【艦これ】ボクが時雨になった理由 (15)

思い付きの独自設定満載です
その辺苦手な方はごめんなさい

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彼の元がボクの元を去ったのは、突然だった
ボクより2つ上で、それなのに頼りない男の子
そんな彼が突然、提督に任命された
あの日涙が出なかったのは悲しくなかったわけではなくて、現実を見たくなかったのだと思う

だからボクの所にも通達が来た時、運命を感じた
お国のためとか、そんな高尚なものでは全くなくて、ただ彼の元に、居たい一心で、ボクは時雨になった

提督になっても彼は相変わらずで、変わったことと言えばボクとの立場の差ぐらいなもので
気楽に会話出来ないことに気を揉んだ彼が、名立たる戦艦や空母を冠した人たちを差し置いてボクを秘書に選んだ時は、流石のボクも苦笑いを隠せなかった

初めて敵を倒した時、嬉しさよりも恐怖で震えるボクの隣で、彼はずっと座っていた
いつの間にか並んでいた背は見上げるようになり、前線で指揮を取る背中に見惚れることも多くなってきたことに気付く頃には、配属されていた人員は約半数ほどになっていた

誰かが沈むたびに、彼は謝罪しながら涙を堪えていた
そんな彼を励ましながら、ボクが沈んだ時どう思うのか、なんて不謹慎なことを考えていたボクを許して欲しい

これを見てるキミは、何を思っているのだろうか
キミは時雨のために泣くのだろうか、それとも……
あぁ、雨の音が遠ざかっていく
叶うならもう一度、キミの顔が見たかった

きみのとなりにたつしぐれは、もうぼくじゃない
それでもぼくは、きみにあいたかった
さよならはいえないから、せめてきみのてで

ありがとう、ていとく

おわり

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