ジャン「アルミンが気持ち悪い」(54)

―― 食堂 ――

アルミン「今日の訓練も疲れたね。」モグモグ

エレン「あ、そのスープにセロリ入ってるぞ。」

アルミン「え、嘘!?うわぁ、本当だ・・・。・・・エレン。」チラ

エレン「・・・。」コク

アルミン「・・・。」スッ

ミカサ「アルミン、好き嫌いはよくない。あなたは他の訓令兵に比べて痩せている。ので、もっとしっかり食べるべき。」パシッ

アルミン「うっ・・・。」

エレン「お前にだって嫌いで食べたくないモノくらいあるだろ!?」

ミカサ「私は嫌いなモノでもちゃんと食べる。しっかり食べないとエレンやアルミンを守れない。」

アルミン「・・・食べる、食べるから二人とも喧嘩しないで。」

スープ「」

アルミン「・・・。」ジー

スープ「」

アルミン「・・・。」ジー

ミカサ「・・・心の準備がいるなら他のモノを先に食べて。食事の時間がなくなってしまう。」

エレン「・・・ミカサ、髪にゴミついてるぞ。」

ミカサ「どこ?」

エレン「後ろの方、ちょっと後ろ向け。とってやるから。」

ミカサ「わ、わかった///」クル

エレン「(今だ、アルミン)」クチパカ

アルミン「(ありがとう、エレン!)」スッ ボタボタ

ミカサ「取れた?」クル

エレン「あぁ、取れたぞ。」

アルミン「ミカサ、食べられたよ!!」

ミカサ「・・・。エレン、アルミン?」ジロリ

エレン「アルミンがちゃんと食べたんだぞ!」

アルミン「あはは・・・。」

ミカサ「! そこにもセロリがある。今度はちゃんと見てるからもう一度食べて。」

アルミン「えぇ・・・。1つ食べたからもう一つは許してくれても・・・」

ミカサ「駄目。ちゃんと食べて。」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ジャン「・・・・・。」ジー

マルコ「どこ見てるんだい?」

ジャン「なんでもねぇよ。」モグモグ

マルコ「あぁ、ミカサを見てたのか。」

ジャン「はぁ!?何言ってんだよお前!」ガタッ

サシャ「ちょっと!いきなり大声出してどうしたんですか、ジャン!」モグモグ

コニー「騒いでると教官が来るぞ!」モグモグ

マルコ「さっきのは冗談だって。」ハハハ

ジャン「・・・冗談にしちゃ笑えねぇぞ。」

コニー「冗談なんて言ってないぞ?」モグモグ

ジャン「お前じゃねぇよ。」ハァ

コニー「じゃあ、誰だ?」モグモグ

ジャン「・・・。」

サシャ「アルミンを見てたんですか?」モグモグ

ジャン「・・・あぁ。」

マルコ「ジャンがアルミンを気にするなんて珍しいね。」

ジャン「お前らはあれ気にならないのかよ?」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ミカサ「エレン、アルミン、あなた達はずるい。嫌いなものをお互いに食べてもらっている」

アルミン「エレンからピーマンなんてもらってないよ!」

エレン「おい!アルミン・・・!」

アルミン「あ・・・。」

ミカサ「私はピーマンの話など一言もしていなかった。やはり、エレンはアルミンにピーマンを食べてもらっていたのね・・・!」

エレン「うぐ・・・。」

ミカサ「罰として私のピーマンを食べなさい。アルミンはあとでセロリ。はい、エレンあーんして」

エレン「やめろミカサ!ピーマンを俺に近づけるな!!」

アルミン「・・・ミカサ、実は僕知ってるんだよ。君がニンジンが少ないお皿をもらってくるのを!」

ミカサ「!!」

アルミン「自分は苦手なものを残してるのに、僕たちには食べさせようなんてずるいと思わないかい?」

エレン「はぁ!?お前そんなことしてたのかよ!卑怯だろ!!」

ミカサ「私は苦手な人参もちゃんと食べている。ただ量が少ないだけ・・・。」

アルミン「僕たちには苦手な食べ物を食べろって言うのに自分だけ少なくするのはずるいよ!」

ミカサ「うぅ・・・。けど、私には二人の健康を守る義務が・・・。」

エレン「お前は俺の親でも姉でもねぇだろ!ほっとけよ!」

アルミン「エレン、ちょっと言い過ぎ・・・!」

ミカサ「私は・・・二人のためを思って・・・。それに、私だけ仲間外れ・・・。私だって嫌いなものは食べたくないし食べてもらえるなら食べてもらいたい」ウル

アルミン「・・・そんな顔しないでミカサ、僕もちょっと言い過ぎちゃった。」

ミカサ「じゃあ、セロリあげるからあーんして」

エレン「結局食べさせるのかよ!言ってることとやってることが違うねぇじゃねぇか!」

ミカサ「二人の仲間には入れてほしい。けど、やはり私には二人の健康を守る義務が・・・。」

エレン「上から目線で言うの止めろって!」

アルミン「もういいでしょ、エレン!元は僕が悪いんだって!この話はもう終わりってことで!あ、そーだ!聞いてよ二人とも!巨人についての新しい仮説なんだけどさ!」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
サシャ「・・・幼馴染なんだから仕方ないですよ。」

コニー「開拓地にいる前からからずっと一緒だったって言ってたしな。」

ジャン「だからってあれは異常だろ?」

サシャ「私やジャン、コニーには家族がいますけどアルミンたちの家族は・・・。3人でずっと協力し合って生きてきたんでしょう。3人の絆が深いものになるのは自然なことだと思います・・・。」

コニー「仕方ねぇんだよ。」

マルコ「ジャン、君がミカサのことを好きなのはよくわかってるけど、エレンだけじゃなくアルミンにまで嫉妬するのはやめなよ。」

ジャン「!! だからお前は何言ってんだよ!」バンッ

マルコ「君がミカサのこと好きなのはバレバレだからね。みんな知ってるよ。」

サシャ「あれ・・・?ジャンってこのこと知らないんでしたっけ?」

ジャン「なんでその話になるんだよ!」

マルコ「別に照れなくたっていいのに・・・。」ハハハ

コニー「ジャン、静かにしろって!アルミンに聞こえるぞ!それに、本当に教官が来ちゃうぞ!?」

ジャン「・・・・・もう無理だ。」

サシャ「え?」

ジャン「気持ち悪いんだよ、アイツ。前々からエレンとべたべたつるんで気持ちわりぃやつだと思ってたが・・・。」

サシャ「な、なんでそんなこと言うんですか!仕方ないことじゃないですか!」

コニー「そうだぞ!アルミンは悪くねぇだろ!!」

サシャ「ちょっと、コニー!聞こえちゃいますって」コゴエ

コニー「あ、やべっ。お前がでかい声出すからつられちまったんだよ。」コゴエ

コニサシャ「・・・。」チラリ

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

アルミン「前の座学で・・・・・・・・・・について習ったけど・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・が・・・・・・・・・・・・で・・・・・・・・・・・そうすると
・・・・・・・・・・・・・・・・けど、もしかしたら・・・・・・・・・・・・・・・
で・・・・・・・・・になって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ねぇ、二人とも聞いてる?」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

サシャ「・・・聞こえてなかったみたいですね。」フゥ

コニー「・・・ずっと一人でしゃべってるけどな。」

サシャ「それよりジャン!あなた、言っていいことと悪いことがありますよ!」

ジャン「お前らだって気持ち悪いと思ってるんじゃねえのか?」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アルミン「そういえば、エレンこの前外の世界に行くのが夢だって言ってくれたよね。あれ、僕凄く嬉しかったんだよ?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アルミン「絶対に一緒に見に行こうね!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アルミン「ん?どうしたの、ミカサ?もちろんミカサもさ!」

アルミン「これからも3人ずっと一緒だよ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

コニー「そりゃあ、普通とはいえねえけど・・・。」チラッ

サシャ「気持ち悪いなんて・・・思ってませんよ。」

ジャン「どーせ、アイツには聞こえてないんだ。正直に気持ち悪いって言っちまえばいいんだ。」

マルコ「一人っ子のジャンにとってはあの距離感は理解しがたいものかもしれないけど、兄弟のように育ってきた二人だったらありなんじゃない?コニーも他の家族に嫌いなもの食べてもらったりとかしなかった?」

コニー「俺はそんなことしねえよ!」

マルコ「そうかい?」

マルコ「でも兄弟とかだったら。ジャンも気持ち悪いなんて思わなくなるんじゃないかなぁ・・・。ジャンとあの三人を兄弟にできたり・・・」

サシャ「そんなの無理ですよ。」

マルコ「そうだよね。」

コニー「あいつら本当に昔から仲が良かったんだろうな」

サシャ「私たちが入り込めないような雰囲気の時たまにありましたよね。」

マルコ「俺たちから見ればどうみても三人の隙間に入る余地はないと思うんだけどねぇ・・・。」

マルコ「ジャンはまだチャンスがあると思ってるからね・・・。」ハハハ

ジャン「マルコ、お前はもう黙ってろよ!!」

サシャ「えっ!」

コニー「ジャン、お前・・・何見てるんだよ。」

ジャン「な、なんだよお前ら・・・。なんでそんな人を憐れむような顔してんだよ。」

ジャン「とにかく!俺は水汲みがあるしもう戻るからな!」ガタリ 

――――スタスタ

マルコ「ライナーみたいだね、ジャン・・・。」

サシャ「・・・まさかジャンもなんて・・・。」

コニー「もう駄目かもな・・・。」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

アニ「・・・。」ジー

ミーナ「そんな真剣な顔してどこ見てるのかなー?」

アニ「・・・。」

ミーナ「わかった!エレンでしょ!対人格闘でよく組んでるし!」

アニ「・・・。」モグモグ

ミーナ「違った?じゃあ、アルミンだ!アルミンにも対人格闘教え始めたんだよね。それで気になり始めちゃったとか!?」

アニ「・・・。」モグモグ

ミーナ「あれ?無視?私のこと無視してるの?」

アニ「話しかけないで。」ボソッ

ミーナ「え!なんでそんなこと言うの!?もしかして私うざかった!?それなら謝るから!話しかけるなとか言わないでよー。」

アニ「・・・。」

ミーナ「あ、食べ終わった?お風呂行こうよ。この時間ならきっとまだすいてるよ!」

アニ「・・・少し用があるんだけど。」

ミーナ「そうなの?じゃあ、宿舎で待ってるから一緒に行こうよ。」

アニ「・・・・わかった。」ガタ

ミーナ「約束だからね!忘れないでよー!」

アニ「・・・。」スタスタ

―― 男子寮 ――

ライナー「やっぱりクリスタは俺に気があるんじゃねぇかと思うんだ。」

トーマス「はぁ?お前何言ってんだよ。」

ライナー「俺にだけ特別優しい気がするんだ!」

ナック「そんなことねぇって!クリスタは皆に優しいんだよ!」

ミリウス「けどクリスタとライナーが一緒に話してるのはよく見るな。」

ベルトルト「・・・ライナー。」

トム「くっそ!羨ましい!!」

フランツ「俺はハンナがいるからいいけど。」

ライナー「フランツ、お前ちょっと自重しろ。」

ライナー「そういえば、夕食の時にクリスタがいなかったな。」

トーマス「どうしたんだろう?」

ライナー「クリスタは具合が悪くて医務室で休んでいるらしい。」

フランツ「心配だねぇ・・・。」

ミリウス「そうだな。」

ライナー「皆でお見舞いに行かないか?」

トム「そりゃあ行きたいけど・・・。」

ミリウス「ユミルがなぁ・・・。」

ライナー「そこで、作戦を考えた。」

ベルトルト「・・・・ライナー。」

ライナー「・・・・という作戦だ!」

トム「さすがライナー!」

ミリウス「頼りになるなぁ!」

フランツ「さすが、俺たちの兄貴だな!」

ライナー「よせよ、照れるだろ。」テレテレ

ベルトルト「ライナー!!」

ライナー「! どうした、ベルトルト」ビックリ

ベルトルト「・・・。」

ライナー「お前が急に大きな声出すからみんなびっくりしてるじゃねぇか。」

ベルトルト「今日はこれから一緒に用事があるだろ?」

ライナー「そんなのあったか?水汲み当番でもねぇし、馬の世話の当番の日でもねぇよな?」

ベルトルト「・・・大事な用事だよ。」

ライナー「悪いが心当たりがねぇな。お前、何か勘違いしてるんじゃないか?」

ベルトルト「君は戦士だろ?」

ライナー「・・・は?」

ベルトルト「いや、忘れてくれ。僕の勘違いだったみたいだ。」

ベルトルト「じゃあ、僕は行ってくるよ。」

ライナー「ああ。」

―――スタスタ バタン

―― 医務室 ――

クリスタ「あれ?ここどこ?」

ユミル「クリスタ!よかった、気が付いたか。」

クリスタ「・・・ユミル?・・・どうして私はここにいるの?」

ユミル「覚えてないのか?」

クリスタ「なんだか記憶がはっきりしなくて・・・。」

ユミル「ならまだ寝てた方がいい。お前が寝るまで守ってやるから。」

クリスタ「守る?何から?」

ユミル「いいから寝てろ!」バサッ

クリスタ「(私はなんで倒れてたんだろう?)」

クリスタ「(眠くて全然考えられない・・・)」

クリスタ「ZZZ」

―― 宿舎裏 ――

ベルトルト「ライナーはもう駄目だ。僕たちだけでやるしかない。」

アニ「・・・あぁ。」

ベルトルト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・君は・・・を・・して・・・・・・だよね?
それじゃあ・・・・で・・・・・2匹の巨人・・・・・・・・・・から
       ・・・・・・・・・・・そのあとは・・・・・・・・・・ということで。」

アニ「わかった」コクリ

ベルトルト「ところで・・・さ、アニは・・・大丈夫だよね・・・?」

アニ「・・・私は平気だよ。用が済んだならもう行くよ。これ以上一緒にいると怪しまれる。それにミーナを待たせてるし・・・。」

ベルトルト「! アニ!!」

アニ「・・・! ・・・大丈夫、私はちゃんとわかってるから。」

ベルトルト「本当に大丈夫なんだね?」

アニ「・・・。」コクリ

ベルトルト「・・・僕も戻るよ。それじゃあ。」

―― 男子宿舎~医務室 ――

ライナー「就寝時間だ!行くぞ!」

「「おうっ!!」」

トーマス「ドキドキするな・・・!」

ミリウス「前にクリスタがサシャとの格闘訓練で怪我をした時にも皆でお見舞いに行ったな。」

ナック「あの時は訓練の後すぐに皆でクリスタのところに行ったんだよな。」

ミリウス「ユミルに医務室前で追っ払われちまったけどな。」

ライナー「前に見舞いに行ったのは雪山の歩行訓練でクリスタが風邪をひいたときじゃなかったか?」

カツカツカツ(近づいてくる)

ライナー「―――っ足音だ!」

ライナー「そこのロッカーの陰に隠れろっ!」

カツカツカツ(遠ざかる)

ライナー「―――――っふぅ。」

ナック「危なかった・・・!」

ミリウス「なんとかばれなかったな。」

トム「ユミルに見つかったらアウトだもんなー。」

ライナー「? 今のはユミルだったのか?よく見えたな?」

トーマス「ユミル以外に誰がいるんだよ?」

ライナー「この時間なら教官に見つかってもアウトだろ・・・。」

ミリウス「ユミルにさえ見つからなければセーフだって!」

ライナー「そうなのか?」

トム「そんなことより早くいこうぜ!」

―― 男子寮 ――

アルミン「ねぇエレン、起きてる?」

エレン「起きてるぞ。」

アルミン「・・・外の世界に行きたいね」

エレン「そうだな。でもその前に・・・」

アルミン「「巨人を駆逐する」だよね。」

エレン「あぁ」

アルミン「僕は二度と足手まといにはならないよ」

アルミン「だから、エレンもミカサも僕を置いていかないでくれ・・・」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ベルトルト「・・・・。」

―― 医務室前 ――

ナック「着いたぞ!」

トム「緊張するなぁ・・・」

ライナー(・・・前にもこんなことがあったような・・・?)

ミリウス「誰が最初に行く?」

ライナー(いつだったか思い出せん・・・)

クリスタ「いやあああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

ライナー「!?」

クリスタ「来ないで、来ないでよ!!」

ライナー「お、おいクリスタ、どうしたんだ!?」ガラッ

クリスタ「私がっ!私が死ねばよかったんだ!!」ジタバタ

クリスタ「そうすれば!!そうだったら!!」

クリスタ「こんなことにはならなかったのに!!!」

クリスタ「いらない子である私が死ねば!!」

ライナー「クリスタ・・・お前、何言って・・・。」――ドタドタドタ

ユミル「クリスタっ!!」バンッ

クリスタ「ユミルっ!ユミルぅ・・・!」ウワァァァ

ユミル「っライナーてめぇ!!なんでこんなところにいやがる!!」

―――バタバタバタ ガラッ

サシャ「ユミル!早すぎますって・・・。クリスタは大丈夫ですか!?え、あれ、なんでライナーがここに・・・。」

ユミル「サシャ、悪いが今の悲鳴を聞いたみんながここに人が来ないようにうまく誤魔化してきてくれ。」

サシャ「えぇ!!わ、私にはそんなの無理ですよ!」

ユミル「頼む!クリスタの為に・・・!」シンケン

サシャ「うぅ・・・。わかりました。やれる限りのことはやってみます!!」

ガラッ タッタッタッタ――――

ユミル「さて、ライナーよぉ。なんでアンタがここにいるのか説明してくれないかい?」クリスタギュッ

ライナー「俺たちはクリスタが心配で見舞いに来ただけだ!やましい気持ちなんて一切なかった!!」

ユミル「俺たち・・・?そこにはお前ひとりしかいないんだが。」

ライナー「はっ!あいつら、いつの間に!?」

ユミル「・・・いい加減にしてくれよ。」

ライナー(くそっ!こうなったらみんな道づれだ!)

ライナー「ナック!ミリウス!トーマス!トム!どこに隠れたんだ!?出て来いよ!!」

クリスタ「うっ、うえぇええ」ゲホゲホ

ライユミ「「ク、クリスタ!?」」

ライナー「大丈夫か!?そんなに具合は悪いのかよ!?」チカヅク

ユミル「近づくんじゃねぇっ!!」バシッ

ユミル「お前たちのせいでクリスタがこうなってるってまだわからねぇのかよ!」

ライナー「は?」

ライナー「お、俺たちはただ見舞いに来ただけで具合を悪くするようなことは何も・・・。」

ユミル「いいからちょっとこっち来い!話したいことがある。・・・ごめんなクリスタ、少しの間だけ待っててくれ、すぐ戻るから」

クリスタ「・・・」コク

ユミル「早く外に出ろライナー」

ライナー「わかったよ・・・。」

ガラ

ユミル「途中で見回りしている教官には会わなかったのか?」

ライナー「一回遭遇しかけたが、ロッカーの陰に皆で隠れてやり過ごした。」

ユミル「皆で隠れて?ロッカーの陰に男が5人?」

ライナー「ん、おかしいな?ロッカーの陰にはそんなに隠れられないぞ。」

ライナー「そうだ!あの時は皆で廊下の曲がり角に隠れてユミルがクリスタから離れるのを待ったんだ!その後皆で医務室の前まで行って誰が最初に中に入るか話してるときにユミルに見つかったんだ。」

ユミル「そんなこともあったな。それはいつの話だ?」

ライナー「雪山の歩行訓練でクリスタが風邪をひいた時の話だな」

ユミル「そうだ。」

ライナー「やっぱり俺は間違ってなかった。前に見舞いに来ようと思ったのはクリスタが風邪をひいた時だ。格闘訓練で怪我をした時は普通に見舞いに行ってユミルに追っ払われたからな。今回はユミルに隠れていくことにしたんだ。」

ユミル「今回は?前回私に隠れて見舞いに来ようとして見つかっちまったから、今回は私のいない夜に教官たちの見回りの目をくぐってクリスタのところに行こうといしたんだよな?」

ライナー「そうだ、そうなんだよ。俺達は教官に気を付けていたんだ。あの時の足音はユミルのものじゃない。教官のだ。やっぱり俺はあってるじゃないか。ナックもミリウスもトーマスもトムも!みんな何を勘違いしていたんだろうな!」ハハハ

ユミル「・・・。」

ライナー「どうしたんだ、ユミル?具合でも悪いのか?」

ユミル「勘違い野郎はお前だろ・・・。」

ライナー「何を?俺は何を考えればいいんだ?」

ユミル「・・・それくらい自分で考えろ。二度とクリスタに近づくな。」

ライナー「ユミルは何を怒ってるんだ?」

―― 宿舎裏 ――

ジャン「・・・重てぇな。」ジャブジャブ

マルコ「手伝おうか?」

ジャン「! いや、いい。俺の仕事だ。」ジャブジャブ

マルコ「さっきのことまだ怒ってる?」

ジャン「・・・少しな。」ジャブジャブ

マルコ「ごめんね、みんな疲れてるみたいだったから励ましたかったんだよ。」ハハハ

ジャン「・・・。」

マルコ「・・・ジャンはどこを志望するの?」

ジャン「配属陛下の話か?」

マルコ「今更何言ってるんだって感じか。君は憲兵団に行くんだよね。」

ジャン「いや、俺は調査兵団に行く。アイツの・・・。」

ジャン「・・・・・・・・?」

ジャン「アイツって誰だ?・・・・・・・俺は・・・・お前と憲兵団に行くって・・・。」

マルコ「怒らずに聞いてほしいんだけど・・・」

ジャン(なんだ?)

マルコ「ジャンは・・・」

ジャン「俺は前にもこの話を聞いたことがある・・・?」

―― 医務室 ――

ユミル「クリスタ、待たせたな」ガラ

クリスタ「・・・。」

ユミル「クリスタ?」

クリスタ「・・・。」

ユミル「クリスタ?返事してくれよ、どうしたんだよ?」

クリスタ「・・・。」

ユミル「何手に持ってんだ?」

クリスタ「・・・。」

ユミル「それ、私のナイフか?お前が起きたら果物食べさせてやろうと思って一緒に置いといたんだよ。」

クリスタ「・・・。」

ユミル「危ないよな。そんな物騒なもんお前の近くに置いとくべきじゃなかったよな。」

クリスタ「・・・。」

ユミル「なぁ、なんでそんな真っ赤になってんだよ。なんで返事してくれねぇんだよ!」

クリスタ「・・・。」

ユミル「答えろ!」ガシ

クリスタ「・・・。」

ユミル「答えろ!答えろよ!!答えてくれよ!!うわあああああああああああああ!!!」

==翌日==

―― 訓練場 ――

アニ「アルミン、ちょっといい?」

アルミン「どうしたんだいアニ?今日はエレンと組まなくていいの?」

アニ「・・・エレンと組めるわけないでしょ。」

アルミン「あはは・・・。ミカサが凄く睨んでるもんね・・・。」

アニ「そうじゃないよ」

アニ「今日は何がある日?」

アルミン「これから格闘訓練だよ。僕らは訓練兵だもの。」

アニ「違うんだよ、アルミン。今日はこれから所属する兵を決めるんだ。」

アルミン「それはおかしいよ。僕らはまだ訓練兵を卒業していないじゃないか。」

アニ「本当に?」

アルミン「・・・。」

アニ「エレンが外の世界に行くのが夢だって話したのはいつ?」

アルミン「外の世界に行くって言うのは僕たちの小さいころからの夢だ。」

アルミン「壁が壊されるまではよくその話をしていた。でも、訓令兵になってからエレンは外の世界のことを話さなくなったんだ。だからエレンは僕たちの夢を忘れてしまっていたんだと思ってた。」

アルミン「・・・この間までは。」

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