モバP「俺とアイドル」 (38)

今主に書いてるSSの息抜き用に立てました
まったりと更新していきます

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1 『俺と渋谷凛』


 

 



「凛ちゃーん!」

「こっち向いてー!」

「キャー!」

「ワー!」


凛「あはは……」フリフリ


 

 


ガチャ



凛「おはようございます」

P「おう、おはよう」

凛「あ、プロデューサー」

P「よう、凛」

凛「なにしてるの?」

P「仕事」

凛「そりゃそうか」

 

 

凛「ねぇ、プロデューサー……」

P「ん?」

凛「隣、座ってもいい?」

P「なんで?」

凛「……なんとなく」

P「別にいいけど」

凛「やった。じゃ……失礼します」ストン

P「どうぞ」

 

 

凛「……ふぅ」

P「どうした? 何か疲れてるな」

凛「まあね……人気アイドルですから」

P「そうか、大変だな」

凛「……そこはツッコんでよ」

P「え? だって本当じゃん」

凛「……きっと今だけだよ。どうせすぐ人気なんてなくなっちゃう」

P「随分ネガティブだな」

凛「だって……」

 

 
凛「ねぇ、私ってアイドル向いてないかな?」

P「なに急に」

凛「私さ……卯月みたいにみんなに愛想よくないし」

P「あー」

凛「未央みたいに明るい訳でも無い」

P「確かに」

凛「ファンの人に応援してもらえるのはすごく嬉しいんだけど、それにちゃんと応えられてないんじゃないかって、最近不安なんだ」

P「そうか……それは確かに向いてないのかもな」

凛「……そこは嘘でも向いてるって言うのかと思った」

P「え? 嘘ついてよかった?」

凛「いや……やっぱプロデューサーには正直に答えてほしいや」

P「でしょ」

 

 


P「えーと、次の仕事は……」カタカタ

凛「はー……プロデューサーの隣は落ち着いてていいなぁ」

P「え?」

凛「いやさ、最近ありがたいことに有名になってきた訳だけど、そのせいでどこにいっても騒がしくてさ」

凛「プロデューサーはあんまりうるさくないし、たくさんの人といないから……」

P「俺はコミュ障でぼっちだからな。基本的に」

凛「別にそういうつもりで言ったんじゃ……何か安心感? みたいなのがあるの」

P「俺も凛相手だと安心感あるぞ」

凛「そ、そう?」

P「うん、口下手な俺も多少饒舌になる」

凛「そ、そっか……ありがと」

P「なんで凛がお礼を言うんだ?」

 

 

P「あっ」

凛「なに?」

P「凛がアイドルに向いてるところ見つけた」

凛「えっ、今頃? 大分時差があったね……まあいいや、教えてよ」

P「可愛いところ」

凛「……はい?」

P「だから、可愛いところ」

凛「き、聞こえてたよ……なに突然変なこと言ってるの?」
 

 
P「どこが変なんだ? 重要だろ、可愛さ」

P「たとえどんなに愛想が良くたって、明るくたって」

P「可愛くなけりゃ、アイドルに向いてると思えない」

P「その点で言えば凛は大丈夫だ。可愛いから」

凛「ちょ、ちょっと……あんまり可愛い可愛い言わないでよ」

P「なんで?」

凛「照れるから」

P「なるほど、ごめん」

 

 
P「あ、あと凛はイイ子だ」

凛「あ、ありがと……でもそれは、アイドルに向いてるっていうの?」

P「あー……多少ずる賢くて悪い子の方が世渡り上手でアイドル向いてるかも」

P「でも俺はそんな子より、凛の方を応援したいと思う」

凛「……何それ、個人的感想?」

P「おう」

凛「……ふふっ」

P「何故笑う」
 

 



凛「……よし」スッ

P「もう行くのか?」

凛「うん、また仕事だから」

P「そっか、疲れてるのに大丈夫か?」

凛「プロデューサーと話してたらちょっと元気出たから大丈夫」

P「マジで? 俺なんか言ったっけ」

凛「大したことは言ってなかったかも」

P「おうふ……」

 

 
凛「でも元気出たよ」

P「そうか……まぁ元気なら何でもいいや」

凛「またくるから、お話してね」

P「おう、俺でよければ」


凛「バイバイ、プロデューサー」

P「行ってらっしゃい、凛」



ガチャ







――つづく。
 

 



少し昔のこと―



「やーいやーい」

「ブース、ブース!」

「バーカ! 悔しかったら、ここまでおいでー!」


ギャハハハハ


幼まゆ「はぁ……全く、子どもなんだから……いちいち相手してられない」

幼まゆ「……うう」


幼まゆ「ブスじゃないもん……」ウルッ


 

 


2 『俺と佐久間まゆ』


 

 


ガチャ



まゆ「おはようございます」

P「おう、まゆか」

まゆ「はい、あなたのまゆですよぉ♪」

P「いや、俺のではない」

まゆ「いいえ、あなたのものです」

P「では返却します」

まゆ「却下します」

P「却下されちゃった」

 

 

まゆ「うふふ……Pさんは何してるんです?」

P「仕事」カタカタ

まゆ「いつも通りですねぇ」

P「コミュ障の俺はデスクワークが向いてるからな」

まゆ「他の女に会いに行く心配がなくて、安心です」

P「俺は一生独り身なんではないかと、不安です」

まゆ「ここにいい相手がいますよぉ?」

P「え、どこどこ?」

まゆ「こ、こ、で、す」ズイッ

P「ち、近い近い。ごめん、ふざけるのやめるから離れて」

 

 

まゆ「もう……あんまりはぐらかすと、キスしますよ?」

P「やめてください」

まゆ「そこまで嫌がられると……まゆ……」プルプル


P「あ、まゆ……ご、ごめん、俺……」

まゆ「無理やり唇奪いたくなって、興奮します♪」プルプル

P「ひいいい」

 

 

まゆ「Pさんはどうしてそんなにまゆの愛を拒むんですか? まゆのことが嫌いな訳ではないですよね」

P「嫌いなんてそんな……まゆのことは好きだよ」

まゆ「両想いですね♪」

P「でも、まゆはアイドルだし」

まゆ「関係ないです」

P「いや関係あるでしょ……それに」

まゆ「それに?」

P「まゆみたいなイイ子に、俺なんかはもったいないと思う」

 

 

まゆ「……どうしてそう思うんですか?」

P「だって俺ビビりだし」

まゆ「可愛いです♪」

P「ヘタレだし」

まゆ「まゆがリードします♪」

P「顔も格好良くないし」

まゆ「まゆは好きな顔です♪」

P「逆に聞きたいんだが……まゆは俺のどこが好きなんだ?」

まゆ「全部です」

P「うーん、参考にならない」

 

 

P「まゆは……いいよなぁ」

まゆ「なにがですか?」

P「自分に自信があって」

まゆ「……え?」

P「いや、自分に自信がないと、そんなにガンガンアピールできないと思うんだよ」

まゆ「……まゆも、昔から自信があった訳ではないんですよ」

P「そうなのか」

まゆ「はい……でも、ある人のおかげで、自分に対して自信を持つことができました」

P「そうか……その人には感謝だなぁ」

まゆ「はい♪」

 

 

まゆ「Pさんも……自分に自信、持ってください」

P「え?」

まゆ「Pさんは、素敵です。優しいです。カッコイイです……まゆがこれだけ言うんですから、間違いありません」

P「まゆ……」



P「うん、そうだな」

P「まゆにそこまで言ってもらえると、俺も少しは自分が好きになれそうだ」

P「ありがと、まゆ」

まゆ「……うふふ♪」

まゆ「お礼はキスで許してあげます」ンー

P「それは却下します」

まゆ「あん、却下されちゃいました♪」



 

 



再び少し昔のこと―



幼まゆ「うぅ……ぐす……」


P「……」ジー

幼まゆ「……ひゃっ!? あなた誰ですかぁ!?」ビクッ

P「えっ? えーと……怪しくはない、人」

幼まゆ「怪しいです! すごく怪しいです! ずっとこっちジッと見て!」

P「泣いてたから」

幼まゆ「うっ……あなたには関係ないでしょう! あっち行って!」

P「さっきの男の子達が言ってたの、あれ本心じゃないと思うよ」

幼まゆ「えっ?」

 

 

P「ほら、バカとかブスとか」

幼まゆ「……どうしてあなたにそんなこと分かるんですか?」

P「なんとなく」

幼まゆ「本心じゃないのに、ブスなんて言わないと思う!」

P「それは多分、君が可愛いから。つい照れ隠しに言ってるだけだよ」

幼まゆ「うう……適当なこと言わないで!」

P「うーん……そうだ。ちょっと待ってて」


タッタッタ


幼まゆ「行っちゃった……なんなの、あの人」


 

 

P「おーい」タッタッタ

幼まゆ「また戻ってきた……」

P「はい、これ」スッ

幼まゆ「何これ……リボン?」


P「これは魔法のリボンです」

幼まゆ「はい?」

P「これをつけた女の子は、とっても可愛い女の子に変身する」

P「そして、なんにでもなりたいものになれます」

幼まゆ「なりたいものに……?」

 

 

P「うん。モデルにだってなれるし、アイドルにだってなれる」

P「それに、いじめっ子に負けない子にもね」

幼まゆ「ふぁー……すごい」

P「でしょ? つけてみなよ」

幼まゆ「うんっ」


シュルッ


幼まゆ「ど、どう? 私、変身できた?」

P「おお、可愛い。バッチリだ」

幼まゆ「ホント? えへへ」

 

 

P「ただし、この魔法のリボンは、自分が本当に可愛くなったと信じてないと、効果を発揮できないんだ」

幼まゆ「そうなの?」

P「うん。だから、自分に自信を持て。分かったな」

幼まゆ「わ、分かった……!」


P「よし。それじゃあね」



幼まゆ「あっ、お兄ちゃん! 魔法のリボン、ありがとぉ!」

P「おう」フリフリ










――つづく。

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