ユート「どうやら閉じ込められてしまったようだ」 遊馬「かっとビングだ!ユート!」 (15)

ユート「その声は遊馬か?」

遊馬「黒咲から聞いたぜ」

シャーク「しかし何だこの箱みたいなのは」

カイト「見たことの無い物質で作られているみたいだ」

遊矢「その声は遊馬とカイトさん!?」

柚子「助けてカイトさん!」

遊馬「おいおい、遊矢と柚子も居るのかよ」

黒咲「説明しただろ。ちゃんと聞け」

カイト「説明しろ、何があった?」

ユート「あれは数時間前の出来事だ・・・」

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カイト「遊矢と柚子が歩いていたら空からこの箱が降ってきて」

シャーク「庇おうとしたお前まで入っちまったわけか」

ユート「ああ」

遊馬「ぶっ壊そうぜ!」

黒咲「何度もやろうとしたがビクともせん」

カイト「中はどうなっている」

ユート「暗くて何も見えないんだ」

シャーク「遊馬」

遊馬「かっとビングだな!」

カイト「やめておけ」

遊馬「このまま見殺しにしろって言うのか」

カイト「違う。下手に衝撃を与えれば中に居るユート達にも被害が及ぶかもしれん」

シャーク「誰が何の目的でこんなものを」

黒咲「・・・」

柚子「あ、暑い・・・」

遊矢「しっかりしろ柚子」

柚子「遊矢は大丈夫・・・?」

遊矢「俺も少しな・・・それよりも柚子だよ」

柚子「心配してくれてありがとう・・・」

ユート「マズイな。このままでは遊矢と柚子が」

遊馬「おーい!」

ユート「俺は無事だ。だが遊矢達が」

遊馬「怪我してんのか!?」

ユート「暗くてよくわからないが暑がっている」

黒咲「ユート!瑠璃!ついでに遊矢!必ず助け出してやるぞ!」

ザッザッザッザッザッザッ

シャーク「おい遊馬・・・何か来るぜ」

黒咲「奴らは融合次元の・・・それに」

ユーリ「やあ」

遊馬「てめえはユーリ!」

遊馬「お前がこの妙な箱を!」

ユーリ「柊柚子は案の定、入ったようだね。それに見事なまでに集まってきたようだ」

シャーク「チッ、イラっとする顔してやがるぜ!」

黒咲「瑠璃を悲しませるデュエリスト!貴様にはこの俺が引導を渡してやる!」

ユーリ「君達には用は無い。邪魔だよ」

カイト「俺達をおびき寄せたってわけではないな」

ユーリ「君達を僕が?面白い冗談だ」

遊馬「てめえ!」

黒咲「貴様!」

ユーリ「遊城十代は何処だ」

遊馬「十代さんを狙ってやがるのか」

ユーリ「それとプロフェッサーからの命令だよ。十代とのデュエルはまあ遊びみたいなのものさ」

カイト「命令?」

ユーリ「命じられたから彼女を攫う。邪魔する奴はカードに変える・・・面白いゲームだよ」

カイト「確かにあの十代が激怒した意味がわかる。ならば俺がデュエルをしてやる」

黒咲「待て!奴は俺の相手だ!」

シャーク「何でお前が」

カイト「奴は過去の俺だ。命じられ他人を傷つけていた俺だ」

ユーリ「過去の俺?まさか君と僕は似ているって言うのかな?」

カイト「唯一の違いは命を弄ぶ下劣な行いはしなかった事だ」

遊馬「十代さんにボコボコにされたのによくやるぜ」

ユーリ「あんなものは不意打ちに近い。次は必ず十代を仕留めてあげるよ」

シャーク「ったくしょうがねえな、俺はあの融合次元の兵士みたいなので我慢してやるぜ」

黒咲「過去の自分ならばお前に譲ってやろう!俺の相手も融合次元の兵士どもだ!」

カイト「遊馬はその箱をどうにかしろ」

遊馬「任せとけ!」

ユーリ「君もカードにしてあげるよ!」

カイト「デュエルモード・・・フォトン・チェンジ!」

カイト「狩らせてもらおう!貴様の魂ごと!」

カイト「ハァッ!」

ユーリ「・・・」スッ

カイト「俺の動きを呼んでいるのか?こいつの避け方はまるで」

遊馬「十代さんとのデュエルでは見せたことのねえ動きだ!」

ユーリ「来なよ」

カイト「セイッ!トォリャァッ!!」

ユーリ「見える・・・十代とのデュエルによって僕はさらに強くなっている・・・」スッ

カイト「ならばこれで!」

ユーリ「遅いよ」サクッ

カイト「ぐっ!?眼を!」

シャーク「あの野郎!汚ねえ真似しやがって!」

ユーリ「カードで眼をやられるのって痛い?このカードはねエクシーズ次元のデュエリストだ」

ユーリ「同族にやられる気分はどうかな?」

遊馬「汚ねえぞ!正々堂々とデュエルしろ!」

ユーリ「下等なエクシーズのデュエリストに正々堂々?笑わせないでよ」

柚子「外が騒がしい・・・それにこの声はユーリ・・・」

遊矢「怖いか?大丈夫。大丈夫だから、俺が柚子を守るから何も心配しなくてもいい」

ユート「外にはあのユーリが居る。そのユーリとデュエルをしているのはカイトか?」

遊馬「かっとビングだ!」ガンッ

ユート「何をしているんだ遊馬」

遊馬「俺にもわからねえ!けど箱を破壊するしか方法はねえんだ!」ガンッ

ユート「・・・」

遊馬「カイトはやめろって言ってたけど俺にはこれしかねえんだ!」ガンッ

ユート「外と内の同時攻撃ならば破壊できるかもしれない」

遊馬「ならそいつに賭けようぜユート!」

ユート「衝撃で何らかの被害が及ぶかもしれない。遊矢は柚子をしっかり守るんだ」

遊矢「あ、ああ」

遊馬「行くぜユート!かっとビングだ!」ガンッ

ユート「かっとビングだ!」ガンッ

ユーリ「眼が見えないようだね。僕の勝ちだ」

カイト「図に乗るな」

ユーリ「そう言えば君は何のために命令を?」

カイト「親父のためにそして弟を救うために」

ユーリ「フフフ・・・くだらないね。弟のため?これだからエクシーズは!」

ユーリ「そうだ。この2枚のカードを見てよ・・・あ、君は眼が見えないんだったね」

黒咲「何をする気だ」ドスッ

シャーク「イライラさせやがる野郎だぜ」バキッ

オベリスクフォース「ぐわっ!」

ユーリ「この2枚のカードはエクシーズ次元での景品・・・2人は何と兄弟なんだよ」

ユーリ「こんなに近い距離なのに話す事も触れ合う事もできない・・・笑っちゃうよね」

シャーク「てめえ!」

ユーリ「家族全員もあったかな・・・永遠に会えない!見なよ、この表情を!最高だと思わないか!?」

黒咲「何処までも下衆な奴よ!カイトに変わってこの俺が」

カイト「ちょうどいいハンデだ・・・一撃で奴を倒す」

ユーリ「やってみなよ」

カイト「ユーリ!懺悔の用意はできているか!!」

ユーリ「大口を叩いた割りには妙な構えを取っただけか」

カイト「一つだけ聞いておいてやる。貴様にとってデュエルとは何だ」

ユーリ「勝利して支配する。過程や方法などどうでもいいんだよ」

カイト「なら覚えておけ!この一撃で貴様を打ち砕いてやろう!」

ユーリ「調子に乗らないでよ!もう死んじゃえよ!このデュエルは僕の勝ちだ!」

黒咲「バカが・・・どうやらこれで終わりだ」

シャーク「何か知ってんのか」

黒咲「カイトは一撃必殺のドローを繰り出すため必要な関節を固定している」

シャーク「そいつを食らえばどうなるんだ」

黒咲「言ってみればカイトの体重が60キロなら60キロの鉄球が超スピードで直撃するようなものだ」

カイト「ちェりあああッッッ!!!!!!」ズシャッッッ

ユーリ「うっ・・・ううっ・・・ゴハッ・・・!」

カイト「終わったか・・・そう言えば貴様の懺悔を聞いていなかったな」

カイト「・・・その様では喋れんか・・・最も貴様の懺悔など聞く価値もないがな」

ユート「カイトは勝ったのか?」

遊馬「見たいだぜ!」

柚子「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

遊矢「柚子!」

ユート「さっさと脱出しないと・・・ただでさえユーリへのストレスで怯えている柚子にこの狭い部屋は酷だ」

遊矢「カイトさんがユーリを倒したんだ。もう大丈夫だ」

柚子「うん・・・!」

ユート「かっとビングだ!」ガンッ

遊馬「かっとビングだ!」ガンッ

遊矢「部屋中にヒビが!」

ユート「もう一息ってところか」

遊馬「かっとビングだ!!!俺!!!」ガンッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ユート「崩れるぞ!」

シャーク「ぶっ壊れちまってるぜ!」

黒咲「ユート!瑠璃!」

シャーク「遊矢!無事か!?」

遊馬「眼は大丈夫か?」

カイト「何とかな・・・それよりも遊矢達は」

遊矢「お、俺はここだよ」

ユート「・・・どうやら全員無事のようだ」

黒咲「ユート!瑠璃は・・・瑠璃は何処だ!?」

遊馬「遊矢の下だぜ。瓦礫から柚子を守ったのか?」

遊矢「俺がやらなきゃいけない事だから・・・」

カイト「フッ、お前にしては上出来だ」

シャーク「融合次元の奴ら消えちまったぜ」

黒咲「逃げたか・・・まあいいだろう」

カイト「あのドローを受ければユーリもしばらくは行動できんはずだ」

数日後

遊馬「って事があってさ」

小鳥「へえ」

遊馬「遊矢の奴も男らしく柚子を守っててさ」

小鳥「ふーん」

遊馬「カイトはカイトでユーリをぶっ倒しちまうしな」

小鳥「そう・・・」

遊馬「ユートもかっとビングで箱をぶっ壊して・・・」

小鳥「・・・」

遊馬「小鳥?」

小鳥「どうして私は呼んでくれなかったの?」

遊馬「・・・」

小鳥「ねえ?」

遊馬「・・・」

小鳥「自分が絡んでない事件の話を聞いても何も面白くないんだよね・・・」





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