兄は兎。姉は猫。弟は狼。妹は熊。父は鼠。母は狐でおれ人間。 (6)

兄(兎)「おい、お前ら!!俺のおやつ食っただろ!?」

姉(猫)「あたしが食べる訳ない。……あんたでしょ」

弟(狼)「ぼく違うよ!おいしそうとは、まぁ思ったけど……」

妹(熊)「お兄ちゃん、また食べられたの?」

兄「そうだ畜生!!大事に取っておいたのを!!」

母(狐)「騒がしいから叫ぶのやめてもらえないかしら?毎度毎度、よく声が枯れないわね」

父(鼠)「…………」(思わず目を逸らす

兄「親父!親父なら何か知ってるだろ!?ずっとここ(居間)に居るんだし」

父「………し、知らん」

兄「はぁ!?……おい、お前もなんか言えよ!!さっきから黙ってばっかでよ!」

姉「迷惑だって。ねぇ?猶ちゃん」

弟「猶兄ちゃん!無視していいよ?」

妹「猶お兄ちゃん、元気ないけど……大丈夫?」


おれ(人間)「………(あ゛ぁ~~~)」

おれ、猶。中2。
この家でただ一人の人間。

おれ(人間)「(まともな奴がいねぇ……)」

これがおれの日常。


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ある日の朝

おれ「行ってきまーす」

母「いってらっしゃーい」

父「今日は早めに帰ってこいよ」

おれ「………?なんで?」

父「何でって……そりゃあ今日はおm」

次の瞬間、狐の母に潰される鼠の父。

母「何でもないわ、ちょっと用事があるのよ。ねぇ?お と う さ ん?」

父「……ぅ、で……」

おれ「早く帰ってくればいいのは分かったから、早くどかないと死ぬぞ父」

母「まぁ」

おれ「っと!おれそろそろ行かねえと遅刻する!」

おれはそう言って、
足早に通学路を駆けていった。

おれ「間に合った…………」

息を切らしながら席に着く。

僚「よ」

おれ「……よ」

僚「毎度お疲れのようで」

おれ「それ言いに来ただけなら殴るぞこのやろ」

僚「こっちはいたわってやってんのに」

クラスメートで友人の僚。
やたらとつっかかってくるウザい奴。

おれ「誠意がねえ」

僚「ゆっち(猶のこと)は誠意込めるレベルじゃないから」

ひでえ。

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