欠損少女「我が極めし究極の武術」 (58)

その昔、とても奇妙な武闘家一族がいた

どこがどう奇妙なのか

それは彼らの全て

彼らの武術は『剣』を使わない

彼らの武術は『拳』を使わない

彼らの武術は『肩』を使わない

彼らの信ずるのは天下『無』双の『肩』











『負肩技(まけんぎ)』















しかし、その異端の武術はその特異さ故に時代の激しい荒波に呑まれいつしか消えてなくなった……


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そして現代

誰の記憶からも全ての記録からも消された異端の武術は再び目を覚ます

これはその異端の武術で世界を征し、時代を作った1人の少女の物語




―――キ―――

――――――キロ―――

――オ―――ロ――――

「起きろ」

pipipipipipipipipipipipipipi!!

「……せめて目覚ましがなってから……。起こして……」

「転校初日に遅刻なんてマネは出来んからな。早く起きるに越したことはない」

「……うー」

モゾモゾ

「布団から早くでろ」

バサッ












欠損少女「酷いよね、腕がないからこっちは無抵抗にひっぺがされるしかないのに……」ブスッ

男「だから俺がお前の世話をしてあげてるんだろ」

欠損少女「はいはい分かってますよー」

欠損少女「ん」クイクイ

男「それじゃあ、洗面台に行くとするか」ヨッコラセ

ノッシノッシ

欠損少女「……」

男「……」

欠損少女「ねぇ」

男「ん」

欠損少女「別にお姫様だっこが嫌いとかじゃないけど……」

男「けど?」

欠損少女「なんで私の部屋を2階にしたの?」

男「なんとなく」

欠損少女「……あっそ」

ノッシノッシ

トン

男「……降ろすぞ」

欠損少女「足からお願い」

男「言わずもがな」

トトン

欠損少女「……」キョロキョロ

男「どうだ」

欠損少女「昨日は疲れて寝ちゃったからよく分かんなかったけど随分と小奇麗な所だね」

男「一応新築だからな」

欠損少女「ふーん……」

男「洗面台はこっちだ」

欠損少女「あ、待って」

トテトテ

男「ここが洗面台だ」

欠損少女「へぇ~」

男「洗うから頭を下げろ」

欠損少女「ん……」ペコォ

ジャー

パシャ

パシャ

パシャ

キュッ

男「拭いてやるから顔をあげろ」

欠損少女「……」クイッ

フキフキ

欠損少女「んっ」

男「こんなもんだろ」

欠損少女「……すっきり」

男「次はリビングで飯だ。ついてこい」

欠損少女「うん」

ヒョコヒョコ

欠損少女「お、意外と広い」

男「だな」

欠損少女「飯は?」

男「用意するから座ってろ」

欠損少女「うん……」

ポスン

欠損少女(なんかようやく頭が働いてきた……)

欠損少女(そっか……。今日から)

欠損少女「学校なのか……」

男「いまさら?」

コト

欠損少女「うん、いまさら今日から私のスクールライフが始まるのを実感したよ」

欠損少女「て、朝からケーキ?」

男「景気をつけろ」

欠損少女「……」ジトー

男「……ほら、あーん」

ヒョイ

欠損少女「……あーん」

パクッ

欠損少女「……案外悪くないね」

男「だろ?」

(食事中略)

欠損少女「セーラー服」

男「みたいだな」

欠損少女「サイズは」

男「大体把握してるからその通りに注文しといた」

欠損少女「ちょっと話が」

男「着た後な」

(着替え中略)

欠損少女「♪」

男「似合ってるな」

欠損少女「……ねぇねぇ」

欠損少女「少し気分乗ってきたし今トレーニングしたいな」

男「今はダメだ。流石に通学前に制服を汚すのはな」

欠損少女「えー……」ブスッ

男「後でちゃんと時間取ってやるから、今はとにかく行く準備に徹していてくれ」

欠損少女「準備するの男じゃん」

男「まあそうだけど」

飯食って来ます

1時間後再開予定

―――作業中―――

ガサゴソ

男「よし、準備できた」

欠損少女「始めての学校……」ソワソワ

男「少女、ちゃんと基礎は覚えてるか?」

欠損少女「証明までばっちり覚えた」

男「高校の授業は昨日までやっていたヤツに毛が生えた程度のだから心配するな」

欠損少女「大丈夫」

男「そうか。じゃあ、行くとしようか」

欠損少女「うん」

ガチャ

――――――ヒソヒソ―――

ヒソヒソ―――――――――

「あの女の子腕が無いわよ……」「いつ引越して来たのかしら」「気味が悪いわ」「あの男の子カッコイイ」

男「……」

スタスタ

男「義手付けてきとけばよかったな」

欠損少女「ちょっと悪目立ち過ぎたね……」

男「まあ、いいさ」

欠損少女「後学校まではどのくらいかかるの?」

男「400m程度だな」

欠損少女「結構徒歩だと遠い……」

スタスタ

「ネェネェ」

「そこのお二人の」

「かっぽぉさん♪」

欠損少女「はぁ?」クルッ

男「んあ?」チラッ

DQN1「俺たちと」

DQN2「遊ばない」

DQN3「かい?」

思った以上に眠い

ので、起きたらまた再開します

ぐっない

欠損少女「遊ぶ?」

DQN1「そう!そこのおにーさんは俺らのサンドバッグとして」

DQN2「そしてユーは俺らのオ○ホとして」

DQN3「遊ぶのs」

ゴシャッ!

欠損少女「よし、遊ぼう!」

DQN3「あ……が……?」

ドシャ

DQN1「DQN3んんんんんんんん!!!」

DQN2「やろう!スキをついてDQN3をぶち倒しやがった!卑怯な奴めっ!!」

欠損少女「まだ遊び足りない」ダッ

欠損少女『風車抜け』ギュルン!


『風車抜け(かざぐるまぬけ)』

それは足を孤に捻りながらその場から前方に跳躍し両足を開き回転しながら相手の横を突き抜けていく技である。これは足を相手に当てることでダメージを生み出す技ではなく、回転する事によって生み出される風圧で相手を吹き飛ばす技である。肩のないおかげで、大幅に空気抵抗がなくなってるが故に出来る技である。これを体得する事は即ち『負肩技』習得への大きな一歩である。

DQN1「たわばっ!?」ボッ

DQN2「あげんちゅっ!?」ドベシヤ

欠損少女「伸びるの早っ」

男「これが普通だからな……」

欠損少女「なら私を誘わなきゃいいのに」

男(こいつにとっての遊びは組手みたいなものだからなぁ……。もう少し社会的常識を教えておくべきだったか……)

欠損少女「ところで、そこまでタイムロスしてないとはいえ、時間は大丈夫?」

男「……」チラッ

欠損少女「?」

男「……走れ」ダッ

欠損少女「もう少し余裕のある予定を立ててよ!」タッ


キンーコーンカンコーン

担任「えー、今日からこのクラスに仲間が増える」

ザワザワ

担任「しかも2人だ」

生徒'S「「……」」

担任「さあ、入ってきやがれ」サッ

生徒'S「「……」」

担任「……」

生徒'S「「……」」

担任「……」

生徒'S「「……」」

担任「……」

生徒'S「「……」」

担任「……よし、授業を始める」

ガララッ

欠損少女「はぁ……、はぁ……。転校生の欠損少女です。無人島で最強になる修行を10年間して本土にきました。宜しくお願いします」

ザワザワ

担任「拍手」

パチパチ

???(なかなか面白い方が転校なされてきましたね……)

欠損少女「次は男だ」グイッ

男「男だ。こいつの保護者的な感じだ。宜しく」

パチパチ

担任「えー、一応欠損少女は中学卒業レベルまでの学習はしているそうだが、困っていたら助けてやれ」

担任「ちなみに男の方はこの歳で教員免許を持っているから逆になんか困ったときは助けてもらえ、以上」

生徒'S「「」」

担任「んじゃ、今から授業を始めるぞ」

男「先生、俺らは」

担任「空いてる席に座っといて」

欠損少女「はーい」

トテトテ

キーコーンカンコーン


欠損少女「全然分かんなかった……」

男「分かんなくてもお前にはあんまり必要じゃないものだし気にすんな」

欠損少女「なら学校に通う意味ないよね?」

男「あれだ、社会勉強的な」

欠損少女「分かった」

ガラッ

??「転校生が来たのはこのクラスかな?」

ドヨッ

欠損少女「私だよ」

男「俺です」ハイ

生徒会長「ぼくは生徒会長だ。ようこそ我が高校へ」スッ

欠損少女「どーも」

男「……どうも」スッ

生徒会長『圧苦手』

ゴアッ!

男「……」

パシッ

男「随分手荒な歓迎だな」

生徒会長「おや、きみもある程度はやるようだが、ぼく的には君なんかより欠損少女さんとやりたいんだけどな」

欠損少女「ん?私ご指名?」

生徒会長「ああ」

欠損少女「私とやるより男とやった方が楽しいと思うけどなぁ……」

生徒会長「こんな雑魚よりかはきみの方がいいに決まってるじゃないか」

欠損少女「……ふーん」

『圧苦手(あくしゅ)』

差し出した方の手を相手の手が近づいた瞬間に手首を勢いよく曲げ、その間にもう一つの手で相手の手の甲を抑えてそこへスナップを効かせて手を打ち付けて相手の手を叩きつけて潰す。『冷犧殺法(れいぎさほう)』においては基礎中の基礎の技である

欠損少女「ま、いっか。私でよければ遊ぼっか」

生徒会長「ではまた放課後に体育館で」スタスタ

ガララッ

ピシヤッ

男「肩慣らしにはちょうどいい相手だな」

欠損少女「でもあの様子じゃ所詮その程度だよね……」

男「そう悲観はするなよ。もしかしたら意外と面白いかもしれないぞ、あいつの『冷犧殺法』は」

欠損少女「前に遊んだ人の『冷犧殺法』よりかは丁寧さが足りなかった気がするけど……」

男「気の所為だろ、……多分」

欠損少女「ま、それは実際に遊んで見ないと分からないか……」

男「そうだな……」

男「ま、それはそうとして、今からさっきの授業の解説をするぞ」

欠損少女「おうまいがーっ」グテッ

そして放課後


ヒュウウウ........

欠損少女「来たよ」

生徒会長「……」ペコリ

欠損少女「それも冷犠殺法の1つなのかな?」

生徒会長「勿論、今のお辞儀は相手への自身と闘ってくれる敬意を表するためのものだ」

欠損少女「実際のところは相手の無意識の油断を誘うための布石なんでしょ」

生徒会長「……もしかして過去に冷犠殺法を使う人と闘った事があるのかい?」

欠損少女「うん、その時はこっちも思わず頭を下げちゃって『紳士の心得』を受けかけたよ」

生徒会長「それは分家の者がよく使う技だね」

欠損少女「て、ことは」

生徒会長「ぼくのは本家の『冷犠殺法』だよ」

欠損少女「ふーん。少しは楽しめそうだね」

生徒会長(少しは……、か。随分と舐められたもんだ)

生徒会長「……最初から飛ばすよ」

ビュッ!

生徒会長『征坐』

欠損少女「ッ!」

ドォォォオン!!!

男「ったく……」ポリポリ

男「生徒会長のところは今日の授業のまとめをしてからにしろって言ったのになぁ」

ドォォォオン!!!

男「ん?もうおっぱじめたみたいだな」

男「ま、あれ程度なら問題集ないか」

???「そこの方、少しよろしくて」

男「はいはいなんでしょうか」

???「欠損少女さんはもうお帰りになられたのですか?」

男「あー、今現在体育館で生徒会長とドンパチしてる」

???「そう、ですか……」ザンネン

男「んじゃ、俺はもう帰るから」

???「あ、ちょっとお待ちを」

男「まだ何かあるのか?」

???「先ほど、体育館の方に生徒会長の護衛隊が向かっていましてよ」

男「マヂか」

???「はい」

男「めんどくせぇなぁ……」

男「教えてくれてありがとな、じゃ」

タッタッタッ

???「……」

???「ああ、私も早く欠損少女さんと一度お手合わせしたいですわ……」

タッタッタッ

男「体育館てこっちだっけ?」

ザワザワ

男「お、なんかいかにも怪しい集団が」

男「おーい」

護衛隊「……なんだ」

男「そんなところで集まってなにしてるんだ?」

護衛隊「お前には関係ない」

男「えー、教えてくれよ」

護衛隊「さっさとここから退け」

男「教えてくれないなら大声で騒ぐ」

護衛隊「!ま、まて!話すから騒ぐのだけはやめてくれ」

男「なら早く教えてくれ」ハリーハリー

護衛隊「我々生徒会長の護衛隊は、今現在ここで待機を命じられている」

男「なんで?」

護衛隊「今、生徒会長は転校生と戦っているが、もしも、万が一、生徒会長が劣勢に立たされる事があれば我々護衛隊がその闘いに酸化するのだ」

男「1対51?」

護衛隊「そうだ」

男「ふーん、教えてくれてありがとう」

護衛隊「分かったならさっさと退け」

男「お礼にこれをお前に」

ゴキャ

護衛隊「!?!??!?!?」

ドシャ

男「プレゼントして上げる」

ザワッ

護衛隊「お、お前!」

男「さ、お礼をしまくりましょうかね」

ダッ!

『紳士の心得(ジェントル・アッパー)』

相手の視線が下の方を向いた瞬間一気に詰め寄り、「ハンカチ、落とされましたよ」の掛け声と共に下からすくい上げる様に相手の顎を狙いアッパーをする。『冷犠殺法』における基本の技の1つである。



『征坐(せいざ)』

天高く跳び、相手の頭上目掛けて脚を正座の形に折り曲げて落下する。一見、簡単そうに見える技であるが、技を繰り出す前から相手の行動を予測し、どこまで跳べば良いのかどの地点から脚を曲げ始めるか等々と、シンプルだからこそ求められる技術の多い高難易度の技である。『冷犠殺法』を使う人間の中には、この技を主軸にした戦闘スタイル『坐魁(ざかい)』を使う者もいる。

―――――――――

――――――

―――



生徒会長『斬を付け』ドシュッ!

生徒会長『礼』バッ!

ドッドドッ!

欠損少女「……」

ズザザザァ........

生徒会長「へへ……」

欠損少女「……」

ケラケラ

生徒会長「ふふふ……、ははは……」

ニタニタ

生徒会長「……」

生徒会長「何がおかしいっ!」

生徒会長『秘奥義・1陥痕葬祭』

ゴアッ

欠損少女「……」












欠損少女「もう飽きた」

生徒会長「え」

ピタッ

生徒会長「それは一体どういうことだい」

欠損少女「あのさ、こっちはあなたが最初から全力でいくとか言ってたからどんな技を繰り出すのかワクワクしながら敢えて攻撃せずに待っていたのにさ……」

欠損少女「正直期待はずれ。分家以下だよ。パワー重視の大技?的なの連発なんて猿がやる事だよ。冷犠殺法?ちゃんちゃらお話にもならない猿真似拳の間違えじゃないの?」

欠損少女「これ以上何をしたいのかは分からないけど、もう同じような技ばかりで飽きたから失せて」

生徒会長「……」ギリッ

生徒会長「……死ね」

生徒会長「死ねっ!!」バッ!

ドッ

欠損少女「あっそ」

欠損少女「ならあなたが死んで」スッ

『王叛弩』

カッ

生徒会長「……」

欠損少女「……さよなら」

ドッパァァァァァァァァァン!!!

ブオッ!

生徒会長「がはっ!?」

生徒会長(あ、あれは……、)

生徒会長(腕……?)

生徒会長「」ガクッ

ズシャァァァァァァア

欠損少女「ウォーミングアップに付き合ってくれてありがとうございました」ペコッ

欠損少女(ウォーミングアップ程度、かな。まだもう少し歯応えのある人の方が良かったなー……)

ノビー

欠損少女「……はぁ、」

欠損少女「例えばそこの影にいるあなたとか」


???「……」

スウッ

欠損少女「今更白々しく気配消しても遅いって」

???「ちょっとしたジョークですわ」

ヒョコリ

欠損少女「あなたは……」

???「まだ貴女には個人的には挨拶をしていませんでしたね」

お嬢様「私の名前はお嬢。貴女のクラスメイトであり、そして、この学校では一番強い者です」

欠損少女「つまり、私の敵ってわけだね」

お嬢様「宜しくお願いします」ニコッ

スッ

欠損少女「よろしく」ニヤッ

ニギッ

ギュッ........

『斬を付け(きをつけ)』

冷犠殺法の1つ。高速で両腕を体の側面、腿に打ち付けることで地面に風を当て砂利等を全方向、広範囲に拡散させる技である。目くらまし。主に下記の技の引き立てに使われる事が多い。



『礼(れい)』

高速で腰を45度曲げ、相手にヘッドロックを決める冷犠殺法の技の1つである。非常に簡単に出来、威力も高いのだが、タメが長いので実戦で使うとなると使用箇所が限られる技である。が、上記の『斬を付け』と組み合わせる事で技を放つ前のタメという弱点を消すことも出来る。

―――――――――

――――――

―――


の間で使われた冷犠殺法


『剃死無(そしな)』

冷犠殺法の1つ。相手に軽めのジャブを打つように最初は比較的にスローモーな動きでパンチするが、相手が近づいた瞬間に全体重を乗せて相手に渾身の一撃を叩き込む技である。この技はかなり体に負担をかけるため、使えるのは冷犠殺法を使う者の中でも指で数える程しかいないと言われている。



『剥手(はくしゅ)』

冷犠殺法の1つ。『圧苦手』の上位版である。『圧苦手』の差し出した方の手のモーションを両手にしたバージョン。これは、技の性質上加減が難しく、誤って自身を傷つける可能性が高い技である。この技を完璧に使いこなせるのは冷犠殺法を使う者の中でも指で数える程しかいないと言われている。




『悪自虐(おじぎ)』

冷犠殺法の1つ。深く頭を下げ、相手の方に頭頂部が向いた瞬間に一回転をし、ヘッドロックを決める技である。『礼』とは違いフェイント重視の技ゆえにあまり威力は高く無いものの、上手い者が使えば相手を一撃で気絶させる事も可能性である。



『封擁(ほうよう)』

冷犠殺法の1つ。分家から本家へ逆輸入した技である。相手の背後に素早く回り込み、抱いた瞬間に四肢の関節を全てを外す技である。本家で使う者はあまりいない。

『秘奥義・1陥痕葬祭(ひおうぎ・いちかんこんそうさい)』

冷犠殺法の必殺奥義の第一の型。詳細不明。この技を受けて運良く生き残った者は皆、「まるで棺の中に強制的に叩き込まれたような気分になった」と言っている。

『王叛弩(わんはんど)』

欠損少女が作り上げた『負肩技』の1つ。『今現在』詳細不明。

「あー……」

男「まだあの2人は会わせたくなかったんだけどなぁ〜」ゴンッ

護衛隊「ごっ!?」

ドシャッ

護衛隊「も、もうやめてくれ……」

男「んじゃやめる」ポイッ

護衛隊「がっ……」

ドシャッ

男「流石に51人もリンチしちゃうと俺が悪役みたいになっちゃうからあんまりしたくないんだよね」

護衛隊「ば、化物め……!」

男「残念だったな人間」ニヤッ

男「ま、あれだ、そう気を落とすな。どっかで聞いたけど化物を殺すのはいつだって人間らしいから頑張って精進してくれよ」

男「じゃあなー」ヒラヒラ

ザッザッザッ........

シーン

護衛隊「あ、あれはなんだったんだ……」グググ........

?「化物だ」

護衛隊「!?」

護衛隊「あ、貴方様は……!」

?「それより早くあれを回収してこい。目障りだ」

護衛隊「はっ!」

ドドドドドドドド

?「あの大群も目障りだな……」

?(それにしても、いつの間に本土に戻っていたんだ。男)

?(……近い内に主と奴の劣化コピーが闘うみたいだし、その時にいろいろと聞けば良いか)クルッ

スタスタ........

ガチャッ

欠損少女「ただいま〜」

男「おかえり」シュッ

タタンッ!

ボッ

欠損少女「!」

サッ

欠損少女「……っ」グッ

ダンッ!

欠損少女『土発点』

ピョンッ

クルッ

バシュッ!

男「……少し角度が甘い」パシッ

グイッ

欠損少女「ぬぬ……!」シュバッ

ダッ

欠損少女『壁跳ね蹴り』

ボッ

男「はい、お終い」ズベシッ

欠損少女「ぐえっ」

ドテ

男「さ、飯にするか」

ヒョイッ

欠損少女「うん」

『土発点(どはつてん)』

地面を踵で打ち込み、相手が怯んだ直後に上に跳び上がり高速で一回転を入れて踵落としを決める負肩技の技の1つ。脚に負担が大きい技なので多用は出来ないが、初手の一発としてはかなり有効な技である。


『壁跳ね蹴り(かべはねげり)』

走りながら壁に足から鼻先が平行になるように飛び込み、地面に近い方で壁を蹴り、もう片方の足で相手の肩口から下の方に抉るように蹴る負肩技の技の1つである。この技は威力こそ高いが、その後の受身がとり辛いため難易度が高い技である。

男「さてと」

ドサッ

男「その顔見ればわかるが、生徒会長には勝ったみたいだな」

欠損少女「楽勝だったよ」

男「だろうね」

欠損少女「正直な話、分家以下でびっくりしたよ」

男「よくあることだ。その技を大切にする本家と技の探求をし続ける分家とでは、最終的には分家の方が強くなる」

欠損少女「ふーん」

男「ところで……、」

欠損少女「?」

男「おまえ、あの技使ったな?」

欠損少女「う」ギクッ

男「やっぱりな……。さっきの『土発点』の角度が甘いと思ったら」

欠損少女「久し振りに使いたくて」キャルッ

男「ウォーミングアップが終わってないのに使うな。あの技は本来負肩技にはない技だから、ちゃんと体慣らして使わないとバランスが崩れるって何回も言ってきたはずだが……」ジトー

欠損少女「ごめんなさい」ショボン

男「過ぎたことだからあんまり責める気はないけどさ。代わりに暫くは俺が許可出すまではオリジナル系は封印な」

欠損少女「なっ」

欠損少女(お嬢さんと戦わないといけないのそれはきついよ……!)

欠損少女「いつまで……?」

男「お嬢を倒すまで」

欠損少女「」

男「じゃ、飯食うか」

欠損少女「ちょっと待って、いろいろと聞きたい事があるけどそれはあんまりにも横暴じゃないかな!」カッ

男「じゃ、代わりに飯抜きね」ヒョイッ

欠損少女「いただきます」

男「理解が早くて結構」

コトッ

数時間

欠損少女「ねむ……」グシグシ

男「久し振りに遊んだからな……。もう寝るか?」

欠損少女「うん……」

男「後で行くから洗面所の方に行っとけ。歯、磨いてやるから」

欠損少女「はーい……」

トテトテ

男「……」

男「俺もそろそろ準備するかな」

ジャー

キュッ

「……」

欠損少女「男ー……。早く早く……」ポヤー

男「はいはい……」

ガチャ

シャー

男「口を開けろ」

欠損少女「ふぁーい」

男「……下から磨くぞ」

シャコシャコ

欠損少女「ふぁみひゃひふぉしゅ……こ……ひふぁらい」

シャコシャコ

男「以前使ってたのがもう売ってなくてな」

シャカシャカ

欠損少女「なひゅ?」ガーン

シャコシャコ

男「こいつは少し前のやつよりも辛かったか……。明日別のを買ってやろう」

チュポン

シャー

欠損少女「ペッ……。その歯磨き粉はどうするの?」

男「俺は使わないし捨てるしかないな」

カチャン

欠損少女「ならそれ使う」

男「別に無理して使わなくてもいいと思うが」

欠損少女「歯磨き粉に負けたくない」

男「そうか」

男(『負肩技』使いの性がかなり染み付いてるみたいだな……)

「……」

欠損少女「あー、歯磨きしたら眠気が覚めちゃってきたんだけど」

男「さて、寝るか」

欠損少女「もう少しテレビ見たいんだけど」

男「明日は今日より早いからもう寝ろ」

欠損少女「嫌だ」

男「そうか」

ヒュッ

欠損少女「!」

男「ぐっない」

欠損少女「ちょっ」

男「待ちません」

トン

欠損少女「」

グラッ

男「毎日8時間は寝ろ」

ヒョイ

「……」

スタスタ

ガチャ

男「ほい」ポイッ

ボフッ

欠損少女「ぐふっ................Zzz........................Zzz................................................」

男「俺も寝るとするかな」クルッ

ガチャン

スタスタ

「……」

ホーホー

男「Zzz........Zzz........」

チッチッチッ........

「……」

「……」シュッ

スタッ

「……」クルッ

ササッ

「……」

トッ

キィィィ........

欠損少女「Zzz........Zzz........」

「……」

スッ

「……」サッ

スラァッ

「…ぃ……ぁ…………ぃ!」ボソッ

ブンッ!













「続きは外でやらないか?」

パシッ

「!?」バッ

シュッタッ!

男「逃がさないよ」グッ

グイッ

「っ!」

男「そらよっと」ブンッ

「なっ……」

パリンッ!

ガシャーン

「ぐっ!」クルリッ

ズザザッ!

男「いい身のこなしだ。さすがとでも言っておこうかな」

ピョンッ

スタッ

男「ところで……、」

男「あんたは何をしに来たのかな」

「我が名は……、」

侍忍「我が名は侍忍」

侍忍「数百年前、『負肩技』に滅ぼされし一族の仇を取りに参った!」

シュパンッ!

男「そうか」

パシッ

男「それは大層なことだが」

侍忍「はぁっ!」ブンッ

男「とっ……」ヒョイッ

男「ほっ」

ボッ

侍忍「!」バッ

ゴッ!

男「その前に俺とウォーミングアップしていかないか?」ミシッ

侍忍「吐かせ……!」ググッ

ヒュッ!

スタッ

トッ

男「すごい跳躍力だな」

侍忍「……」キッ

侍忍『斬散』

シュバババババババババ

男「ほう……」グッ

シュバッボッ

男(刀を手裏剣のように幾つも投擲してくるとは……)シュッ

パシッ

ヒュッ!

侍忍「ちっ!」ビュッ

ガギャン!

シュタッ

男「手品にしては錬度が高いな……、でも、」

クイクイッ

男「手品じゃウォーミングアップにもならないよ」

侍忍「私の術を手品という低次元の戯れと一緒にするなっ!!」シュバッ

ドッ

『斬散(ざんばら)』

1本の刀から幾重にも連なる刀を出し、手裏剣のように投げつける侍忍の基本技。どういう原理で刀から刀を大量に出すかは分からないが、恐らく暗器の用法を応用していると思われる。

侍忍『竹焼』クイッ

ボッ

男「うおっ!?」

ヒュバッ

男(後ろから竹槍が……?)タラー

侍忍「どうした?もう余裕がなくなったか?」ダッ

ギュルッ

侍忍『霧籾』

シュバルルルルルルルルル

男「よっと!」シュバッ

侍忍『雷散』パッ

男「げっ……!」ダッ

ドシュドシュドシュッ!

男「そいっ!」トッ

クルッ

シュトッ

男「……ふう、なんとか避けれた」

『竹焼(ちくしょう)』

相手の背後から横に回避不可能なほど連なれた竹槍を刺す侍忍の技の1つ。縦への射程は短い為、前進すれば回避は出来る。尚、これは技というよりはブービートラップに近いものである。一見相手を確実に殺しにかかっているように見えるが、実はこれは陽動であり後の2つの技に繋げる為の技である。



『霧籾(きりもみ)』

『斬散』で投げていた刀を繋がっている糸で一気にたぐり寄せまるでカウボーイが紐を回してるかのように大量の刀を扇風機のようにぶんまわし攻撃する。だが、この技も次の技への繋ぎである。



『雷散(らいさん)』

糸を断ち刀を解き放ち相手を刺し殺す。一見すれば拡散して相手の方にはせいぜい2、3本程度しかとばないと思われるかもしれないが、回転させている刀をコンマ数秒毎に切り離しているためその大半が相手の方に連なりとんでいく。

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