【異能力バトル】ホワイトマン【オリジナル】 (57)

◆どーも皆様◆
◆前回私の勝手でやめてしまい、誠に申し訳ありませんでした◆

■前回■
◆ 【異能力バトル】ホワイトマン【オリジナル】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404664631/) ◆

◆1レス書くのに相当な時間をかけます◆
■能力の募集は無期限です。なるべく出すようにします■

▲能力の募集▲
 光銃(レーザー)のように、
 ○○←漢字二文字(○○)←呼び方
 といったようにに書いてください。

◆感覚を取り戻しながらかきます。どうかしめやかに……◆

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1422620711

快楽(デンジャラスポイズン)

<あらすじ……ハクダイモン・アキマサと彼の親は三ツ星レストランに来ていたが、そのとき爆音が耳に響いた>

 アキマサは目を覚ます。
 移ったものは火の赤と倒れている両親だけだった。

「ケホッ……! 父さん……母さん……?」

 カツ……カツ……。重い足取りで現れたのは二人の人間。
 男であろうその者たちは周囲を見わたし、一人は剣、もう一人はカタナを構えた。

「生存者四名、内一人は素質があります」
「フンッ! そいつを連れて行け」

 剣をもった男は、それを鞘に納め男性を抱きかかえた。

「……さて、始末せんとな」
「アキ……アキ……」

 アキマサの母親が呻いている。
 男はそれを無視し、カタナを翳す。

(や、やめろ! やめてくれ!)

 カタナは無残にも母を斬った。その思い、届かず……!

「お……まえ……!」

 DOOO!! 炎がアキマサの足を燃やし、異臭を漂わせる。

「ぬ? ふっふっふ、安心せい、次はお前だ」
「おま……え……!」

 男はカタナを翳す。そして!

「シェッ!」

 斬る!

「グガッ!? アババババ!?」

 斬れたのは、男の踝! 何が起きたというのか!?
 アキマサは男の後ろに立っていた。
 おお、見よ! その手にはいつの間にか奪い取っていたカタナが!

「な、何が! バアッ!」

 次に両腕が斬れ、炎の力で灰と化す!
 アキマサの腕に、異様な筋肉が浮かび上がる。
 そして次々と筋肉が増える!

「おまえ……! お前……! 貴様……! 恨んでやる……! 呪ってやる……! 殺し続けてやる……!」
「こ、殺すというのか! この高貴なる儂を! クズのお前が!」
「誰がクズだって……? 俺が? そりゃそうさ、だが」

 アキマサは男の心臓にカタナを深々と刺す!

「貴様のようなクズではない……!」
「アバーッ!」

 男は灰と化す……。
 そこでアキマサの気は失った。

■+……能力名に能力の情報も追加してください■
>>3 了解です▲


「……仇?」

 蒼き衣を身に纏った、男が言う。

「ああ! 我らが師であるショーグンゾーさんの仇を取らないか!」
「私は付き合わん」
「な……に……!?」

 蒼き衣の戦士・セファードは、この者が良からぬ……聞いたら消されてしまいそうな情報を掴んだのではと思ったのだ。

「お、おまえ! 何たるシツレイ!」
「行くのなら貴様一人で行けばいいだろう。私を巻き込むな」

 スコープが装着してある仮面を被った男……ナイトボーイは一歩引く。

「所詮奴はそれまでだったということだ。油断にタケヤリが刺される……貴様もそうなりたいのか?」
「キィー! おまえ!」

 ナイトボーイはミトウシ製のカタナを構える。

「私とやるのか? 『剣兵(セイバー)』の能力を持つ私と?」
「グググ……! 覚えていろ! ゼッタイ・コウカイを味わえ!」

 ナイトボーイはドアを乱暴に開け、去る。
 セファードの能力……『剣兵』は実際強いものだった。
 あらゆる剣の製造が出来る能力、噂では『無限の剣の製造貴』と言われている。

「……」

 彼は無言で騎士仮面を被る。次のミッションがあるからだ。
 セファードは内心恐れいてた……つぎのミッションのことではなく、師の仇が。
 あれほどの強者をものの数秒で殺害した相手だ、あったらまず命はないだろう。
 セファードは今日も祈る、奴だけには合わぬように……!

■失礼しました■
>>3 の能力情報をお教えください▲


「フンッ!」
「ギアーッ!」

 セファードは簡単な剣を造り、カチョ・リーマンを殺害。

「兄貴! ここの資金は全部詰めまっシャー」
「情報は」
「勿論、倒産して会社を爆発させると」
「そっちは」
「ええ、宝石は完了よ」

 暗黒会社「ドコデ輸送屋」が破産寸前となり社員らが逃げていくことにより、シャチョ・リーマンは公開自害、
 そして資金はミトウシ社が、残った社員らは連帯責任により全員殺害することとなった。

「しかしカンノットさんの能力もえげつないっすねー!」
「そぉ?」

 カンノット……『輝石』(パイロキナイト)という宝石型の能力の使い手である。
 しかも、珍しいことに女の能力者だ。
 一方の能力者は『伝声』(ウィスパー)という能力。対象の人物にささやき声で伝えるものだ。

「ま、アンタよりは強いわよね?」
「さっさと外出るぞ」

 セファード一行は会社を後に「いやさせんよ?」

「誰だ!」

 伝声の能力者・ロデールが叫ぶ。

「俺の名はホワイトマン! ハハハハ! 汚くしてるな」

 瞬間、セファードは冷や汗をかいた。

「カンノット、ローデル、逃げろ」
「「え?」」

 セファードは古の剣のコピーを二剣だし、天井、壁、床に刃を造りだす!

「すごい殺気だ」
「貴様……あの時のなれの果てか?」
「んぁ? あー……おまえ、チラチラ見てたヤツか……ハハッ!」

 カンノットは窓に近づき、ローデルの方へ顔を向ける。

「どうしたの! ローデルさん!」
「へへ……すまねぇッス……腰が」

 ローデルは、セファードの見たことのない殺意と、ホワイトマンの存在感で失禁していた。

「カンノットさんだけでも逃げろッスァー!」
「ッ! ……御武運を!」

◆どーも皆様◆
◆遅い時間ですが、開始します◆


「安全第一」「ミナザキ社」「アーイイ工場」などが書かれた工場に一人、若くして働く人がいた。
 彼の名はアキタ・ヒロフミ。一年前から働いている工場リーマンである。
 中学を卒業した後、高校から追い出され、やっとのことで見つけた職だった。

「アキタァ! ここ掃除してないゾ!」
「スィヤッセー!」

 彼は顔の隈がひどい、充分に寝ていないのだ。
 三十秒でモップを持ってきて、一分で吹き終わり、二十秒で片づけた。
 そしてすぐさま持ち場に戻った。

「苦労してんな、お前」
「そんなことありませんよ」

 クレ・セキがコンベヤに運ばれるチキンとピザを専用パックに入れる。

「あのさ、お前にピッタリだろう仕事があるんだけどよ」

 アキタがコンベヤに運ばれるチキンとピザを専用パックに入れる。

「まぁアブナイ仕事だけどよ」

 クレが囁く。

「革命、起こすんだってさ」

 革命……その言葉はアキタにとって、人生が大きく変わるものだ。

「く、詳しく……お願いします」



「チキンおいしい」

 ホワイトマンは、ミトウシ社の能力者に乗っかり、チキンを頬張った。

「ヒィー! ヒィー! ぢぬゥーッ!」

「で、ふーん。能力者を使うまでもないってか」

「オゴッ! ヒィー!」

 能力者は泡を吹き、失神寸前に陥る。
 そのたびに拳を叩きこみ、正気に戻す。

「元ニートマンやら、社会に恨みを持った奴を集めて、テロリズム。ミトウシ社には一切の負担なし……下種が」

「オゴッ!」

「あ、もう死んでいいぞ」

 ホワイトマンが能力者の背中を叩くと、血を吹き出し、灰と化した。

「んぁあああ!! 殺してやる!」

 ホワイトマンの背中には、信じられないほどの筋肉が鬼のように変化していた。



 会場には、大勢の人間が集まっていた。
 あるものは脱法ドラッグ酒を飲み、あるものは煙草を吹かしていた。

「「アーアー。皆さん! どーも!」」

 ステージを見上げると、眼帯をつけた人間が立っていた。

「「アナタ方は、この社会を憎んでいる! そうですね?」」

 返事はない、何かを言ったとしても聞かないだろう。
 その眼は血走っていた。

「「この世の中を、我々が変えるべきだ! そうだろう?」

 会場はざわざわと騒ぎ出す。そして一人が。

「ソウダー!」

 その叫びが発せられると、それに続き周りが便乗しだす!

「ソウダー!」「ソウダー!」「ソウダー!」「ソウダー!」「ソウダー!」「ソウダー!」

「「さぁ武器を取れ! 来るぞ! 我々の世界が!」」

「「「「ウオーッ!」」」」

 その中には、アキタもいた。



 某日、漁港輸入センターにて。

「どどどどうするんですか!?」

「どうするってお前……」

 門の警備員が怯えていた。
 それもそうだろう、目の前には大勢の武装集団が攻めてくるのだから。

「やるしかねぇだろ」

「し、しかし!」

「うるせぇ! お前の銃は何のためにある!」

 サングラスをかけた警備員が銃を構える。
 手には汗が出て、力んでいたが、いたって冷静だった。

「お前ら! 止まれ! 何もだ!」

「「「「革命!」」」」

 瞬間、謎の光がサングラス警備員を襲う!
 走馬灯もさせぬまま死す! もしや、レーザー銃なのでは!?

「ウワアアアアアア!!」

 警備員はアサルトライフルを連射!
 しかし防弾の武装のため、効きもしない!

「「「「革命!」」」」

 レーザー玉が警備員を消し去る。
 アキタは、殺伐とした光景を見ても動じない。
 脱法ドラッグ酒を飲んでいるのもあるが、それ以上に怒りがこみあげていたのである。

(おのれカチグミ・リーマンめが! 俺を苔にしやがって!)

 センター内に入り、階に別れ行動する。
 アキタは二階の隊に所属していた。
 職員をレーザー銃で始末する!

(俺は何もしていないのに! 屑どもめ!)
「死ね! 死ね!」

 隊がまっすぐ進む中、アキタは怒り狂い、誤って別の道に行ってしまう。
 すると一つの部屋にたどり着いた。
「センター・シャチョ・リーマン室」と書かれた部屋の扉が、少しながら開いていた。

「……ふむ、ちゃんとそろっているな」

「ハ、ハイ!」

「これで君の命は救われた。ミトウシ社のカチグミ・リーマンくらいにはなれるだろう」

「アリガタキシアワセ! オーメン!」

「オーメン」

 アキタは恐るべき一部始終を見ていた。そこにいたのは……この革命運動のリーダーだ。
 全て仕組まれし事柄、アキタ・ヒロフミ達は利用されただけなのだ!

「な……に……!?」

「ン? 誰かいるのかね?」

 勢いよく、勝手にドアが開かれアキタの姿が見つかってしまう!

「ハッハッハー……ただの屑か」

「お、お前……!」

「悪いがね、死んでもらうよ」

 震えて動けないアキタの頭に、指を突きつける。
 殺される……アキタが走馬灯に入ろうとした、その時!


「グッハッハッハーッ!」

 天井を破壊し、何者かが参上!
 その姿は、雪のように白い全身タイツ、純銀の仮面をした大柄の男、ホワイトマンだ!

「ホワイトマン! やっと会えた!」

 ホワイトマンは一瞬で眼帯の男に近づき、アキタを投げ飛ばす!

「ダラァッ!」

 素早い攻撃が、男を襲う……だが!

「ハッハッハー……! 甘いよホワイトマン!」

「ん!? ドワーッ!」

 突如、ホワイトマンが飛ばされる!

「私の能力に勝つには耐えなきゃ!」

「ドワーッ!」

 又も飛ばされる!

「おっと、名乗ってなかったね。私はペンデュラム! 君と手合せ願いたかったんだよ!」

「その能力……重力のやつか」

 ペンデュラムは両手を広げ、言う。

「よくわかったね! さすがだ!」

 ペンデュラムの能力、それは……『重圧』(グラヴィティ)。
 重力を操る、能力の中でも強力なものだ!

「ダラァッ!」

 ホワイトマンのトビ・パンチ!
 それは確実に当たったが、手応えが無い。

「無駄だよ! 私は今、強重力の衣を着ているようなものなのだから!」

「メンドくせぇ!」

 ホワイトマンの連続セイケン・パンチ! 手応えなし!

「無駄だよ!」

「ドワーッ!」

 また飛ばされた! バカ!

「もっと楽しませてくれたまえよ! ホワイトマン!」


◆今回はここまで◆
◆いい夢を、おやすみなさい◆

◆どーも皆様◆
◆開始します◆



 少し遡り、アキタが投げ飛ばされた後。
 彼は異様な光景に怯えていた。

「ハァー……! ハァー……! 何だよ、これ!」

 砂煙で見えないが、声で戦っていることがわかる。

「こ、こんなところに居続けるわけには……ウワアアアアアア!」

 アキタは汗ばんだ手でレーザー銃を握り、立ち上がった。
 そして後ろを向き、走り出した!
 しばらくして、見たことのある道に出た。
 そこには一人の武装革命人がいた。

「あ、いた! 死んだと思ったぜ。さ、いこう。革め」

 アキタはその人にレーザー玉を撃ち込んだ!
 それでもなお、走り続ける!
 恐怖、絶望、挫折、失望、憤怒……いろいろな感情が彼に取り込まれる。
 分からぬ情が渦巻き、判断力を無くしていく。

「俺……俺は、何のために……何をしようと……」

「あれ、お前、すれ違いになったか?」

 七人の武装革命人がアキタを見た。
 瞬間、そのうちの一人にレーザー玉を撃ち込み、貫通して後ろの二人を殺害した。

「なっ!? 落ち着」

 四人のうちの一人にレーザー玉を撃ち込み、殺害。

「コ、コロセー!」

 三人が一斉発砲するが、見事にそれを避ける!
 アキタは殺害した革命人のレーザー銃を拾い上げ、発射する!
 三人は消し去った。

「ウワアアアアアア!! ア! ア! アアアアアアアア!!」

 ぎこちなく走る。 そこにいたのは、武装革命人!

「お前、その顔」

 隊長と思しき男は、アキタの銃によって抹殺される!

「ウ!? ウワアアアアアア!?」

「う、ウテーッ!」

 六人いた集団は、一分も経たないうちに全滅する!
 がむしゃらに走り続ける。
 彼はふと、思ったことをいった。

「俺は……何で生きているんだ……?」

 気づいたときには、アキタは廃棄物焼却所に通じる穴へ落ちていた。



「さぁて、どうするか……」

 ホワイトマンは悩んでいた。
 敵は最強クラスの能力の使い手だ。

「ハッハッハー! 来ないならこちらからだぞ!」

 ペンデュラムは手を翳す。

「ドワーッ!」

 ホワイトマンは床にへばり付く!
 重力が強くなったのだ!
 ホワイトマン、立てない!

「これで床から重力をかけたらどうなるかな?」

「!」

「ハッハッハー! まだやらんよ! ゆっくりと味わいたまえ!」

 もはや勝ち目はないのか?
 ……いや、あるにはある。だが、まだそれを行うべきではない、そう思った。

「ド……ワー……ッ!」

 ペンデュラムが嘲笑う中、徐々に強くなる重力に耐え続け……その時は訪れた。

 DOOOOOOOOO!!

 突如、どこかの室内が爆破! そして近くからも爆発音が鳴り、今いる所の壁が破壊!

「ハッハッハー……何事だ、これは」

 ホワイトマンに瓦礫が積み重なり、姿が見えなくなる。

「ホワイトマン! ……まぁいい、潮時か。一応かけておこう」

 重力を強くし、自分が確信するまで能力を発動した。
 ……だが! 瓦礫が動き、そこから人影が現れた!

「ハッハッハー……?」

 ペンデュラムは目を疑った。
 立ったのは勿論、ホワイトマンただ一人!
 その体は先ほどのものとは別物。先ほどの二倍の大きさだ!

「ハァー……!」

「能力が解除された……? いや違う」

 その通り。彼は以上に筋肉を膨張させ、無理やり立っていた。カジバ・チカラではない。
 ましてや自身の能力ではない。かと言って、自分の持つ力でもない。

「「死にたいらしいな、殺してやろう」」

 突然の死刑宣告! そして二重の声!

 DOOOOOOOOO!!

 その時、漁港輸入センターは完全崩壊した。




 かつて、異王(ドミネーター)という神がいた。
 その神は、異界とつながる唯一の神として見られていた。
 
 ある日、異王は一人の人間に恋し、地に降り立った。
 人間も異王を受け入れ、お互いに愛し合った。
 それを知った弟=繋結(ゲート)は父にこのことを伝えた。

 すると父は憤怒し、忠誠を誓いし者たちと異王を倒しに向かった。
 異王は恐れたが、愛した人間の顔を再び見ようと反撃する。

 異王は異界を開き、魔物、悪魔などの邪悪なるもの共を呼び出した。
 しかし、父には力及ばず、自身の能力を残し、消えていった。




「異王(ドミネーター)……」

 アキタはそう呟いた。
 すると、羽を生やした謎の生き物が黒き裂け目から現れる。
 その生き物が鶏のような足でアキタを掴み、上へ飛ぶ。
 ここは地下だった。なので上へ行くのか?

「ゲホッ」

 地上へ出て、一回転して着地。

「君の思った通りだったね」

 後ろを向くと、鉄仮面をかけ、赤いタキシードを着こなした人と、見知った顔の人物が立っていた。
 見知った顔はクレ・セキその人だ。

「単刀直入にいうよ、アキタ・ヒロフミ。私たちと来い」

「何故だ……?」

 アキタ自身も驚くほど、冷静に言った。

「君は強い、私達には今、君のようなものが必要なんだ」

 アキタは静かに男を見つめる。

「革命を起こせるぞ? この世界に革命を」

「革命なんか、必要ない。俺は愛したいものを愛し、殺したいものを殺す。ただそれだけの存在だ。勝手に生きて、勝手に死ぬ」

 アキタは自分の顔を触ろうとしたが、いつの間にか仮面をつけていた。
 彼は自分の手を見つめる。

「けど、目的が無いと、俺は、生きられないだろう」

 拳を作り、握りしめた。

「行こう」



  我が道はここから  ……完

◆休憩(そのまま終わる可能性あり)します◆

◆どーも皆様◆
◆開始します◆
■今回最初は、前スレの1話目に地文をつけたいと思います■


 タツカワ・タツキ。高校一年。
 夢、無し。趣味、なくはない。

 彼には誰にも言えない秘密がある。
 それは、『星速』(スター)という能力を使えることだ。
 そう、彼は能力者なのだ。

「ふぁー……ねむ」

 タツキはあくびをし、机に顔をつける。
 退屈、その言葉が似合うような生き方をしていた。

「最近そればっかだなー」

「退屈過ぎて死にそー」

 友人は背中をさする。

「よーし分かった、じゃあさ、オンナ誘って遊ぼうぜ?」

「……それもいいかな」



「タツキ君ってサァ、意外にイケメンだよねぇ」

 女子生徒がタツキをほめる。

「そうか? 自分じゃ分からなくてね。こういう事やっても……っていつも思うんだよ」

「全然いけるよー、もっと遊んだら?」

 もう一人の女子生徒が提案した。
 少し間をおいて、タツキは口を開いた。

「そうだなー」

「いいなー、お前だけ」

「いやいや……」

 少しだけ、タツキの中で退屈という感情が消えかかった……だが。

「キヤァァァァァァァ!!」

 周囲にいる人々は、叫び声が聞こえた方に注目する。
 団地の四階が燃えている!

「誰か助けて! 死んじゃう! 死んじゃう!」

 母親の声と赤ん坊と思われる鳴き声が響く。

「ェ……だ、誰か消防! 早く呼べ!」

「う、うん!」

 女子生徒が慌てて携帯端末機を取りだす。
 それと同時にタツキはバックを投げ捨てる。

「お、おいタツキ! まさか」

 タツキは友人の呼びかけを無視し、走り出した。
 階段を飛び越え、二階、三階と十秒もかけず素早く行動する!

「い、いた……!」

 女性が倒れ、その手にはやはり赤ん坊が!

「大丈夫ですか! ……!」

 タツキは能力者特有の洞察力で女性が死んでいると判断し、赤ん坊を抱きかかえた。

「……お前だけは」

「面白くねぇなァ」



「お父さん。この木、なぁに?」

 小さき頃のサナダ・クサスケは自分と同じ位の木を見て、父に問う。

「これはね、桜って言うんだよ」

「さくら?」

 父はクサスケを抱きかかえる。

「この木はね、クサスケが生まれてから植えたものなんだよ」

 父は笑顔で、クサスケに山の下の町を見せた。

「この町にない、最高の桜を育てるんだ……長くかかるけどね」

 母が二人を呼び、父が大きな声で返事をした。


 その二年後、父は急病で寝込んでしまう。
 母は今祖母の家に帰っており、今こちらへ向かっているが、早くても四日はかかるという。
 医者に診てもらったが、その病気は謎に包まれていた。

「クサ……ス……ケ」

 父が三日ぶりに口を開いた。
 クサスケは父に駆け寄り、手を握る。

「父さん!」

「クサ……スケ」

「無理しないで!」

「聞け……クサスケ……倉庫に、ゲホッ! 倉庫に、代々受け継いできた……カタナがある……もってこい」

 一瞬、行くか否か戸惑ったが、倉庫へ駆け出す。
 門を開ると、正面にある箱に目を奪われる。
 箱には「カタナここにあり」と彫られている。
 クサスケはそれを持ち、父の所へ置きに行く。

「これかい?」

「ああ……それだ……」

 父は起き上がり、何かをはめた。
 それは、小さい木の板だった。
 箱が開けられる……そこにはやはりカタナがあった。
 だがそれは、邪念、怨念、呪詛、闇黒、殺気が全て混ざったカタナそのものだった。
 父はそれに押されたのか、あるいは恐れたのか、布団へ飛び込んだ。
 立とうとする、だが病気のせいで倒れる。

「父さん……!」

「俺は……生きなければ……桜を……育たなければ……!」

「……」

 クサスケは父へ近づき、父を布団へ寝かす。

「なに……を」

「父さん……俺、父さんの意志を継ぐよ」

 クサスケは正座をしながら言う。

「あの木を、立派な木にして……この世界にはない、一番の木にする! だから……」

 クサスケは涙を溢す……。
 風が……吹く……クサスケの……背中を押すように……。

「悪役には、ならないで……!」

 父は天井を見つめた。

「ああ……そうか……それは、安心した……」

 父は微笑みながら……目を閉じた。



「ついてねぇッ! 何でこんなに敵さん来るんだ!」

 量産型抹殺機「タロウ」五人が一斉に発砲!
 ホワイトマンは跳びながら回転し、壁を蹴り避ける。

「きりねェ! さすがの俺もこれは頭に来るぜ!」

「ハイジョ!」

 五人のタロウがホワイトマンめがけ発砲する。
 ホワイトマンは紙一重でこれを躱す。
 壁を蹴り、瞬間タロウ五人の首を横蹴りで吹き飛ばす!

「フゥー……次ィッ!」

「ハイジョ!」

 五人のタロウが後ろから一斉発砲!
 ホワイトマンは五つの弾丸を素手で捉え、投げ返す。
 タロウ全員の脳天に弾丸がめり込み、死亡!

「ハイジョ!」

 屋上から出てきたタロウが一斉発砲!
 ホワイトマンはそれを避け飛び上がり、横蹴りで首を吹き飛ばす。
 ホワイトマンはそのまま逃走。目指した先は、山の麓!



 数分して。山を登ろうとしたホワイトマンを待ち構えていたのは巨大な門。
 そしてそこにいた敵!

「えぇ! ここにも!?」

「ここから先は通さんぞ!」

 ホワイトマンは回転しながらトビ・パンチを繰り出す。
 敵は両手で防御するが、少し押されている!
 その時、激しい水がホワイトマンに直撃し、壁に叩き付けられる。

「俺はリバー! 貴様のようなものに決して負けない戦士の一人だ!」

 その周辺には四本の水柱が立っていた。

「ほォ、いってくれるじゃねーか……!」

 ホワイトマンは即座に構え、深い呼吸をする。

「なんだ……フハハ! 新たな情報だ。見たことのない……その構え、どこから」

「ダラァッ!」

 瞬間、リバーの目に映ったのは……空色の空。
 一瞬の油断。そう、一瞬だけの時間でリバーの首は……吹き飛んでいた!
 しかし、ホワイトマンのその力に副作用が無いわけではない。
 腕と脚から鮮血が迸る!

「チッ……ついやっちまったじゃねーか……」

 ホワイトマンは門を見上げる。

「……二、三。三人か」

 ホワイトマンはその門を叩き、破壊する。
 重い一歩を踏み出した。

「皆殺しだ」

◆今回はここまで◆
◆いい夢を、おやすみなさい◆


■ここで紹介■

 ホワイトマン

 中退したそのあと、猛勉強しミトウシ社に就職する。
 その後親と食事に出かけたところ、襲撃が開始された。
 それに巻き込まれ、両親を殺された彼に、謎の能力が憑りつく。

 憑りついた体は約二百センチも高くなる。
 握力、速度など、身体に影響が出てくる。
 自身はその能力がどういうものなのか知らないが、ミトウシ社ではすでに調べがついているという。

 彼はあれでも、思いやりのある者なのだ。
「この世に神などいない」が彼のモットーである。

■再か


「ん?」

 ホワイトマンは門に拳を叩き付けながら振り返った。

「気のせいか」

 ホワイトマンは山頂を見上げた。
 そこには雑草も森林も一切ない坂がある。
 ホワイトマンは駆け上る。

 そこには黄色い鎧を装着した一人の男が立っていた。

「……お前で最後だ」

 ホワイトマンは戦闘状態に入る。

「この地に土足で踏み込むなど、言語道断。貴様はここで死すべし人間だ」

 男が手に持つカタナを抜く。
 カタナは全てを切り裂くような空気を出しており、その樋(片側面)には「二十」と書かれていた。

「ダラァッ!」

 ホワイトマンはトビ・パンチを繰り出す。

「間抜けな奴よ。正面からなどと」

 男はカタナを振るう。
 ホワイトマンはこれを……躱せなかった!

「ドワーッ!」

「ヌンッ!」

 男がカタナを振るうと、距離が縮まり、また振るう。
 ホワイトマンが斬られる!
 どういうことか? それは、やはり能力。

 男の能力は絶斬(ブレイド)。全てを切り裂く恐ろしき能力なのだ!
 全てとは空気、空間とて例外ではない!

 男はカタナを振るう。
 空気が裂け、無重力となり、それが一瞬で直りホワイトマンとの距離を縮める。

「ヌンッ!」

「ドワーッ!」

 ホワイトマンは浅い切り傷を負う。

「ヌンッ!」
「ドワーッ!」

 ホワイトマンは浅い切り傷を負う。

「ヌンッッッッ!」「ドワーッ!」

 男が重い一撃をくらわせる!
 ホワイトマンは大きな切り傷を負う!
 鮮血がそのカタナに吸われ「二十」の字が赤く光った。

「て、撤退を」

 ホワイトマンが振り返り、走り出そうとしたとき、カタナが背中に深々と斬られる!

「ドワーッ!」

「逃がさん。このカタナが貴様の血を吸い尽くした後、肉体を埋めてやろう」

 男が縦にカタナを構え、ホワイトマンを狙う。
 瞬間、ホワイトマンは跳躍した。これは「カエル・トビ」!
 そして着地し、急加速で走り出した。これがカジバ・チカラか?

「こんなところで死んだら、俺の怨念が貴様を殺す! 覚えていろ! 必ず! 必ず貴様を殺す!」

 男はカタナを納め、ホワイトマンを見つめた。


 桜の木の意味  ……完



◆今回はここまで◆
◆いい夢を、おやすみなさい◆

◆アンケート◆

■次の話について■

◆次の話を決めます◆

●1番 「桜の木の意味」つづきから●

●2番 また別の話●

◆なお、1番早くきた数字で決まます◆

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