ハクメイ「またか」萃香「どこだい、ここ」 (51)

ハクメイ「ふわぁ、今日も良い天気だな、って」

萃香「Zzzzz」

ハクメイ「………またか」



このSSはハクメイとミコチと東方プロジェクトのクロスSSです。

ハクメイ「幻想郷?」針妙丸「マキナタ?」
ハクメイ「幻想郷?」針妙丸「マキナタ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425616886/)

の続きとなっています。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426246283

ミコチ「はぁ、はぁ、重っ!」

ハクメイ「すげぇ重い、なっ!」

萃香「んー。むにゃむにゃ」

ハクメイ「これって、あれか」

ミコチ「針妙丸に関係あるかも、ねっ!」ポイッ

萃香「げふっ。………むにゃぁ」ボフンッ

ハクメイ「ふぅ。にしても、なんだ、こいつ」

ミコチ「これ、生えてるの?」ツノツンツン

ハクメイ「刺さってるのか?」

ミコチ「頭にこんなの刺さってたら死んじゃうわよ。何かの病気かしら」

ハクメイ「かもな」

セン「それで、やはりアタシが呼ばれたのか」

ハクメイ「もし感染病だったら困る」

セン「こんな病気は聞いたことない」

ミコチ「じゃあ、生えてるの?」

セン「………信じがたいが」

ミコチ「世の中には色々な人がいるのねぇ」

セン「それにしても君たちの日常は退屈しないようだね」

ハクメイ「あぁ、日々が目まぐるしすぎるせいだ」

萃香「ふわぁ、ん」

ミコチ「あ、目が覚めたのね」

萃香「………誰だい?」

ハクメイ「私はハクメイ、そっちはミコチ、でこっちがセン」

セン「どうも」ペコ

萃香「………霊夢は?」

ハクメイ「れい、む? ………やっぱり針妙丸の知り合いなのか?」

萃香「知り合い、っちゃ、知り合いだけどね」

ミコチ「針妙丸は今元気?」

萃香「元気だよ。毎日私に突っかかってきてね、酒を飲む暇すらありゃしない」

ハクメイ「良かった。いきなり消えたから心配だったんだ」

ミコチ「あ、そういえばあなたは幻想郷ってどこにあるか知ってる?」

萃香「そりゃあね。日本に限っては私の知らないところなんてないよ。私はどこにでもいるからね」

ハクメイ「?」

萃香「で、ここは?」

ハクメイ「マキナタだけど」

萃香「………………どこ?」

ハクメイ「どこって、マキナタだけど」

ミコチ「近くにアラビもあるわよ」

萃香「日本じゃない?」

ハクメイ「日本?」

萃香「中国かい?」

ミコチ「中国?」

萃香「どこの国だい?」

セン「国?」

萃香「………異変、なのかね」

「ミコチー、ミコチ―、私の服はどこかしらー?」

ミコチ「あ、コンジュが起きたみたい。ちょっと行ってくるわ」

コンジュッタラフクゼンブヌイデネチャウンダモノチャントタタンデオイテルワヨ アラホントウ

萃香「ちょっと、外出てくるよ。知ってるものがないか見ときたいからね」

ハクメイ「おい、一人で出歩くと」

萃香「大丈夫さ」スゥ

ハクメイ「きえ、た?」

セン「魔法………いや、そんな非科学的な」

萃香(幻想郷じゃない、それどころか日本ですらない)

萃香(忘れられて幻想郷に来たが、それでも外はこんな場所じゃなかった)

萃香(こんなに平和じゃない、こんなに活気にあふれていない、こんなに)

ナライ「………ん?」

カテン「どうしたのナライ」

萃香(こんなに生き物が大きくないっ!!)

ナライ「視線を感じた気がしたが、気のせいみたいだ」

ハクヨ「あなた、カテンちゃん。お昼ごはん出来たわよ」

カテン「わぁい!」

萃香(ある程度霧になって見回ってきたけど、なんだいこれ。動物や虫が人間よりも大きい)

萃香(でも平和だ。弱肉強食、死闘、決闘はどこに消えたんだい?)

萃香「ただいま」スッ

ハクメイ「うおっ」

萃香「? あぁ、私は霧になれるんだよ」

ハクメイ「………夢でも見てるのか」

萃香「鬼、なんだよ。私は」

ハクメイ「鬼?」

萃香(そうかい。やっぱりここでも鬼は、忘れられているのか

ハクメイ「鬼って言うと、針妙丸の仲間をお閉じ込めてる、あの鬼か?」

萃香「それとは別人さ。だけど鬼っていうのは嘘じゃない」

ハクメイ「へぇ、お前が鬼なのか」

萃香「珍しいかい?」

ハクメイ「珍しいな」

萃香「そう、珍しくなっちまったんだよ」

ハクメイ「もう、鬼はあんまりいないのか?」

萃香「忘れられたのさ。そして私は置いて行かれた」

萃香「私はここにいるっていうのに、誰も私の事なんて覚えていない」

ハクメイ「………わかる、とは言わないけど。一人ぼっちは寂しいよな」

萃香「あぁ、一人酒はたまにでいい」

ハクメイ「一人飯もな」

萃香「でもまぁ、今はそれなりに幸せさ」

ハクメイ「そうなのか」

萃香「気付けば一人酒をしばらくしてないね。飲んでたら誰かが近くにいる、我ら鬼、なんて全然言わなくなったよ」

萃香「それにいつも挑みかかってくるバカが一人」

ハクメイ「針妙丸か」

萃香「そうさ」


萃香「鬼は鬼だが、私は私。伊吹萃香さ」

ハクメイ「よろしくな」

萃香「よろしく」

ハクメイ「それで、もし行くところがなかったらうちに泊まらないか?」

萃香「いいのかい?」

ハクメイ「あぁ、構わないさ。家主はミコチだけど、ミコチもそういうだろ」

萃香「そういえばそのミコチは?」

ハクメイ「今コンジュ、えっと昨日泊まった奴に料理の仕方を教えてる」

テキリョウッテドレクライデスノ!? チョッ オオイオオイオオイッ!!

ハクメイ「あー。まぁちょっと困った奴なんだ」

萃香「みたいだね」

ミコチ「はぁ、駄目だわ、これ。ってまだいたの、ハクメイ」

ハクメイ「まだって、あぁっ!!」

ミコチ「また遅刻?」

ハクメイ「大遅刻だ!!」

萃香「ハクメイは何か仕事をしてるのかい?」

ハクメイ「修理屋!! 今日は風車!!」ドタバタ

萃香「へぇ、私もついていこうかね」

ハクメイ「別に良いけど、退屈だぞ!?」バタバタ

萃香「まぁ、私も同業者みたいなもんだよ。私は建てるほうさ」

ハクメイ「準備よし! じゃあ行くぞ!!」

萃香「あいよ」

ガチャッ バタンッ

ミコチ「行ってらっしゃい」

今日はここまでで。

おやすみなさい。

イワシ「あ? 誰だ、そいつ」

ハクメイ「萃香、同業者らしい」

萃香「直すほうじゃなくて作る方だけどね」

イワシ「………部外者はあまり立ち入らせたくないんだが」

ハクメイ「まぁまぁ、そんなケチケチするなって」

イワシ「そういうつもりで言ってるんじゃねぇよ、いざ何かあったとき責任がとれねぇんだ」

萃香「大丈夫さ」

ハクメイ「だってさ」

イワシ「駄目だ、そっちの萃香がどれぐらい使えるかわからねぇし、言い方はあれだが信用できる奴かもわからねぇ」

萃香「一理ある。それなら私はそこらへんで見てる、ってのは良いかい?」

イワシ「………それならいいけどな」

イワシ「それにしてもハクメイ」

ハクメイ「なんだ?」

イワシ「お前が手伝わせてもいいって思えるほどの奴なのか?」

ハクメイ「あぁ」

イワシ「………凄いやつなのか?」

ハクメイ「知らん」

イワシ「知らん、って」

ハクメイ「勘だよ、勘」

萃香「立派な風車だねぇ」

ハクメイ「だろ」

イワシ「気を付けろよ、ハクメイ」

ハクメイ「分かってるって、ちょっと準備する」

イワシ「おう、それで今日は風車の中の歯車のかみ合わせが悪くなったらしい。何か変なものを噛んだかもしれないからそれを取り除いて、あとはそれが原因で傷ついてるかもしれないから、補修してくれ。俺はサポートにまわる」

ハクメイ「イワシの体じゃ入れないもんな、よっと」

イワシ「準備万端みたいだな」

ハクメイ「今日は午後から嵐みたいだから早く終わらせるぞ」

イワシ「嵐………急ぐのはいいが前みたいな事になるなよ」

萃香「前、なにかあったのかい?」

ハクメイ「あぁ、ちょっと死にそうになった」ハハッ

萃香「笑いごとじゃないねぇ」

ハクメイ「今生きてるからな。教訓にはするけど、笑いごとだ」

イワシ「真面目なんだか不真面目なんだか」

イワシ「おーい、中、どうだ?」

ハクメイ「けほっけほっ、普段手入れされてないのか? ほこりだらけだし、蜘蛛の巣もあっちこっちに張られてる」

イワシ「中に入る奴はいないからな。どうしても手は抜かれがちだ」

ハクメイ「定期的な点検をしてくれるなら私の懐ももうちょっと潤うかもな、あ」

イワシ「どうした!?」

ハクメイ「ミコチが作った弁当食べるの忘れてた、持ってきてくれ」

イワシ「ふざけんな!! えっと、これか、上からロープで下すぞ」

ハクメイ「さんきゅ、イワシはイワシだよな」

イワシ「アンチョビだ」

ハクメイ「萃香ー、何がいるー?」

萃香「美味しいもの」

ハクメイ「あいよ、これ渡してきてくれ」

イワシ「もうくだらないことで呼ぶなよ」モグモグ

ハクメイ「腹が減ってはなんとやら、ってな」

ハクメイ(思った以上に中が痛んでる。こないだみたいに踏み抜かないように気をつけなきゃな)

ガガ、ギギッ

ハクメイ「なんか噛んでるな、なんだこれ。指輪?」

ハクメイ「なんでこんなところに指輪が」

カァー カァー

イワシ「ハクメイ!!」

ハクメイ「なんだ―――うわぁっ!!」

カラス「アーッ カァーッ!」バサバサ

ハクメイ(でかいカラスっ。 嘴しか入って来れてないけど、下手したら当たりそうだ。当たったら………)

ハクメイ(足場が悪いし、高い。落ちたら死ぬな)

ハクメイ「っ! や、やるってのか?」

イワシ「この、風車から離れやがれっ!」シャーッ!!

カラス「カァーッ!!」バサバサッ

ベキッ

イワシ「風車が!」

ハクメイ「うおっ!!」

ハクメイ(足場が、いや足場どころじゃない、風車が、壊れ)

ハクメイ(落ち、死ぬ、あ)

萃香「ハクメイっ!!」

ハクメイ「萃香!?」

ハクメイ(萃香がいつの間にか中に、くそっ)

ハクメイ「逃げろ萃香!! 瓦礫で潰されるぞ!!」

ハクメイ(お願いだ、逃げてくれ。私一人で十分だ、死ぬのは)

萃香「………」

ハクメイ(受け止める気か? いや無理だ。もし萃香が私を受け止めることが出来たとしても、次に瓦礫が落ちる)

ハクメイ「逃げろっ!! 萃香ぁあああぁああっ!!」

萃香1「嫌だね」

萃香2「嫌だ」

萃香3「そうさ、嫌だ」

萃香4「こんな世界で」

萃香5「こんな世界だから」

萃香6「誰も死んじゃいけないのさ」

萃香7「この世界で必要ない私が」

萃香8「この世界で価値を作る、そのために」

萃香9「自己中心、傍若無人、私は私だけのために」

萃香10「お前を救わせてもらう!!」

ハクメイ(萃香が増えた? そんな馬鹿な)

ガラガラドォンッ!!

イワシ「くそがっ!! 無事かハクメイッ!!」

モクモク

イワシ(砂煙が酷い、これじゃ見えねぇな)

ハクメイ「イ…………ワシ」

イワシ「ハクメイ!! 無事なのか!?」

ハクメイ「………私は生きてるのか?」

萃香「あぁ、生きてるよ」

ハクメイ「………何があった」

イワシ「ここかハクメイッ」

ハクメイ「よう………イワシ」

イワシ「………これは? 瓦礫が丁度お前たちを避けて」

ハクメイ「いや、違う。これは、えっと」

ハクメイ「萃香が砕いた」

イワシ「は?」

萃香「やれやれ、危機一髪、だね」

イワシ「………は?」

カァッーッ!!

イワシ「! まだいたのか!!」

萃香「今から起きることは内緒だよ」

イワシ「?」

萃香「鬼神『ミッシングパープルパワー』」ズモモモ

ハクメイ「ははっ、もう驚かないな」

萃香「それじゃ、いっちょ」ガシッ

カラス「!?」

萃香「空に帰りなっ!!」ブンッ

カラス「カァーッ!?」

イワシ「なんだあれ」

ハクメイ「なんだろうな」

今日はここまでで。

萃香「ふいー。終わったよ」シュルルル

ハクメイ「おう、お疲れ」

イワシ「まぁ、俺たちにとっちゃ終わったというか、始まったというか」

ハクメイ「あぁ、瓦礫が………」

イワシ「風車、なんて説明すればいいんだよ………」

萃香「んじゃ、一か所に集めておくよ」グググっ

イワシ「なんだありゃ、手品、なのか?」

ハクメイ「イワシ諦めろ。種も仕掛けもない、あれが現実だ」

イワシ「信じろと言われてもな」

ハクメイ「えっと、今日の仕事は終了、か?」

イワシ「おう、帰っていいぞ。というかいてもできることがねぇ」

ハクメイ「どうするんだこれ」

イワシ「でけぇカラスが壊したっていうしかねぇな」

ハクメイ「ははっ。明日のマキナタ日報の一面は決まりだな」

イワシ「取材あったらお前に任せる」

ハクメイ「断る」

ハクメイ「ってことで今日は終わりだ」

萃香「帰るのかい?」

ハクメイ「午後から嵐だからな。帰らなきゃ」

萃香「あいよ」

ハクメイ「明日は街にでも出るか」

萃香「私もついていっていいかい?」

ハクメイ「萃香がいいんなら」

萃香「帰るあてもないしね、しばらくは世話になりそうだよ」

ハクメイ「歓迎するよ」

萃香「迷惑かけるね」

ハクメイ「いや、私もミコチの家に居候してるだけだからな」

萃香「へぇ」

ハクメイ「でも、ミコチもOK出すだろ」

萃香「ずいぶん優しいんだね」

ハクメイ「損にならない事なら進んでやれが私の信条だからな」

萃香「損にならないよう、色々やらせてもらうさ」

ハクメイ「ただいま、ミコチ」

ミコチ「あら、早かったのね」

ハクメイ「まぁ、色々あってな」

萃香「? どこかに出かけるのかい?」

ミコチ「さっき、呑戸屋さんから手紙をもらってね。ミマリが手伝ってほしいって」

ハクメイ「あー、もうすぐ収穫祭だから忙しいんだな」

ミコチ「どうする? ハクメイ達は留守番する?」

ハクメイ「んにゃ、ついてく。な、萃香」

萃香「反対はしないよ」

ミコチ「あー、でもハクメイがいるとシナトが」

ハクメイ「大丈夫大丈夫。大人しくしてるから」

ミコチ「そう? じゃあいいけど」

ハクメイ「よしっ、嵐が来る前に呑戸屋にたどり着くぞ!!」

ザァアアアアァアアァアアアア

ミマリ「えっと、申し訳ないっス」

ミコチ「「仕方ないわよ、手紙だから」

ミマリ「拭くもの持ってくるっス」

ハクメイ「早急に頼む」

ミマリ「はいっス」

シナト「ん? ハクメイ達か。なんでてめぇらは天気が悪い日にくるんだ?」

ハクメイ「偶然だ、中入っていいか?」

シナト「上に上がるのは体拭いてからにしろよ」

シナト「んで、そっちの頭にでけぇのつけたのは?」

ハクメイ「萃香、知り合いだ」

シナト「へぇ。賭けは好きか?」

萃香「もちろん」

ハクメイ「初対面で聞くなよ、って萃香も答えるなよ」

ミマリ「服、私ので良かったっスか?」

ミコチ「ありがとう、助かるわ」

ミマリ「いえいえ、頼んだのはこっちっスから」

シナト「嵐今日は止まないみてぇだから泊まってくか?」

ハクメイ「いいのか?」

シナト「こんな中帰らせるほど酷くねぇ」

シナト「いきなりで悪いがミコチ、仕込み手伝ってくれ。日持ちするもん作り置きしておかないと店が回んねぇ」

ミコチ「分かったわ」

シナト「そっちの二人は炭の洗い」

ハクメイ「あいよ」

萃香「分かった」

シナト「おっし。即効で終わらせて博打すんぞ!」

ハク萃「おー!!」

ミコチ(やっぱり、連れてきたのは間違いだったみたいね)

今日はここまでで。

ハクメイ「あー、疲れた」

萃香「だらしがないねぇ」

シナト「いや、やれとは言ったが、この量………」ドンッ

ハクメイ「萃香凄い速いんだよ。数回擦っただけで終わる」

シナト「それでなんでできるんだよ」

萃香「コツがあるのさ」

ハクメイ「それ教えてくれよ」

萃香「私以外にはできないのさ」

シナト「まぁ、出来たのならいいけどな。だんご汁作るから待ってな」

ハク萃「あいよ」

ミマリ「皆さん、お疲れ様っス」

シナト「助かった」

ハクメイ「なぁ、これ食っていいか?」

シナト「気がはえぇ。せめて礼くらい言わせろ」

ハクメイ「もぐもぐ、ん、美味い」

シナト「ちっ。酒でも飲め」

ハクメイ「さんきゅ」

萃香「私ももらえるかい?」

シナト「おう、飲め飲め。自慢の酒だ」ゴクゴク

ミコチ「あ、シナトが飲んだら」

シナト「ん?」

ミコチ「なんでもないわ」

萃香「私も酒を出そうかね」

ハクメイ「あ、その瓢箪って酒はいってたのか」

萃香「まぁ、私しか飲めないんだけど」

ミコチ「なんで?」

萃香「強いんだよ、すっごい」

シナト「そりゃ飲んでみてぇな」

萃香「いける口かい?」

ハクメイ「お、おいシナト。やめといたほうが」

シナト「大丈夫だ! 酒は弱くねぇから」

シナト「うぅーん」

ハクメイ「おいシナト。大丈夫か?」

シナト「大丈夫よ、平気平気~」

ミマリ「姉さんのこの酔い方初めて見たっス」

萃香「あちゃー。やっぱりダメだったかい」

ハクメイ「おい」

萃香「まぁ、死にはしないよ。多分」

ハクメイ「おい」

シナト「ねぇ、勝負しない?」シャナリ

ハクメイ「………まじかー」

ミコチ「ハクメイ、賭け好きじゃない」

ハクメイ「なんかこのシナト不気味でやだ」

シナト「酷いわねぇ~」

シナト「じゃあ、萃香はどう~?」

萃香「勝負は好きだよ」

シナト「じゃあ、あれしましょう、あれ」

萃香「あれ?」

シナト「壊れた一輪挿しのタガに、箸の束を入れて。よいしょ」バララ

萃香「あぁ、独立するんだね」

シナト「サイコロ振って、その半分だけ抜いていくの」

萃香「取った箸が多い方が勝ちだね」

シナト「そうよ~」

シナト「あと、追加で三本まで取れるの、それで輪が落ちたら-5点」

萃香「理解した。それでサイコロを振るのは」

ミコチ「じゃあ私がするわ。シナトは?」

シナト「私の可愛い妹~」ギュッ

ミマリ「わわっ」

萃香「それじゃあ始めるよ」

シナト「負けないわよ~」

ハクメイ「団子汁うめぇ」ズズー

ミマリ「2っス」

シナト「じゃあ1追加して、よいしょ」スッ

シナト「抜けたわ~」

ミコチ「3」

萃香「追加して6」スッ

萃香「抜けた」

シナト「強気ね~」

萃香「ミコチ、これからずっと2以上出してくれないかい?」

ミコチ「そんな無茶な注文」

萃香「できればでいいんだ。残り3本にして限界で勝つよ」

ミコチ「ふふっ。誰かと一緒の事するのね。何か秘策が?」

萃香「ないさ。ないけど、鬼は負けない」

シナト「むー、あと6本ね、点数もほぼ同点。ってことはー」

ミマリ「落とした方の負けっすね」

萃香「落とさないさ」

ミコチ「でもこれ、凄い不安定で」

萃香「大丈夫、絶対勝てる」

シナト「無理だって、無理無理」ケラケラ

ミコチ「いいの?」

萃香「私を信じてくれ」

ミコチ「わかったわ、きっちり決めてよね」コロコロ

萃香「6、ってことは3か」スッ

ミコチ「え」

ミマリ「なんでそれで」

シナト「たつの?」

萃香「言ったろ、負けないって」

ミコチ「何かしたの?」コソコソ

萃香「別に、コツがあるのさ、よし、終わりだよ」パンッ

ガタンッ コロコロ

ミマリ「むー。負けたから掛け金持ってくるわ」

萃香「別にいいよ。それより酒をもらえるかい?」

ミマリ「いいわよー。あ、団子汁がもうあんまりない」

ハクメイ「ごちそう様」

ミコチ「一人でどれだけ食べてるのよ」

ミマリ「よっし、作るわよー!!」

途中からシナトがミマリになってました、

ミマリ「むー。負けたから掛け金もってくるわ」以降は全てシナトです

シナト「あー、頭いてぇ」

ハクメイ「お、起きたかシナト」

シナト「おう、なぁ、ハクメイ。頼みがある」

ハクメイ「なんだ?」

シナト「優しく殺してくれ」

ハクメイ「落ち着け」

シナト「もうダメだ、あんな恥をさらしてしまったら死ぬしかねぇ」

ミコチ「言わないから、言わないから!! ね、ハクメイ」

ハクメイ「言わない言わない」

シナト「うぅ、助かる。今度またなんか奢る」

ハクメイ「おう、それじゃあ私たちはもう帰るから。嵐も過ぎたし」

シナト「あぁ、また来いよ」

ハクメイ「おう」

ミマリ「お待ちしてるっスよ」

ミコチ「また来るわね」

萃香「酒、美味しかったよ」

今日はここまでで。

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