「……はぁ」
薄暗い部屋の壁にもたれかかり、虚空に向かって嘆息する。
俺は、何故この世界に産まれてきたのだろうか?
そんな答えの出ない疑問を抱えながら、天井で情けなく光を発する蛍光灯を見つめた。
この世界には、大きく分けて2種類の生物が存在する。
まず、1種類目の『有命種』。これには、ヒトやその他の哺乳類、爬虫類、両生類、鳥類、魚類、昆虫etc……などが分類される。
そして、もう1種類。
それは、『無命種』__世に言う、化物や魔物、怪物とやらだろうか。
そして、俺もそこに分類されている。不幸にも、な。
俺は、『鬼族』__鬼だ。知ってるだろ?牛の角が生えてて、虎の毛皮を腰パンしてるやつ。あれだ。
数年前まで最強種族と呼ばれていた俺達『鬼族』は、結構な数繁栄していた。
それもあってか、『鬼族の俺マジカッケー』などと調子に乗って『有命種』__ヒトの村を襲って残虐行為を行う奴等が多くなった。
それは留まる事を知らず、ヒトは一時絶滅の危機に追い遣られた。
が、その時、一人のヒトが立ち上がった。
彼の名は、桃龍__通称『桃太郎』。
正義の名の本、奪われた高級品を取り戻し、ヒトを殺した鬼を成敗した。
そして、罪の無い鬼も同時に殺された。
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