元気娘「あはは、やっぱりそうだよねー」(86)

男「ほら、あのステージ絶対アイテム使わないとクリアできないって」

男友「まあみんなのトラウマとして有名なステージだしなぁ」

元気娘「でしょ?やっぱり普通にできちゃう眼鏡くんがすごいだけなんだよ」

眼鏡「そんな事ないよ。ちょっとしたコツがいるだけで、それを掴めば簡単だよ」

イケメン「そういえば男くん、前借りた格ゲーだけどどうしても最後の一人キャラクターが出せないんだ」

男「ああ、あれはそいつ以外の全てのキャラクターでミニゲームクリアしないとなんだよ」

イケメン「ああ、なるほど、そうすればいいのか。けっこう長い間借りててごめんね」

男「いや、大丈夫だよ……そういえば元気娘にもゲーム貸してたっけ?」

元気娘「あっ!ごめん、今日返そうと思ってたんだけど忘れちゃった……」

男「んー、ちょっとやりたくなって来たんだよな……帰りに取りにいっていいか?」

元気娘「うん、いいよー。ごめんね、余計な手間かけさせちゃって」

男友「じゃあそろそろ帰るか。なんか雨降りそうだし」

イケメン「朝は晴れてたのにね。そのせいで傘持ってきてないから降りだしたら困るな」

男「んじゃ解散するか」

元気娘「そうだねー」

帰り道

男友「じゃあ、俺とイケメンは家こっちだから」

イケメン「じゃあね、二人とも」

男「おう」

元気娘「ばいばーい」

男「で、元気娘の家ってどっちだ?」

元気娘「こっちだよー。ごめんね、男の家から離れちゃうけど」

男「いいよ、ただ帰り迷わないようにしないとな」

元気娘「迷っちゃったらメールとか電話してね。ここらへんなら近くの建物とか教えてくれれば迎えにいけるから」

男「わかった」

元気娘「もうちょっとで着くからね」

男「おう」

ポツ…ポツ…

男「ん?」

元気娘「あれ?」

ポツ…ポツ…ザアアアア!

男「うわ!いきなり降ってきた!」

元気娘「は、走ろ!びしょ濡れになる!」

男「ああ!」

バシャバシャ…

元気娘家

バタン

男「すごかったな……」

元気娘「うわぁ……びしょ濡れだよもう……」ヌギ

男「……ん?ちょっ!ばかお前……!」

元気娘「ん?」

男「その……ブレザー脱いだらさ……透けてるから……」

元気娘「っ///!」バッ!

元気娘「あ、あはは!ご、ごめんね!」

男「え、い、いや……」

元気娘「あたしすぐ着替えてくるから!タオルとかも持ってくるからちょっと待ってて!」バタバタ

男「あ……行っちゃったか」

男(ピンクだった……)ドキドキ

元気娘「は、はいタオル……」

男「あ、ああ。ありがとう」

元気娘「…………////」

男(……な、なんだこの空気……)

元気娘「あ、あのね、あたしの部屋二階だから、上がって待っててくれる?お父さんのジャージか何か持っていくから……」

男「わ、わかった」

男「ここかな」ガチャ

男(ふーん、初めて入ったけど……)

男(ゲームとか漫画とか……なんかイメージ通りだな)

男(あ、でも女の子向けの雑誌もあるな)

男(……なんだろう。なんかさっきから違和感があるような……)

ガチャ

元気娘「あったよ、ちょっとサイズ大きめかもだけど……」

男「ああ、ありがと。洗って返すよ」

元気娘「急がなくていいよ、あと何着かあるから」

男「わかった」

ザアアアア!

男「全然止まない……ていうかひどくなってないかこれ」

元気娘「午前はあんなに晴れてたのにねー。はいこれ借りてたゲーム」

男「おお、そうだったな。これ返してもらいに来たんだ」

元気娘「この雨じゃ傘さしても濡れちゃうだろうし、ちょっと休憩がてらゲームでもしようよ」

男「じゃ、そうさせてもらうか」

男「くっ、この!」ガチャガチャ

元気娘「あ!そのハメ技やめてってば!」

男「そっちは強キャラなんだからこれくらいいいだろ」

元気娘「もー!」

元気娘「そろそろ他のゲームする?」

男「ポケモンでもやるか?」

元気娘「……キノガッサ使わないなら」

男「使わない……かも」

元気娘「もー、なんだよそれー」

男「そういえばあのゲーム雑誌、今月号読んでなかったな」

元気娘「あたし買ったからあるよー。読む?」

男「サンキュ、どこにある?」

元気娘「んーどこだったかなー」ゴソゴソ

男「ひょっとしてあれか?床に置いてあるやつ」

元気娘「あ、そっか、昨日読んでそのままだった」

男「ちゃんと本棚に戻せよ……」

元気娘「あはは、昨日読んでる途中にすごく眠くなっちゃって。勝手にとって読んでいいよ」

男「おう、ありが……」スッ

男「っ///!?」バッ!

元気娘「?どしたの男、読んでいいよ?」

男「あ、ああ、うん。読もうかなー……」

元気娘「ん?何かあったの?」

男「な、なんでもないぞなんでも!」

男(なんで本の下にパンツがあるんだよ……!)

元気娘「……なんか怪しいよ男?」

男「全然そんな事ないぞ……何もないから」

元気娘「ふーん……」スタスタ

男「な、なんだよ?」

元気娘「どいて」

男「え?」

元気娘「どいてみせて」

男「い、いやだ……」

元気娘「…………」

男「…………」

元気娘 バッ!

男「あっ!」

元気娘「あ……」

元気娘「っ////!」カアア!

男「あ、あの……」

元気娘「っ!」サッ!

男「ご、ごめん……」

元気娘「……ううん、ちゃんと片づけなかったあたしも悪いから……///」

男「あ、ああ」

元気娘「で、でも……早く忘れて……///」

男「あ、う、うん……」

元気娘「…………///」

男(ま、またこの空気……)

男「そ、そろそろ帰るな俺」

元気娘「え?ま、まだ雨おさまってないよ?」

男「収まりそうな気配ないし……悪いけど傘貸してくれるか?」

元気娘「う、うん……」

元気娘「……あ」

男「どうした?」

元気娘「ご、ごめん……傘ない……」

男「……え?」

元気娘「この間すごい風の強い日あったでしょ?あの時お母さんのもお父さんのもあたしのも壊れちゃって……」

男「そ、そのお父さんやお母さんに買ってきてもらうのは……」

元気娘「……町内会の旅行中……」

男「お、お隣さんとかご近所さんとかは?」

元気娘「同じく町内会の……」

男「……だいたい予想つくけど、売ってる店とか近くには?」

元気娘「ない……」

男「…………」

元気娘「…………」

男「ま、まあかなり濡れるけどそれで死ぬわけじゃ」

元気娘「え!?だ、ダメだよ!風邪ひいちゃう!」

男「でもさ……」

元気娘「そ、その……」

男「ん?」

元気娘「泊まってっても……いいから」

男「……いや、まずいだろ」

元気娘「ちっ、ちがっ!変な意味じゃないよ!?」

男「わ、わかってる!」

元気娘「た、ただほら!明日休みだし!」

元気娘「それに親が友達誘って夜通しゲームとかやらせてくれなかったからさ!この機会にやってみたいの!」

男「まあそれは楽しそうだけど……」

元気娘「だ、ダメ……?」

男「!わ、わかった!じゃあ一晩お世話になります!」

元気娘(や、やった!)

元気娘「じゃ、じゃあ部屋戻ろ?」グイグイ

男「わ、わかったから引っ張るなって……」

元気娘(えへへー///)

男(上目づかいの破壊力ってヤバイんだな……)

ガチャ

元気娘「あ、そういえば飲み物も出してなかった……」

男「そんな気を使わなくてもいいぞ?」

元気娘「んーん、あたしも喉かわいたし持ってくるよ。お茶でいい?」

男「うん」

元気娘「じゃあちょっと待っててね」

男「…………」

元気娘「お待たせー、はいどうぞ」

男「ああ、ありがとう」

元気娘 ゴクゴク

男「…………」

男(あ、そっか……)

元気娘「ふうー」

男(こいつも女の子なんだ……)

元気娘「んー、夜どんなゲームやろっかー?」

男(いつも漫画とかゲームの話で盛り上がって……男友、イケメン、眼鏡、俺っていう中で一人だけ女の子なのに全然気を使わずに喋れたりするから意識してなかった……)

元気娘「格ゲーはさっきやったしなぁ……」

男(男友達と同じような感覚で喋ったりしてたから、あり得ない事に女の子である事を忘れかけてた……)

男(そっか、さっきからある違和感ってそれだったのか……)

男(透けブラとかパンツとか……女の子である証拠みたいのを見たから、女の子である事を思い出した……というか無意識に感じたのか)

元気娘「わ、改めて見ると古めのゲームもけっこうあるなぁ」ゴソゴソ

男(……あれ?)

男(や、ヤバイ……一旦自覚するとこいつが女の子にしか見えない……いや女の子だけど!)

男(な、なんかさっきまで何とも思わなかったこいつの部屋着も考えてみれば露出度けっこう高くないか?)ドキドキ

男(暑いのはわかるけど太ももとか普通に見えるし……///)

元気娘「古めのでも面白いのあればそれでもいいよね?」

男(ちょ、ちょっと待てよ?俺こいつと何度もゲーセンとか本屋とか行ってるけど……あれってデートになるんじゃないか……?)

元気娘「男はどんなのがいいー?」ゴソゴソ

男(彼女欲しいとかは何度も思ってたけど……気づかないうちにデートなんてリア充しかできないことを……)

元気娘「男ってばー」

男「えっ?な、なんだ?」

元気娘「どのゲームするかって訊いたんだけど……どしたのボーッとして」

男「あ、ああ。うん……俺にも何があるか見せてくれ」

元気娘「?うん」

元気娘「うん、これだけあれば一晩退屈しないかな」

男「そ、そうだな」

元気娘「じゃあ先にご飯にしよっか……って言ってもカップ麺かレトルトしかないんだけど……」

男「いや、充分だろ」

元気娘「ごめんね、料理できなくて」

男「ううん、ごちそうになる側だし、レトルトでも大丈夫だよ」

男「ごちそうさま」

元気娘「ごちそうさまー」

男「で、また部屋戻るのか?」

元気娘「んーん、さっきお風呂いれておいたから男が先に入っておいでよ。あたしは洗い物しておくから」

男「手伝わなくていいのか?」

元気娘「お客さんだもん。これくらいはさせて」

男「ん、じゃあ先に入らせてもらいます」

男「あがったぞー」

元気娘「じゃああたし入ってくるね。また部屋で待ってて」

男「わかった」

元気娘「あ、あとさ……そのー……///」

男「ん?」

男「どうした?」

元気娘「もうないとは思うんだけどね……」

男「うん」

元気娘「さっきみたいに下着とか落ちてても、その……変な事しないでね///?」

男「ばっ!す、するか!」

元気娘「そ、そうだよね!しないよね!じゃあ入ってくるから!」ダダダ

男「はあ……あいつはまったく」ガチャ

男「…………」キョロキョロ

男(ないよな……?もうさすがに……)

男(でもひょっとしたらタンスの下とかカーペットの下とかに……)

男(い、いや!あったところでどうするんだって話だけど)

男(というかせっかく落ち着いてきたのにさっきのあいつの発言でまた意識せざるを得なくなった……)

男(なんかそう考えるとこの部屋もいい香りでいっぱいな気がしてきた……)

男(こんなんで一晩大丈夫なのか……?)

風呂場

元気娘「ふうー」チャポン

元気娘(一応言っておいたけど……逆効果だったりとかかな?)

元気娘(男の事は信じてるけど……例えばタンス開けて下着見るだけなら証拠も残らないし……)

元気娘(うう……///パンツもだけどブラ見られたらどうしよう……)

元気娘(『なんだあいつ、わかっちゃいたけど胸ちっちゃいな』とか思われたら……)

元気娘「な、なんか全然落ち着けない……もう出よう……」ザバ

男(な、なんだこの生殺しみたいな時間は……)

ガチャ

元気娘「あ、お、男……」

男「お、おうあがったか」

元気娘「……なんで正座してるの?」

男「……なんとなく」

元気娘「…………」キョロキョロ

元気娘(うん……漁られたあととかはないかな)

男「ど、どうした?」

元気娘「えっ?ううん、なんでもないよ!それよりほら!ゲームで一晩あかそう!」

男「そ、そうだな!それがメインイベントだし!」

元気娘・男(いつも通りに過ごせば変な空気にもならないはずだ!)

元気娘「じゃあまずこれやろうよ!」

男「レースゲームか、いいな」

元気娘「セットして、スタート!」

男「…………」

元気娘「?どうかした?」

男「な、なにがだ?」

元気娘「なんかちょっと離れすぎっていうか……画面見辛くない?」

男「そ、そんな事ないぞ」

男(く、くそ!なんか意識して近くに寄れん!)

元気娘「もー、対戦なのにそんな後ろにいるの変だよ、ほら」グイ

男「ば、ばか引っ張るなって……」

1プレイヤー win!

元気娘「やったー!」

男「負けた……」

元気娘「どうしたの男?なんかぶつかったりコースアウトしてばっかりだったけどらしくないよ?」

男「なんか集中できなくてな……」

男(おまえが考えなしに屈んだ時の胸チラとか太ももとかのおかげで)

元気娘「?まあいいや!これで冷蔵庫にあったアイスあたしのもの!」

男「なっ!聞いてないぞ!」

元気娘「えへへー美味しい」パクパク

男「くっ……まあおまえの家のものだけどさ」

元気娘「一口ならあげるよ?ほい」スッ

男「え……?」

元気娘「ん?いらないの?」

男「いや、同じスプーンだとさ……間接……」

元気娘「あ……///」

男「…………」

元気娘「うう……///」

男(くそ!なんでこうなるんだ!?昨日もペットボトルの飲み物普通に一口もらったりしてたのに!)

男「だ、だからな、おまえの家のアイスなんだし全部食べても……」

元気娘「あ、あたしはいいよ……?」

男「え?」

元気娘「間接……でも……///」

男(な、なんだそれ!?断れなくなっただろ!いやもとから断りたくないけど!)

男「じゃ、じゃあ一口もらおう……かな」

元気娘「う、うん……どうぞ」スッ

男「え?く、食わせてくれるの?」

元気娘「うん……あーん///」

男「あ、あーん///」パク

元気娘「ど、どう?」

男「うん……美味しいし、甘い……」

元気娘「そ、そっか……///」

元気娘「あの……あたし急にお腹いっぱいになっちゃったから残りあげるね///」

男「え、なんで急に……」

元気娘「い、いいの!」

男「じゃあ……いただきます……」パクパク

元気娘「……デートしててもそんな態度とらなかったくせに……///」

男「ん?なんだ?」

元気娘「な、なんでもない!」

3時間後

元気娘「んー、思ったよりゲーム飽きるの早いねー」

男「まあもともと何回もやったやつばっかりだしな……あ」

元気娘「ん?なに?」

男「そういえば男友に貸す予定だったけど貸し忘れたゲームが鞄の中にあるな」

元気娘「ほんと!?あたしがやったことないやつ!?」

男「まあ……絶対やった事ないと思うぞ。だって……」ゴソゴソ

元気娘「……あ」

男「見ての通りホラーだし……」

元気娘「う……」

男「や、やっぱりやらないよな?おまえホラー苦手だし……」

元気娘「うう……」

男「苦手なのやるくらいなら多少飽きてても好きなのやったほうが……」

元気娘「い、いいよ……やる……」

男「……え?」

男「やるのか……?」

元気娘「うう……やっぱり男がやって……隣で見てる……」

男「いや、それなら無理しなくても……」

元気娘「う、ううん、大丈夫だから……」

男「本当か……?」

男「じゃあ始めるぞ」

元気娘「う、うん……」ピットリ

男(近い近い近い近い!なんで見てようと思ったんだよ!)

元気娘「うう……」

元気娘「うう……始まった……」

男「そりゃ始まるだろ……」

元気娘「ううー……なんでドアが勝手に閉まるのぉ……おかしいよぉ……」ビクビク

男「これがこのゲームでは普通なんだが……」

30分後

元気娘「ひ、ひぃ……今なんかいた……」ガタガタ

男(すごく自然に腕に抱きついてるんだがこいつ……)

雷「ドカーーーンwwwwww」

元気娘「ひゃあぁあああ!!」

男「うおっ!?」

男「うわ……停電した」

元気娘「な、なにぃ……?なんにも見えないよぉ……!」ギリギリ…

男「あてててて!強く抱きつきすぎ!落ち着け!」

男「ほら、雷落ちて停電しただけだから、な?」

元気娘「う、うん……」ビクビク

男「けどなんも見えないな……蝋燭とかあるか?」

元気娘「お、お仏壇のところにあったと思うけど……」

男「けど?」

元気娘「こ、この状況でお仏壇行きたくない……」ギリギリ…

男「う、うん、もちろん一人でとってこいなんて言わないからさ、痛い痛い」

男「とりあえずライトないとな……携帯は……」ムニ

元気娘「ひゃっ///!?」

男「うわっ!すまん携帯探してたら……」

元気娘(ふ、太もも触られた……!)

男(すっげースベスベだった……太ももかな……?)

男「お、これだな携帯」パチン

男「よし、まあ歩けるくらいにはライトとして使えるな……仏壇ってどこだ?」

元気娘「こ、こっち……」オソルオソル

元気娘「あの部屋にあるの……」

男「ん、あの部屋な」

元気娘「と、取ってきてぇ……」

男「わかったわかった。一旦離してくれよ」

元気娘「や、やだぁ……離れないでぇ……」ガタガタ

男「どうしろっつうんだ……」

男「1分もかからないからさ、ほら」

元気娘「……うん……」スッ

男「じゃ行ってくる」スタスタ

男「んーと、これか。マッチもあるな」

元気娘「お、男、早く……」

男「もう終わったよ、ほら」スタスタ

元気娘の部屋

男「よし、けっこうマシになったな」

元気娘「う、うん……」ブルッ

男「ん、寒いのか?」

元気娘「うん……なんか安心したら……」

男「最近温度差激しいからな……タオルケットでも体に巻いとけばどうだ?」

元気娘「うん……そうする……」ゴソゴソ

元気娘「男は寒くないの?」

男「んー、ちょっと寒いくらいかな」

元気娘「ご、ごめんね。さっきまで冷房きかせすぎたかも」

男「まあちょっとだから大丈夫だ」

元気娘「……ん、と……」

男「どした?」

元気娘「いいよ、男もタオルケットの中入ってきても……」

元気娘「えへへ、なんか変な感じだね」

男「まあ……変な画ではあるな」

元気娘「真っ暗な部屋で蝋燭前にして二人でタオルケットにくるまってるとかさ」クスクス

男「そうだな……」

元気娘「…………」

男「…………」

元気娘「…………」コテッ

男「ん……」ナデナデ

元気娘「えへへ……///」

男「さっきさ」ナデナデ

元気娘「んー?」

男「なんでホラーゲームやるって言ったんだ?」

元気娘「……男があのシリーズ好きなのは前に聞いたから……この機会にどんなものか知っておこうと思ったの」

男「そっか」

元気娘「だって男、全然あたしの事女の子として見てくれないんだもん」

男「え?」

元気娘「二人で一緒に帰ってても、勇気だしてデートに誘っても、なんかただただ『普通に』楽しんでる感じでさ……」

男「あー、うん……悪かった、ごめん」

男「でもさ」

元気娘「うん……」

男「今までずっとそんなふうに、男友達と同じように付き合ってきておいて、調子がいいかもしれないけど……」

元気娘「…………」

男「今日と、あと昨日でさ……元気娘がすごいかわいい女の子だって、ようやく気づいたよ」

元気娘「……えへへ///」

元気娘「そ、そっか……えへへ///」

男「うん……」

元気娘「ほ、惚れた///?」

男「は、はっきり言わないとダメか?」

元気娘「ダメ!」

男「ほ、惚れたよ……大好きになった」

ガバッ!

元気娘「んー///!」スリスリ

男「よしよし」ナデナデ

元気娘「あたしも大好きだよっ!男!」

パッ!

元気娘「あ」

男「復旧したな」

元気娘「うん、そうだね!」

男「どうする?ゲームできるけど……ああもちろんホラーじゃなくて」

元気娘「んー……」

元気娘「その……ゲームよりね……」

男「うん」

元気娘「このままで朝まで話してたい……かも……」

男「……うん、俺もそうしたい」

元気娘「えへへ……」

1週間後、ゲームセンター

男「くっ!もうちょいなのに!」

元気娘「へへー、もうあたしの1位決定だねー」

男「あ!赤甲羅でた!行けぇえ!」

元気娘「えっ!?あっ!?」

2プレイヤー win!

男「よし!さっきとった駄菓子俺の!」

元気娘「うー、なんで毎回土壇場でいいアイテムひくの!」

男「運も実力の内だろ、ほら、ベンチで休憩するぞ」

男「はい、半分こ」

元気娘「え、いいの?」

男「前はアイス半分くれただろ?そのお返し」

元気娘「ありがと!」

男「うーん、でもさ、なんか付き合う前も同じようなデートしてたよな」

元気娘「……それをデートって思ってたのはあたしだけだったみたいだけどね」

男「う……ごめんなさい」

元気娘「ふふ、冗談だよ、冗談」

元気娘「でも、違った事してみたいなら」

男「ん?」

元気娘「誰もいないよね?」キョロキョロ

男「まあ奥には他にも客いるだろうけど……どうした?」

チュッ

男「っ!?」

元気娘「ん……///」

元気娘「ふう……///びっくりした?」

男「そりゃあ……したよ……///」

元気娘「……どうだった?」

男「……最高に嬉しかったです」

元気娘「うん……」

男「その……大好きだぞ、元気娘」

元気娘「うん……あたしも」

元気娘「大好きだよっ!男!」



おわり

読んでくれた人乙

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