ジャック・アトラス「久々の休暇だな…」 (26)
ジャック「(ライドAからの誘いを受け、ネオドミノシティから旅立って早7年…)」
ジャック「(キングに返り咲いてからは日々挑戦者を打ち負かしてきた)」
ジャック「(だがまだ高みに上り詰めたとは言えん…あいつへのリベンジを果たすまでは…)」
ジャック「(とうとうネオドミノシティに戻るときがきたようだな)」
ジャック「(…)」
ジャック「(そしてカーリー、久々にお前の顔を見ておきたい)」
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遊戯王ファイブディーズのssです
オリジナルの設定を若干含みます ご注意ください
あとデュエルはしません
ネオドミノシティ付近のPAにて
ジャック「(この道を走るのも久方ぶりだ…)」コーヒーススリー
ジャック「(この付近でよくあいつらとトレーニングをしたものだ)」
ジャック「(街はまた発展したな…遠目でもよくわかるくらいだ)」
ジャック「(マーサは元気にしているだろうか…クロウに懐いていたガキ共も大きくなっているのだろう)」
ジャック「(どれ、シティの方で土産でも買っていくとするか)」
ジャック「(そういえばホイール・オブ・フォーチュンに何もカモフラージュせず乗ってきてしまったな…)」
ジャック「(世界に1つのDホイールが街を走っていたら俺が帰ってきたとバレバレではないか)」
ジャック「(今回の帰郷は極秘なものだ…ファンに見つかると面倒かもしれん)」
ジャック「(いや、ファンならともかくマスコミにまで知れ渡ったら、騒ぎであいつとのリベンジ戦どころでは
あ!いた!ジャックー!!
ジャック「!?」
カーリー「ジャック!張り込んだ甲斐があった!やっぱり帰ってきたんだから!」
ジャック「カーリー!お前どうしてここに…!?」
カーリー「報道関係者を舐めないで欲しいんだから!ジャックに関することは何でも調べられるの!」
ジャック「貴様、俺の休暇日程を調べてここに帰ってくると予想したのか!?」
カーリー「当ったりー!絶対こっちに戻ってくるって信じてたんだから!」
ジャック「カーリー…」
カーリー「せっかく久しぶりに会えたんだし、二人で仲良く過ごしたいんだから~!」ウデカラメッ
ジャック「ええい!あの時言っただろう!俺に女はいらんと!」ドタバタ
カーリー「もうキングになったんだからいいじゃな~い」ドタバタ
ジャック「俺はまだ真のキングにはなっておらん!」ドタバタ
カーリー「…遊星と決着つけるんでしょ?」
ジャック「何!?」
カーリー「ごめんね、ジャック。ちょっといたずらしちゃったんだから」
ジャック「どうしてそこまで…あいつとの因縁はマスコミにも伝わっていないはずだぞ?」
カーリー「前にアキさんに聞いたの。ジャックは遊星との決着をつけにいつか帰ってくるって」
カーリー「今がその時なんでしょ?」
ジャック「…ああ、その通りだ。7年前のリベンジを果たしてこそ俺は真のキングを名乗ることが出来る」
カーリー「…私もジャックに伝えることがあるの。それも直接。だから今回のジャックの帰郷中にどうしても会いたかったんだから」
ジャック「伝えること…?何だそれは?」
カーリー「今は言えない、というより言う場面じゃないかな~って。私にかまってくれたら言ってあげるんだから」
ジャック「ふっ…貴様にかまうのはマーサの家で用事を済ませてからだ」
カーリー「もちろんどこにでもついていくんだから~!」
マーサハウスにて
ジャック「マーサ!いるか!」
カーリー「おじゃまします~」
マーサ「あれま!ジャック!帰ってきてたのかい!」
ジャック「久々に休暇がとれてな、短い期間だがこっちで過ごすことにした」
マーサ「まったく、連絡の一つもよこさずに帰ってきて。事前に言えば準備もできるってもんなのに。で、お隣の女性は?」
カーリー「ははは、初めまして!カーリー渚と申しますー!」アタフタ
マーサ「はいよ、初めまして。カーリーさんね。子供ばかりでうるさい所だけどゆっくりしてってね」
カーリー「こ、心遣いありがとうございます!お、おお義母様!」
マーサ「お義母様だって、あんたらそういう仲なのかい、ジャック?」
ジャック「こいつが勝手に言っているだけだ」
カーリー「あーひどいんだから、ジャック!」
マーサ「あはは、ともかくゆっくりしなよ。子供たちもあんたの活躍をテレビで見て嬉しそうにしてるからね、会ってやったら喜ぶよ。おーい皆、ジャックが帰ってきたよー!」マジ!?キング!?
カーリー「ジャックや遊星、クロウもここでお義母様に育ててもらったのね」
ジャック「ガキの頃からやんちゃ坊主だったからな、マーサには迷惑をかけたものだ」
カーリー「あはは、簡単に想像できちゃうんだから!さあ、子供たちにお土産あげよ!」
ジャック「よし、お前たち!キングからのプレゼントを受け取るがいい!」バサッ
戦士手島「すげー!悪魔族テーマのDDのほかにジェムナイト、セイクリッド、XセイバーのカードがそろっちゃうブースターSP、レイジングマスターズじゃん!」ワイワイ
角井敏行「こっちにはクロウのBFのほか霊獣、ネクロス、さらにはネオ・ニュー・沢渡さんの妖旋獣が組めちゃうトライブフォースもあるよ!マジ強すぎっすよ!」ガヤガヤ
子供たち「「ありがとう、ジャック!」」
ジャック「うむ、お前たちもキングを目指して精進するがよい!」
カーリー「ジャックったら意外と子供好きなんだから」ニヤニヤ
ジャック「う、うるさい!俺はキングの後継者を探しているだけだ!」
カーリー「またまた照れちゃってー」
宮崎健太郎「ねえお姉さん、お姉さんはジャックの彼女なの?」
カーリー「え、あの、そのまだ彼女じゃないというかそのうち彼女になりたいというか」アワワワ
ミントロケット「じゃあクロウ兄ちゃんだけヒトリモノだねー」
河合都「聞いてよジャック、クロウってばマーサが『彼女はできたか?』って電話で聞くたびに機嫌悪くするんだってさ」
ジャック「クロウは昔っから女っ気が微塵も感じられん奴だからな。少しはこの俺を見習えばよいものを」
角井敏行「けどマーサがよく言ってるよ。『ジャックみたいなコーヒー飲んでたばかりの穀潰しにはなっちゃいけないよ。』ってさ」
ジャック「マーサァ!!」
――――
ジャック「話もここまでにしてそろそろ出るとするか」
カーリー「楽しいお話ありがとうございました!」
マーサ「こちらこそありがとね。ジャックもいつでも帰ってくるんだよ」
子供たち「「また戻ってきてねー!」」
ジャック「うむ!キングは応援してくれる子供たちへの感謝は忘れないものだ!」
カーリー「それじゃまたねー!」
ジャック「それで、今日はどうかまってやればよいのだ?」
カーリー「え!?かまってくれるの!?」
ジャック「お前が言い出したことだろうが!」
カーリー「すっかり忘れてたんだから~。それじゃどこ行こうかな、遊園地とかどう?」
ジャック「遊園地か、以前貴様とは行ったことがあるが、そこでいいのか?」
カーリー「もう一度行きたいというか、一度行ったことがあるからこそというか~」
ジャック「まあよかろう。では遊園地に向かうぞ」
遊園地にてしばらく遊び…
カーリー「やっぱりジャックってどんなアトラクションでも動じないんだから~、何でそんなに堂々としていられるの?」
ジャック「デュエリストだからな」
カーリー「(答えになってないんだから・・・)」
カーリー「じゃあ次は…あのタワーに上るんだから!」
ジャック「あのタワー…あそこは…」
――
タワーにて
カーリー「ここも懐かしい場所なんだから」
ジャック「全くだ」
カーリー「フォーチュンカップまでのジャックはここで死んで、ここから今のジャックが生まれたんだよね」
ジャック「…」
カーリー「ジャック、私の伝えたかったことなんだけど、その前に一つ別に言っておくこともあるの」
ジャック「?何だ」
カーリー「私、ダークシグナーだったころの記憶が戻ったの」
ジャック「!?」
カーリー「記憶が蘇ったのは数年前だったわ。ある日、徐々に自分の知らない記憶が浮かんできて、でもそれは決して妄想なんかじゃなくって、私が現実で行った、拭いきれない過ち」
ジャック「なぜだ!?いや、鬼柳のやつもある日記憶が蘇ったらしいが…」
カーリー「どうしてなのかは分からない。けれど理由はどうあれ私はダークシグナーであったことを知ってしまった。ジャック、あなたがダークシグナーとの争い以来私にかまってくれなくなった理由も分かったわ。」
ジャック「俺はお前がダークシグナーとして犯した行為を知ったらどれほど悲しむだろうと…!」
カーリー「ええ、刺激を与えて記憶が戻らないように避けてくれていたのでしょう?確かに今は落ち着いていられるけれど、思い出した当時は本当に辛かった。旧サテライトの人々、マーサハウスの皆の魂を地縛神降臨の生け贄にしてしまったこと、世界を終わらせるための手助けに加担してしまっていたこと、そして何よりジャック、あなたと生死を分けたデュエルをしてあなたを危険な目に合わせてしまったこと」
カーリー「記憶が戻った時にあなたに相談すべきだったのかもしれない、けれどあなたはライドA制覇のための大事な時期だった。私のせいであなたに余計な負担をかけるわけにはいかなかった。こんなこと他の人には相談できなかった…。自分には生きる価値も無いんだって思って自殺も図った。」
ジャック「なんだと…!?」
カーリー「幸か不幸か自殺は失敗したわ。それでも生きる気力のなくなった私を支えてくれたのは、御影さんなの…」
ジャック「御影が…?」
―――
数年前、病院にて
御影「気がついた?よかった…!」
カーリー「御影…さん…?」
御影「本当に…よかった…」
カーリー「どうして…?」
御影「どうしてもこうしてもないわ!あなたが自殺を図ったなんて聞いて慌てたんだから!」
御影「どうして自殺なんかしたの…?いえ、こういうこと聞くべきかどうか分からないけど…友人として私に相談してくれないかしら…?」
カーリー「…」
カーリー「…はい」
御影「そう…だったの…あなたが…」
カーリー「もう私自分がしてしまったことの罪に耐えられません…どうやって償ったらいいかわからない…」
御影「…」
御影「そんな記憶…一人で抱え込んで…辛かったでしょう」ギュッ
カーリー「御影さん…」
御影「よく言ったわね…吐き出して少しでも楽になった…?」
御影「償い方なんて私にもわからない…けど今はそれでいいんじゃないかしら…?」
カーリー「でも…」
御影「私ね…今の話聞いてあなたに嫉妬する部分もあるのよ…?」
カーリー「え…?」
御影「だって…アトラス様とあなた…どう聞いても相思相愛だったじゃない?」
カーリー「それは…そうかもしれないですけど…」
御影「かもじゃないの。両想い確定よ。あーあ、最初から片がついてただなんて私達とんだピエロ、イェーガー長官だったのね。」
カーリー「…フフッ」
御影「…笑ってくれたわね」ニコッ
カーリー「ありがとう、御影さん。おかげでちょっと元気でたんだから」
御影「どういたしまして。それじゃそろそろ行かないとまずいから」
カーリー「…また相談に乗ってくれる?」
御影「もちろんよ。…アトラス様のこと、任せたからね」ガラガラピシャッ
御影「…あーあ、新しい恋探さないと本気で売れ残っちゃうわね…」
―――
ジャック「御影がそんなことを…」
カーリー「御影さんがいなかったら私ほんとにどうなってたか…」
ジャック「…すまなかった」
カーリー「え?何が?」
ジャック「これまでそっけなく接していたこと、そしてなによりお前が一番つらかった時にそばにいてやれなかったことだ」
カーリー「そんな、謝る必要ないんだから」
ジャック「しかし…」
カーリー「それに、謝ってくれたってことはこれからはかまってくれるんでしょ?」
ジャック「それとこれとは話が別だ!」
カーリー「え~なんで!?もう私を避ける理由は無くなったはずなんだから!」
ジャック「俺は真のキングになると言っただろう!遊星や世界中の猛者を倒し、この世で最もキングにふさわしい男になるまで俺は戦い続ける!」
カーリー「それっていつ終わるの?」
ジャック「終わりなどない!」
カーリー「やっぱり…けどそれがジャックらしいんだから!」
カーリー「あ!そういや肝心な伝えたいこと言ってないんだから!」
ジャック「ほう、では聞かせてもらおうか」
カーリー「いや、でも改まって言うのも恥ずかしいというかもはや言う必要がないというか」
ジャック「いつも貴様はというかと迷いすぎだ!ならばこの俺が代わりに言ってやろう!」
カーリー「え」
ジャック「カーリー!愛しているぞ!」
カーリー「あ、愛し…ジャック、これ私の妄想じゃない…?」
ジャック「妄想などではない!なんなら何度でも言ってやるぞ?」
カーリー「…ジャックゥ~~~!!」ガバッ
ジャック「コラ!抱きつくな!」バタバタ
カーリー「絶対離さないんだからぁ~~!!」バタバタ
……
―――
翌朝
カーリー「ジャック、今日は遊星とのリベンジ戦、頑張ってなんだから!」
ジャック「うむ、それでは行ってくる」
カーリー「行ってらっしゃいなんだから!!」
カーリー「(ジャックに会えばと思ったけど、ダークシグナーだった罪の償い方はまだわからないまま。自己満足かもしれないけど、日々を幸せに過ごすことが一番の償いじゃないかと最近は考えるようになってきた。私は頑張っている人を応援するのが好きだから、この幸せを記事に乗せて皆に届けられたらそれが一番最高。ジャックはそのうちライドAに戻ってまた離れ離れだけど、心の距離は以前よりずっと近づけた気がする。いつかリーグを引退してこっちに戻ってくるその日まで、私も頑張るんだから!)」
以上になります
お目汚し失礼いたしました
ジャックとカーリーのもやもやについてTFやらを参考に書いてみました
以前書いたジャックデッキに関する愚痴ssとはかなり毛色が違ってます
今回はストーリーがあったのでやはり難しかったですね
アドバイス・感想などあれば書き込んでいただければ幸いです
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