【艦これ】提督「ある艦娘の本音」 (119)
※短め、キャラ崩壊注意です。
※少々、地の文があります。
※登場人物の台詞が読み辛い箇所があります。
上記三点を予めご了承ください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425166568
先日、家具コイン合計72000枚を使って、執務室にカウンターバーと各酒棚を設置した。
これは決して私用目的ではなく、一日秘書艦を勤めてくれた艦娘に対しての細やかな労いである。
ビールにウィスキー、ワインに日本酒。
酒に対する艦娘たちの趣向はそれぞれ異なり、姉妹艦であっても別々になることは珍しくない。普通の人間と同じである。
また、ビスマルクなどのドイツ艦が、ビールよりもワインを好むことに少々驚いたのも事実だ。
彼女曰く、『ドイツはビールというイメージだけれど、ワインも美味しいのよ? 今度、持ってきてあげるわ』
とのことだ。楽しみにしておこう。
……話が逸れてしまった。
そんな中、ある艦娘に疑問を持った。
彼女は何故か、艦娘であるということを理由に酒を固辞しているのだ。
飲めないのだろうか? 確かに、殆どの駆逐艦はまだ酒が飲めない。しかし、彼女は駆逐艦ではない。
そして、彼女の妹は普通にウイスキーを飲む。その妹にも聞いてみたが、姉が酒を飲んでいるのを見た事はないらしい。
疑問が好奇心に変わるのに時間はそうかからなかった。
そう、『彼女に酒を飲ませたらどうなるのか』という好奇心が、いつの間にか心に住み着いていた。
彼女が秘書艦の日、ようやく好機は訪れる。
少しだけ他愛のない用事で執務室から彼女を退出させ、その間に彼女のソフトドリンクを日本酒で割っておく。
本来ならば香りや味で気付かれそうだが、元のソフトドリンクの方が香りも味も強い。
そんな細工がされているとは知らない彼女は、一気に半分ほどの量を飲み込み、少しばかり遠い目をした後、俺の方へ向き直ってこう言った。
長門「ていとくー! このじゅーすおいしーよ!」
日本が世界に誇るビッグセブン。戦艦長門。
眼前の彼女が見せているのは、先ほどまでの凛々しい表情とは変わって、まるで子供のような笑顔であった。
提督「お、おう……。それは、良かった……」
長門「もっとのみたいー。いい?」
提督「あ、ああ。分かった……ちょっと待っててくれ」
長門「やったー! ていとく、だーいすき!」
提督「分かった。分かったから抱き着くな!」
長門「やだー! だってながもん、ていとくのことすきなんだもん!」
提督「(な、ながもんってなんだ!?)す、座っていないとジュース、作ってあげないぞ!」
長門「うー……。わかった。ながもん、すわってる……」
提督(ふぅ……。それにしても、さっきの感触、凄かったな。流石ビッグセブンだ……)
長門「ていとくー。じゅーす、まだー?」
提督「す、すまん。もうちょっと待っててくれ」
長門「むー……。もうまてないから、ていとくのじゅーすのんじゃうね!」
提督「ま、待て! それはジュースじゃないんだぞ!」
長門「んぐ……んぐ……おいしー!」
提督(嘘だろ……。度数がかなり高いウォッカを一気飲みしてしまうなんて……)
長門「……ねぇ、ていとく」
提督「な、何だ?」
長門「……ていとくは、ながもんのこと、きらいなの?」
提督「は?」
長門「だって、だってだって! こんごうとかかがとか、ほかのみんながかえってきたらていとくはにこにこしてるのに……
わたしがかえってくると、いつもおこっているんだもん!」
提督「え、えーと……」
長門「むつにだってにこにこしてるのに……。ながもん、なにかわるいことしたの?」
提督(……長門に対して、確かに笑顔で迎えることは少なかった気はする。長門の纏う雰囲気でなかなか、笑顔を作れない俺にも
非はあるな……)
長門「ながもん、わるいことしたならあやまるから! ていとくににこにこして『おかえり』っていってほしいの!」
提督「長t……いや、ながもんは悪いことをしていないよ」
長門「ほんとう……?」
提督「ああ。俺が、ながもんの気持ちまで考えてあげられなかったんだ。ながもんは強いって……そういう風に思い込んでいたんだ」
長門「な、ながもんはつよいよ! だってびっぐせぶんだもん! ……でも、ていとくにきらわれてるっておもうと……」
提督「ごめんな。でも、これだけは憶えていてくれ。ながもんのことも、俺は他の皆と同じくらいに大事だってことを」
長門「ていとく……。ながもんのこと、ほんとうにきらいじゃない?」
提督「嫌いなんて思うものか」
長門「じゃあ、ながもんのこと、すきなの……?」
提督「(ん? 何か雲行きが怪しいな……)ま、まぁ、好きか嫌いかでいえば、好きだぞ」
長門「じゃ、じゃあ……ながもんのこと、およめさんにしてくれる!?」
提督「えっ」
長門「む、むつが言ってたもん。ていとくのいちばんだいすきなひとが、ていとくのおよめさんになれるんだって!」
提督(陸奥さぁぁぁん! 一体どんな話をしているんですかぁ!?)
長門「ていとくは……ながもんのこと、およめさんにもらってくれない?」
提督(い、言っていることは幼児並なのに、身体が大人のせいなのか……妙に色気を感じてしまう。いつもの様子とのギャップも
凄まじい……)
長門「なら、ながもんのことにむちゅうになれるおまじない、してあげるね!」
提督「おまじないって……んっ!?」
長門「ながもんから、めをそらさないで……んちゅ……ん」
提督(お、おまじないをかけてあげると言われた次の瞬間、顔を両手で掴まれて、キ、キスをされている……なん、て……)
長門「ぷはぁ……どう? ていとく、ながもんにむちゅうになってくれた?」
提督(長門の唇から、俺の唾液と長門の唾液が混ざったものが下へ伝っている……。こ、これ以上は本気で、ヤバい、な……)
長門「むぅ……なら、もういっかい、おまじないだよ!」
提督(ヤバいっ! もう一回さっきのことをされたら、間違いなく理性が崩壊する!)
長門「そおれっ……?」クラッ
提督「危ないッ!」ガシッ
長門「あれぇー? ていとくがーふたりー、さんにんー、あはは、いっぱいだぁー」
提督「長門! しっかりしろ、長門!」
長門「ていとくー。わたしはー、ながもんだってばぁ……」
提督「長門! ……長門?」
長門「ZZZZZZ……」
提督「眠ったのか……。しかし、長門がこんな悩んでいたとはな。明日から気を付けるとしよう」
その後、長門を部屋まで運び、陸奥に事情を話した。
彼女はあらあら、と苦笑いを浮かべて、布団に長門を寝かせた後、
陸奥「これだから火遊びは危険なの。以後、気を付けてくださいね」
その声に対し、了解したと返答をして、長門と陸奥の相部屋を後にする。
自室に戻る際、ふと、窓に映った自分の顔を見て、酔っていた長門の言葉が蘇る。
『わたしがかえってくると、いつもおこっているんだもん!』
笑みを浮かべようとするが、なかなか思うようにはいかなかった。
「姉さん」
「……」
「姉さん。本当は、眠っていないでしょう?」
「……」
「恐らく、酔ってもいない……。いえ、提督のウォッカを一気飲みしたと聞いたから、その辺りは酔っていたんでしょうけれど」
「……」
「姉さん。貴女の纏う雰囲気が、提督の笑顔を難しくしているの。もうちょっと貴女も笑ってあげたりすれば、あの人もきっと
笑ってくれる」
「……」
「以上、妹の独り言でした。おやすみなさい」
「……」
「……」
「……笑顔、か」
(全く……不器用な姉さんなんだから)
翌日
提督「本日は、西方海域の敵最終拠点、カスガダマ沖へ出撃する! 旗艦は長門!」
長門「ハッ!」
提督「霧島、長門の補佐を頼む」
霧島「了解しました!」
提督「夕立、時雨! この海域では潜水艦がほぼ確実に出現する。その潜水艦の相手を頼む」
夕立「はい!」
時雨「任されました!」
提督「利根! あと少しで練度が改二実装まで到達する。ここで上げるぞ」
利根「承知した!」
提督「木曾! 改二で重雷装巡洋艦となった力、ここで見せてくれ」
木曾「いいぜ! 俺を信じてくれよ!」
提督「健闘を祈る!」
長門「……提督!」
提督「長門、どうした?」
長門「……いえ、行ってまいります」ニコ
提督「! ……ああ。吉報を、待っている」
長門「……では」
長門「第一艦隊、出撃するぞ!」
アニメで辛いカレーが駄目だった長門さん。
お酒も駄目らしいですが、果たしてそれが本当なのかどうか……。
長門型には未だ出会えません……。
建造レシピを回しても、金剛型か伊勢型。
ドロップ狙いで3-3を周回していますが、ボス手前の羅針盤が……うごごご。
最後に、長門提督、ファンの方には本当に申し訳ないです。
まぁ、こんな長門さんもいるよね、という暖かい目で見てやってください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
前回のSSに対して数々の暖かいご感想、ありがとうございます。
まとめサイトにも登録されていて吃驚しました……。
もう一つ、長門以外に思いついていた話があったので、今回はそれを投下します。
なお、これには元ネタがあります。
今回も短めですが、楽しんでいただければ幸いです。
わたしの名前は、暁。
暁型駆逐艦のネームシップ。
響、雷、電……。みんな、暁にとって大事な妹。
だから、暁は誓ったの。
立派な一人前のレディーであるということを。
みんなに恥じない、立派なお姉さんであることを。
でも……。
北方海域、キス島沖
暁「な、何とか島風と雪風は逃げ切ったみたいね。次は暁たちよ! 何としてでもこの作戦、成功させるんだから!」
電「あ、暁ちゃん! 敵艦からの魚雷が迫っているのです!」
雷「暁、避けて!」
暁(だ、駄目……回避行動が、間に合わないっ……!)
ドォオオオオオン……。
Верный(以下、響)「間一髪だったな……。大丈夫か、暁?」
暁「……」
響「暁?」
暁「何よ……。暁に見せつけたかったの? 自分の性能を」
響「暁、何を言っているんだ?」
暁「あんなの、余裕で避けれたんだから! 暁は一人前のレディーなのよ! それなのに……!」
響「暁! どうしたんだ!? 今は作戦中なんだぞ!」
暁「性能も暁や雷、電と違って一段階上になっちゃった響は、心の中で暁を見下しているんでしょ! 長女(笑)みたいに!」
響「いい加減にしろ! 暁!」
雷「ふ、二人とも! ヤバいわよ!」
電「はわわ、敵艦の増援が追ってくるのです~!」
響「……急いで離脱するぞ。続いてくれ」
雷「え、ちょ、ちょっと待ってよ、響!」
電「暁ちゃん……急いでこの海域から離脱するのです」
暁「分かってる、分かってるわよ……」
暁(なんで、暁はあんな事言っちゃったんだろ……)
響「……司令官、帰投したよ」
提督「お帰り。Верныйとして初めての出撃だったけど、問題は無かったか?」
響「……うん。大丈夫だった」
提督「相変わらず嘘が下手だな、響は」
響「嘘なんか、ついていない」
提督「声のトーン、僅かに泳ぐ視線。最後に、連続出撃でもないのにその疲れた表情……」
響「……」
提督「何か、あったんだな」
響「……司令官には、敵わないな……」
―響説明中―
提督「そうか……。暁が……」
響「私は、Верныйである前に暁型2番艦、響だと今でも自負している。暁もそういう風に思っていてくれると……
思ったのに……」グスッ
提督「……響。そういえば、酒が飲めるようになったんだっけ?」
響「少しなら……。でも、何でだい?」
提督「いいから。ちょっと待ってろ」
五分後
千歳「提督、どうしました? 何かお飲みになりたいんですか?」
響「千歳さん……?」
千歳「あら、響ちゃんじゃない。わぁ……綺麗になったのね」
提督「千歳、響に『パーフェクト・レディ』を頼む」
響「『パーフェクト・レディ?』」
千歳「カクテルの一種よ。比較的、女性にも飲みやすいの」
響「そうか……。暁が聞いたら、さぞ飲みたがるだろうな……」
千歳「ドライジンを30ml、次いでピーチリキュールとレモンジュースをそれぞれ15ml足した後、卵白を1tspを入れて……
シェイク」シャカシャカ
千歳「はい、『パーフェクト・レディ』です」
響「これが……『パーフェクト・レディ』」コク
提督「どうだ?」
響「色々な香りと味が喧嘩することなく、優しくカクテルの中に構成されている……。Cпасибо、千歳さん」
千歳「いいえ、どういたしまして」
響「……このカクテルみたいに、喧嘩もせずに仲良くできれば良いのに。私は、ただ暁を守りたかった。それだけなのに……」
提督「……響。この世界に、完璧な存在ってあると思うか?」
響「……?」
提督「この『パーフェクト・レディ』を生み出す為に、創作者のシドニー・コックスは何度も施行錯誤を繰り返しただろう。
分量や材料、シェイクの加減……。幾度となく繰り返した結果、生まれたのがこのカクテルだ」
響「司令官、何が言いたいんだい?」
提督「……せっかちだな。まぁ、完璧な存在っていうのは、実在しないってことさ」
響「……は?」
提督「確かに、この『パーフェクト・レディ』はその名前に相応しい、美味なカクテルだ。
だが、欠点の無い『完璧』という意味からすれば、このカクテルにも欠点はある」
響「このカクテルに、欠点が……?」
千歳「響ちゃん。このカクテルのアルコール度数、いくつだと思う?」
響「うーん……。そんなに強いような気はしないから、10%前半くらいな気がする……」
提督「不正解だ。正解は26%、アルコールに弱い人にはなかなかキツイと思うぞ」
響「……そんな」
提督「完璧っていうのは、目標や理想だからこそ輝く言葉だと思うんだ。仮に、完璧な存在になった
ものがあったとしたら、それは成長や進化を既にそこで止めている……」
響「……司令官。私、暁とちゃんと話をしてくる。たった一回の口喧嘩で沈んでいるなんて、不死鳥の名が泣いているから」
提督「その必要はない」
響「え?」
提督「千歳を呼んだ際、暁に執務室へ来るよう言っておいた。もうすぐ着くだろうから、ここで話し合うと良い」
響「そ、そんな事を急に言われても……心の準備が」アタフタ
暁「司令官。お話って何ですか?」ガチャ
提督「話があるのは俺じゃない。ここに座っている子だ」
暁「……ひ、響、が?」
響「」コクリ
提督「まぁ、とりあえず椅子に座って。千歳、暁に『シャーリー・テンプル』を」
千歳「はい」レモンムキムキ
暁「……『シャーリー・テンプル』って?」
提督「ノンアルコール・カクテルの一つだ。かつて、アメリカが大恐慌の真っ只中にあった際、その中にあった一筋の希望。
当時の合衆国大統領も認めていた天才子役から、その名前が付けられた……」
千歳「……その子のように、暁ちゃんもなれると思うわ。はい、『シャーリー・テンプル』」
暁「『シャーリー・テンプル』……」コク
提督「口に合うか?」
暁「うん! ジュースって呼ぶには勿体ないくらい、美味しいの!」
千歳「でも、そうなるとまだまだ暁ちゃんは子供かしらね」
暁「むっ! あ、暁は一人前のレディーよ! 子供扱いしないで!」
提督「ふむ。千歳、響にも同じものを」
千歳「はい」レモンムキムキ
響「私にも……?」
千歳「お待たせ。さぁ、どうかしら」
響「……ん。少し、甘味が強い気がする……」コク
暁「ええ!? そんな筈ないわよ! 丁度良いでしょ!?」
響「でも……甘い」
提督「はいはい。暁が丁度良いと感じて、響が甘いと感じたのを教えるから静かに」
暁「はい!」
響「はい」
提督「答えは、『響が酒に慣れてきている』からだ」
暁「お、お酒に慣れてきている?」
響「司令、それが答えなの?」
提督「人間の感覚を前提にするがな。艦娘も艤装が無ければ普通の女性と見分けが付かないし、共通する部分はあると思う」
暁「そ、そういうものかしら?」
千歳「そういえば暁ちゃん。去年は苦手だったピーマン、食べられるようにはなったかしら?」
暁「ば、馬鹿にしないでよ! ちゃんと最近は食べられるようになったんだから!」
響「(……そうか。だからさっき、司令官はあんな話を……)暁。それは、成長しているってことだよ」
暁「え? 成長しているの? 暁が……?」
響「そう。最初は苦手でも、繰り返していく内にそれが苦手だとは思わなくなっていったことがあるはず」
暁「……言われてみれば。訓練とかも、普通に日常の一環になっている……」
響「それと、暁は一人前のレディーを自称しているけれど、私たちから見たら危なっかしいところがたくさんあるんだ」
暁「な、何ですってぇ!?」
響「朝は寝坊、昼は装備の間違い、夜はおt」
暁「そ、そういうこともあるわねー!」
提督(暁って、夜に一人でトイレに行けないのか……)
千歳(微笑ましいですね)
響「……だけど。確実に成長しているよ。ずっと一緒にいた私が保証する」
暁「響……」
響「ここにあるカクテルの名前、『パーフェクト・レディ』って言うんだ」
暁「『パーフェクト・レディ』……素敵な名前ね」
響「今の暁には飲めないけれど、いつか……」
暁「そうね。いつか、二人で『パーフェクト・レディ』を飲みましょう」
響「いや、その時には、雷と電も一緒にだ」
暁「……そうね! それじゃあ、道を見失っていた私を助けてくれた妹に」
響「新しい目標を見つけて一歩を踏み出した姉に」
暁・響「「乾杯」」
某お酒の漫画を読んでいた際、このカクテルは暁にピッタリな気がしたので書いてみました。
ただ、ながもんに比べると見どころがあるのかどうか自分でも怪しいSSになってしまい、
途中の説教は、自分でも書いている内に何を言っているのかサッパリになってしまいました……。
第六駆逐隊全員に、改二が実装されますように!
それでは、駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
読んでくれている方がいるか分かりませんが、思いついた時事ネタものを……。
今回も短いです。
三月三日 鎮守府 執務室
長門「……ふぅ。意外と重かったな、この服は……」
陸奥「確かにね。んーっ……」
提督「二人とも、俺の企画した鎮守府雛祭りの御内裏役と雛役をしてくれてありがとう」
陸奥「いえいえ。女の子でしたら雛祭りを誰だってしたいと思いますし、良かったと思いますよ」
長門「……しかし、何故私が御内裏役なんだ。他に適任がいるじゃないか」ブツブツ
提督「まぁ、本当だったら大和型の二人が適役なんだが……すまん。まだうちの鎮守府には来ないんだ」
長門「そ、そうではない。その……御内裏役なら、提督が最も適役ではないか。それなら私が雛役をしても、別に異存は……」///
陸奥(ちょっと姉さん。提督が御内裏役になったら、それこそ一大事よ。雛役を決めるのに、身内で戦争を起こしてどうするの)
長門(心配いらん。このビッグセブンと謳われた私がいる限り、そんな事にはさせん)
陸奥(あら、確かこの前鎮守府内の艦隊演習で、改二になった金剛からの一撃で大破判定をされたのは、一体誰だったかしら?)
長門(金剛? 知らない子だな)
提督「ん? 何か言ったか?」
長門「いや。……まぁ、駆逐艦の子供たちが喜んでくれたようだし、艦隊全体の士気も上がったと考えれば上々だな。うん」
陸奥「全くもう……」ヤレヤレ
天龍「提督! 明日の遠征予定、確認しに来たぜ!」
龍田「失礼します~」
提督「あぁ、明日の遠征か。ちょっと待ってろ」
天龍「あれ、長門と陸奥じゃないか。何してんだ?」
龍田「天龍ちゃん。ダメでしょ、そんな口の利き方しちゃ……」
長門「いや、構わんよ。あんまり固くなられても、正直なところ、私も困る。作戦以外の時だったら、気軽に呼んでくれ」
龍田「長門さんがそう仰るなら……」
陸奥「……フフッ」
長門「どうした?」
陸奥「姉さん。以前と比べると、少し変わったなって思っただけ」
長門「……そうか?」
陸奥「そうよ。以前はもう、話しかけ辛い雰囲気を醸し出していたもの。提督もそう思いませんか?」
長門「む、陸奥!?」
提督「ん? ……そうだな。確かに、以前と比べると気軽になったと思う。笑顔も増えたしな」
長門「///」
陸奥「そうだ。提督がよろしければ、姉さんのことをこう呼んであげてください。ながm」
長門「陸奥」ガシッ
陸奥「い、痛い! 抓らないで! 痕が残っちゃう!」
長門「大丈夫だ。問題ない」
陸奥「ほ、本当に痛いんだから! 許して! ごめんなさい!」
提督(陸奥ェ……。あの言い方からして、長門に酒を与えるとながもんになるってことを知っていたな)
天龍「やれやれ、何してんだか……」
龍田「仲が良いんですね~」
提督「明日の遠征だが、天龍は北方海域の鼠輸送、龍田は鎮守府海域の護衛任務を頼む」
天龍「げっ。まだ寒いのに北方海域かよ……。滅入るなぁ」
龍田「まぁまぁ。もしかしたら輸送任務中に深海棲艦が襲来するかもしれないし、天龍ちゃんの実力を見込んでいるのよ」
天龍「そ、そうなのか。それだったら仕方ねぇなー。この天龍様に任せておけってんだ!」
提督・長門・陸奥(((チョロい……)))
天龍「それにしても、長門と陸奥はなに飲んでいるんだ?」
長門「ん? 明日も前線へ出撃するし、烏龍茶だが?」
陸奥「私は余市のアップルワイン。有名なニッカウイスキーの出荷を陰で支えていた一品よ」
天龍「ふーん……。よし、ちょっと待っててくれ! 取って置きの酒を持って来る!」バタン!
提督「……龍田。俺は天龍が酒を飲んでいるのを見たこと無いんだが、飲めるのか?」
龍田「さぁ~? 私はワインが好きだけど、天龍ちゃんの好みは知らないんですよね~」
提督「おいおい……」
ちょっと用事ができました。
一時間ほど席を外します。
用事が済んだので、数分後から再開します。
―数分後―
天龍「待たせた! 今日は雛祭りで二人も疲れているだろうから、これを飲んで休んでくれ!」
長門「それがとっておきなのか? 見た感じ、普通の瓶ビールにしか見えないんだが……」
提督(マズイな……。酒で長門がながもんになってしまったら、どんな行動に出るか予想できん……。何としても、阻止せねば)
陸奥「ありがと、貴女は優しいのね」
天龍「ほ、褒めてもこれ以上、何も出ねぇって! さ、飲んでくれよ」トクトク
陸奥「では、お言葉に甘えて……」コク
天龍「ど、どうだ!?」
陸奥「……そうね。姉さんもどうかしら? 彼女の好意、無下にするのは勿体ないわ」
提督(えっ!?)
長門「む……。まぁ、陸奥がそう言うのなら……」
天龍「うし! じゃあそのグラスに注ぐぜ」トクトク
長門「……」コク
提督(な、何で陸奥は長門にあの酒を勧めたんだ……?)
長門「……この味は」
天龍「なあ、どうだ!?」
長門「あ、ああ。そうだな、特別だな。うん」
提督(あれ? ながもん化しない……?)
天龍「うし! 世界のビッグセブンの二人に認められるなんてなぁ……。やっぱり最高の酒だよ!」
提督「て、天龍。俺にも少しくれないか」
天龍「何だ、提督も飲みたいのかよ。しゃーねーなー」トクトク
提督(ん? この香りは……)
天龍「早く飲んでみてくれよ、ビッグセブンのお墨付きだぜ!」
提督「お、おう」コク
提督(……! こ、この味は……!)
天龍「な、最高だろ!」
提督「……そう、だな」
天龍「いよっしゃぁ!」
提督「……なぁ、天龍」
天龍「ん?」
提督「その酒、何処で手に入れたんだ?」
天龍「いやぁ……今月の十一日ってさ、軽巡洋艦天龍の進水日なんだ。ちょっとまだ早いけど、龍田が記念にくれたんだよ」
提督「へぇ……」ジロ
龍田「あら~どうしました?」ニコニコ
提督「……いや、別に」
天龍「うし! 俺も飲むか……」ゴクゴク
提督「おい、龍田」
龍田「何ですかぁ~?」
提督「……何で、天龍にあんなものを送ったんだ?」
龍田「そうですねぇ……。やっぱり、寂しそうでしたからですかねぇ」
提督「寂しい?」
龍田「だってそうでしょう? いつも打ち上げとかで、皆が盛り上がっているのに、端っこでチビチビとジュースを飲んでいる
天龍ちゃんを見ていて、辛かったんです。だから……」
提督「ノンアルコールビールを送った、と。だが、それだけではないだろう?」
龍田「はい。それはもう、いつか天龍ちゃんが本物のお酒を飲んだ時の慌てぶりを見てみたくって♪」
提督「……お前、鬼だな」
龍田「あら。真実を伏せている時点で、提督も長門さんも陸奥さんも、私と同じですよ」
提督「偽善者と言いたいのか?」
龍田「そうかもしれませんねぇ。……でも」
提督「……でも?」
龍田「私の嘘に付き合ってくれる事に、感謝しています。もしも先ほど、真実を言われていたら……」
提督「龍田。俺は天龍が楽しそうに笑っているのを見ていたかっただけだ。あいつに暗い顔は似合わない」
龍田「……」
提督「まぁ、天龍に真実を切り出しにくかったら相談に来い。出来る限り、サポートしてやる」
龍田「……私の悪戯に、どうしてそこまで?」
提督「やってみせ、いって聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
龍田「……その言葉」
提督「ああ。旧海軍元帥、山本五十六氏の言葉だ」
龍田「……」
提督「龍田。天龍に悪戯をするのもいいが、あまり度が過ぎないようにな」
龍田「……はい」
提督「さて……」
天龍「分かってるよぉ。どうせ私はポンコツだよぉ。世界最高と言われた時代はあっという間に過ぎていって、
特型駆逐艦にすらもう性能で負けてるんだ。私が役に立てることは、遠征&遠征&遠征だろぉ?」グスグス
長門「分かったから、分かったからもう泣くな……」ヨシヨシ
天龍「私もなぁ、キャラが近い木曾みたいな重雷装巡洋艦になれればなぁ……」グスグス
陸奥「たった二年が、ここまで明暗を分けるなんて……」ナデナデ
天龍「うう……ぐやじいよぉ……。にゃがとぉ……。むっちゃん……」ウエーン
提督「……あの場酔いしてる艦娘を、何とかしようか」
龍田「……はい」
以上になります。リアルで、沈んでいた戦艦武蔵が発見されましたね。
大型建造を回してみたい気持ちと、レベリング&菱餅回収に板挟み状態です……。
そして、本音を知りたい艦娘がいたらリクエストをください。何とか形にすべく努力します。
ただ、艦これを初めて一ヶ月ちょっとなのであまりレアな艦娘は難しいです……。
最後に、ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
乙 武蔵は海底海流に乗って流れてると思ってたわ
本音なら五十鈴で
乙
秋月ちゃんの本音が見たいけどレアだから難しいですかね?
無理だったら朝潮ちゃんお願いします
乙
足柄さんで。
うん?一ヶ月でながもん出たの?
>>47
五十鈴ですね。了解しました。
>>48
秋月はまだ手元にいないので……朝潮の方で検討しますね。
>>49
足柄さんですね。自分も主力には入っているので、思い入れはあります。アニメでの扱いが酷くて泣けました。
また、長門型の二隻は未だ出ていません。
アニメや他のSSなどを見ながら、このSSにキャラを作りました。
それと大井も出ない……。相棒の北上が今日のドロップで七体目になりました……。
リクエストにあった五十鈴編が完成いたしました。
拙い出来でご期待に沿えるかは分かりませんが……。
例によって短めです。数分後より投下します。
その日、五十鈴は夢を見ていた。
仲間たちとある海域に出撃し、敵艦隊との戦闘の末、辛くも勝利する夢を。
その喜びを仲間と分かち合い、鎮守府へ帰投しようとした最中、何かが接近してくる音を感じる。
敵艦の艦載機ではない。海面の下から僅かに聞こえてくる……。
音の正体に気付いた刹那、大きな衝撃が身体の中を走った。
魚雷だった。周囲の海面に敵影はいない。そうなると、相手は潜水艦……!
仲間を呼ぼうとするが、忽然と仲間たちは姿を消していた。
鎮守府へ緊急の通信を入れようとするものの、ノイズばかりが混じっていて使い物にならない。
混乱する五十鈴の視界に、海面の下から浮かび上がってくる深海棲艦の姿が見えてきた。
潜水艦なのに戦場で浮かび上がってくるなんて、なんて馬鹿な敵なのだろう。
海面に浮上した潜水艦など、陸に上がった魚のようなものだ。
一斉射撃で仕留めてやる。……そう、そう思っていた。敵艦の顔を見るまでは。
何故って? 何故なら敵艦の顔は……五十鈴と瓜二つだったから。
驚き、恐怖、困惑……様々な感情が混ざり合い、身体が思うように動かない。
そんな五十鈴の手を、敵は掴んだ。しっかりと、力強く。
悲鳴すら上げられない。最早、敵が何をするか分かっているのに。
敵艦が何かを喋っている。最初は何を言っているのか分からなかったが、徐々に、聞こえてくる。
『シズカナウミニ、カエリマショウ……?』
嫌だ。嫌だ嫌だ! 五十鈴は……五十鈴は行きたくない! 助けて! 誰か……助けて!
――自分の言葉で、意識が現実に戻って来た。
見慣れた部屋の天井、長良姉のトレーニンググッズ、名取のお気に入りぬいぐるみ……。
閉まったカーテンから僅かに差し込む朝陽で、時計の時刻を確認する。
起床にはまだ早いと判断したものの、その夢のせいか眠気は全く無かった。
それに、目を瞑るとあの敵艦の顔が浮かび上がってくる。
ただの夢の筈なのに、筆舌しがたい恐怖に襲われて、その日は夢の事ばかりを考えていた。
――数日後――
鎮守府 執務室
加賀「提督。鎮守府近海において、敵潜水艦の出現が確認されました」
提督「……また来たのか。一ヶ月前に片付いたと思ったんだが……」
加賀「このまま放置すれば、近海における遠征任務での資源確保が難しくなるのは必然です。最悪なのは……」
提督「遠征任務遂行中の艦が、奇襲で轟沈される可能性がある。という事だろう?」
加賀「ええ。この鎮守府近海で遠征任務をこなしている子たちは練度も低く、実戦経験も殆どありません。
潜水艦艦隊との戦闘は荷が重すぎます」
提督「……そうだな。今週の出撃予定を変更し、近海の脅威を取り除くとするか」
加賀「上策でしょう。それで、誰を出撃させますか?」
提督「日向と島風、隼鷹に五十鈴と考えている」
加賀「五十鈴を、ですか……」
提督「……? 何か問題が?」
加賀「……ええ。提督はここ数日、五十鈴に会いましたか?」
提督「いや、会っていないな……。何かあったのか」
加賀「彼女の様子がおかしいと、長良から相談されたんです。私も会いに行ったのですが……」
提督「……?」
加賀「いつもの自信に満ちた彼女ではなく、まるで別人でした……。今も、彼女が五十鈴だとは信じられないくらいで……」
提督「加賀がそう言うくらいなのだから、相当なものなのだろうな。……何故、言ってくれなかったんだ」
加賀「……提督には、指揮に専念して欲しかったからです」
提督「気遣いは嬉しいが、提督という立場に立っている以上、流石にそれは見過ごせないな」
加賀「……すみません」
提督「あまり、一人で気負うなよ。……さて、日向と島風、隼鷹にはそれぞれ説明を頼む」
加賀「どちらへ?」
提督「その五十鈴のところへ行ってくる。部屋にいるのか?」
加賀「この時間帯でしたら、恐らくいるとは思いますが……」
提督「分かった。五十鈴の代わりに、長良か夕張のどちらかを作戦に参加させるとしようか」
加賀「対潜力が現状、我が艦隊で五十鈴に次いで高い長良と、装備でそれらをカバーできる夕張……」
提督「どちらを選ぶかは加賀に任せる。ソナーと爆雷に関しても、九三式や九四式を合わせれば数は足りるはずだ」
加賀「分かりました」
提督「では、行ってくる」バタン
加賀「……」
加賀(わ、私が提督の代わりに作戦の説明なんて……。落ち着くの、落ち着くのよ、一航戦加賀。これぐらい、どうって
ことはない。あああ……でも、どうしよう。名取と夕張の選択も私に任されたし……)
加賀「……とりあえず、赤城さんや蒼龍、飛龍にも来てもらいましょう。情けないけれど、瑞鶴にも……」
加賀(本当、彼女に何を言われても仕方ないわね。まぁ、ストレートに言ってくれるだけマシかしら。
姉の翔鶴がもし艦隊に合流していたら、遠回しに何を言われるか分かったものじゃないし……。秘書艦って、大変ね)
五十鈴「……私、どうしてあんな夢を見て、こんな気持ちになっているんだろう」
五十鈴(あんな事が現実に起こる訳ないのに。でも、怖い……)
提督「五十鈴? いるか?」トントン
五十鈴「(この声……提督?)どうぞ」ガチャ
提督「元気が無いって聞いたからな。ほい、間宮と伊良湖から買ってきた。差し入れだ」
五十鈴「え……でも、五十鈴は……」
提督「部下の不調を見抜けないんじゃ、提督として半人前だよな。今、食べられるような気がしないなら、
冷蔵庫にいれておけばいい」
五十鈴「うん……。そうする」
提督(……なるほど。確かに加賀が言っていたように、五十鈴本来の元気さは感じられないな。覇気もない……)
五十鈴「……聞かないの? 五十鈴が変になっている原因について」
提督「五十鈴の方から話してくれると思っているからな。その事を話題にしたくないような表情をしているのに、
強引に聞こうとするのは野暮だろう?」
五十鈴「そう見えるの?」
提督「ああ。見えるな」
五十鈴「……提督は、逃げたいと思ったことはない?」
提督「俺だって一応は軍人だ。そう問われたら否としか答えられないよ」
五十鈴「……そう、ね」
提督「ただ、一人の人間として答えるのなら、確かに逃げたいと思ったことはある。提督になる前、海軍士官学校時代は何度もな」
五十鈴「……今は?」
提督「……提督という身分になったら、逃げたいと思ってはいけないんだ。提督っていうのはさ、艦長と同じだと俺は思っている」
五十鈴(艦長と……同じ?)
提督「『部下全員の安全が確保されない限り、お前たちは鎮守府という艦から逃げてはいけない』。……士官学校卒業の際に、
教官から言われた言葉だ。そして、ある言葉を部下にかけろと」
五十鈴(ある……言葉?)
提督「ソーヴ・キ・プ(sauve qui peut)。フランスの言葉で、『生き延びることが出来る者は、全力で生き延びよ』という意味だ」
五十鈴「全力で、生き延びる……」
提督「生きられる者には、生き延びる責任と義務がある。それを見捨てる者は、提督ではない。……そう、教えられた」
五十鈴「責任と……義務」
提督「……湿っぽい話になってしまったな。こんな時、笑わせられる話術があればなぁ……」
五十鈴「ううん……。大分、気が楽になったような気がするわ」
提督「そうか? そう言ってもらえると、何よりだ」
加賀「提督、こちらにいらっしゃいますか?」コンコン
提督「加賀? どうした?」ガチャ
加賀「先ほど、鎮守府近海に出撃した日向から通信が入りました。
『鎮守府領海内において敵主力潜水艦隊と交戦するも、敵旗艦を仕留められず』とのことです……」
提督「ふむ、分かった。資材を投入して三式ソナーと爆雷をそれぞれ作っておこう。五十鈴には、もう少し休んで―――」
五十鈴「……いいえ、その必要はないわ」
提督「……五十鈴?」
加賀「もしかして……出撃するの?」
五十鈴「当たり前じゃない! 潜水艦が相手なら、五十鈴の出番よ!」
提督「しかし……日没が近い。今日の出撃は無理だな」
加賀「そうね。いくら貴女とはいえ、夜の潜水艦を相手にするのは無謀よ」
五十鈴「うっ……。言われてみれば、そうよね……」
加賀「では明日、貴女と日向、島風に隼鷹の四人で出撃してもらうけれど、良いかしら?」
五十鈴「任せて!」
五十鈴(生きる責任と義務……。五十鈴は何時の間にか、それを考えないようにしていたのかもしれない。兵器として生まれたから?
でも、提督があんな風に考えているのなら、五十鈴もちゃんと義務を果たさなきゃ! きっと、あの二人もそう望んでいるはず……)
翌日
提督「本日の出撃は、鎮守府近海の敵潜水艦掃討を掃討し、領海の安全と資源の確保することにある! 旗艦は日向!」
日向「了解。ところで、晴嵐が欲しいのだが……」
提督「アレはまだ開発できないから! 伊401が来るまで待て!」
日向「(´・ω・`)」
提督「隼鷹には彩雲や天山、流星を運用して敵艦との戦闘を有利に進めてくれ」
隼鷹「いつも正規空母の面々が使っている艦載機……。今日は張り切れそうだ!」
提督「一応、加賀の装備なんだからな。万が一、何かあったら」
加賀「……」ジー
隼鷹「き、気を付けます……。ハイ」
提督「島風は速さで敵を翻弄し、相手の攻撃を攪乱してくれ」
島風「私におまかせだね!」
提督「そして五十鈴。三式ソナーと爆雷で、攻撃の要を担ってくれ」
五十鈴「ええ! 五十鈴にお任せよ!」
提督「諸君の健闘を祈る!」
五十鈴(提督! 五十鈴に当たり前のこと、思い出せてくれてありがとう! もう五十鈴は大丈夫!)
五十鈴「五十鈴、出撃します!」
五十鈴は我が鎮守府の軽巡で、いち早く改二になった艦娘です。21号対空電探にもお世話になってます。
今でも入手したら必ずレベル12まで育てて、電探を作って、主力の近代化回収素材にしてます。
所謂、五十鈴牧場というやつですね。
結構ツンツンしている彼女の本音を書けたとは思っていますが、如何でしたか?
それと加賀さんも、若干弄ってしまいました……。加賀提督やファンの方、スミマセン。
空母レシピを回していて、蒼龍→飛龍→赤城(二人目)→瑞鶴→加賀という順番でようやく会えた子なので、
つい弄ってしまったというか……。(なお練度は空母の中で二番目に高い模様)
翔鶴については……お察しください。
それでは、朝潮編か足柄編を投下する際にお付き合いいただけると幸いです。
感想、本音を知りたい艦娘リクも受け付けています。(夕雲型とかのレア駆逐などは堪忍してつかぁさい!)
最後に、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
大潮
感想も無しにリクエストばっかりしてんなよ……
乙 五十鈴は一番レベル高い軽巡だから思い入れあるな 遠征に出すといすゞのトラックの歌口ずさんで待ってるわ
リクエストは誰もが必ず一度は手にする白雪ちゃんで
>>66-69
リクありがとうございます。
朝潮編と足柄編を投下し終えたら、テーマを考えつつ書いていくつもりです。
ただ、春雨は手元にないのでイメージしずらく、現状では書けないです! 申し訳ない!
今日は番外編として、提督の本音を投下します。
いつもよりも短い、単なるネタと思ってお読みください。
提督「戦艦武蔵、発見されたのか……」ペラ
榛名「海底に沈んで七十年……。感慨深いですね」
提督(まだ、大和型には会えていない。大型艦建造も、今の今まで意識していなかったが……)
提督「……榛名、資材って今各種どれぐらいだっけ?」
榛名「資材は燃料と鋼材を除いて、上限備蓄数に達していますね。燃料と鋼材も、遠征数回で上限に達すると思われます」
提督「……大型艦建造、やってみようか?」
榛名「……やってみましょう!」
―工廠―
提督(今回、挑戦する大和型のレシピは……)
提督「燃料四〇〇〇、弾薬と鋼材各六〇〇〇、ボーキサイト二〇〇〇! 開発資材は二〇!」
妖精「各種確認よーし! それでは大型艦建造、開始するよー!」
提督(先任の提督たちが検証してくれた開発レシピよ! 頼む!)
『建造残り時間、一時間です』ピンポン
提督「……へ? 一時間? 八時間の間違いじゃなくて?」
妖精「現実を見な、提督さん。ほら、カウンター」
カウンター『残り五十九分四十五秒』
提督「ノオオオオオオオ!」
提督(一時間って、軽巡じゃないか! せめて一時間三〇分なら、三隈に期待出来たのに……)ガクッ
榛名「て、提督……」
提督「そう、そうだよな……。そんな簡単に来てくれるワケないもんな……」
妖精「どうする? 資材の数からしてまだ出来そうだけれど、続ける?」
提督「菱餅も回収しきれていないから、今回はもういいや……。榛名、寒いだろうけどアルフォンシーノへ出撃を頼む」
榛名「は、はい。それでは……行ってきます」
提督「いってらっしゃーい……」
一時間後
提督(ああ……。遂にこの時が来てしまった。阿賀野型だろうけれど、既に艦隊にいる阿賀野が来たら……)
妖精「はい、提督さん。心の準備は良いかい?」
提督「(ええい、迷っていても仕方ない!)……ああ。頼む」
妖精「ほい。ご対面ー」ピカー
提督「うぉっ。まぶし」
矢矧「軽巡矢矧、着任したわ。提督、最後まで頑張っていきましょう!」
提督(ふぅ……。阿賀野じゃなくて良かった……)
矢矧「……提督? どうしたの?」
提督「ああ、その……着任してくれてありがとう。矢矧。歓迎するよ」
矢矧「こちらこそ、お世話になるわ」
提督(まぁ、武蔵は建造できなかったけれど、大和の雰囲気がするこの娘が来てくれたのは良かったな)
翌日
提督「……マズイ。大型艦建造で見落としていたが、もう艦隊保有数が限界に近い……」
榛名「あと四隻で限界ですよ……」
提督「……拡張依頼、出してくる」ガチャ
提督(地味に痛い出費だ……)
提督の本音 終
本日の実体験です(震え声)。大型艦建造恐るべし……。
>>70-73
ご感想とご指摘、ありがとうございます。
それでも、読んでいただいた事はありがたいので……。
締めの挨拶だと思っていただければ。
大型建造?今日も資材溶かして電ちゃんの折檻を受けたばかりですがなにか
大型で矢矧来たならアタリだろいい加減にしろ!
イベント終了後、大鳳狙いで翔鶴姉さんが三連続来てくれた自分に死角はなかった
>>78
我が艦隊の初期秘書艦、電ちゃんも憤っておりました。
『馬鹿なのです。馬鹿は一回沈まないと直らないのです。と、いうわけで、沈めちゃいますね……』
電「か、勝手にそんな発言、捏造しないでくださいー!」
>>79
友人で先任している提督(今は艦これ休止中)にこの大型艦建造の話をしたところ、ほぼ同じ反応をされました。
これでは、レア自慢と思われても仕方ないですよね……。申し訳ありません。
>>80
大型艦建造の大鳳レシピで狙うのが入手しやすいんでしょうかね。←翔鶴未入手
足柄編が完成いたしました。
ただし、今回はアニメや公式設定に対して、筆者独自の解釈が含まれます。
例によって短く、地の文も含まれますので、その点をご了承の上、お読みください。
数分後より投下します。
今年が始まってから、海軍本部による艦娘のプロパガンダ映像が民間に向けて公開された。
狙いは無論、終わりが見えない深海棲艦との戦いにおいて、一般人から司令官――提督を募ることにある。
以前からその人数に関しては度々増加している傾向にあったが、この映像を公開してからは更に増加していると聞いた。
その反面で、一部の艦娘からはこの映像に関して不満の声が上がっている。
例えばつい先日、我が艦隊に合流した軽巡洋艦の大井は、
大井「確かに私は北上さんを慕っていますが、いくら何でもこれはやり過ぎです! 他の人たちに対しての態度も……」
姉妹艦である北上や、他の艦娘とのやり取りに憤慨していた。
だが、私は知っている。ある演習で相手の大井改二が、北上以外の仲間に対して、氷のように冷たい視線を向けていたことを。
演習が終了した際、『完っ全に作戦が悪い』や『北上さん以外、邪魔なのよ』と舌打ちしながら呟いていたのを憶えている。
……いつの日か、彼女もああなってしまうのかしら。それを考えると少し怖い。
そしてここからが本題。私、足柄は……そのプロパガンダ映像において、戦いではなく男に飢えた艦娘として表現された。
その映像を見た際に、姉二人と羽黒から何とも言えない表情で慰められたのは記憶に新しい。
確かに、今まで異性のお付き合いをしたことというのは無いと言える。
……イギリスで酷評されたことも、実は未だに気にしていたりもする。だって、仮にも女性だもの。心は乙女よ。
だけど、だけど……。
新人提督A「あ、足柄さん! その、連絡先を教えて貰えませんか!?」
新人提督B「お願いします!」
新人提督C「足柄さんのような方と、是非お付き合いさせていただきたい!」
新人提督D「この後、新人全員で軽い飲み会をやろうと思っているんですが……どうですか!?」
嗚呼……どうして、こんな事になっているのだろう。
一時間前 佐伯湾鎮守府総本部 一階ホール
提督「全く……。新人提督への激励なんて、貧乏くじ引いてしまったなぁ……」
足柄「あら? 貴方も少し前まで、その一人だったことをお忘れかしら? 海軍大将殿?」
提督「……その階級呼びは止めてくれ。旧海軍と違って最早、階級なんて意味がないものだ」
足柄「ふふ。最初は階級が昇任する度に相当喜んでいたそうじゃない。電ちゃんたちから聞いたわよ」
提督「余計なことを……」
足柄「……提督がこんな立場の人間になるなんて、着任したばかりは想像できなかったわ」
提督「ほぅ。では、当時はどんな風に見えていたんだ?」
足柄「うーん……。要領も悪くて、頼りない新人ってところかしら。丁度、この会場に集まっている他の新人提督みたいに」
提督「言ってくれる。……因みに、今は?」
足柄「逆ね。誇りに思っているわ。こういった立派な提督の下で、艦娘として戦えるってことに、ね」
提督「随分と熱い掌返しだな。理由を伺ってもいいか?」
足柄「私が着任した時、海軍のプロパガンダ映像が放映されていたでしょ?」
提督「今現在で進行中だけれど、な」
足柄「あの映像で、私は駆逐艦の子供たちの教師という役だったけれど、『男に飢えた艦娘』としても演出されていた……」
提督「……」
足柄「貴方も、私を見る目が変わってしまうのではないか、と内心怯えていたわ」
提督「あれはあくまで、映像の中での設定だろう。今、俺の目の前にいる艦娘は、男よりも求めているものがある。……違うか?」
足柄「……ええ。貴方の接し方が変わらなかったのは、本当に嬉しかった。異性との付き合いが欲しくないって言えば嘘だけど、
深海棲艦との戦いに区切りがつかないことには、それどころではないから」
提督「……足柄はやっぱり真面目だな」
足柄「そうかしら? 妙高姉さんや那智姉さん、羽黒の方が真面目だと思うけれど?」
提督「自分を卑下するなよ。妙高や那智、羽黒……足柄は彼女たちに比べて決して劣っていない。妙高と共に書類仕事をしたり、
泥酔した那智を部屋まで運んだり、羽黒のトレーニングに付き合ったり……」
足柄「……」
提督「誰よりも高みを目指している。そんな向上心を持っているのはほんの一握りだ。もっと自信を持て」
足柄「本当、人を煽てるのが上手ね」
提督「煽てているつもりではなく、事実を言ったんだがなぁ……。ん、そろそろ時間か。面倒だが、新人たちの激励に行って来る」
足柄「はい。行ってらっしゃい」
提督「しばらく時間を潰していてくれ。退屈だろうが、すまん」
足柄「大丈夫よ。時間の潰し方は、男性より女性の方が得意なんだから」
提督「そう言ってもらえると、こちらも楽になれる。……順調にいけば三〇分くらいで終わる。そこの喫茶店で待っててくれ」
足柄「了解しました」
足柄(ああいう風に見てくれている提督って、本当に少ないみたいね……。噂で聞いたけど、お見合いを毎日セッティング
されて辟易とさせられている足柄が、他の鎮守府にはいるみたいだし)
足柄「さて、時間を潰すにはおあつらえ向きの喫茶店ね。ここで本でも読んでましょうか」カランカラン
店員「いらっしゃいませー。お一人様ですか?」
足柄「はい」
店員「それでは、こちらへどうぞ」
足柄「ホットコーヒーを一つ、お願いできますか?」
店員「かしこまりました」
足柄「海軍なび春季号に週刊艦娘、ビジネス金剛……」
足柄(他にも色々とあるけれど、やっぱり海軍なびかしらね。紹介されてるお店に外れは無いし)
三〇分後
足柄(やっぱり、横須賀のお店って色々揃っているのかしら? 一度、姉さん達と羽黒の四人で行ってみたいものね……)
?「あ、あのー」
足柄「? はい?」
?「じ、自分は新人提督Aという者です。……艦娘の足柄さんですよね?」
足柄「ええ、そうですが……?」
新人提督A「や、やっぱりそうですか! 一度会ってみたかったんです!」
足柄「は、はぁ……どうも……」
新人提督A「皆! 艦娘さんがいるよ! 重巡の足柄さんだ!」
新人提督B「A、本当か!? じ、自分はBです!」
新人提督C「ほ、本物だ……! Cです、よろしく!」
新人提督D「この記念すべき日に足柄さんに会えるなんて……! Dと申します!」
足柄(参ったわね……。店の迷惑になるからと逃げた方が良いかしら?)
新人提督A「店員さーん! 飲み物を四つ……いや、五つお願いしまーす!」
新人提督B「足柄さん! 戦いのお話を聞かせてください!」
新人提督C「それよりも、今お勤めされている所のお話を……」
新人提督D「おいおい、足柄さんは一人なんだ。質問は順番にしていこう」
足柄「は、はぁ……」
足柄(これは……適当に付き合った後、あしらうしかないわね。提督が来てくれれば話は早いのだけれど……)
三〇分後(現在)
足柄(提督……何かトラブルでも起きたのかしら。でも、三〇分なら大きなトラブルとは言い難いような……)
新人提督A「……足柄さん、どうしました?」
足柄「ああ、いえ。何でもありません」
新人提督B「あ……もしかして、恋人と待ち合わせ、だったりとか?」
足柄「じょ、冗談が御上手ね。Bさん……」
新人提督C「そ、そうですか? 足柄さん、先ほどからそわそわしていますし……」
足柄「そ、それは……その……」
新人提督D「あ、もしかしてですが……その……」
足柄「す、すみません。ちょっと、お花を摘みに行ってきますね」
新人提督A「た、大変失礼しました!」
足柄「い、いえ。そんな、お気になさらず……」
足柄(ふぅ……抜け出せたことは抜け出せたけれど、一時しのぎよね。どうにか理由をつけて、提督と合流出来れば……)バタン
新人提督A「もう少し、押しが必要だって!」
足柄(……? この声、Aさんね)
新人提督B「そうか? 今のままで何とかゴリ押し出来そうだと思うが……」
新人提督C「甘いって! しかし、異性に対しては貪欲なイメージがあったよなぁ」
新人提督D「いや、あれは猫かぶりかもしれん。プロパガンダにあったように、もっとオープンな性格なのかも……」
足柄(……そう、か。結局、この新人の子達も、あのプロパガンダを通して私を見ているんだ。今の私を見ている訳じゃない……)ガチャ
足柄「……ごめんなさい。席を外したりして」
新人提督A「いえいえ! こちらこそ気が回らず……!」
新人提督B「それで、この後はどうします?」
足柄「すみません。用事もあるので……」
新人提督C「……やっぱり、お付き合いされている方が?」
足柄「別に、そういう訳では……」
新人提督D「なら、もうちょっと付き合ってくださいよ! だって足柄さん、こういうの好きなんでしょ?」
足柄(もう……もう嫌! 何で、何で私の虚像しか見ないの? あれは私だけど、私じゃないのよ!
人間だって、同じ人間は世界で一人もいないでしょ! それが分からないの!?)
提督「足柄、待たせてスマン! 本部のお偉いさんに捕まってしまって……」カランカラン
足柄「提督!」ダキッ
新人提督ズ「た、大将殿!」
提督「足柄……? 泣いて、いるのか?」
足柄「……」グスッ
提督「お前たち……。足柄に対して、何を言った!? ……いや、どんなイメージを抱いていた!? 言え!」
新人提督ズ「そ、それは、その、異性との出会いを求めていると……」
提督「馬鹿者が!」
新人提督ズ「……!」
提督「本気でそう思っている者は、荷物をまとめて士官学校へ戻れ! プロパガンダ映像だけで、彼女の全てを知った気になるな!」
新人提督ズ「……」
提督「理想と幻想を抱くのは勝手だが、本人にそれを押し付けようとするんじゃない! 分かったか!」
足柄「提督! もう、もう大丈夫です! 彼らに非は……ありません。ですから……」
提督「……帰るぞ。足柄」
足柄「……はい」
佐伯湾鎮守府 総本部 玄関
提督「……すまん。今日は俺一人で来るべきだったな」
足柄「いえ……これも、秘書艦の仕事、ですから……」
提督「予想は出来た筈なんだ。君を連れてくれば、どんな事になるかぐらいは……。俺も、あんなことを言える立場じゃないな」
足柄「それは、違います!」
提督「足柄……?」
足柄「……提督は、私の虚像に惑わされなかったじゃないですか。もっと、自分を誇ってください! 私の……いえ、私たちが
誇れる提督です! 胸を張って、堂々としてください!」
提督「……ありがとう。足柄」
私はこの時、新しい戦場に足を踏み入れている事に気が付いた。
しかし、どんな深海棲艦との戦いよりもそれは熾烈で、勝利は難しいだろう。
それでも……。
足柄(私はいつでも、貴方の傍らにいたい。恋の戦場、好敵手は多いけれど……。挑戦してみて損は無いわよね!)
足柄編 終
アニメ最大の風評被害者(個人的主観)の足柄。本当は真面目なんじゃないかと個人的に思っています。
六話であそこまでの扱いをされるとは……。いくらキャラを立たせる為とはいえ……
また、友人の提督から『大井は変わってしまった……』と言われて、その意味が調べている内に分かりました。
昔の放置時のボイス……可愛すぎる! 公式よ、何故変更した!
普通の大井ならまだ昔の面影が残っていますが、改二はもう……。戦力的には欲しいのに……。
赤城の食いっぷり&長風呂も、半ば公式ネタなのですが……。
実際は戦艦級に比べればマシですよね。むしろ加賀さんの方がヤバいのですが。
艦これをプレイしていないアニメ視聴者にとっては、艦娘たちにとって最早色々と拭いきれないイメージががが。
……このアニメを作ったのは誰だぁっ!
次回は朝潮編です。気長に待っていただければ幸いです。
駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
乙
そして足柄さんをありがとう
足柄ラブな自分はカレー回以来アニメは卒業しましたよ…
乙です
アニメスタッフは回天乗ってオリョクルの刑で
ああ、大井か・・・
こんにちわーとか言って着任したばかりの時のしおらしかった彼女は一体どこへ行ってしまったのだ
また頑張りますのMVPを消したのは絶許
>>92
感想ありがとうございます。
アニメ=公式ではないと区別できる視聴者は相対的に見て少ないでしょうね……。
>>93
伊58「てーとく! 用って何でちか? え? 新型魚雷の試験運用でちか?
だいじょうぶでちけど……その魚雷の中から変な音が聞こえるのは気のせいでちか?」
>>94
>>95
昔の大井は良かったですよね……。
悪態をつかれることはあっても、デレてくれたり、仲間を気遣ったり……。
今では新規ボイスとアニメのアレですっかり、ガチレズキャラになってしまいましました。悲しい……。
朝潮編が予想以上に難航しているので、番外編である提督の本音、第二弾を投下いたします。
以前同様に短く、ネタとしてお読みください。
提督(トラック泊地迎撃作戦終了から始まった奇妙な作戦、『菱餅回収作戦』。様々な海域に出現するというこの菱餅
を合計で十個回収し、大淀に数を確認してもらえればこの作戦が完遂する。……するのだが……)
提督「……あと一つが、出ないものだなぁ……菱餅。期日は残り僅か。間に合うだろうか……」
伊勢「提督。アルフォンシーノに出撃中の主力艦隊より、通信が入っています」
提督「ん。こちらに回してくれ(遂に来たか!? 最後の一個!)」
提督「こちら提督。状況は? ……何、それは本当か!? 分かった。今日は宴会だ!」
伊勢「提督、何かあったの?」
提督「ああ。菱餅は回収出来なかったが、その代わりに……」
伊勢「代わりに……?」
提督「まあ、主力艦隊が帰ってくれば分かる。それまで色々と考えているといい」
伊勢「随分もったいぶるのね」
提督「個人的に、それだけ嬉しかったということだ」
一時間後
榛名「作戦完了の報告書です。ご覧になられますか?」
提督「後で確認する。……それより例の件だが、本当なのか?」
榛名「ええ、本当です。……入ってください」
???「……」ガチャ
提督「(ま、間違いない! 榛名の通信を疑っていたわけではないが……)」
???「……久し振りだな、提督」
提督「……ああ。久し振りだな、長門」
長門「心配をかけてすまなかった。これより、この艦隊の指揮下へ正式に加わる」
提督「陸奥は?」
長門「あいつも忙しい身でな。今は色々な艦隊の支援に回っている」
提督「そうか……。それにしても、何故アルフォンシーノに?」
長門「そ、それは……(言えない! キス島沖の駆逐艦艦隊を遠目で見ていたら、何時の間にか潮の流れであの海域にいたなんて……)」
提督「まぁ、現場からだと上の考えは分からないからな。何か妙な指令があったんだろ?」
長門「ソ、ソウダナー」
榛名「提督、それより今日はどうします? 今の時刻でしたら、まだアルフォンシーノへ出撃は可能ですが……」
提督「いや、今日の出撃は全て終了だ。遠征組も帰投次第、長門の歓迎会をするぞ」
長門「そ、そこまでしてもらうのは……ちょっと……」
提督「気にするな。最近は主力艦隊と遠征組に無理をさせているから、その気分転換も兼ねている」
長門「……分かった。それではよろしく頼む。敵戦艦との殴りあいなら任せてくれ」
霧島「殴りあいと聞いて」←練度76 改二
長門「……流石に、味方同士で殴りあいはな。それに、どう考えても今の私は霧島に勝てないだろ」←練度1
提督「さて、今日は作戦を忘れて楽しもうか! 無礼講だ!」
全員「オー!」
提督の本音 其の二 終
まさか、3-3でドロップするとは思っていませんでした……。
今は菱餅のこともあるので、確率は更に低くなっていると思っていたのですが。
なお、菱餅は九個で足踏み三日目です……。ギリギリまで頑張ります。
次こそは朝潮編を投下できると思いますので、お待ちください。
>>96
58も北上も回転は絶対に駄目だと思う…本気で
投稿の間が開いて申し訳ないです。ようやく朝潮編が完成しました……。
あのイベントの菱餅は10個は無理でした。
>>100
この時はおかしなテンションだったんです……。
(人道的に)ヤバい兵器ですもんね、回天。公式は実装しないと言っていますけれど。
今回も例によって短く、地の文も入っております。筆者の個人的な主観もございます。
以上をご確認の上、お読みください。
数分後より投下いたします。
今現在、朝潮型の艦娘はこの艦隊に六人存在する。
ネームシップである朝潮こと私、2番艦の大潮、3番艦の満潮、4番艦の荒潮、9番艦の霰、最後に10番艦である霞の六人。
これ以外に、5番艦の朝雲と6番艦の山雲の存在が確認されているものの、二人はまだこの艦隊には合流していない。
そんな私たちの日常は、主に近海での訓練。
時たま、実戦に参加することもあるが頻度は少なく、鎮守府内の各施設で手伝いをすることも多い。
そして最近、私が悩んでいるのは『朝潮型って、駆逐艦の中でも特筆するものがないのでは?』という点に尽きる。
例えば吹雪型、綾波型、暁型、初春型、白露型、そしてドイツのZ1型は、最低でも一人が改造を二回行える。
この二回の改造を行えることは、純粋に性能面で他の駆逐艦の性能を超えることとなり、戦力面で頼もしいのは間違いない。
吹雪型も少し前までは同じ仲間だったが、ネームシップである吹雪に改二が実装された。
その際に口ではおめでとうと言ったものの、嫉妬があったのは否めない。彼女が主役の映像作品公開と同時だったというのもある。
睦月型に関しては性能面で勝っているものの、そもそも旧式である彼女たちは、他の駆逐艦との性能差は明確。
逆に、遠征面ではその燃費の良さを重宝され、駆逐艦が必要な遠征では彼女たちの独壇場である。
後継の陽炎型には純粋な性能の上位互換が存在し、その陽炎型の改良版である夕雲型には更に装備面の貴重さで負けてしまう。
島風? コミック版では互角の立ち回りを演じたけれど、実際は燃費以外の性能面で完全に敗北してる。
秋月? アレは駆逐艦という名前を被った別の何かでしょう? 同型艦が実装されたら恐ろしいことになりそう。
存在がまだ確認されていない7番艦の夏雲と8番艦の峯雲がいるものの、あまり期待が出来ないのが現状。
司令官には戦力として見てもらえていないのではないか……。就寝する時に、ふとそんな思いが脳裏に浮かんだ。
そして、その翌日。
鎮守府 改修工廠
夕張「……え? 改二になりたい?」
朝潮「はい。私、司令官の役に立ちたいんです。ですが性能が今のままでは、戦闘面でお役に立てないと思ったので……」
夕張「そ、それは……」
明石「……改二の実装は本部が決めているからね。こればかりは私たちの独断じゃ出来ないわ」
朝潮「……やっぱり、そうですか」シュン
明石「そう気を落とさないで。来月あたりに駆逐艦で複数名、改二の実装予定が入っているから」
朝潮「でも、そうなると朝潮型で可能性があるのは霞ですよね。あの子が奮戦した坊ノ岬沖海戦が四月ですし……」ズーン
夕張「ま、まあまあ。それよりも、朝潮ちゃんはどんな改二になりたいの?」
朝潮「どんな、ですか?」
夕張「言ってくれれば、少しは気分が晴れるかもよ」
朝潮「そうですね……。強いて言えば、回避性能が高ければいいかなとは思っています」
明石「回避ね。他には?」
朝潮「いえ、後は特に思いつかないです。贅沢を言えば、雪風並のスペックになれればいいなと思っていますが……」
夕張「雪風ちゃん並かぁ……。うーん……」
明石「それなら、装備枠を4つに拡張するっていうのはどう? 陽炎型って、朝潮型が基礎になっているんでしょ?」
夕張「でもそうなると、逆に性能があまり伸びないで、燃費と弾薬の消費が悪くなりかねませんよ? 枠3つで充分では?」
明石「それを高性能な装備品でカバーするの。そうすれば、どんな局面にも合わせて戦えると思わない?」
夕張「うーん……。私も今、装備枠4つなんですが、軽巡の中でどうも器用貧乏みたいな印象を与えているみたいなんですよね……
ここはやはり、各性能を回避重点で伸ばすような感じで良いのでは? 本人の希望もありますし」
明石「それだったら……」アーダコーダ
夕張「いやいや、もっとこう……」コーシテアーシテ
朝潮(ど、どうしよう……。何だか私の相談のせいで、二人がヒートアップしているような……)
明石・夕張「「それで、朝潮ちゃんはどっちが良い!?」」
朝潮「ふぇっ!?」
明石「装備枠4つか……」
夕張「回避重視の各性能向上か……」
朝潮「え、ええと……その……」
朝潮(二人とも、すみません!)
朝潮「ごめんなさい! 私には選べません!」ダッ
夕張「あっ!」
明石「……あんな事言うから……」
夕張「明石さんだって同じでしょ!?」
ギャーギャーワーワー
朝潮(うう……私って何をしているんだろ。折角相談に乗っていただいたのに……)
鎮守府 朝潮型部屋
朝潮「」ボー
満潮(ちょっと、アレなんなのよ)ヒソヒソ
大潮(し、知らないよ。何だか大潮たちが帰ってきた時からあんな感じなんだよ)ヒソヒソ
荒潮(いつもの朝潮ちゃんらしくありませんね。どうしたんでしょう)ヒソヒソ
満潮(……全く、あんな腑抜けているのが姉なんて、情けないったらありゃしないわ!)
満潮「ちょっといい? 朝潮」
朝潮「……なに?」
満潮「なに? じゃないわよ! 今のアンタを見ているとね。自分が恥ずかしくなるのよ! 同じ朝潮型の一人としてね!」
朝潮「……」
荒潮「満潮ちゃん!」
大潮「流石にそれは言い過ぎだよ!」
満潮「ふん、事実じゃない。ネームシップがこの体たらくじゃ、朝潮型が他の駆逐艦たちに侮られるのも仕方ないかもね!」
朝潮「……貴女に」
満潮「?」
朝潮「貴女に何が分かるッ! 毎日毎日、訓練と雑務に疑問を抱かず、ただ漫然と過ごしている貴女に!」
満潮「な……!」
朝潮「この際言わせてもらうけれど、貴女や霞は口が悪すぎる! 特に司令官に対しての暴言の数々、本来なら懲罰モノよ!」
満潮「そ、それは……」
朝潮「恥ずかしくなる? それは私が言いたい台詞よ! この間も、その口調で新人のゆーちゃん(U-511)を泣かせたって聞いたわ!
その時、どんなに私が潜水艦の子へ貴女のフォローで苦労したか……知りようもしないクセに!」
満潮「あ、あれは……謝ったし……」
朝潮「謝る前に、それを起こさないようにして欲しいわよ! まるゆちゃんという前例もあったのに……学習しないわね!」
大潮「あ、朝潮姉さん! もういいよ! 満潮だって分かってる。分かってるから……」
朝潮「……わ、私だって、好きでこんなこと言っているわけじゃ……」
荒潮「……満潮ちゃん?」
満潮「……うっ……ひっ……」グスッ
朝潮「……満、潮?」
満潮「あざじおおねえちゃんのばか! わだじだって……わだじだって、あやまっだんだもん! だぐざんあやまっだもん!
ごれでもだめなら、あどどれぐらいあやまればいいの! どれぐらいあやまれば、おねえちゃんがらみとめらるの!?」
朝潮「……!」
満潮「うわああああああん!」ダッ
大潮「満潮!?」
荒潮「朝潮ちゃん……」
朝潮「……ごめんなさい。しばらく、一人にさせて……。お願い」
大潮「……分かりました。その間に、満潮を探しておきます」
朝潮「不甲斐ない姉で、ごめん。大潮、荒潮」
荒潮「私たちに謝るのではなくて、満潮ちゃんに謝ってあげてくださいな」
朝潮「そう、ね……」
鎮守府 波止場
朝潮「……認めてくれる、か」
朝潮(実力も中途半端、妹たちをまとめるカリスマ的なものも無い。こんな私が、本当に必要なのかな……)
提督「……ここにいたか、朝潮」
朝潮「司令、官?」
提督「大潮から聞いたよ。何でも、満潮と口論になったとか」
朝潮「……その通りです。その、処分なら甘んじてお受けします。ですから、満潮は……」
提督「何を言っているんだ。ただの口喧嘩なんだろう? そこまで軍規を持ち出すつもりはない」
朝潮「ですが、これでは他の艦娘に……」
提督「示しがつかないって? 大丈夫。夜になったら周囲を困らせてる軽巡とか、戦闘時以外はほぼ寝ている重巡とかいるんだ。
そんなに気を張るな」
朝潮「それでも、私としては……」
提督「……随分食い下がるな。何か理由があるのか?」
朝潮「……その、私ってこの鎮守府に必要ですか?」
提督「……え?」
朝潮「数多い駆逐艦の中でも性能は平凡、妹たちをまとめられる統率力もなく、性格もそんな魅力的ではないですし……」
提督「おいおい……。そんなに自分を卑下するなよ」
朝潮「ですが、本当の事です」
提督「朝潮の視点では、そう見えるんだろう? でも、俺はそう思わないがな」
朝潮「……え?」
提督「間宮や鳳翔さんから、店を手伝ってくれていてありがたいって聞くし、演習場の整備も率先して行っている。加えて、
この鎮守府に慣れてもらう為、新人の艦娘に対して積極的に交流してくれているじゃないか」
朝潮「……でも、一部の子たちからは怖がられていると思います。特に、潜水艦の子たちには……」
提督「それについては、俺や他の艦娘からも言ってある。泣かせてしまった本人も謝っていたし、気に病むな」
朝潮「ですが……」
提督「……朝潮。さっきも言ったように、周りは君たちを認めているんだ。未熟だと自分で思うのは勝手だが、口に出すと
それは卑屈に変わる」
朝潮「……」
提督「もしも朝潮が間違った方に行きそうになったら、俺や大潮たちが正してみせる。だから、自分に自信を持っていいんだぞ」
朝潮「司令官……。ありがとうございます」
提督「そう、それでいい。それと、明石や夕張から聞いた改二の件についてだが……」
朝潮「……いえ。それについては、もういいんです」
提督「朝潮……」
朝潮「皆が帰って来る場所を、妹たちと一緒に守っていく……。前線で戦うだけが全てではない、なんて考えはおこがましいですか?」
提督「……いいや、そう考えてくれているのならとても嬉しい。でも、何か要望があったら言ってくれ」
朝潮「はい! ……それでは、失礼します。これから妹に謝って、明日からこの鎮守府を守り抜きます!」
提督「そんなに堅苦しくなくてもいいんだがなぁ……」
朝潮「そ、そうでしょうか?」
提督「まぁ、朝潮らしいと言えばらしいな。それじゃ、満潮に謝りに行ってこい」
朝潮「はい!」
朝潮(満潮。あんな酷いことを言った私を許してくれなんて言わない。それでも、何かがあった時には私が貴女を守ってみせる。
朝潮型のネームシップである誇りにかけて!)
朝潮編 終
最初の構想では、模範的な立ち位置にいる朝潮が自分の在り方について悩むような話だったんですが……。
気が付けばこんな話に。……どうしてこうなった。満潮も泣かせてスミマセン。
現在は大型建造で武蔵が出やすいとのことですが、山城→山城→霧島と来て項垂れるしかありませんでした。
今後、リクエストの大潮、五月雨、深雪、摩耶、白雪などを書いて投下していきたいと思っています。
次がいつになるか、またどの艦娘になるかは未定ですが、なるべく早く書き上げて投下いたしますので、よろしくお願いします。
今回も駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
一ヶ月も放置していてスミマセン……。
各キャラの方針は固まっているのですが、なかなかSSが書けない状態でして……。
代わりと言っては何ですが、超短編を投下します。
榛名とのシンコンカッコカリ生活
榛名「提督の呼び方を変える?」
提督「そう。仮にも榛名とはケッコンカッコカリをした訳だし、私生活でも『提督』と呼ばれるのは堅苦しいから」
榛名「で、では……」
提督「……」ゴクリ
榛名「ええと……。だ、ダーリン?」
提督「……だ、ダーリン!? そんな呼び方、一体何処で……」ゴホッゴホッ
榛名「こ、金剛姉さまの読んでいた漫画に、そんな描写があったので……。駄目、ですか?」
提督(普段の榛名からは想像しがたい呼び方……アリと言ってはアリだけど、他の呼び方も聞いてみたいな)
提督「ちなみに、他の呼び方もある?」
榛名「は、はい。……お父さん、とか」
提督「お、お父さん!?」ゴホッゴホッ
榛名「ま、まだ早いとは思うんですが、私と提督の赤ちゃんが出来たりしたら良いかなぁ……なんて」
提督(榛名の赤ちゃんか……。榛名のように可愛い女の子なのかな? ……あれ? 何故か分厚いコートの女の子が思い浮かぶな)
提督「まだ、他にもある?」
榛名「は、はい! 最後に一つだけあります!」
提督「最後の一つ……」ゴクリ
榛名「……旦那様。榛名、とても幸せです」ウワメヅカイ
提督「……!」999Critical! MindLost!
榛名「その……どうでしょうか?」
提督「榛名ぁー!」ガバッ
榛名「キャアー♪」
この日以降、榛名は私生活で旦那様と呼んでくれるようになった。
艦これ二周年の勢いだけで書いたので、自分でも何とも言えないものになってしまいました……。
次こそは本音シリーズを投下できるよう努力します。
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