あとは頼んだ
ハル「いえ、結構です。」
黒雪姫「」
早くじゃなくて速くじゃないのか?これ
黒雪姫「もっと早く腹筋したくはないか少年」
ハルユキ「は?」
黒雪姫「だから腹筋だよ。は行の『ふ』。小さい『っ』。そしてか行の『き』としりとりのラストでお馴染みの『ん』。合わせて腹筋だ。聞こえなかったのか少年?」
ハルユキ「いえ。僕は腹筋という言葉が聞こえなかったんじゃなくて、どうして腹筋をするのか聞いたんですけど……」
黒雪姫「理由だと? 理由がなければ私は腹筋しちゃいけないというのか」
ハルユキ「そ、そんなわけじゃないです! 腹筋するのは先輩の自由です! ばんばんやって下さって結構です。ただ僕が腹筋する理由はないなと、その」
黒雪姫「つまり君は……腹筋をしたくないと、そう言うんだな。腹筋なんて糞喰らえと腹筋する体育会系なんて死んでしまえとそう言うんだな少年!」
ハルユキ「言ってませんよ! そんなこと!」
黒雪姫「少年。君は今この東京中に散らばる腹筋・リンカーを敵に回したぞ」
ハルユキ「腹筋・リンカーってなんですか!?」
黒雪姫「いい質問だ。腹筋――――思考が一千倍に加速した加速世界でただひたすら腹筋を極めんとする者。それが腹筋・リンカーだ」
ハルユキ(……なんか変な薬でもやってるのかな、この人。ある意味アラヤより危ない人かもしれない)
黒雪姫「加速世界。詳しい説明は以下省略。その加速世界でbpを手に入れる方法は大きく分けて三つ。対戦で勝利すること、エネミーを狩ること、そして腹筋をすることだ」
ハルユキ「はぁ……ブレインバーストって対戦格闘ゲームに見せかけた腹筋ゲーだったんですね。…………開発者は何を考えてるんだ」
黒雪姫「腹筋100回につきbpが1ポイント獲得できる。この方法により得られるメリットはなんといっても永久退場者の防止だな。対戦なら対戦に負けた側はbpを失う事になるが腹筋ならばそれはない。今やバーストポイントを手に入れるため無制限中立フィールドのあちこちで腹筋三昧さ」
ハルユキ「馬鹿なんですか、腹筋・リンカーっていうのは?」
黒雪姫「馬鹿じゃない! ただ我々は腹筋のために加速しているだけだ。一度加速し腹筋したものは腹筋し続けなくちゃならないんだよ少年」
ハルユキ「正直、話半分でしたが、それじゃ僕はこの辺で」
黒雪姫「何処へ行く少年」ガシッ
ハルユキ「えっ。これからソード・アート・オンラインってゲームをするために帰ろうかなぁと」
黒雪姫「そのゲームは止めておけ。一度参加したらログイン出来なくなるぞ。それよりも腹筋だ。君は加速世界で最も早く腹筋することが出来る腹筋・リンカーになれる。私が言うんだ間違いない」
ハルユキ「僕、リアルでも腹筋なんてしたことないんですけど」
黒雪姫「君を説得するために考えた言葉が無駄になったぞ。そうか腹筋するんだな。腹筋するために戦ってくれるんだな?」
ハルユキ「えぇ!?」
黒雪姫「ふふふっ。なにそう物欲しそうな顔をするな。既に君に黙ってブレイン・バーストを君のニューロリンカーにインストールしておいた」
ハルユキ「ほ、本当だ。何時の間に」
黒雪姫「それじゃ君も今日から腹筋・リンカーだ。共に加速世界で腹筋に励もうではないか!」
ハルユキ「ごめんなさい、失礼します!」ダッ
黒雪姫「待て! 何処へ行く気だ少年! 諦めたらそこで腹筋終了だぞ!」
ハルユキ「ふーふー、どうにか逃げ切ってみたいだな。本当になんだったんだろアレ。……遠くから見てるぶんには綺麗だと思ってたけど、中身はもう無茶苦茶だ。こういうの綺麗な花には棘があるって言うんだっけ」
タク「やぁハル。おはよう」
ハルユキ「おはよう……ってタク! なんでお前が此処にいるんだよ! 今は原作一巻の時期だからお前はまだ転校してきてない筈だろ!」
タク「なぁに。腹筋・リンカーとしての力を使えば学校に侵入するくらいは楽勝さ」
ハルユキ「なっ! お前も先輩と同じ腹筋・リンカーだったのか!?」
タク「ご名答。そしてここ最近、黒雪姫……いいや黒の王ブラック・ロータスに執拗に対戦を挑んでいるのも僕だよ」
ハルユキ「そ、そうなのか。じゃあ俺はこの辺で」
タク「待て!」
ハルユキ「なんだよもう!」
タク「君はもう逃げられない。一度腹筋・リンカーとなった者はブレインバーストプログラムを失うまで腹筋し続けるしかないんだ」
ハルユキ「それじゃ帰って直ぐにアンインストールするからいいだろ! 俺はお前と違って運動音痴なんだよ、ゲームの中まで腹筋するなんて御免だ」
タク「馬鹿野郎!」ドカッ
ハルユキ「そげぶ!」
タク「ハル。僕は君を殴らなあかん!」
ハルユキ「誰の物真似してるんだよ。俺はエヴァになんて乗れないぞ」
タク「黙るんだ! シアン・ソード!!」ザシュ
ハルユキ「うぉ!? なんだそのデカい剣は!」
タク「これかい? これは腹筋システムにより僕のパイルを剣にした……そんなことはどうでもいいんだよ!」ブンブン
ハルユキ「わー、こんな場所で剣を振るな! 銃刀法違反で捕まるぞ!」
タク「大丈夫だよ。加速世界で腹筋し続けた腹筋リンカーは型月とか禁書とかの人避け的なものを使えるんだ」
ハルユキ「どういう理屈で!?」
タク「腹筋に不可能はないんだよ。腹筋を極めれば超サイヤ人にだってなれる!」
ハルユキ「いつから腹筋はそんな凄いものになったんだよ!」
タク「分からないかな。僕達腹筋・リンカーは腹筋をする際に思考速度を一千倍に加速している。そして腹筋・リンカーは腹筋しているうちに思考速度のみならず人間としての力まで一千倍になるんだ。今の僕はジャンプするだけで東京タワーを飛び越えることが出来るんだ」
ハルユキ「はぁぁぁぁッ!?」
タク「さあハル、君も腹筋を!」
黒雪姫「もっと早く腹筋したくないか。少年」
レイカー「烏さんの腹筋には世界を切り開く力がある」
クリムゾン・キングボルト「腹筋よ! 俺様色に染まれ!」
dio「uryyyyyy!!」
パドさん「hk(腹筋)」
ニコ「腹筋しようお兄ちゃん」
キリト「や ら な い か」
ハルユキ「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
ハルユキ「はっ! ここは……」キョロキョロ
黒雪姫「むっ。漸く起きたかハルユキくん」
ハルユキ「あれ先輩? 僕は一体なにを」
黒雪姫「覚えてないのか? クロム・ディザスターの一件でブラック・バイスと戦った後、疲れてソファで寝てしまったんじゃないか」
ハルユキ(………………夢だったのか。アレは)
黒雪姫「そうだ。君に言っておくべき事があったんだ」
ハルユキ「へ?」
黒雪姫「もっと早く腹筋したくはないか。少年」
ハルユキ「い、やぁあああああああああああああ!!」
お し ま い
乙
思いつきでスレ立てたんだけどありがとね
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