ケンジャキ「ダークソウル」 (67)

ダークソウル×仮面ライダー剣です。

ダークソウルの難易度は八週目以降です。
ケンジャキのカードはエース以外ありません。(後々手には入るかも)

バランス調整のためブレイドの性能はかなりダウンしてます。

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あれからどれだけの時が過ぎただろう。

あの時、同じ時間を共に過ごした人達は皆、居なくなった。

いや………1人だけ、俺と同じ《不死》の存在を除いて、か。

長い長い時が過ぎた。確かに掴んだハズの希望は風化し、目指した夢は脆く崩れ去った。

足は前に進まず、倒れた身体を起き上がらせる力すら湧いてこない。

「……?」

ふと、冷え切った身体を暖めてくれるモノに気付く。

顔を上げると、いつの間にか目の前に煌々と燃える《篝火》が現れていた。

その篝火の熱は俺を優しく包み込んでくれているようだった。

「もう……疲れたよ…始」

そして篝火は暖かな光を放ち……………

深い眠りから意識がゆらゆらと浮き上がってくる。
そして頭上から差し込んだ光が意識を覚醒させる。

剣崎「ここは……?」

今、居る場所は荒れ果てた牢屋のようだった。

剣崎「? 確か、あの時………」

暖かい光に包まれて、そして……

剣崎「…………」

いや、どうでもいい事だ。

生き続ける事に疲れた俺はもうずっと前に《生きる》事を諦めたじゃないか。

だからどんな場所に居ようが、もう、どうでも……


ガチャン


剣崎「?」

金属質な音を立て、天井に空いた穴から鍵が落ちてきた。

その穴の方を見ると鎧を着込んだ騎士の様な姿をした人間が此方を見ていた。

騎士「……」

だが、それは一瞬の事で直ぐに騎士の姿は見えなくなった。

剣崎「………」

篝火のお陰で少しばかり熱を取り戻した身体に力を入れ、ゆらり、と立ち上がる。

剣崎「此処で朽ち果てるのは、ちょっと嫌だな」

疲れ果ててはいる。だが、どうせなら明るい花畑みたいな場所で眠りたい。

剣崎「行くか」

さっきの騎士が投げ入れた鍵を使って牢屋の扉を開け、外に出て行く。


自分の足で立ったのは、1000年振りぐらいかな?

剣崎「暗いな……うわ!? これ、血!?」

牢屋から出たのはいいがどうにも妙だ。平然と死体が転がっていて、しかも至る所に血痕が飛び散っている。


剣崎「あ! あれは……人!」

通路の先に人影が立っているのに気付く。

こんな気味の悪い場所に居る人間がまともとは思えないけど、話くらいは聞いてくれるだろう。

剣崎「あの、スミマセン……!?」

驚きの余り言葉に詰まる。声を掛けたその人物は異様な姿をしていた。

そいつは腰に古ぼけた布を巻いただけの姿をしていて、右手には折れた直剣を握っていた。

だが、最も目を引いたのはそいつの体が酷くボドボドで、おおよそ生きていられるハズが無い状態だった事だ。

亡者「アァア!」

こっちに気付いたそいつはいきなり走り出し、折れた直剣を振り回す。

剣崎「っ……」

一瞬、驚きで体が硬直するが何とか攻撃を避け、お返しに頭に向けてハイキックを叩き込む。

剣崎「しまった!」

かつての戦いで《不死》になった俺の身体はその影響でかなり強化されている。

そんな俺がキックを人間の頭に当てたりしたら簡単に死んでしまう。

だが、

亡者「アァアアァアアァア!」

そいつはまるでダメージがなかったかのように平然と立ち上がり切りかかってくる。

剣崎「!?」

斬撃は何とか回避したが、変わりに体重の乗った体当たりを食らってしまう。

剣崎「ぐっ…!?」

その隙を突いて折れた直剣を俺に突き刺そうと大きく振り上げる。

剣崎「っ!」

激痛を覚悟したその瞬間、

亡者「ァ………」

ドサッという音と共にそいつは地面に倒れ伏す。

「やれやれ……ただの亡者にヤられそうになるとは……見込み違い、だったか?」

そう言って、身体を引きずるように現れたのは牢屋の扉の鍵をくれた騎士だった。

剣崎「アナタは……?」

騎士「俺か? 俺は…オスカー。アストラの上級騎士だ」

間違えた
>>9
×「やれやれ……ただの亡者にヤられそうになるとは……見込み違い、だったか?」

〇「やれやれ……ただの亡者に殺されそうになるとは……見込み違い、だったか?」

剣崎「アストラ…?」

オスカー「あぁ。それで、お前は?」

息も絶え絶えに苦しそうに言葉を紡ぐオスカーに俺は自分の名を名乗る。

剣崎「俺は、剣崎……剣崎一真だ」

オスカー「ケンジャキか。変わった、名前だな」

剣崎「いや、ケンジャキじゃなくて剣崎……」

オスカー「? だから、ケンジャキだろ?」

剣崎「………もう、それでいいです」

オスカー「ハハ。面白い、ヤツだ、な……」

壁に寄りかかる事で辛うじて立っていたオスカーが支えを失ったように地面に崩れ落ちる。

剣崎「!? オスカー!?」

オスカー「俺も、ここまで、か……」

剣崎「おい!!」

オスカー「ケンジャキ、お前に、コレを……」

そう言ってオスカーが懐から取り出したのは黄金に輝く一つの瓶だった。

オスカー「《エスト瓶》だ。大切に、使ってくれ……」

オスカー「コレを使って不死の使命を……俺が成し得なかった使命を、果たしてくれ」

剣崎「使命……」

オスカー「古い言い伝えだ。言い伝えはこうだ」



『不死とは使命の印……』

『その印あらわれし者は、不死院から古き王達の地に至り』

『目覚めの鐘を鳴らし、不死の使命を知れ』



オスカー「これが、使命だ」

剣崎「使命だなんて言われても……俺は」

『死にたいんだ』そう言いたかった。だが、甲冑の隙間から覗くオスカーの真っ直ぐな瞳がそれを許してくれない。

オスカー「ケンジャキ、お前も不死なんだろ?」

剣崎「!?」

オスカー「お前の右手の甲に『ダークリング』があるからな……それに不死院に居るって事はイコール不死って事だからな」

剣崎「手の甲…? っ!? なんだ、この輪っか!?」

いつの間にか俺の右手の甲にオレンジ色の輪っかが浮かび上がっていた。

剣崎「オスカー、この輪っか……」

オスカーに説明を求めようとするが、オスカーの呼吸がだんだん弱まっていることに気付く。

オスカー「情け無いな……使命を果たすと意気込んで故郷を飛び出し、後少しって所で力尽きるなんてな」

剣崎「オスカー………」

ドクンッ

長く凍りついていた心が脈打ち、忘れていた『誰かを助けたい』という気持ちが甦る。

かつて自分が《仮面ライダー》と呼ばれていた時、確かに胸に抱いていた気持ちが。

剣崎「……分かった。約束する。必ず、使命を果たす」

オスカー「……ありがとよ。お前なら、きっと………」

心に灯った僅かな炎。それはかつて抱いていた炎よりずっと小さく頼りない。だが、今度は消したりは、しない。

オスカー「さぁ。そろそろ行ってくれ。亡者になって君を襲いたくない……敵を倒す事を躊躇うなよケンジャキ」

剣崎「……あぁ」

オスカー「これで、希望をもって、[ピーーー]る………ありがとう。ケンジャキ………さよなら」

剣崎「………」

剣崎はピクリとも動かなくなったオスカーを後目に立ち上がる。

剣崎「……必ず、使命を果たしてみせるよ」

そう呟き、剣崎はオスカーを置いて薄暗い通路を進んで行く。

剣崎「ここか?」

通路が途切れたその先には広場があり、その中心に燃え尽きた篝火がポツンと存在していた。

剣崎「あれは、篝火?………そうだ。確か俺はあの時……」

まるで何かに導かれるかのように剣崎は燃え尽きた篝火に右手を翳す。

すると燃え尽きていた篝火が僅かではあるが、確かに火が灯る。

剣崎「暖かい……」

篝火の熱にほだされた剣崎はその場に座り込む。

すると、不思議な事に自分の情報が篝火の中に写しだされる。

剣崎「これ……俺のことか?」



Kenjyakiの現在のステータス

素性 joker
レベル ??
所持ソウル 0
体力 ?? 記憶力 1? 持久力 3?
スタミナ 2? 筋力 ?2 技量 3?
耐久力 5? 理力 15 信仰 ?0
人間性 13



剣崎「……?ばっかりだな……しかも名前、これケンジャキじゃね?」

剣崎「なんか納得行かないけど……取り敢えず、ここから出て約束を果たさないとな」

そう言ってゆっくりと立ち上がった剣崎は篝火から離れ眼前にそびえ立つ巨大な門に歩み寄る。

剣崎「………行くか」

そして錆び付いた門を力任せに押し、ゆっくりと開く。そして、次の瞬間。


ズンッ


剣崎「!?」

不死院のデーモン「ボォァァアア!!」

剣崎「な、ん」

ドズンッ

剣崎「ゴブッ!?」

突然現れた化け物に唖然としていた剣崎に不死院のデーモンの大斧が叩きつけられる。

並の不死者ならば一撃で粉々になっていただろうが、耐久力の高い剣崎はギリギリ持ちこたえていた。

剣崎「くっ……」

不死院のデーモン「ガァァアア!!」

連続で振り下ろされる大斧を紙一重で避け、一旦剣崎はデーモンから距離をとる。

剣崎「………やるしかない、か」

剣崎は使い古されボロボロになったバックルを取り出し、腰に装着する。そしてカブトムシの絵が描かれたカードをバックルに挿入する。

その隙を逃さずデーモンは大斧を大きく振りかぶり剣崎に振り下ろす。

剣崎「ヘシン!」

《Turn Up》

だが、その一撃はバックルから飛び出た青い光の壁に阻まれ剣崎には届かない。

そして剣崎がその青い光の壁をくぐると、そこには青と白の鎧で身を固めた戦士《仮面ライダーブレイド》が立っていた。

ケンジャキ「ウェーイ!!」

勢いの乗ったブレイドの拳がデーモンの右足を打ち抜く。

ブレイドの拳は巨大なデーモンの足を砕き、不死院のデーモンは盛大な音を立てながら尻餅をつく。

ブレイド「よし!速攻でケリをつける!」

そう言ってブレイドは《醒剣ブレイラウザー》のオープントレイから《THUNDER》のカードを取り出そうとするが、

ブレイド「あれ?……THUNDERのカードが、ない………それどころか他のカードも全部……」

もう気が遠くなる程昔、仲間達と共に命懸けで集めた《アンデッド》を封印したカードがエース以外、全てなくなっていた。

不死院のデーモン「ブルァァァァァァァ!!」

ブレイド「ぐっ!?」

カードの紛失に動揺したブレイドをデーモンが襲うが、染み付いた戦いの記憶が攻撃を反射的に回避する。

ブレイド「考えるのは後だ!」

カードがなければ必殺技は使えない。たが、ブレイドの手にはまだブレイラウザーが残っている。

ブレイドは愛剣を正眼に構え、勢いよくデーモンに斬りかかる。

ブレイド「ウェーイ!!!!!」

ウェーイ!!www真面目なシーンなのはわかるけどやっぱ笑ってしまうw

そういや細かいことだけど
不死院のデーモンが使うのは、大斧じゃなくて大槌だぜ
あと戦闘が単調になりそうならボスを封印してカード増やしていっても面白そう

>>45
あれ大槌だったんですね。
カードは絡めていく予定です

ブレイド「ハァッ!!」

ブレイドは勢いを乗せてブレイラウザーを力任せに不死院のデーモンの腹部に突き刺す。

不死院のデーモン「ブルァァァァァ!!」

デーモンも負けじと大槌をブレイドに叩きつけるが、ブレイドはデーモンの股を潜り抜け回避する。

ブレイド「ふっ!!」

そして避けた先でデーモンの無防備な背中をブレイラウザーで切り裂く。

吹き出す血をものともせず、強力な跳躍力を発揮し、デーモンの頭頂部に着地すると同時にブレイラウザーを突き立てる。

ブレイド「これでっ!!!」

肉を引き裂く音が聞こえると同時に不死院のデーモンはゆっくりと崩れ落ちる。

ブレイド「…………あ、そうか。アンデットじゃないから爆発しないのか」

そう言って変身を解こうとした瞬間、ブレイドを巨大な影が覆う。

ブレイド「っ!?」

ブレイドが振り返ると、倒した筈のデーモンが立ち上がって巨体に似合わぬ素早さで大槌を振り抜く。

ブレイド「がっ!?」

デーモンの攻撃に耐えきれず、ブレイドは広間の壁に叩きつけられる。

ブレイド「くっ………」

傷を庇いながら立ち上がったブレイドは、デーモンの首元に何かが刺さっているのに気付く。

ソレは、見慣れたモノ……アンデットが封印されたカードだった。
そして、そのカードが薄く発光すると同時に、デーモンの傷が瞬く間に修復する。

ブレイド「なる、ほどね………そのカードが死ななかった理由か」

デーモンから受けた傷は深いが、動けなくなる程じゃない。

ブレイド「そのカードは元々俺達の物なんだ。返して、もらうぜ!」

ブレイドは震える身体を強引に持ち上げ、デーモンに向かって突進する。


ブレイド「はぁぁぁあ!!!!」

デーモン「ブルァァァァァア!!!」

決着は早かった。

腕力ではデーモンに分があったが、ブレイドの経験に裏打ちされた戦術には遠く及ばず、数分の戦闘でデーモンは呆気なく倒れた。

ブレイド「ふぅ……………終わり、だ」

デーモン「……」

両足を斬られ、倒れ込んだデーモンの頭にブレイドはブレイラウザーを深々と突き立てる。
それと同時にデーモンの首元に刺さっているカードを力付くで引っこ抜く。

ブレイド「こん、の!!」ブチブチブチ

デーモンの肉と一体化しかけていたカードが引っ張り出され、ブレイドの手に収まる。
そのカードは見覚えのあるものだった。

ブレイド「これ、リカバー・キャメルのカードじゃないか……」

それはブレイドが持っていたカードではなく、かつての朋友が所持していたハートの9のカードだった。

ブレイド「回復のカードか。だから傷が治癒してたってことかな?」

ブレイドがカードを眺めていると、カードを引き抜かれたデーモンの死体が白い光の粒となって霧散する。
だが、ブレイドはそれよりも気になることがあった。

ブレイド「ハートのカード……まさか、お前もここに来てるのか?……………始……」

ブレイドはカードを握り締める。

ブレイド「もし、そうなら…………いや、今は考えないでおこう」

脳裏によぎる嫌な予感を隅に追いやり、ブレイドは不死院の外に向かって歩き出す。

ブレイド「何はともあれ、先ずは約束を守らないとな」

そう言いながらブレイドは不死院の外に繋がる扉を開け、久しぶりの日の光を浴びるために不死院の外に出る。

不死院の外は、うっすらと雪が積もり遥か遠くには緑が見える。

どうやら不死院は切り立った崖の上に建っていたらしい。

ブレイド「………早くも行き止まりかよ」

そうぼやきながらもブレイドは歩き続け、急な坂を上り、一息つこうとした次の瞬間、

大烏「!!」バサッ!!

ブレイド「!?」

突然現れた大烏はブレイドの体を掴み、そのまま空高く飛び立ち、広い空を飛んでいく。
そしてここから、ブレイドの本当の旅が始まる。

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