提督と艦娘のちょっとしたお話 (16)

頭の中に浮かんだちょっとした短編(?)を書くだけ
地の文マシマシ
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隼鷹とお酒

今、俺たちの顔は赤い。
何故ならアルコールが入っているからだ。
相手は隼鷹とである。
執務が終わり廊下を歩いてるところでばったりと会い、久々に飲まないか、と誘われたのである。
特に断る理由もなく、久々に酒を飲みたくなったため二つ返事で誘いに乗ってしまったのである。
そして俺たちは居酒屋鳳翔へとやって来た。
ここは居酒屋とは言ったものの、様々な種類の酒がある。
酒の好きな艦が多いため種類が増えていったのである。
とりあえず俺は日本酒といくらかのツマミを注文した。
飲み会が始まったばかりの頃は静かだったものの、酒が入り始めると喧しくなってくる。
喋ることは、愚痴や下らない話ばかりである。
やれ、休日が少ないだの、鎮守府には幽霊が出るだのなんだの。
そんなことばかりである。

ある程度酔いが回った所で隼鷹から奢ってくれと頼まれた。
酔った俺は気分が良かったため、これまた二つ返事でOKを出してしまったのである。
そういうと彼女は満面の笑みを見せたのであった。
彼女は
「提督は気前がいいねぇ。やっぱり男はそうでなくちゃな!今日は提督がカッコ良く見えるぜ!」
などと言った。
俺がカッコいいのは何時ものことだし、おだてても何も出ないぞ?と言うと
「おだてたらほら、酒代が出るだろ?それとトイレに行って自分の顔を鏡で見て来いよ」
とケラケラと楽しそうに言うのである。
やはり隼鷹と酒を飲むのはなんだかんだ楽しいのである。

俺は目が覚めた。
どうやら眠ってしまったようである。
隼鷹の奴は一升瓶を抱えながら寝ているようである。
漫画やドラマの世界の光景というものは案外現実世界でも見れるのかもしれない。
そんなことを思いながら毛布をたたんでいると
「あら、目が覚めましたか?」
と鳳翔さんがでてきた。
店で寝てしまって申し訳ない…と言うと
「いえ、別に大丈夫ですよ。それよりお会計はどうします?二人で払いますか…?」
と鳳翔さんは言った。
俺が全部払います、鳳翔さんに言うと
「そうなんですか…ではこちらが金額になりますね…大丈夫ですか?」
と鳳翔さんは言った。
鳳翔さんの何とも言えない表情と言葉が気になったが、俺は領収書を見る。
そこで俺は目を疑った。
「隼鷹さんったら店のほとんどのお酒を飲んでしまって…金額も凄い事になってしまったんですよ…」
あの女どんだけ飲んだんだよ…人間じゃねぇ…化け物だ…!
いや…そもそも人間じゃないな…
と現実逃避紛いの思考が頭を巡る。
そもそも、持っている金額が足りない。
ここはクレジットカードが使えず、現金での支払いしかできないからである。
しばらくの間はお金を下ろす暇がない。
さてどうしたものか…誰かに借りようかと悩んでいると
「別にツケでも私は構いませんよ…。いつでもお支払いは大丈夫ですから。」
と鳳翔さんは言ってくれた。
とても有難く、また、とても情けなかった。
そもそもこの金額は予想外であり、奢りと言っても限度があるだろうに…
頭が痛くなってきた…。
「提督…大丈夫ですか?顔が青いですよ…。」
隼鷹には二度と酒を奢らない。そう心に決めたのであった。

こんな感じで、ちょこちょこ思いついた短編を上げて行きます
ネタが思いついたら書くので不定期です

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