西也「廃校を阻止する……だと?!」 (45)
西也「なぜ俺がやらなければならないか、20文字以内で簡潔かつ的確に述べてくれ」
ことり母「遊園地を再建させたその手腕が欲しいの。頼めるかしら」
西也「いいか、甘城ブリリアントパークが再建されたのはキャストが俺の指示通り忠実に動いたからだ。社会を知らない学生に俺の指示を忠実に守るという確証はない」
ことり母「あなただって高校生じゃない」
西也「それでも俺は甘城ブリリアントパークを再建させたという実績がある。それに比べてどうだ、ここの生徒からは活気が感じられない。職員だってそうだ。もうすでに決定事項とはいえ廃校を阻止すべき対策を講じてきたかどうかすら怪しい」
ことり母「そうね。それを言われるとこちらも反論できないわ」
西也「それで?」
ことり母「それで?……って?」
西也「いつまでにどうすればいいか、具体的なプランを教えてもらおう」
ことり母「う……その、今はまだ」
西也「アンタは今まで廃校になっていくさまをただ傍観していただけなのか」
ことり母「ほ、ほら、生徒の自主性を――」
西也「生徒の自主性に任せた結果入学希望者は減少し、廃校の危機に陥っているわけだが、なにか反論は」
ことり母「……そのとおりね」
西也「くだらん。帰る」
ことり母「あ、ちょっと!」
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Love Live meets AMAGI BRILLIANT PARK
以前建てたスレを新しく建てました。
こちらで完結させようと思います
――――――――――――
西也「全く、とんだ時間の無駄だったな。あの理事長は何を考えてやがる」
穂乃果「音ノ木坂学院廃校阻止のため、ご協力よろしくお願いします!」
西也「あ?」
穂乃果「あの、音ノ木坂の廃校を阻止するために、署名を集めてるんです!もしよければ、ご協力よろしくお願いします!」
西也「生徒の自主性、ね。おい、そこのお前」
穂乃果「は、はい!」
西也「こんなところで何をやっている」
穂乃果「あ、あの、署名に協力いただけませんでしょうか!」
西也「だから、何をやっていると聞いているんだ。質問の趣旨を理解しろ」
穂乃果「あの、ええと、音ノ木坂学院が廃校になっちゃうのがさみしくて、存続に向けて署名を集めているんです!」
西也「お前1人でやってるのか。協力者は?」
穂乃果「その、まだ集まってなくて……」
西也「そうか。それで、何人集めることが目標なんだ?」
穂乃果「そ、そういうのは……特に」
西也「いつまで集めるつもりだ」
穂乃果「それもまだ……」
西也「はぁ……どいつもこいつも愚かすぎる!こんな学校、大嫌いだ。どうせすぐに潰れる。ここで延命したところでいずれまた同じことが起きるに決まっている」
穂乃果「ちょっと待って!君はそうやって人の努力を笑うの?」
西也「努力?ハッ、いいか、努力というのは、結果につながらなければ水の泡だ。尾前がそこでど旅空をして署名を集めても、上の人間が動かなければすべて終わりなんだ!無駄なんだよ」
穂乃果「でも――」
西也「否定をする根拠があるのか?」
穂乃果「私はわたしのやり方で、音ノ木坂を存続させる!」
西也「……いい目をしている。お前、名前は」
穂乃果「え、こ、高坂……穂乃果」
西也「俺は可児江西也だ。理事長室まで案内しろ。今すぐだ」
穂乃果「え、いいけど……どうして?」
西也「ビジネスの話だ」
――――――――――――
西也「全く、とんだ時間の無駄だったな。あの理事長は何を考えてやがる」
穂乃果「音ノ木坂学院廃校阻止のため、ご協力よろしくお願いします!」
西也「あ?」
穂乃果「あの、音ノ木坂の廃校を阻止するために、署名を集めてるんです!もしよければ、ご協力よろしくお願いします!」
西也「生徒の自主性、ね。おい、そこのお前」
穂乃果「は、はい!」
西也「こんなところで何をやっている」
穂乃果「あ、あの、署名に協力いただけませんでしょうか!」
西也「だから、何をやっていると聞いているんだ。質問の趣旨を理解しろ」
穂乃果「あの、ええと、音ノ木坂学院が廃校になっちゃうのがさみしくて、存続に向けて署名を集めているんです!」
西也「お前1人でやってるのか。協力者は?」
穂乃果「その、まだ集まってなくて……」
西也「そうか。それで、何人集めることが目標なんだ?」
穂乃果「そ、そういうのは……特に」
西也「いつまで集めるつもりだ」
穂乃果「それもまだ……」
西也「はぁ……どいつもこいつも愚かすぎる!こんな学校、大嫌いだ。どうせすぐに潰れる。ここで延命したところでいずれまた同じことが起きるに決まっている」
穂乃果「ちょっと待って!君はそうやって人の努力を笑うの?」
西也「努力?ハッ、いいか、努力というのは、結果につながらなければ水の泡だ。お前がそこでどれほど努力をして署名を集めても、上の人間が動かなければすべて終わりなんだ!無駄なんだよ」
穂乃果「でも――」
西也「否定をする根拠があるのか?」
穂乃果「私はわたしのやり方で、音ノ木坂を存続させる!」
西也「……いい目をしている。お前、名前は」
穂乃果「え、こ、高坂……穂乃果」
西也「俺は可児江西也だ。理事長室まで案内しろ。今すぐだ」
穂乃果「え、いいけど……どうして?」
西也「ビジネスの話だ」
――――――――――――
ことり母「引き受けてくれる気になったかしら」
西也「それで、具体的な採算ラインは」
ことり母「そうねぇ……一応、普通科定員200人ってところかしら」
西也「不可能だ」
ことり母「理由は?」
西也「廃校寸前の学校が、今までどおりのことをして200人もの生徒を集めることが出来た、という事例がないからだ」
ことり母「でも、前例がないほどの利用客増を記録したあなたなら」
西也「俺は確かに頭脳明晰で運動抜群な好青年だ。それだからこそいわせてもらう。そんなマジカルでミラクルでブリリアントな話がいくつも転がってると思うな。もういい、それならば放課後に職員を集めさせろ。緊急会議だ。明日までに提言をまとめ、明日の朝、全校集会を開く」
西也「今日集まってもらったのは他でもない。音ノ木坂学院の廃校を阻止するために、今後どうすべきか方針を固めたいと思う。紹介が遅れて申し訳ない。俺は可児江西也。過去に甘城ブリリアントパークというテーマパークを再建させ、現在も支配人代行として仕事をこなしている男だ」
――ザワザワ
西也「静まれ!この俺が関わる以上、絶対に失敗は許されない。その覚悟でやってもらう。いいな」
教師A「……そこまで啖呵をきられたのなら、なにか策はあるのでしょうか?」
西也「そうだな、まず、この学校に特色を出す。例えば、新しく学科を設立し、その学科を全面に押し出して広告を打つ」
教師B「その学科というのは……」
西也「そうだな、芸術学科だ。特に音楽と、学習指導要領の改訂で必修になったダンス。これらを組み合わせ、芸能界に通用するような人材を育成する」
教師C「あの、冗談……ですよね?」
西也「冗談ではない。俺は本気だ」
教師D「しかし、その子たちのパフォーマンスをする場所とか、練習とか、そういうものは……」
西也「俺の肩書は?」
教師D「はい?」
西也「俺の肩書を言ってみろ」
教師D「甘城ブリリアントパーク、支配人代行……」
西也「そうだ!芸術学科の生徒には甘城ブリリアントパークでライブをしてもらい経験を積んでもらう。ダンスや歌のトレーニングも、ウチに専門家がいるから問題ない。教員免許を取得していないので指導は出来ないがサポートは出来る。しかし、教育面でサポートが出来ても生徒が集まらなければ意味が無い。その芸術学科をPRするためにも生徒の力が必要不可欠だ。明日、俺が壇上に立ち、スピーチを行う。俺の役職は、そうだな……音ノ木坂学院廃校阻止事業部部長代行、とでもしておこう。事業部長は理事長にしてもらう、異議があるものはいるか?」
ことり母「それだけのことをすると、予算がかなり必要なのだけれど……」
西也「来年はいる学費で補填しろ。補填できる人数と学費設定にしておいてやる。また、ウチからも多少の援助はするし、無駄なところをすべて処分していく、いいな!」
――――――――――――
――――――――――――
西也「あー、国立音ノ木坂学院生徒の諸君。私は可児江西也だ。音ノ木坂学院廃校阻止事業部、事業部長代行に就任した。この学校を存続させていくためには何でもやる、それが俺のポリシーだ」
絵里「異議あり」
西也「異議を認めよう、しかし、最後に質疑応答の時間を作るから、それまで発言しないように」
絵里「それでも――」
西也「これ以上の妨げは生徒指導の対象とする。最後に時間を作るといっただろう」
絵里「くっ……」
西也「話を続ける。結論から言おう。存続は、現状では不可能だ。お前らが訝しげな目で俺を見ている内は。俺みたいな若い男に何が出来る、自分たちのほうが上手くやれる、自分は俺の言うことを聞きたくない。協力は無理……いろいろな意見はあると思うが、まずは聞いてほしい」
――ザワザワ
西也「廃校を回避するためには、入学者を増やさなければならない。そのために、この学校に学科を新設することにした。音楽やダンス、演技や美術など、様々な芸術に関することを総合的に学べる学科だ。それを設置して独自性をアピールしていく。さらに、その学科の生徒の中から、学校をPRするグループを結成し、将来的なPR活動を一任する方向で考えている」
西也「しかし、新入生だけでは火力不足だ。そこで、在校生で結成されたPRグループを作りたい。もちろん、今の3年生は厳しいが、2年生の諸君は、先輩として芸能学科に転科してもらうことも考えている。これが、俺の考える存続計画の礎だ。質疑応答に移る。先ほどの金髪、なにか意見があれば述べよ」
絵里「あ……こ、こんなの!認められません」
西也「決定事項だ。」
絵里「3年の、絢瀬、絵里です……そんな、一方的な報告、生徒会長として、認められるわけ無いじゃないですか!」
西也「生徒会ってのはそんなにえらいのか。理事長に意見できるほど」
絵里「い、いえ……それは、その」
西也「学校の学生自治を認める風潮が強いようだが、それで結果を出せなかった。だからこのような自体に陥っている、違うか。お前はこれまで様々な策を講じてきたんだろうが、所詮「生徒の域」を出ない策ではどうしようもない。それが「廃校」ということだ。声を上げることは簡単だが、結果を出すことは難しい。お前が1番それを知っていると思うが」
絵里「あなたは、この学校の生徒をなんだと思ってるんですか!」
西也「決まっている、この学校を存続させるための駒だ。それ以上でも以下でもない。以上で集会を終わりにする。あ、最後に、PRグループに加入を希望するものは、高坂穂乃果、という生徒に連絡するように。以上」
穂乃果「え、ええええっ……」
――――――――――――
西也「ここが、廃校対策室……」
ことり母「ええ、ここで、お願いするわね」
西也「甘城ブリリアントパークの仕事もあるのだが」
ことり母「それについては問題ないわ、現地スタッフがきちんと対応してくれるもの」
西也「そうか、ならいい」
ことり母「それじゃ、よろしくね~」
西也「ふぅ……」
穂乃果「そ、その……し、失礼しますっ!」
西也「入れ」
穂乃果「あの、なんで、私が?」
西也「お前が1番まともな目をしていた。壇上に立ち、演説をするということは、人に訴えかけるということだ。生徒の目を見ていて、お前が一番前向きな目をしていた。それだけだ」
穂乃果「それで、私はどうすれば……」
西也「おそらく志願者はいないだろうから勧誘だな」
穂乃果「えぇ……」
西也「そうだな、最低でも各学年3人、9人は集めろ」
海未「失礼します」
穂乃果「海未ちゃん!」
西也「知りあいか」
海未「穂乃果の同級生で、2年生の園田海未といいます。よろしくお願いします」
西也「そうか。それで、何のようだ」
海未「私も、PRグループに入れて欲しいのですが」
西也「是非は高坂に決定権がある。どうする?」
穂乃果「え、えと……あの、うん!もちろん!」
海未「ありがとうございます。よろしくお願いします、穂乃果」
穂乃果「ううん、こちらこそよろしくね、海未ちゃん」
西也「よし、後もう一人集まった時点で、ライブをやる」
ほのうみ「「はい?」」
西也「このPRグループをPRするためのライブをする。いいな」
海未「はい、ですが私たちにはまだ体力などが――」
西也「1曲歌って踊るだけだ、体力はつけておけ。それと高坂、後もう一人、二年生から見つけてこい」
穂乃果「はい!」
ことり「あのー……」
西也「お前、名前は」
ことり「南ことりです。2年生です」
西也「南?お前、理事長の……」
ことり「はい、理事長の娘です。可児江さんは、さすがですね」
西也「まぁ、多少推測したまでだ。それで、お前も加入しに来たのか」
ことり「はい!服飾は任せて下さい。これから一緒に頑張ろうね、穂乃果ちゃん、海未ちゃん!」
穂乃果「ことりちゃんまで……うん、がんばろう!」
西也「よし、メンツは揃った。ライブに向けて練習だ。ライブは4月30日に行う。5月から本格的に始めるための前哨戦にしたいからな。それと、曲についてだが、曲は俺が手配しよう。ただし、作詞をやってもらいたい。この中で作詞が出来るのは?」
海未「私がやります」
西也「そうか、じゃあ任せた。ああ、そうだ。お前ら3人の名前は――」
――――――――――――
絵里「ほんっとムカつく!」
希「まぁまぁ、絵里ち、落ち着いて」
絵里「落ち着けるわけ無いでしょ!あそこまで馬鹿にされて、恥をかいたじゃない!」
希「でも、あの人の言ってることは、ウチは事実に思えたけどなぁ」
絵里「ええ、事実だから悔しいのよ。私は生徒会の人間で、生徒というくくりを超えた活動はできない……それでも最善を尽くしてきたつもりだったのよ」
希「絵里ちの頑張りは、みんな知っとるよ。もちろん、理事長も、校長もみんな」
絵里「じゃあ何で!」
西也「自分に任せてくれないか、ってか」
絵里「あなたは!」
西也「こんなところで傷の舐め合いをしている時点で察しがつく。お前は優秀だが頭の切れが悪い」
希「まぁまぁ、それで、何の用事なん?」
西也「ああ、そうだ。廃校阻止事業部を、部活として申請しろと言われたのでな、その申請書だ」
絵里「不可能ね」
西也「理由は」
絵里「すでにそのような部活動はあるもの」
西也「何だと?」
希「アイドル研究部って言うのがあって、そこと内容がかぶるんよ」
絵里「生徒会としても、内容が重複する部活動に対しては、申請されても認めない方針だわ」
西也「そのアイドル研究部とやらはどこにある」
絵里「部室棟の3階よ。行けばわかるわ」
西也「そうか、じゃあな」
――――――――――――
――――――――――――
にこ「で、アンタ、何しに来たの?」
西也「結論から言う、アイドル研究部とやらは廃部とし、今後は音ノ木坂学院存続事業推進本部へ名称変更し、俺が顧問となり、お前に部長になってもらう」
にこ「ハァ?!アンタ、何勝手なことを言ってんのよ!」
西也「いいか、この学院をPRするためにはアイドルしか無い。UTX学院も、A-RISEとかいうグループが学校をPRしているだろう。そのような組織をここに作る」
にこ「それは、高坂穂乃果とかいう子のグループのこと?」
西也「そうだ、そのグループに加入してもらう」
にこ「イヤよ」
西也「なぜ?」
にこ「私だって、スクールアイドルとして活動していた時期があったの。だからわかる。アンタみたいな何も知らない人間に出来るわけない!」
西也「それで?」
にこ「は?聞いてなかったの?A-RISEみたいには簡単に――」
西也「だからどうした。簡単じゃなくてもやらなければいけない。お前は様々な資料を収集しているようだ。その知識が必ず役に立つ。だから、協力してくれ。廃校を食い止めるためにはお前の力が必要だ」
にこ「ふんっ!しょーがないわね!この矢澤にこ様が協力してやるわよ!感謝しなさい」
西也「お前、ちょろいな」
にこ「なんか言った?」
西也「いや、何も」
――――――――――――
絵里「書類不備と活動内容に関して文句は無いわね。ただ――」
西也「人数、ってわけか」
絵里「そうね、部を創部するためには5人以上の部員がいなければ認められないわ。それ以下を同好会と規定している。まぁ、同好会としてまずは発足させてもいいけれど、予算を配分することは不可能ね」
西也「そうか、なら、同好会として認めてもらおう」
絵里「それなら問題ないわ。活動して結構よ」
西也「当たり前だ。ああ、それと、講堂の使用許可を求める」
絵里「理由は?」
西也「新入生を勧誘するためだ」
――――――――――――
穂乃果「それで、どうなりました?」
西也「俺の手腕を舐めるなよ。同好会として発足が決定した。そしてコイツが、4人目の部員だ」
にこ「こいつってどういうことよ!」
西也「コイツはコイツだ」
穂乃果「えと……1年……生?」
にこ「3年よ!にっこにっこにー!あなたのハートににこにこにー!笑顔届ける矢澤にこにこー!にこにーって覚えてラブにこ!」
――……
にこ「何よその反応は!」
西也「毒キノコでも食ったか?」
穂乃果「あ、あはは……高坂穂乃果です……よろしく」
ことり「南ことりです……」
海未「園田海未です」
西也「とにかく、これで新入生歓迎ライブを行う。それまでに園田、作詞をしておくように。それと、曲はもう用意してある。テーマは、明日に向かって、だ。これが音源データだ。紛失しないように管理してくれ」
海未「分かりました」
にこ「あ、アンタ、作曲、出来るの?」
西也「この容姿端麗成績優秀運動神経抜群な俺様に、欠点など無い!ふはははははは!そんなことより、振付だが、矢澤と高坂に任せる。いいな」
穂乃果「わかったよ!」
ことり「あの……練習場所は……?」
海未「確かに、ここでは少し手狭ですし、屋上はどうでしょう?」
穂乃果「屋上か!いいね、そうしよう!」
西也「ダメだ!屋上は危険すぎる。万が一事故で転落したらどうする」
にこ「まさかアンタ、高いところが苦手なのぉ?」
西也「そそそそそんなことは……」
穂乃果「じゃあ、屋上でけってーい!」
――――――――――――
海未「あの、失礼します」
西也「どうした?」
海未「作詞についてなんですけど……」
西也「お前に一任すると言ったはずだが」
海未「出来たことには出来たので見ていただきたいのですが」
西也「そうか、よし。じゃあ、見せてもらおう」
海未「はい、イメージにあっているでしょうか?」
西也「ススメ→トゥモロウ……いい詩じゃないか。よし、これで行く……と言いたいところだが、作曲者の意見も聞かないとな」
海未「作曲者……?あなたが作ったのではないのですか?」
西也「ああ、俺はイメージを伝えただけだ。さて、じゃあ、ちょっと待っていてくれ」
――――――――――――
西也「音楽教師に頼んだところで出来上がるのは平凡なパクリにきまっている。作曲を生徒に任せたほうが面白いに決まっている。だが、そんな簡単に行くかと言われればそうではない……。畜生、俺がやるしか無い、か……ピアノの音?ああ、音楽室か。よほど熱心だな。よし」
真姫「~♪」
西也「ブラボー!素晴らしい。お前こそ、この俺が探し求めていた人材だ!」
真姫「うぇ、な、何?」
西也「ああ、申し訳ない。俺は可児江西也。この学校の廃校を阻止するために派遣されてきた男だ」
真姫「それで、そんな人が私に何のようなんですか?」
西也「決まっている。君の才能を利用して、廃校を食い止める」
真姫「才……能?」
西也「そうだ、お前にはセンスがある。すこし勉強すればすぐ芸術家に成れる。この俺が保証しよう」
真姫「あ、あの……勝手に盛り上がってる所悪いけど、協力しないわよ?」
西也「うるさい。お前の都合など聞いていない。首を縦に振って俺の役に立て」
真姫「何言って……」
西也「お前は虚しくないのか?その有り余る才能をひけらかすチャンスをやると言ってるんだ」
真姫「な……」
西也「才能をひた隠しに日陰を生きていくつもりか?」
真姫「そんなことないわ!私は、大舞台に立ってみせる!」
西也「そうか、ならついてこい。お前にとっておきの舞台を用意してやる」
――――――――――――
西也「ということがあってな、西木野、早く来い。作詞者だ」
真姫「西木野、真姫。1年生です」
西也「そういうわけだ。これで部活動の要件は満たした。あと1年生と3年生を各2人ずつ入れれば、俺の理想とするグループの完成だ。俺は生徒会室に行ってくる。話を詰めておけ。ライブまで時間がない」
海未「は、はい……」
真姫「あ、よろしく、お願いします」
海未「ええ、2年生の園田海未です。よろしくおねがいします」
真姫「こちらこそ、よろしくお願いします」
海未「ええと、とりあえず、こんな感じなんですけど……」
真姫「ええと、なるほど……じゃあ、少しずつ修正していきましょうか。音楽室に来てくれますか?そのほうが、その、メロディとかも作りやすいですし……」
海未「ええ、そうしましょう。協力できる部分では、協力させてください」
真姫「もちろん!」
――――――――――――
絵里「たしかに、5人ね……」
西也「ああ、そうだ。書類、人員に関する不備は無いはずだが」
絵里「そうね、何も言えないわ」
西也「なら決まりだ、今後は部活動として、予算がつくことを期待したい」
絵里「一つ、聞かせて欲しいの」
西也「ん?」
絵里「なぜあなたは、そこまで出来るの?」
西也「嫉妬か?自分ができなかったことに対するストレスを俺にぶつける気か?」
絵里「そうじゃないの。あなたは、その、言ってしまえばよそ者よね?なのに、なぜ精力的に動けるのかしら」
西也「……俺は失敗をしたくない。それだけだ」
絵里「でも――」
西也「まぁ、そうだな。一言で言えば、目だ」
絵里「目?」
西也「あいつの目だよ。高坂の」
絵里「目で、何かわかるの?」
西也「目は口ほどに物を言う、ってことわざ、知ってるか」
絵里「バカにしないで、それくらい――」
西也「あいつの目は、口以上にものを語ってるんだ。本気で音ノ木坂学院を存続させようという、その考えが、きちんとあったんだよ。俺が壇上で話した時、他の連中は懐疑的な視線を投げかけていた。しかし、高坂だけは、あいつだけはこれで廃校を食い止めることが出来るかもしれない、という希望に満ち溢れた目だった。これなら大丈夫、そう思ってあいつを指名したんだ……仕事の邪魔をした。失礼する」
絵里「待って!」
西也「何だ」
絵里「私の、目は……」
西也「嫉妬の視線だ」
――――――――――――
西也「ライブまで1週間だ。フリは完成したんだろうな?」
にこ「アンタに言われなくてもやってるわ。今は最終段階よ」
西也「衣装関係は?」
ことり「デザイン通りうまくいきそうです」
西也「そうか、今回ライブに出るのは高坂、園田、南の3人だ。次回以降は、西木野と矢澤にもライブに出てもらう」
にこ「ふん、次からはみーんな、にこのために来てくれる人ばっかりにしちゃうんだから!」
西也「その意気だ。ああ、そうだ。告知を行うことを忘れていた」
穂乃果「告知?」
西也「ああ、人を呼ぶためにはまず告知だ。学内には掲示とビラ配り。学外にはPVと掲示、ビラ配りを行う」
海未「あの……学院の中でやるだけではないのですか?」
西也「何を言っている。学内でPRするのは、あくまで新入生を歓迎し勧誘するためだ。音ノ木坂学院を存続させたければ、地域にアピールする必要がある。もちろん、国立の学校だから通学制限は特にない。今回学院内で行うライブは、新入生を歓迎し勧誘するためのライブだ。その後、1ヶ月に1度、新曲リリースを兼ねて地域でライブをしてもらう。また、プロモーションビデオを撮影し全国にアピールし、まずこの学校を知ってもらうことから始める」
にこ「芸能事務所の人間なの?アンタ」
西也「これくらい頭が回らなくてどうする。あと俺はまだ高校生だ」
穂乃果「こ、高校生?!」
海未「あなたも、私たちと同世代ということなのですか?」
ことり「え、えぇ……」
真姫「あり得ないわよ!どーしてそんなウソをつくのよ」
にこ「そうよ、ちゃんと説明しなさい!」
西也「説明も何も、俺は甘城高校2年生で、甘城ブリリアントパーク支配人代行だ。あと、あまり言いたくはないが、過去に子役をやっていたことがある。その時の経験則だ」
にこ「せいや……子役って……まさか、児玉誠也?!」
西也「そうだ」
穂乃果「じゃあ、これからは誠也くん、だね!」
西也「その名前で呼ぶな。せめて西也にしてくれ」
穂乃果「わかったよ、西也くん」
西也「まぁ、そんなことより、時間がない。まずは学院内でビラを配るぞ」
穂乃果「そうだね、私たちを知ってもらうことが大事だよ!」
真姫「ところで、私たちの名前って、どうするの?」
にこ「そうよ、グループ名が無いと、活動できないじゃない」
西也「すでに決めてある。グループ名は、μ’sだ!」
真姫「みゅー……ず」
にこ「石鹸じゃないの?」
西也「違う!ギリシャ神話に登場する文芸を司る女神、ムーサに由来している。どこぞの石鹸と同じにするな」
海未「女神、ですか」
西也「そうだ!お前たちがこの音ノ木坂学院を救う女神とならんことを祈り、この俺様が名づけたのだ!」
穂乃果「おおー!」
にこ「ふんっ!にこが女神?当たり前じゃない!世界でも何でも救ってやるわよ!」
西也「その意気だ。よし、では各員、状況開始ッ!」
――――――――――――
希「絵里ち、最近不機嫌やね。なんかあったん?」
絵里「そうね、やっぱり悔しいわ」
希「自分じゃできなかったことをされて?」
絵里「ええ、自分じゃあんなアイデア考えたこともなかった。自分の無力さを改めて感じるわ」
希「それで、嫉妬してるんや」
絵里「……希は、何でも知ってるのね」
希「カードがウチに告げるんよ」
絵里「そう」
希「ウチ、あのグループに入ってみようと思うんよ」
絵里「止めないわよ。生徒会の仕事をきちんとしてくれれば、私は何も言わないわ」
希「絵里ちもやらへん?」
絵里「はぁ?何言ってるのよ。私はあいつとは――」
西也「そりが合わないからやりたくない、ってか」
絵里「今度は何?申請は全て終わってるはずよね?」
西也「いや、お前に頼みがあって来た」
絵里「頼み?」
西也「ダンスを見てやってくれ」
絵里「イヤよ」
希「まぁまぁ、見てあげたらええやん」
西也「お前、何らかのダンスをやっていただろ」
絵里「なんでそれを……」
西也「動きを見ればわかる。所作の一挙手一投足が、全て決まっている」
希「よく見てるね」
西也「人材を発掘することも仕事だからな」
希「そうなんや。にこっちはちゃんとやれてる?」
絵里「なじまないでよ!私はあなたには協力しないわ」
西也「お前は廃校になるのを黙って見てるっていうんだな」
絵里「なんですって?」
西也「俺に協力しないということは、そういうことだ」
絵里「っ……!人の苦労も知らないで、知った口聞かないで!」パンッ
西也「お前の苦労なんか知らない、知ってたまるか!集会でも言っただろう、生徒の域でどうにか出来る問題ではない!いいか、生徒一丸となって対策を講じなければ勝利はない!」
絵里「……」ジワァ
希「今日は帰ってくれる?」
西也「何だと、まだ話は――」
希「帰って!」
西也「あ、ああ……」
――――――――――――
にこ「で、どうだったのよ、絵里に頼む話」
西也「ダメだった」
にこ「どーせアンタはいつもの様に上からつっかかっていったんでしょ?それで希あたりに怒られたんでしょ?」
西也「よく分かるな」
にこ「なんとなくね」
穂乃果「でも、どうしよう……」
海未「私が見ましょうか?」
西也「いや、オブザーバーは全体を常に見渡せる位置についておいてもらいたいから、パフォーマー以外が望ましいんだが……」
にこ「私がやるわ、少しくらいならアドバイスできるし」
真姫「じゃあ、先輩にお願いする形でいいんじゃない?」
西也「そうだな。じゃあ任せるとしよう。それと、ビラ配りの進捗状況は?」
ことり「200枚の内、100枚は配り終えました」
西也「そうか、そのまま続けてくれ」
穂乃果「100枚って、すごいよことりちゃん!これでライブにいっぱい人が来てくれるね!」
西也「残念だが、そうはいかないだろう」
海未「どういうことです?」
西也「駅前にいるティッシュ配りのバイトを思い浮かべてみろ。それが答えだ。しかし、やらないよりはやる方がいい。そういうことだ」
絵里「随分非効率じゃない、その方法」
西也「何しに来た」
絵里「その、ごめんなさい」
西也「用件を言え。謝罪は聞いていない」
絵里「その、さっき私が取り乱してしまった時のあなたの用件を聞きそびれてしまって」
西也「ダンスを見てくれ、それだけだ」
絵里「それだけ?」
西也「それだけだ」
絵里「そう……今は、誰が見てるの?」
西也「矢澤だ」
絵里「にこが?」
西也「そうだ。お前が断ったことも予測してたよ。あいつ、地味に洞察力が高い」
絵里「それで、上手く行ってるの?」
西也「これ以上は答える気はない。お前らがこのグループに入る、と言わない限りには」
希「ウチが入る」
西也「何?」
希「絵里ちから許可はとったから、あ、ウチは東條希。生徒会の副会長なんよ」
西也「そうか。東條、お前は矢澤の手伝いを頼む。なんだかんだで過労気味だ。それと、会長様に言っておけ、忙しいから帰れ、と」
にこ「1,2,3,4,5,6.7.8、1,2、3、4、5、6、7、穂乃果、遅れてる!ことりもよく周りを見て!……少し休憩よ。疲れがあるときに無理するのは危険だし」
穂乃果「ふわぁぁぁ……疲れたよぉ~……」
海未「何を言ってるのです。体力づくりのためにこれからランニングですy」
にこ「何言ってるのよ。こんな疲れている中走ったら、怪我の可能性が上がるわ。今日は帰って休んで、明日の朝から体力をつけるわよ」
海未「ですが……」
にこ「アンタ、ここで怪我してライブを台無しにする気?」
海未「いえ、そういうつもりは……」
にこ「なら従いなさい。誰もがみんな、アンタみたいに体力が有るわけじゃないの。体力は必要だけど、ないものを無理してつける必要はないわ。今日は休んで、明日の朝、神社の階段下に集合よ」
海未「分かりました」
にこ「じゃあ、今日は解散!」
――――――――――――
希「お疲れ様、にこっち」
にこ「希……何しに来たのよ、アンタ」
希「ウチも、入ることになってん。それで、にこっちの手伝いをして欲しいって言われたんやけど……」
にこ「今日は終わりよ。後3日しか無いから、明日からみっちりやっていくわ」
希「そうなんや。ほんなら、明日からウチもにこっちの手伝いをするね」
にこ「そう、せいぜいじゃまにならないように動いてよね!」
希「はいはい」
――――――――――――
絵里「それで?」
希「ん?何のこと?」
絵里「その、アイドルは……」
希「絵里ちも気になるんや、μ’sのこと」
絵里「みゅ、ミューズ?」
希「うん、あのグループの名前、μ’sっていうんやって」
絵里「石鹸?」
希「ウチもおんなじこと聞いたら、文芸の女神のことやねんて」
絵里「ふぅん……。じゃなくて!様子はどうなのよ」
希「そうやね。多分、最初のライブに人は集まらんと思う」
絵里「……そう。これであきらめが付くかしら」
希「そうでもないみたいなんよ」
絵里「どういうこと?」
希「新曲の構想と、定例ライブの実施を決めてるみたい」
絵里「定例ライブ?どこでするのよ」
希「そこまでは知らんけど……」
絵里「まぁいいわ。少しは期待できそうね」
希「絵里ち、ホンマはやりたいんやろ?」
絵里「何を言ってるのよ!」
希「わかるんよ。絵里ちの目」
絵里「希もアイツと同じことをいうつもり?」
希「可児江くんは、嫉妬って言ってたけど、ウチは違うと思う。絵里ちの目は、あこがれてるんよ。自分に出来そうもないことを次々とやろうとしてるμ’sのメンバーに、憧れてる。それだけやん?」
絵里「……希はなんでも知ってるのね」
希「何でもは知らんよ、知ってることだけ」
絵里「そう。まぁいいわ、新歓ライブで見せてもらおうじゃない。理事長が評価するアイツの腕前を」
――――――――――――
西也「いよいよ明日、放課後にライブを行う。観客はわずかだと思うし、もし観客がたくさんいても、その中でこのグループに興味をもつ奴は1人か2人位だと思っておいてほしい」
真姫「そんな少人数のためにやるわけ?」
西也「ああ、そのとおりだ。今は戦力として、3年が1人、1年が2人足りていない状況だ。今回パフォーマンスするのは2年の3人だが、あいつらと矢澤の気合は尋常じゃない。その気合の入ったパフォーマンスを録画し、インターネットに流しPRにつなげる。今回講堂でライブを行うのは、あくまで戦力確保だ。PRは戦力が揃い次第開始する」
希「そんなこと言うても、廃校まで時間が――」
西也「わかっている。だから、GW明けまでに戦力を揃える。それが当面の目標だ」
穂乃果「よーし!みんな、明日のライブ、絶対成功させようね!」
ことり「もちろん!」
にこ「失敗なんかしたら、アンタのことビンタしてやるんだから!」
希「頑張ってな?ウチも応援してるから」
海未「はい、全力を尽くします」
真姫「当たり前でしょ?私が作った曲だもの」
西也「よし、今日は解散!明日に備えてしっかり休め。休むのも仕事だ」
全員「はい!」
――――――――――――
絵里「――以上で、新入生歓迎会を終わります。この後は各部活動でオリエンテーションがあります。新入生の皆さんは、興味のある部活を見学してみてくださいね。それでは、解散です」
――ガヤガヤガヤガヤ
凛「かよちーん」
花陽「あ、凛ちゃん!」
凛「かよちんは何部に入るか決めたのかにゃ?」
花陽「ううん、まだちょっと迷ってるの。凛ちゃんは?」
凛「凛は陸上をやってみたいなって思って……」
花陽「凛ちゃん、走るのとか好きだもんね。凛ちゃんに向いてると思うよ、すっごく!」
凛「ありがとにゃー!かよちんは、アイドル?」
花陽「ア、アイドルだなんてそんな!花陽には無理だよぉ」
凛「でも、かよちんと言えばアイドルだにゃ!」
花陽「え、でも、花陽は運動神経無いし、ぽっちゃりだし、かわいく無いし……」
凛「でも、一度行って見る価値はあるにゃ!結成されたばかりだって話だし、そんなに大したこと無いはず!凛もちょっと興味あるから、一緒に見に行くにゃ!」
花陽「えぇ?!でも、凛ちゃんは陸上部が……」
凛「大丈夫だにゃ、陸上部には明日行ってみることにして、今日はかよちんといっしょに行くにゃ!」
花陽「あ、ありがとう……場所はたしか、講堂……だよね?」
凛「うん!いっくにゃあああああ!」
――――――――――――
海未「あの、穂乃果……ことり……この衣装、丈が……」
穂乃果「そんなことないよ!ねぇ、ことりちゃん」
ことり「うん!似合ってるよ、海未ちゃん」
西也「入るぞ」
穂乃果「あ、西也くん!」
西也「これ、南がデザインしたのか?」
ことり「うん、可愛いですよね?」
西也「ああ、に、似合ってるよ」カァァ
海未「あ、あの、それで……何かあったのでしょうか?」
西也「ああ、そうだ。いいニュースと悪いニュースがある。」
穂乃果「いいニュースって?」
西也「客が入った事だ」
穂乃果「ど、どのくらいですかっ?!」
西也「ちらほらだ。おそらく興味本位で見に来た連中が多数だ」
海未「悪いニュースは……」
西也「生徒会長が見に来ていることだ」
穂乃果「え……」
海未「嘘、ですよね?」
希「絵里ちが?」
にこ「見に来てるのね……」
真姫「気にしないでいいんじゃない?」
西也「そうだ。俺は悪いニュースといったが、そんなものを吹き飛ばしてしまうほどのパフォーマンスを期待する。それだけだ」
モブスタッフ「μ’sの皆さん、スタンバイお願いします!」
西也「よし、行って来い」
穂乃果「あ、ねぇねぇ。円陣組もう、円陣!」
海未「全く、穂乃果は……」
ことり「いつもと変わらないね」
海未「ええ、ですが、少し救われました」
ことり「わたしも。緊張でちょっとがくがくしちゃって」
穂乃果「いっくよー、μ’s、ミュージック、スタート!」
――だって、可能性感じたんだ。そうだ、進め
――後悔したくない、目の前に、僕らの道がある――
西也「よし、うまくいきそうだ」ニヤリ
――――――――――――
穂乃果「はー、疲れたぁ!」
海未「き、緊張で……その」
ことり「早く戻ろ?」
西也「まぁ、及第点だな」
穂乃果「ほええ……もう穂乃果動けないぃ……」
希「お疲れ様」
にこ「やるじゃない!」
――――――――――――
花陽「ほわぁ……」
凛「かよちん?」
花陽「わっ、ご、ごめん凛ちゃん、私、先帰るっ!」
凛「あ、待って!かよちん、ホントはμ’sに行くんだにゃ?」
花陽「え、そんなこと……」
凛「隠しても無駄だにゃ!だってその方向、μ’sの部室だにゃ!」
花陽「ひぅっ……」
凛「でも、かよちんがやりたいことをするべきにゃ!」
花陽「凛ちゃん、凛ちゃんは?」
凛「え?」
花陽「昔から、女の子っぽい格好がしたかったんだよね?」
凛「でも、凛はそういうの似合わないにゃ」
西也「そんなことはないさ!」
凛「ほわわっ!」
西也「もしよければウチの部室に来ないか?1年生、って感じだね。すこし、話がある」
花陽「あ、あの……あなたは?」
西也「俺は可児江西也。音ノ木坂学院廃校阻止事業部、事業部長代行で、さっきライブをやっていたμ’sのプロデューサーだ」
花陽「えぇ?!」
凛「こんな人が?」
西也「そうだ、俺があのグループを作った。そこで、提案がある」
凛「凛は、アイドルになんかなれないにゃ」
西也「そんなことはない!君、得意なことは?」
凛「えと、サッカー、と、陸上」
西也「十分だ。ダンスに必要なのは脚力、そして、踊りながら歌うには、体幹が必要不可欠。その2つを兼ね備えていてなおかつ声が可愛くボーイッシュなルックスの中にたまに覗かせるガーリーな部分!最高じゃないか!君がもし芸能界に入れば、トップクラスのアイドルになれる!」
凛「あ、あの……そんなに言われると照れるにゃ~……」
西也「もし興味があれば、部室棟の3階にある部室で待っている」
花陽「あのっ!」
西也「何だ?」
花陽「私でも、アイドルになれますか?」
西也「もちろんだ」
――――――――――――
西也「GW明けまでに9人……集まりそうだな。何なら今から話をつけに行ってもいい」
希「絵里ちに?」
西也「そうだ。俺は別に、アイツと友達になりたいわけじゃない。協力してくれ、と言ってるんだ」
希「でも、絵里ちは生徒会長として協力するって言ってたけど」
西也「絢瀬絵里本人に協力してもらわなければ、俺が思い描くものは出来やしない。それだけだ」
希「知ってる?絵里ち、実は結構練習とか見に来てるんよ」
西也「何だと?」
希「君が雑務をやってる間にね」
西也「そうなのか……」
希「絵里ちはきっと、君からの誘いを待ってると思う」
西也「……少し席を外す。練習は矢澤とお前にまかせる。ああ、そうだ。園田と西木野に、次の曲をつくるように言ってくれ」
――――――――――――
西也「自分の気持ちを隠して生きていくのは随分苦痛だよな」
絵里「いきなり何かしら」
西也「こっちのセリフだ。聞けば練習を手伝っていたそうじゃないか」
絵里「あ、あれは……その、希に頼まれて……」
西也「俺が頼んだ時には断ったのにな」
絵里「……」
西也「俺はお前と友達になる気は毛頭ない。ビジネスライクに行きたいと思っている」
絵里「あなた、友達いないでしょ?」
西也「うるさい、お前には関係ないことだ」
絵里「……一つ聞きたいんだけど」
西也「なんだ」
絵里「本当に、廃校を食い止めてくれるの?」
西也「もちろんだ。俺はそのためにいるし、そのためにはなんだってやる。集会で言ったとおりだ」
絵里「そう……わかったわ、加入する」
西也「交渉成立だな」
絵里「ええ……私も限界を感じていたし、絶対存続させて見せる」
西也「 コイツは頼もしいな。ははははは」
絵里「ふふふ」
――――――――――――
西也「結論から言う。実質的な廃校阻止は、オープンキャンパスにかかっている」
穂乃果「オープン……」
ことり「キャンパス……」
絵里「学校が唯一対外にひらかれるイベントね。そこで注目を集めなければ、確かに廃校は免れないわね」
西也「そういうことだ。月1のライブでレベルを上げていきながら、オープンキャンパスでパーフェクトなパフォーマンスをお届け出来るよう、しっかりと練習をするように」
絵里「ちょっと待って、毎月?」
西也「そうだ。PRするためには継続性が重要になる。口コミで広がっていけば、それを耳にした受験生が志願をしてくれるはずだ」
絵里「……そうね。それは間違いないわね」
西也「それと、新曲のPVを撮ってネット上にアップする。さらにラブライブへの出場を目指す!」
海未「ラブライブ……」
西也「ゆくゆくは、の話だ。まずはオープンキャンパスに向けてPRを続けていく。そのために全力を尽くしてほしい。矢澤、任せた」
にこ「このにこにーに、まっかせなさい!」
西也「やっぱりお前ちょろいな」
にこ「なんか言った?」
西也「何も」
――――――――――――
西也「PRのために、休日に設備を開放してはどうだろう」
ことり母「設備開放?」
西也「そうだ。幸いここは国立学校で、設備も比較的充実している。休日に地域貢献の一環として音楽室の設備や講堂、体育館、校庭の開放をするべきだ」
ことり母「……すべて、国にお伺いを立てなきゃね。学科新設についてもそうだし」
西也「それを認めさせるのがアンタの仕事だ」
ことり母「あなたが説明してくれる?」
西也「仮にも俺は高校生だ」
ことり母「同席して欲しいだけよ。もうそろそろ来るはずだから」
西也「来るって、誰が」
ことり母「担当者よ」
役人「失礼致します。本日はどうも」
ことり母「こちらこそ、よくお越しになりました」
役人「相変わらず、豪奢な設備でして」
ことり母「おかげさまで」
役人「それで、廃校措置の撤回をしてほしいとのことですが、存続案の方はまとまりましたかな?」
ことり母「ええ、こちらの可児江より、説明させていただきます」
役人「その制服、甘城高校のものだよねぇ?高校生にこんなことをやらせるなんて、いよいよですかな」
西也「お待ちください、私は廃校阻止事業部事業部長代行です。私からご説明させていただきます」
役人「聞かせてもらいましょうか」
西也「もちろん、あなたのお眼鏡に叶うものだと思います。では、説明させていただきますが――」
役人「(まぁ、所詮はガキの空想だ。こんなものここを出た瞬間に破り捨ててやる。そもそも、この学校がなくなるのは、金だよ。そんなこともわからずこんなガキに任せるなんてな)」
西也「ああ、それと学科新設などの費用や、諸々の諸経費を負担することはもちろん、今後交付金は受け取らない方向で検討をしております」
役人「え、あ、あの……今、なんと?」
西也「ですから、国の支援は受けません、と申し上げています」
役人「では、どのように?」
西也「この学校を私立校として再編します。それで、交付金を受け取らず、もし可能であれば受け取らせていただきました交付金を過去5年分ほど返済させていただきたいのですが、いかがでしょう?」
役人「あ、あの……そんなことをして、学校の経営は?」
西也「ああ、それなら、先ほど提携先としてあげました甘城ブリリアントパークなどの諸企業と共同経営させていただく所存です」
役人「はぁ……」
西也「ですので、認めていただけないでしょうか?」
役人「あ、ああ……了解しました。掛けあってみます」
西也「お願い致します」
ことり母「さすがね」
西也「これくらいの話術は当然だ」
ことり母「貴方を任命してよかったわ」
西也「ふん」
――――――――――――
西也「新曲披露ライブも集客率が上がってきているし、ラブライブ出場に向けたネット投票の得票数も伸びてきている。これなら、オープンキャンパスに向けて宣伝効果は出るかもしれないな」
絵里「ねぇ、オープンキャンパスの時のライブなんだけど」
西也「ああ、それなんだが、9人のステージ以外に、3人ずつ3つのユニットに分けて、パフォーマンスをしてもらおうと思う。さらに、新曲と既存曲の1曲ずつを披露する。覚えることが多いが、頑張って欲しい」
絵里「ユニット……?」
西也「そうだ。名前は、BiBi、Lilly White、Pritempsの3つだ」
希「メンバーは決めてるん?」
穂乃果「ユニットかぁ、すっごく楽しそうだよね!」
花陽「でも、なんだか大変そうだよぉ……」
西也「そこで、夏休みに合宿を行う!」
μ’s「合宿?!」
西也「そうだ。お前たちにはこの合宿で、きっちりと練度を高めてもらう」
穂乃果「おっとまりかいだー!」
海未「穂乃果、話を聞いていたのですか?」
にこ「そうよ!アンタ、これはお遊びじゃないんだからね」
絵里「それで、場所はどうするのよ」
西也「それは、甘城ブリリアントパークを考えているが――」
凛「穂乃果ちゃんが練習そっちのけで遊びまくりそうだにゃ……」
穂乃果「凛ちゃん、それはひどいよ!」
海未「いえ、凛の指摘が最もです」
穂乃果「海未ちゃんまでぇ……」
ことり「あはは……」
真姫「もしもし、私だけど。急なんだけど、別荘を使わせて欲しいの。うん、ええ、ありがとう」
西也「べ、別荘……」
真姫「何、そんなに驚き?」
西也「お前、凄いんだな」
真姫「当たり前デッショー?私は西木野総合病院院長の娘なんだから!」
花陽「にしきの……」
ことり「総合、病院……」
真姫「言ってなかったかしら?」
花陽「聞いてないよ!」
絵里「とにかく、決まりね。西木野さんの別荘ってことで」
西也「そうだな。とりあえず、一週間後から、合宿としよう」
――――――――――――
穂乃果「合宿かぁ……花火にバーベキュー!みんなで楽しめることがいっぱいだぁ……」
海未「穂乃果、先程から言っているように、これは私たちμ’sのパフォーマンスをあげるためにやるのです。先程から遊ぶことばかり考えて、穂乃果は真剣に取り組んでいるのですか?」
穂乃果「穂乃果は真剣だよ!」
ことり「海未ちゃん、穂乃果ちゃんは、昔からこうだったじゃない?」
海未「……そうですが、今までとは違うのです。私たちは廃校阻止のため、失敗は許されないのです」
ことり「それは、そうだけど」
希「海未ちゃんは、ウチらが廃校を本気で止める気がないって思ってるん?」
海未「そういうわけでは……。ですが、もし本気なら、もう少し態度に見せていただかないと、私には伝わりません」
絵里「確かに、私もそう思うわ。今の高坂さんの様子だと、園田さんの言い分が正しく聞こえてしまいかねないわね」
希「でも、なんだかんだで切り替えはできてるやん?」
海未「切り替えの話をしているわけではありません。練習量の話をしているのです」
穂乃果「でも、やり過ぎると疲れちゃって……」
海未「ですから――」
希「効率をあげたらええやん?」
海未「効率……?」
絵里「園田さん、あなたは運動部出身で、ハードな練習を長時間こなしてきたんだろうけど、それは体を壊すだけよ。練習時間を区切って、きっちり集中してやったほうが、効果は出るもの」
海未「そう……ですね」
希「穂乃果ちゃんも、ウチらは遊びでやるわけじゃないんやし、切り替えは大事やけどはしゃぎ過ぎんようにね」
穂乃果「はい!」
西也「明日から合宿に出発する。集合時間に遅れないよう注意するように。特に高坂、寝坊はするなよ」
穂乃果「は、はい!」
――――――――――――
西也「では、今から合宿先に向かう。とりあえず、全員いるか?」
穂乃果「ばんごー!1!」
海未「に、2」
凛「3」
花陽「4」
真姫「5」
にこ「6」
希「7」
絵里「8」
穂乃果「以上!一人足りません!」
西也「南だな、全く何をしてるんだ」
海未「電話してみましょうか」
西也「ああ、頼む」
海未「もしもし、ことりですか?今何をしているのです、集合時間はもう……え、ああ、はい。分かりました。そう伝えておきます」
西也「なんだって?」
海未「それが……」
花陽「イ゙エ゙ニ゙ガエ゙ッ゙ヂャ゙ッ゙ダノ゙ォ゙!?」
海未「その、忘れ物が有るとかで」
西也「……そうか、待つしか無いな」
にこ「そんなこと言ったって、電車の時間はどうするのよ?!」
西也「遅らせるしか無いな。まぁ、一応30分程度猶予は持っているが……」
穂乃果「ことりちゃん……」
――――――――――――
ことり「えと、ええと、あれがあっちでこれがこっちで……ああもう!えと、時間は……遅れるううう!」
ことり「はぁ、はぁっ……」
ことり「も、もしもしっ!ああ、ほ、穂乃果ちゃん?!えと、今向かってるの。うん、そう。あと10分で着くと思う!うん、ごめんね」
ことり「ほわああ……」
――――――――――――
ことり「おくれてごめんなさああい……」
西也「構わん。さて、それでは――」
絵里「アイドル研究部部長の矢澤さんから、出発の挨拶です」
にこ「ちょっ、聞いてないわよ!」
穂乃果「ワクワク」
凛「そわそわ」
にこ「しゅ、しゅっぱああああつ!」
西也「時間の無駄だったな。よし、行くぞ。時間がない」
にこ「それどう言うことよ!」
凛「そういうことだにゃー!」
――――――――――――
穂乃果「ここが……」
花陽「真姫ちゃんの……」
絵里「別荘……」
真姫「何?変かしら?」
海未「いえ、そういうわけでは」
凛「ほえー……」
にこ「キィィ……」
西也「申し分ないな、さすが西木野だ」
真姫「あ、ありがと……」
希「まぁとりあえず、中に入ろ?」
穂乃果「おおー!中もすごいよー!」
凛「こんな広いベッド、初めてだにゃ―!」
真姫「ベッドメイクしたばかりだから、やめてくれる?」
絵里「聞こえてないわよ、どうせ」
海未「はぁ……遊びに来たわけではないとあれほど――」
花陽「まぁまぁ、凛ちゃんも悪気があるわけでは……」
絵里「あ、そうだ。一つ提案なんだけど」
海未「なんでしょう?」
絵里「これを良いチャンスに、先輩後輩の垣根をなくしていこうと思うの」
花陽「へっ?!」
希「名案かもしれんね、絵里ち」
西也「確かに、ひとつの同じ目的に向かっていく集団には、歯に衣着せぬ物言いが出来る人間関係と信頼関係が必要だ。そういった意味でなら、上下関係ほど厄介なものはない」
絵里「そういうこと。どうかしら?」
真姫「確かに、言いたいことが言いあえたら、それもそれでいいんじゃない?」
にこ「そもそも、私はそんなに先輩扱いされてないし……」
凛「それは、にこ先輩が先輩らしくないからにゃ!」
にこ「それどういう意味よ!」
穂乃果「でも、それは名案だよ!」
絵里「そう?なら、賛成してくれるかしら、穂乃果」
穂乃果「うん!……え、えりちゃん……違和感ばっかりだよおおおおおおおおおおお!」
絵里「徐々に慣れていきましょう。ねぇ、花陽?」
花陽「はひっ、せ、ああ、じゃなくて、絵里……ちゃん」
希「まぁまぁ、そんなからかったらアカンよ?」
絵里「というわけで、先輩禁止!」
――――――――――――
西也「さて、合宿ということで、全員で協力して生活していくことになる」
真姫「とりあえず、食べ物や水は、一日のうちの何処かで買いに行きましょう。私が場所を知ってるわ」
西也「じゃあ、買い出しは西木野を中心に、掃除や食事などは分担で行っていきたいと思う」
絵里「そうね、それが公平だと思うわ」
西也「しかし、まぁ得意でないものもあるだろうから、その場合全員が協力してよりよいものをつくっていくことを条件とする。それと、この合宿中に、ユニットごとの曲を一つ作って欲しい」
海未「ユニットごと、ですか」
西也「そうだ。今から組み分けをする。BiBiには絢瀬、西木野、矢澤。Lilly Whiteには園田、東條、星空。Pritempsには小泉、高坂、南。以上のメンバーがそれぞれのユニットになる。ユニット曲の作詞作曲については西木野と園田に頼らず、基本的にユニット内で行うこと」
穂乃果「それはずるいよー!穂乃果たちはどうすれば……」
西也「ならこうしよう。西木野と園田はコンセプトを出すまで、実務は他のメンバーがやる。コレなら条件は同じだ」
海未「そうですね、他のメンバーにもいい経験になるかもしれませんし、私は賛成です」
真姫「私は、買い物とか場所の手配があるから、そんなに作曲してられないし、海未ちゃんも言ったように、みんなのためになるならいいと思うわ」
西也「なら決まりだな。合宿最終日に曲を発表してもらうので、そのつもりで取り組んでくれ。では、食事にしよう」
花陽「食事って言っても、誰が作るの?」
真姫「私は料理人の人に作ってもらっていたから……」
希「ウチも作れんことはないけど、簡単なものしかできんし……」
にこ「しょーがないわねぇ、このにこにーに任せなさい!」
絵里「あなた、料理とか出来るの?」
にこ「それなりには、ねっ!」
西也「じゃあ、矢澤に任せる。買い出しは西木野と行ってくれ」
真姫「わかったわ」
――――――――――――
にこ「今日はカレーね」
真姫「どうして?」
にこ「合宿の定番っていうのもあるし、大人数だし、手際よくやればすぐよ」
真姫「そうなんだ。私、サラダが食べたい」
にこ「付け合せで作るつもりだったから、その材料もいるわね」
真姫「ほんとに?!」
にこ「ええ、ただし、偏り過ぎちゃダメよ?」
真姫「わ、わかってるわよ!」
――――――――――――
穂乃果「ほえー……」
ことり「にこちゃん……」
海未「手際がいいですね……」
にこ「これくらいいつもやってるもの」
西也「親が忙しいのか?」
にこ「まぁ、そんな感じよ」
花陽「あの、ごはんとカレーは別々でお願いします!」
にこ「いいけど、それは自分でしなさい。出来上がったら配膳くらいはみんなでやってもらうから」
希「なんか、お母さんみたいやね」
にこ「うっさい!」
――――――――――――
穂乃果「いっただっきまーす!」
真姫「全く、少しは待ちなさいよ」
にこ「まだみんな揃ってないでしょーが、罰として、片付けは穂乃果ね」
穂乃果「あっ、にこちゃんひどい!」
ことり「まぁまぁ、穂乃果ちゃん、もうちょっと待とうね」
西也「しかし、よくここまでのものが出来るな」
にこ「ふん、このスーパーアイドル矢澤にこ様に欠点はないのよ!」
凛「スタイル」
絵里「身長」
希「胸」
にこ「凛、明日から刺身しか出ないと思いなさい。それと絵里、明日から梅干しのおにぎりをたっぷり作ってあげるわ。希は、そうねえ…生キャラメルの刑に処すわよ!」
希「生キャラメルの刑……」
絵里「エリチカおうちかえるううううううううううう!」
凛「刺身?!」
では、それぞれの作詞作曲編に入っていきます
――――――――――――
穂乃果「作詞作曲……かぁ」
花陽「作詞作曲……」
ことり「穂乃果ちゃんは、どういう曲が好き?」
穂乃果「穂乃果はねぇ、なんかこう、ほわほわーって感じの曲が好きかな!」
花陽「私も、そんな感じが……」
ことり「じゃあ、そんな感じにしよっか」
穂乃果「あ、でも切ない恋の歌とかもスキかも!」
花陽「わ、私も……」
ことり「じゃあ、作詞する?」
花陽「じゃ、じゃあ、私が……」
穂乃果「よーし、花陽ちゃんに作詞は任せよう!」
ことり「でも、曲は……」
穂乃果「穂乃果が作るよ!」
ことり「で、でも……」
花陽「じゃあ、ことりちゃんには、作詞を手伝って欲しいかな、って」
ことり「うん!一緒に頑張ろ?」
穂乃果「あ、花陽ちゃんだけずるい!私も考える!」
ことり「あの、それじゃ意味ないんじゃ……」
穂乃果「いいの!歌詞ができないと曲なんて作れないよ!」
花陽「そうだよね!」
ことり「えい、えい、おー!」
――――――――――――
海未「では、次回の曲についてですが」
希「海未ちゃんは、作詞してくれへんのやろ?」
凛「凛たちにはどうしようも出来ないにゃ―」
海未「作詞は、ひらめきが大事なのです」
希「よし、ウチの得意分野やね!」
海未「ということは、作曲担当に凛、ということになりますが……」
凛「作曲……」
希「凛ちゃんには、ダンスの振付を考えてほしいから、作曲も任せて」
海未「ですが私は……」
西也「ああ、そうだ。いい忘れていた。園田は作曲、西木野は作詞ならしてもいいぞ」
希「って言ってたし」
海未「そうなのですね。では、作曲は私が……」
希「うん、じゃあ、テーマは決めよ?」
海未「アイドルといえば、恋愛ソングなのでしょうか……?」
凛「恋愛なんて知らないにゃー」
希「それや!」
凛「ふぇ?!」
希「見えたんよ、曲の構成」
海未「本当ですか?」
希「うん、ウチに任して?」
ええと、スランプ+バイト地獄+帰省で少しの間、更新できません 申し訳ありません
――――――――――――
絵里「曲作り…かぁ」
にこ「どーすんのよ、真姫が作曲できないんじゃ、誰がするわけ?」
真姫「そりゃあ、にこちゃんかエリーってことになるけど……」
絵里「にこは確か、アイドルやってたわよね?」
にこ「え、ま、まぁ……」
真姫「にこちゃん、アイドルやってたの?!」
絵里「ええ、確か、可児江くんが来る前には唯一本気でアイドルで廃校を止めようとしてたのよ」
にこ「そんなこと言わなくてもいいじゃない!む、昔の話なんだから!」
真姫「へぇ、意外とにこちゃんって凄いんだね」
にこ「なっ……ふ、ふん!今更気づいたわけ?!このにこにーの凄さに!」
絵里「じゃあ、その凄さ、見せてもらおうかしら」
にこ「どーいう……まさか、作詞作曲丸投げするわけ?!」
真姫「丸投げじゃないけど……」
絵里「どっちかはやってもらいたいわ」
にこ「えー、でもぉ、にこにーわぁ、音楽苦手だしぃ―」
絵里「じゃあ、私が作曲をやるわ。にこは、作詞ね」
にこ「ゔぇ……」
絵里「ダンスは三人で考えましょう。それでいいわね?」
真姫「エリーは、一人で大丈夫?」
絵里「ええ、私は大丈夫よ。もし手伝うなら、にこを手伝ってあげて?」
真姫「わかったわ」
絵里「じゃあ、決まりね」
――――――――――――
理事長「もしもし、可児江くんかしら?」
西也「ああ、俺だが」
理事長「オープンキャンパスの日程が決まったわ。それと、芸能学科設置についてもゴーサインが出たわ。多分、あなたの一言が効いたんだと思う」
西也「そうか、徐々に改革が進みつつあるな」
理事長「ええ、あなたのお陰で、随分とことが前に進んでいるわ。教師の中にも、廃校阻止に協力しようという派閥ができてきた。この流れで――」
西也「甘いな。流れなんてものはいつひっくり返るかわからん。これを継続していかなければならん。そのために、μ'sを、ラブライブに出場させ、優勝させなければ……」
理事長「ええ、できるかぎり協力はするわ。それじゃあ、よろしくね」
西也「ああ。――ふぅ。明日、曲ができているかにかかっている。それだけだ」
このSSまとめへのコメント
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