美希「――そうだ! ねぇ今度、みんなで鍋パーティしようよ!」の続編となります。
前作:美希「――そうだ! ねぇ今度、みんなで鍋パーティしようよ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423901298/)
千早の部屋で、765プロアイドルのみんながダラダラ鍋パーティするだけの、やまなしおちなしSSです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1424258421
― 千早の部屋 (夕方) -
ガチャ
春香「ただいま~ みんなごめん! 遅くなっちゃってー」
やよい「すみません、皆さん! お待たせしました!」
伊織「なんで、この伊織ちゃんが買い出しなんていかなきゃいけないのよ……」
千早「3人とも、おかえりなさい」
美希「もう、遅いよ3人とも! ミキ、もうお腹ぺこぺこなの」
春香「ただいま千早ちゃん。あはは、もう少し待っててね、美希」
伊織「何で、あんたはそんな偉そうなのよ! 全く……ん?」
響「いいか、真。火加減っていうのは真が思っている以上に結構重要なことなんだ。今度からはしっかり意識するんだぞ?」
真「オッケー! 任せといてよ!」
伊織「そっちは二人で何の話をしてるのかしら?」
真「あっ、伊織お帰り。いや、伊織たちが買い物に出かけている間、響に――」
美希「ううん! なんでもないの! デコちゃん、お買い物疲れたでしょ?ミキがマッサージしてあげるの!」
伊織「えっ? ちょ、ちょっと美希!?」
美希「ほら、こっちのソファーに……ううん、あっちのベットに行こ?」
伊織「こら! いきなり引っ張んないで――んっ/// こ、こら!/// 変な揉み方するんじゃないわよ!///」
美希「照れてるデコちゃんも可愛いの……大丈夫、ミキに任せて」
伊織「えっ、ちょっと嫌! 誰か、助け――あははははっ! いや、止めてぇぇぇ! くす、くすぐったいから!」
響「美希のやつ、急にどうしたんだ?」
真「えっ、いつもあんな感じじゃない?」
響「うーん……確かにそうだな。はるか、やよい、お帰りだぞー。鍋の準備自分も手伝ってあげるよ!」
やよい「ほんとですか、響さん! ありがとうございます!」
響「3人で準備すればあっという間さ~」
春香「それじゃ3人でぱぱっと終わらせちゃおうか!」
やよい・響「おー!」
千早「春香……さっき律子から連絡があって、あっちは少し撮影が押しているみたい。先に始めてていいそうよ」
春香「そっかー。うん、わかった! 千早ちゃんも真も、今から準備しちゃうからもう少し待っててね」
真「りょーかい。それじゃ千早、ここは春香たちに任せて、ボクたちは伊織たちと一緒にこたつに入って……ガールズトークしよう!」
千早「えっ!?……ふふっ。今度はしっかりついていけるように頑張るわ。春香、何か手伝えることがあったら言ってね」
春香「うん!」
やよい「……あれ? このお鍋はなんですかー?」
響「あっ、それはさっき自分と……」
― ― ―
― ―
―
美希「――でね、そしたらね、そこの店員さんが『お似合いのカップルですね』って言ってくれたんだよ!あはっ☆」
伊織「そんなのありきたりな営業トークじゃない。っていうか、よくあんたたち気付かれなかったわね」
真「はぁ~ 楽しみにしていたのに結局、雪歩と同じようにボクは美希の好みで選んできた服をとっかえひっかえ着せ替えさせられただけだったな~」
美希「だって、最初に『真くんの好きな服選んで着てみて』ってミキが言ったら……」
真「また、そういうこと言う! 店員さんも褒めてくれてたじゃないか!」
伊織(ほんと、接客業の鏡ね、その店員)
千早「へえ、真がそんなに力説するなんて、一度見てみたいわね」
美希「あっ」
真「へへぃ。実はそのときの姿をボクの携帯で、美希に撮影してもらったんだ~!」
伊織「……何やってんのよ、あんた! あれは後世に残しちゃいけないものよ」ボソッ
美希「だって……あの時の真くん、すごく必死だったから」ボソッ
真「えーと……ほら、これ! このヒラヒラのフリフリがたくさん付いてて可愛いでしょ?」
千早「!?!?」
真「どう千早!? 千早にならボクが選んだこの服の良さ、わかってくれるよね?」
千早「え、えぇそうね……その、なんていうか、とってもピンク色で――」
やよい「うっうー! 皆さん、お待たせしましたー!」
春香「今日は765プロのみんなが集まるから、大きいお鍋を二つ準備したよー」
美希「わぁ~待ってましたなの!」
響「第2弾もあるからみんなドンドン食べてよね!」
響「あっでも、後から来る人もいるから全部食べちゃダメだぞ。特に貴音をなだめるのは大変なんだから」
千早「そ、それじゃ私は飲み物の準備するわね!」
真「ちょっと千早!?……まぁいいか、後で時間があるときにゆっくり意見聞こうっと」
春香「あっ、千早ちゃん。それじゃ、冷蔵庫の中にさっき買ってきたジュース類あるから持ってきてくれる? 紙コップはこっちにあるから」
千早「わかったわ」
伊織「……これからは気を付けることね、千早」ボソッ
千早「……えぇ、肝に銘じるわ」ボソッ
響「取り皿にはこれ使ってねー」
美希「ねぇねぇ? お鍋の蓋取ってもいい?」
響「うわぁ~! 触ったら熱いからダメだぞ!……もう! 美希もお皿配るの手伝ってよ~」
美希「ミキは食べる専門だも~ん。あはっ☆」
千早「はい、飲み物持ってきたわ。みんな、何飲む?」
真「じゃ、ボクも飲み物注ぐの手伝うよ」
伊織「私には100%オレンジジュースをお願い」
真「はいはい。わかってますよ、伊織お嬢様」
伊織「にひひっ。あっ、そういえば響。あなたの鞄から携帯の振動音が何回か聞こえたわよ?」
響「えっほんと? マナーモードにしたまんまだったかな――って、うがぁ~!」
真「うわわ~! なんだよ響! いきなり大声出すからびっくりして少しこぼしちゃったじゃないか!」
やよい「あわわ~大丈夫ですか、真さん! 今、ふきん持ってきますね!」
響「貴音から……着信7件、メールが2件も来てる……撮影終わってからずっと連絡してたみたい」
響「着信件数も凄いけど、あの機械に疎い貴音がメールを2件も送ってくるだなんて……」
伊織「はぁ~ 早いところ、鍋の無事を知らせてあげるべきね」
響「うん……そうする。ごめん、貴音に電話してくるから少し席外すね。先に食べてていいから」
美希「早く戻ってこないと響の分もミキが全部食べちゃうよー」
響「それはダメだぞ!……あっ、もしもし貴音? ごめん、鍋の準備してて電話に気付かな――うがぁ~! そんな泣かなくてもいいじゃんか~ 鍋はまだ残――」
伊織「なんだかんだで、響も苦労してるのね……」
[ポジション]
こたつ:美希、やよい、真、伊織
ソファー:春香、千早
やよい「それじゃ、そろそろお鍋も余熱でいい感じになってきた頃なので、ふた取っちゃいますね~」
美希「よっ、待ってましたなの!」
真「はぁ~ やっぱり冬にはみんなでお鍋は欠かせないよなー」
やよい「じゃじゃ~ん! えへへ~ 私と春香さんと響さんの三人で作った自信作です!」
春香「右の白い方が豆乳鍋で、左の赤い方が豚キムチ鍋だよ」
真「美味しそう! ボク、豆乳鍋って一度食べてみたかったんだよね!」
春香「まろやかですごく美味しいよ。そんなに豆乳っぽくないから豆乳が苦手な人でも全然平気だと思うし」
伊織「へぇ~ それじゃ私はその豆乳鍋を先に頂こうかしら」
春香「おっと、その前に……じゃじゃ~ん!」
真「あっ、春香。わざわざ盛り付けしてくれたんだ! ありがとう!」
伊織「ん、何よ? ……肉じゃが?」
やよい「はい! どうやら私たちが買い物に行ってる間に、真さんが作ってくれたそうです!」
伊織「!?」
真「へへぃ/// 実は響にいろいろと教わりながら作ってみたんだ///」
美希「真くん、ちゃんとミキたちの約束守ってくれたんだよ! 嬉しいよね、デコちゃん!」
伊織「あ、あんな話……別に、真に受けなくてもよかったのに///」
真「むぅ……なんだよ、折角ボクの手料理が食べたいって言うから作ったのに~」
春香「まぁまぁ。真が折角作ってくれたんだからみんなで一緒に食べよう」
やよい「皆さんの分よそりますから取り皿、お預かりしま~す」
美希「それじゃーやよい、デコちゃんと同じのちょうだい!」
やよい「はい!」
春香「……うん! 真、この肉じゃがすっごく美味しい!」
真「ほんと!? いや~春香にそう言われると自信がつくな~」
春香「そんな、大げさだってー。お料理だったらやよいや響ちゃんのほうが上手だよ」
伊織「……」
春香「ねぇ、伊織? 美味しいよね?」
伊織「そ、そうね」
真「……」
千早「ご飯も炊いてもらったから、お鍋と一緒に食べたい人はどうぞ」
真「あっ、それじゃボク、頂こうかなー」
美希「えっ? 真くんはお鍋食べるときご飯も一緒に食べるの?」
真「あれ? お鍋のときって普通、ご飯と一緒に食べない?」
春香「あははっ、鍋パーティあるあるだよね、これ」
やよい「ちゃんと締めにうどんも雑炊もラーメンもありますから、気にせずじゃんじゃん食べて下さい!」
真「へへっ! それじゃ、どっちも食べれば問題ないね」
伊織「鍋って奥が深いのね……あっ、豆乳鍋もおいしい」
美希「……ふふっ。だよねー。この豆乳鍋『も』美味しいよね、デコちゃん!」
春香「でしょ? 私も最初食べたときビックリしたんだー」
やよい「最近はいろいろなお鍋の素が売ってるんですよ~。豆乳鍋やキムチ鍋以外にも、トマト鍋、カレー鍋、ちゃんこ鍋とか、まだまだたーくさんあります」
春香「トマトカレー鍋なんていうのもあるしね。どれもみんな美味しいし、ベタに水炊きとかもいいよね」
響「因みに自分の故郷だと『てびち』っていう料理もあるんだぞ」
美希「あっ、響遅いよ! ホントに響の分まで食べちゃうところだったの」
響「ごめんごめん、貴音をなだめるのが大変だったんだよ~。貴音たちはあと1時間くらいでこっちに来るってさ~」
響「あっ、真が作った肉じゃがもみんなちゃんと食べてるな!って、あれ? 自分どこに座ればいい?」
やよい「あっ、すみません響さん! 今退きますね!」
響「いいよいいよー。やよいは座ってなって」
やよい「う~ん……それじゃよかったら私と一緒に座りませんか?」
千早「!?」ガタッ
響「うぇ!? いいのか、隣に座っても?」
やよい「はい!」
千早(くっ、その手があったわね)
美希「ねぇ響。『てびち』ってどーいう料理なの?」
響「うん、どっちかっていうとおでんに近い料理なんだけどね、豚足を柔らかく煮込む料理かなー」
真「へー。豚足だと匂いとかきつくない?」
響「そんなことないぞ!ちゃんと下茹したり、刻みネギやおろし生姜を添えると臭みもあまり気にならなくなるんだから」
やよい「それに、豚足ってコラーゲンがたっぷりで健康にもいいし、美味しい食材っていいますよねー」
美希「ミキには、あまり関係ない話なの」
伊織「そうね。美肌だの健康食だの気にしだしたら女として終わりよ」
やよい「えー。でもこの間、小鳥さんが美味しいスッポン料理を食べてきたって嬉しそうに話してたよー?」
春香「やよいー? なぜ今その話をしたのかなー?」
やよい「ふぇ? だって、小鳥さん全然綺麗じゃないですかー」
響「やよいは可愛いな~!」
やよい「あわわ! 響さんそんな、わしゃわしゃ~ってしないでください~。くすぐったいですよ~」
千早「……くっ」
― 765プロ事務所 (同時刻) ―
小鳥「ぶぇぇぇぇくしょぉぉぉぉん!!」
小鳥「……えへへ、どこかで、イケメンのお金持ちが私のこと噂しているに違いないわ! これは素敵な出会いの よ ☆ か ☆ ん」
小鳥「そうねー、きっとこんな感じだわ~」
小鳥「私の行きつけのバーでマスターにいつもの如く、くだを巻いているところに偶然っ! イケメンのお金持ちが登場!」
小鳥「マスターと私のその、飾りのないやり取りに心を射抜かれた彼は私にメロメロになっていく!」
小鳥「あぁ~ダメよ! まだ出会ったばっかりなのにそんな、そんなことまでぇ~!」
小鳥「……」
小鳥「大人の階段のぼる~君はまだシンデレラさ……」ボソッ
小鳥「……うぅ」
― ― ―
― ―
―
一同「ごちそうさまでした」
美希「もうミキ、これ以上食べられないの~」
響「自分もだぞ~」
千早「そうね、とっても美味しかったわ。ありがとう春香、我那覇さん、高槻さん」
やよい「そんなー。私は家でいつもしていることをしただけですよー」
響「自分もいつもしていることだから、そんな大したことしてないぞ」
千早「ううん、そんなことない。真も、肉じゃがとても美味しかったわ」
真「へへぃ。あんなので良ければまた作ってあげるよ」
美希「あーダメだよ、真くん! そういうの節操が無いって言うんだよ!」
千早「ふふっ。それに真は、美希と、そして水瀬さんと一緒に、私をこんな素敵な催しに参加させてくれてありがとう」
伊織「ふん、何言ってるのよ。当たり前じゃない、そんなこと。むしろ、あんたの家に押し掛けた私たちがお礼を言う方よ」
美希「ミキも千早さんが楽しんでくれて嬉しいの!」
春香「ふふっ、そうだね美希。私も千早ちゃんが楽しんでくれて嬉しいなー」
千早「春香はその……今日もそうだけど……日頃からいろいろ私のサポートしてくれて本当にありがとう」
春香「ふぇ!?/// いや、そんな真面目な顔して見つめられたら私……照れちゃうよ、千早ちゃん///」
美希「ヒューヒューなの、お二人さん!」
春香「ちょっと美希! からかわないでよ!///」
ピーンポーン
春香「――あっ! ほ、ほら貴音さんたちが着いたんじゃないかな!? 私ちょっと行ってくるね!……って、きゃっ!」
どんがらがっしゃーん!
春香「いたたたた……」
千早「春香! 大丈夫?」
春香「うん……平気だよ千早ちゃん」
千早「もう……ほら、私も一緒に行くわ」
春香「う、うん」
やよい「春香さん……また、何もないところで転んじゃいました」
伊織「……あんたが囃し立てるからよ」
美希「違うの。あれは春香の特技だよ。あはっ☆」
響「それが否定できないのが、春香の残念なところさ~」
真「いや、逆に春香の良さとも言える」
響「さて、それじゃ貴音たちのために、第2弾の準備に取り掛か――」
貴音「ひびき!」ガチャ
響「うがぁ~! ビックリした!」
貴音「!?」
貴音「……あぁ、そんな……響、あんまりです」
響「えっ!? ちょ、貴音!? そんな、膝から崩れ落ちてどうしたんだよ!?」
雪歩「ご、ごめんなさい。遅くなりました!」
亜美「あー! ひびきんがお姫ちん泣かしてるー!」
真美「ふむふむ……これが、修羅場ってやつですな」
あずさ「あらあら~ うふふ。ほんとね」
響「うがぁ~! 誤解だってば! いきなり貴音がしがみ付いてきて崩れ落ちたんだよ!」
律子「ちょっと貴音! あんたいきなり人ん家に上がり込んで何やってんのよ……」
伊織「一気に騒がしくなったわね……」
春香「あははっ、そうだね」
律子「ごめんなさい千早。私から後で、ご近所さんに謝罪しとくから」
千早「ううん、そんな……たぶん大丈夫よ」
亜美「んっふっふ~ 律っちゃん! それならこのせくちーな亜美が一緒についてってあげようか~」
真美「んっふっふ~ それなら真美だって、このボン・キュッ・ボンでどんな兄ちゃんも姉ちゃんもイチコロだよ!」
美希「ミキも一緒に行くー!」
律子「や か ま し い」
貴音「ひびき……約束したではありませんか……私たちが到着するまで、鍋は絶対に……残しておくと」
響「なんだ、そんなことか」
貴音「なんだとはあんまりではありませんか!!」
響「だから、なんくるないってば~。貴音たちの分は第2弾としてちゃんと残ってるから。今から準備しようと思ってたところ」
貴音「誠ですか!」
伊織「……親の仇を見るような目から一変、地獄で仏様に出会ったような顔をしているわ」
真「あははっ。確かに響の言う通り、食べ物が絡んでいる時の貴音をなだめるのは大変そうだ」
やよい「響さん。貴音さんもお腹空いてるみたいですから、次のお鍋の準備しちゃいましょう!」
響「うん、そーだね。……いいか、貴音。ちゃんとそこで大人しく待っているんだぞ?」
貴音「はい」
伊織「主従関係が確立してる!?」
雪歩「ごめんね、真ちゃん。遅くなっちゃって」
真「ううん、お疲れ雪歩。お腹空いてるでしょ?」
雪歩「うん、鍋パーティすっごい楽しみにしてたから今日はご飯控えめにしてたんだ」
真「あははっ。次の鍋が出来上がるまで少し時間がかかるみたいだから、その間ボクが作った肉じゃが食べてみる?」
雪歩「!?」ガタッ
貴音「!?」ガタッ
雪歩「えっ、嘘!? この肉じゃが、ま、真ちゃんが作ったの!?」
貴音「これは誠、美味なる匂いが致します!」
真「うわわ~! 二人とも落ち着いて!……まさか、こんなに反応するなんて」
亜美「えーなになに? これ、まこちんが作ったの?」
真「うん、そうだよ。へへ~ん、凄いだろ!?」
真美「まこちん、もっと上手にウソ付かないとダメだよ」
真「ウソじゃないよ!」
美希「ホントだよ。あれはミキとデコちゃんが、真くんの手料理が食べた~いって話をしたら作ってくれたの!」
律子「へえ~ 意外にやるわね、真」
あずさ「これならいつお嫁さんに行っても大丈夫ね、真ちゃん」
真「本当ですか!? いや~ 嬉しいな~」
雪歩「あの、千早ちゃん!」
千早「何かしら? 萩原さん」
雪歩「タッパーとかないかな!? ちゃんと洗って返すから……ううん、新しいの買ってあげるから私に譲ってくれない!?」
千早「え!? えぇ……タッパーならひとつだけ持っているけれど」
雪歩「ほんと!? ありがとう千早ちゃん!」
春香「あははっ……あれ? そういえばプロデューサーさんは?」
律子「そうそう、プロデューサーなら……」
P『こんな時間にアイドルのみんなと、ましてやアイドルが住む家に上がり込むのはいろいろとまずいから俺はいいよ』
律子「……って言って事務所に戻っちゃったわよ」
美希「えー! ハニーと一緒にイチャイチャしたかったのにー!」
律子「だから、それがまずいって言ってるのよ!ったく」
春香「でも、プロデューサーさん……ご飯とかまだ食べてなかったんじゃ」
律子「うーん……どうかしら?」
真「せめて、顔だけでも見せてくれたら差し入れとかできたのになー」
律子「なら、電話して一度こっちへ戻ってきてもらいましょうか? まだそんな遠くまで行ってないと思うし。差し入れなら喜
んで受け取ってくれるはずよ」
春香「それなら私、電話してみます!」
真「……とは言ったものの、差し入れするって言っても、鍋は無理だし……ん?」
雪歩(真ちゃんの手料理! 四条さんに全部食べられちゃう前に回収しなくちゃ!)
真「さすが、雪歩! 手際が良いね!」
雪歩「えっ」
真「プロデューサーの差し入れ用にボクの肉じゃが、タッパーに詰めてるんだよね?」ニコッ
雪歩「えっ! いやこれはその……」
雪歩(真ちゃんの……純粋な笑顔が眩しいよー)
雪歩「……うん。プロデューサー、きっとお腹空かしていると思うから……」
春香「プロデューサーさん、10分くらいでこっちに戻って来れるって!」
真「オッケー。それじゃこれはプロデューサー用に、っと」
美希「うぅ……せめて、差し入れと一緒に渡すハニーへのラブレターを書くの」
律子「事務所には小鳥さんもまだ残っているみたいだから、小鳥さんの分も出来れば用意してあげて」
美希「ちょっと待ってなの! こんな時間にハニーと小鳥が事務所で二人きりなの!?」
律子「はぁ? 大丈夫でしょ。あのプロデューサーが小鳥さんに何かするわけな――」
美希「ハニーが危ないの!!」
律子「……なるほど」
― ― ―
― ―
―
響「ふふふっ。ここでドロ2を切って自分、ウノだぞ!」
亜美「んっふっふ~ それじゃ亜美もドロ2出しちゃうよー」
真美「あま~い! 真美もドロ2を出してターンエンド!」
やよい「うう~そんな……あっ、私もありましたドロ2!」
千早「……ごめんなさい、我那覇さん」
響「うがぁ~! そんな~! えーと合わせて、にー、しー……10枚もドローしなきゃいけないのか、自分!?」
真美「ひびきん、ドロ2を出すときはちゃんとカウンターのことも考えておかなきゃダメっしょ☆」
亜美「詰めがあまあまですな~」
響「うぅ……」
貴音「まっふぁふでふ、ふぃふぃふぃ。まふぁふぁは――」(全くです、響。あなたは――)
響「もぐもぐしながら喋るんじゃないぞ、貴音! 何言ってるか全然わからないし! 次は貴音も一緒にやるんだからね!」
貴音「んっ……申し訳ありません。私もその余興を楽しみたいのですが」
貴音「しかし、私はこれからこの『とまとかれ~鍋』というものを食さねばなりません」
響「貴音……まだ食べるつもりなのか」
真「それじぁ、ボクが食器をどんどん洗っていくから伊織はこの布巾で食器を拭いてって」
伊織「わかったわ」
真「……」
伊織「……」
真「……『きゃ~ 手が滑っちゃった! 私ってドジだから……てへぺろ☆』とかダメだからな」
伊織「よかったわね~。今、私がお皿を持っていなければその憎ったらしい舌、引っこ抜くところだったわよ」
真「へへぃ。それは勘弁してほしいかも」
あずさ「次、あずさ歌いまぁ~す! ……お~も~いでをあり~がと~」
美希「……あずさ、さっきからずっと、そればっか歌ってるの」
雪歩「あずささんって、お酒飲むとこんな感じになるんだね」
春香「うーん、前にもあずささんが酔っ払ってるところ見たことあるけど、こんな感じじゃなかったような……」
律子「……実は今日ね、あずささんの友人から結婚報告があったみたいのよ」
春香「あはは……なるほど」
律子「はぁ~ あずささん、明日はグラビアの撮影なんですからほどほどにして下さい」
あずさ「大丈夫ですよ、律子さ~ん。心配性なんですから~。ほら~ 律子さんも一緒に飲みませんか~?」
律子「いやだから、私はまだ未成年だって言ってるじゃないですかーもう」
伊織「――ったく、あずさはあれと方向音痴がなければ完璧なのに」
真「あははっ。あの律子がたじたじじゃないかー」ニコッ
伊織「……」
真「ん? どうしたの伊織?」
伊織「べ、別になんでもないわよ!/// ほら、早く次のお皿渡しなさいよ!」
真「おっと、ごめんごめん……はい」
伊織「ふん!///」
真「……」
伊織「……」
真「あのさ、その……伊織」
伊織「何よ」
真「ボクの手料理……どうだった?」
伊織「ふぇ!?」
真「いやその!/// ほら、ごたごたしてて、伊織にちゃんと感想聞けなかったから……どうだったかなーって少し気になってさ」
伊織「あ、あーあの肉じゃがね! うん、そ、そうね~ まぁまぁだったかしら///」
真「へへぃ……そっか。だよね」
真「やっぱり、伊織ん家のコックさんみたいに美味しく作るのは難しいよなー」
伊織「えっ」
真「ほらあの時、『伊織お嬢様のお口に合いますよう精一杯務めさせて頂きます』って言ったじゃん?」
真「だからさー、それから、やよいや響に何度か料理を教わったんだけど……」
伊織「待って! ちがっ――」
真「くっそー! やっぱりボクのお嫁さんスキルはまだまだかぁー! これからもっと修行していかな――」
伊織「……」ギュッ
真「ん? 何、伊織。ボクの服なんか掴んで。まさか、ボクの服で手を拭くつも――」
伊織「……うそよ」
真「え?」
伊織「ほんとは……すごく美味しかったわよ!」
真「!?」
伊織「さっきはその、少し驚いて適当なこと口走っちゃっただけで、別にあんたの手料理を貶したわけじゃないんだから!」
伊織「だから! その、なんていうか……変に落ちこまな――いぃふぁふぁふぁ!」
真「……」
伊織「……えっ?」
伊織「なんであんた今……私のほっぺ引っ張ったの?」
真「いやだって、なんかやたら素直だから本物かなーって思って」
伊織「わ、私だって! 素直な時くらいあるわよ!……何よ、人が真剣に話しているって言う――」
真「へへぃ。ありがとう、伊織」ナデナデ
伊織「っっっっ///」
響「おーい、まことー! いおりー! 洗い物は一旦それくらいにして二人も一緒にウノやろうよー」
真「よーし、響! 先にどちらかが3回負けた方は罰ゲームってのはどう?」
響「受けて立つぞ!」
真「よし! ほら伊織、ボクたちも行こう!」
伊織「えぇ、先に行ってて。私は後、これだけ拭いちゃうから」
真「オーケー。それじゃボクは先に行ってるね」ニコッ
伊織「……」
伊織「全く……ほんと単純なんだから」
真『へへぃ。ありがとう、伊織』ナデナデ
伊織「……ほんと、単純なんだから」
美希「デコちゃん、頭さすってどーしたの? 痛いの?」
伊織「!?」
伊織「べ、別に! 頭にゴミが付いていたから取ってただけよ!///」
美希「ふーん……そんなことよりデコちゃん。ミキに内緒で真くんとあいびきしてたでしょ?」
伊織「んなっ!/// してないわよ! 真と一緒に洗い物してただけでしょ!?///」
美希「そなの? ミキ、てっきりデコちゃんが真くんに手料理ごちそうしてあげる約束でもしているのかなと思ったの」
伊織「な、なんでそんな具体的な妄想をしているのよ!? それに前にも言ったけど私は料理なんてやらないって――」
美希「デコちゃんの嘘つき」
伊織「はぁ!?」
伊織「何なのよ、急に」
美希「え~だって、デコちゃん。この間、事務所近くの本屋さんで、お料理本コーナーの前をうろうろして――」
伊織「!?」
美希「いたのミキ目撃しちゃったの――って、むぐっ!? むむむー!!」
伊織「なんで、あんたがあそこにいたのよ!? まさか……あんた私の後をつけていたでしょ!?」ボソッ
美希「むぐぐー!……ぷはぁ! デコちゃんひどい! いきなりミキのお口塞ぐなんて、窒息したらどーすんの!?」
伊織「大きな声出すんじゃないわよ! あんたが窒息しようがそんなこと、どうだっていいわよ!」ボソッ
伊織「――そうよ、今はそんなことどうだっていいのよ! あんた、このこと誰にも言ってないわよね!?」ボソッ
美希「もう!……デコちゃんがお料理本を何冊か買ってたことなんて誰にも言ってないよ」
美希「そんなことより、あんな本買ってどーするの?」
伊織「ちちちち違うわよ! 誰が自分のために買った本だって言ったかしら!」
伊織「あれはその……そう! エッチな本を買うためにそれだけじゃ恥ずかしいから仕方がなく料理本も一緒に買っただけなん
だからね!」
美希「うん、とりあえずデコちゃん、少し落ち着いてなの」
真「いおりー、まだ食器拭いてるの?」
伊織「ちょ、ちょうど今終わったところよ! ……とりあえず、この話は誰にもしちゃダメだからね!」
美希「あっデコちゃん、まだ話は終わって……もう!」
あずさ「友美だけは……ずっと一緒にいてくれると思ってたのにー!」
律子「あずささん!? ちょちょっとストップストップ!」
雪歩「わぁ/// あずささん、大胆です///」
あずさ「律子さんの胸の中……あったかぁ~い」
律子「っ/// あ、頭でぐりぐりしないでください!」
春香「みきー! お水まだー?」
美希「今、持っていくからもう少し待ってなの。……もう! あずさも飲みすぎなの!」
伊織「ごめんなさい、遅くなったわ」
響「よし! 伊織も参戦することだし、気を取り直してババ抜きでも――」
真「おっと! 逃がさないよ響……あと残り2回だから」
響「……うぅ」
真美「ひびきんはカードの切り方が素直すぎるんだよ~」
貴音「響……その、とまとかれ~鍋、食べ終わりました」
響「うんそうか、よかったなー貴音……美味しかったかー?」
貴音「もちろん、響が私の為に作ってくれた料理が美味しくないわけがありません」
貴音「感謝を示すため、この鍋料理も最後の一滴まで食すことが私の務めです」
響「……つまり、締めにラーメンが食べたいと?」
貴音「その……出来れば」モジモジ
響「うぅ~/// あーもう! わかったぞ! 作ればいいんでしょ! 今から準備するから少し待ってて」
貴音「はい!」
真「あっこら! 響!」
伊織(響のピンチを救った……のかしら? にひひっ。まぁ、貴音も響の扱いがこなれてるってことね)
伊織「まぁ真、私が響の代役を務めれば問題ないでしょ?」
真「おっ、伊織……強く出たなー。1回負けのビハインドだけどいいのかい?」
伊織「にひひっ。そんなもん……勝てばいいんでしょ?」
亜美「あっ、いおりんのあの目……」ボソッ
やよい「うぅ? どーしたの亜美?」
真美「うむ。こりゃ、勝負あったね。さらばだ、まこちん。君はいいやつだったよ」
千早「ふふっ。本当に今夜は楽しい夜だわ」
その日、千早の家では笑い声が絶えなかったとさ。
お し ま い
『てびち』についてはグーグル先生に聞いただけなので、もし間違っていたらすまん。
思いのほか長くなり、テンポが悪くなってしまった……
それなのにROM&レスしてくれた方。
そして、これからROMってくれる方&もし感想レスしてくれる方、ありがとう。
おつ
事務所のPと小鳥さんの描写もみたかった
>>48
実はもう書いてあるから後日、あげますね。
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