなりには、かな。うち両親がいないことがけっこう多くて」

未春「お掃除は?」

華菜「まめにやらないとチビたちに荒らされて大変なことになるし」

未春「お洗濯は?」

華菜「洗濯に得意も何もないと思うんだけど」

未春「お、お裁縫とかは?」

華菜「……チビたちのおかげで」

未春( あれ、女子力高いなこいつ )

華菜「どうしたし?」

未春「え、あ、いや、すごいなー、って思って」

華菜「? 変なみはるんだし」

未春「あなたの言うその彼氏とは空想上の人物ではありませんか?」

華菜「急にそっちに戻るんだ」

未春「えっと、妹ちゃんたちのお世話しまくりな華菜ちゃんの彼氏とかイメージできなくて……」

華菜「あいつらも気に入ってるぞ?」

未春「家来てんの!?」

華菜「ちょ、びっくりするし」

未春「ごめんごめん、でも、え? 家?」

華菜「遊びに行くとこそんな多くないしなー」

未春「華菜ちゃん、これは部員総出で緊急会議ものだよ」

華菜「ちょっと何言ってるかわからないんだけど」


.



未春「女子高に彼氏持ちとか御法度でしょ?」

華菜「そんなルールはないし言い方は古いし」

未春「ねえ華菜ちゃん」

華菜「どうしたみはるん」

未春「華菜ちゃんの彼氏見てみたいな」

華菜「別に見せるようなもんじゃないし」

未春「やっぱり実在はしな……」

華菜「いるから。見ることも触れることもできるから」

未春「なんで見せてくれないのー?」

華菜「見せびらかすもんじゃないよね、彼氏って」

未春「……今後しばらく尾行していい?」

華菜「行為も許可を求めるのもおかしいよ、みはるん」

未春「だってどんな人なのか気になるよ」

華菜「イケメンとかそっちの枠じゃないし。どっちかっていうと気の合うタイプだよ」

未春「えっ、そういうのがスラスラ出てくるってことは本当なの?」

華菜「むしろ今まで信じてなかったの?」

未春「……カフェオレ飲む?」

華菜「あ、うん」


おしまい

みはるんは意外とボケもツッコミもこなせるし

阿☆知☆賀




穏乃「赤土先生!質問があるんですけど!」

晴絵「お、どーしたシズ」

穏乃「赤土先生のレジェンドはやっぱりレジェンドなんですか!?」

晴絵「!?」

穏乃「……あれ、なんかマズかったですか」

晴絵「いや、おかしくないよ。思春期の女子高生としてはむしろ正しい。成長したね、シズ」

穏乃「ホントですか!?」

晴絵「よしよし、じゃあ質問に答えてあげよう」

穏乃「やったっ!」

晴絵「まあでも、私は自分のレジェンドのレジェンド具合はよくわからないな」

穏乃「そうなんですか?」

晴絵「他人のものとは比べようがないんだよ」

穏乃「そっかぁ、たしかにそうですよね」

晴絵「うん、だから期待してた答えはあげられないな、悪いね」

穏乃「でもレジェンドはしましたよね?」

晴絵「お、そっち行くか」

穏乃「はい!」

晴絵「そりゃもうレジェンドしたさ、さすがにむやみやたらにってわけじゃないけど」

穏乃「レジェンドのレジェンドをレジェンドした男たちがいるんですね!?」

晴絵「そんなに数が多いわけじゃないよ」


.




穏乃「た、たとえばどんなレジェンドを」

晴絵「んー、レジェンドをレジェってみたり」

穏乃「レジェってみたり!?」

晴絵「逆にレジェったりもしたよ」

穏乃「レジェンドのレジェンドを!?」

晴絵「ははは、そこはお互い様さ」

穏乃「すごいなぁ、勉強になる!」

晴絵「あまり参考にしちゃいけないよ、シズ。みんな通り過ぎていったからね」

穏乃「さらっとそんなことが言えるなんてカッコいいですよ!」

晴絵「そんなこともないよ、これがなかなかカッコ悪いんだな」

穏乃「そうなんですか?」

晴絵「そのうちシズにもわかるようになるかもしれないし、ひょっとしたらずーっとわからないかもしれない」

穏乃「複雑なんですね」

晴絵「レジェンドにそれ以外の意味がついてくるようになると、どうもね」

穏乃「……うーん?」

晴絵「いずれシズがレジェンドするのかと思うと妙な気持ちになるね」

穏乃「なんでですか?」

晴絵「そりゃシズがいつまでも私のかわいい弟子だからさ」

穏乃「えへへ、なんかうれしいですね」

晴絵「やだシズのかわいさがレジェンド級なんだけど」


.




穏乃「いやいや、さすがにそんなことはないですよ」

晴絵「……ていうかさ、たとえば憧とかとこんな話はしたりしないの?」

穏乃「しませんよ?」

晴絵「あら意外。私たちの代が特別エグかっただけなのかな」

穏乃「私たちって麻雀以外の部分だとかなり趣味が違ってまして」

晴絵「あー、そーいやそうだね」

穏乃「もちろん仲は良いんですけど、そういう話になったことってないんですよね」

晴絵「なんとなく想像つくけど珍しいんじゃない? そういうの」

穏乃「そうなんですか?」

晴絵「ほら、シズくらいの年だと彼氏がなんだー、とかが話題の中心だったりするじゃん」

穏乃「たしかにクラスのみんなはそんな感じですね」

晴絵「シズはそういう話に参加したりしないの?」

穏乃「うえぇっ!? そんな、私なんてまだまだ早いですよ!」

晴絵「そんなことないと思うけどなー」

穏乃「私なんてちんちくりんですし、そもそも周りに男の子なんていませんし!」

晴絵「そんな拳握らなくても……」

穏乃「あ、すいません」

晴絵「そういえば憧たち遅くない?」

穏乃「憧は掃除みたいですよ、玄さんと宥さんと灼さんはわかりませんけど」

晴絵「みんな掃除なのかね、真面目なのはいいことだ」

穏乃「そういえば赤土先生も早くないですか? 私より先に部室にいましたよね」

晴絵「あっはっは、職員室よりこっちのが気楽だからね」

穏乃「それはいわゆる脱走なのでは」

晴絵「よーし、特打ち始めよっか!」

穏乃「えー!?」



おしまい

下ネ……、レジェンドが書きたかった。
あとまだ落ちてなかったからやった。反省はしていない。

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