男「どうやらお嬢様のワガママに付き合うことになるようです」 (8)

<コンコン

母「いつまで寝てるんだい!起きな、バカ息子!」ガチャッ

男「う、うーん……」

母「ほら、起きる起きるー!二十歳を超えた男が昼まで寝てんじゃないよ!」ゲシゲシ

男「わかった!わかったから!蹴らないで!」

・・・・

男「なんなんだよ。いいじゃん、昼まで寝てても。昨日は深夜までバイトだったんだからさ」

母「ああ、男。そのバイトのことなんだけど」

男「なに?」

母「辞めますって電話したから」

男「は?」

母「だから、母さんがあんたのバイト先に辞めますって電話入れたから」

男「……は?」

母「なにさ?ハトが豆鉄砲喰らったような顔して」

男「はああああああああああッ!?」

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母「大人しく現実を受け止めな。挫折を経験して人間は大人になっていくのさ」

男「いやいやいやいや、意味がわかんない!というか、わかりたくないよ!」

母「見っとも無い。落ち着きのない男は女の子にモテないよ」

男「だまらっしゃい!」

男「ああ、どうしてくれるんだよ。店長すごくいい人だったのにぃ……」

母「いい人ならあんたのこともきっと許してくれるさ」

男「あの職場に好きな子いたのにぃ……」

母「世界にはたくさんの女の子がいるんだ。その子一人にこだわる必要なんてないだろ?」

男「」ズーン

母「あ、だめだこりゃ」

・・・・

母「とにかく明日面接の予約しといたからね」

男「面接ってなんの?」

母「それはね……母さんが昔働いてたところのだよ」ニヤ

~翌日~

男(えーと、ネクタイの結び方ってこれでよかったっけ?)キュッ

男「…………」グチャ

男(ま、いいか)

母「おとこー、まだ準備終わってないのかい」

男「すぐ行くー」

男(なんだ今日の母さん。やけに張り切って化粧してたな)

男(にしても、スーツで面接か。ってことは、ただのバイトってわけでもなさそうだな)

男(ま、面接なんて適当でいいか。別に落ちても俺が困ることなんてないんだから)

~車に揺られること15分~

母「着いたよ」ガチャッ

男「こ、これは……!」

男(鉄格子の門!)

男(庭は全面高級人口芝生!)

犬「キャインッ!」

男(庭に放し飼いされてるドーベルマン!)

男(でっかい噴水!)

男(ヨーロッパ風のお城みたいな建物!)

男(これぞ、少女漫画でよく見る典型的なお金持ちの屋敷!!)

?「あ、あの~?」

母「ああ、このバカは放っといてくれて構わないから」

?「え?そ、そうなんですか?」

男「よくないですっ!」

男「それよりあなたは?」

女「あ、申し遅れました。わたし、この屋敷でメイドをしている女と申します。よろしくおねがいいたします」

男「あ、どうも」

男(この子胸大きいなあ。メロンが二つぶらさがってるよ)ジー

母「…………」グイッ

男「いひゃいっ!」

女「あの~どうかされました?」

男「いえー、別に大したことじゃないんですよ!大したことじゃ!」ジンジン

母「気にしないでいいからね」

女「それじゃあ早速、奥様のところにご案内しますね~」

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