南条光「これが逆境だ!!」 (39)
吼えろペン×モバマスのクロスです。
前作から設定を引き継いでいます。
キャラ崩壊等についてはご容赦下さい。
前作→炎尾燃「アイドルが取材に!?」
炎尾燃「アイドルが取材に!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1421112655/)
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光「アニメ声優のお仕事?」
P「そうだ。本来ならオーディションで決まるんだが、先方よりご指名を頂いたのでな」
光「アニメかー、うん、嬉しくないわけじゃないんだ。でもやっぱり特撮の方がもっと嬉しかったな!」アハハ
P「おいおい、贅沢言うなよ。しかも聞いて驚け、なんとヒロイン役らしいんだ!」
光「な、ほ、本当なのか!?」
P「俺も聞いた時は耳を疑ったよ……しばらく拘束される仕事になるが、出来れば受けたいと思っている。せっかくのご指名だしな」
光「そうだな、もちろんアタシにも異論はないぞ!どんなお仕事も全力投球、目指すは特撮の主題歌だ!」
P「ああ、その意気だ。じゃあ先方にはOKで返事を入れておくぞ」
光「よろしく頼む!……そうそう、指名って聞いたけど、一体どんなアニメなんだ?」
P「えーっと、どうやら2時間ほどのOVAで、逆境ナインというアニメらしいぞ」
光「なに!?」
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P「おいおい、マジか……こないだの炎プロさん原作のアニメだったか」
光「逆境ナインを知らないとは、不勉強にもほどがあるぞプロデューサー!!」プンスカ
P「無茶言うなって……あー、まだ知名度もそう高くないのに、指名っておかしいなとは思いはしたんだが……どうしよ……」
光「どうしよって何だ?」
P「いや、前回お伺いした時にご迷惑を掛けてるじゃないか、炎プロさんには。気にしないでくれとはおっしゃってくれたが」
光「ううぅ……」
P「その上こんなアニメ起用の斡旋みたいなことをされちゃあまりにも申し訳が……っておいおいそんな顔するなって!」
光「だっで~……」エグエグ
P「ったく、わかったわかった!じゃあこうしよう。炎プロさんの紹介かどうか、アニメ制作に確認を取るから」
光「ゔん゙……」グシュグシュ
P「まあ、多分そうだろうと思うけど……それで炎プロさん経由だったら、お礼と真意をうかがおう」
光「?」グシュグシュ
P「前回の縁で、いわゆるコネだな。そういった推薦なら丁重にお断りしよう。そうじゃなく、南条光というキャラクターを見ていただいてだ」
P「そのうえで、漫画のイメージに合ったということなら精一杯頑張らさせてもらおうじゃないか」
光「うん……」スンスン
P「だー、もう泣くなって!そうじゃないと正々堂々、実力で仕事を取ったって胸を張れないだろ!?」
光「うん……そうだな!」ゴシゴシ
光「よし!もう大丈夫だ!!プロデューサーの言うとおり、自分の力で勝ち取らないとな!」
P「そうだ、じゃあ段取りをするからお前もあんまりメソメソすんなよ!」
光「ああ!やっぱりプロデューサーは頼りになる一番の相棒だ!」ニカッ
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P「アニメ制作が言うには、やはり原作者がぜひ南条光を使ってみてほしいと推薦してくれたらしい」
光「おお、そうか……すっごく嬉しいけど、ちょっとだけ不安だな」
P「ああ。それでお礼を伝える時間も取って頂けたから、訪問させていただこう」
光「やった!また炎プロに行けるんだな!!」
P「おいおい、お前今度こそ気をつけてくれよ……あ、胃が……」キリキリ
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【炎プロ】
P「先日は誠に申し訳ありませんでした」
光「申し訳ありませんでした!」
炎尾「いえいえ、そう何度も謝っていただかなくても構いませんよ」
P「そういうわけには……そうですか、ありがとうございます。それで、本日お伺いしたことなのですが……」
光「あ、あの、先生!」
炎尾「なんだ?」
光「逆境ナインのアニメ化、おめでとうございます!!」
炎尾「ああ、ありがとう!!ずいぶん前に描いた作品だが、君のように愛し続けてくれるファンのおかげでアニメになったよ!」
光「わあ……」キラキラ
P「えー、それでですね、今回ウチの南条をご紹介いただいたとのことですが」
炎尾「ああ、はい、いや相談もなく申し訳ない」
P「いえいえ!本当に有難いお話なんですが、先生のお気持ちと申しますか、お聞きさせていただきたくてですね」
炎尾「と言いますと……?」
P「率直に申し上げて、南条はまだネームバリューもありません。演技力もご理解頂けるようなところはお見せ出来ていないと思います」
炎尾「ああ……(なるほど)」ニヤリ
P「ですので、誠に失礼なお話なのですが、もし分不相応な身ながら縁故でご推薦いただいたとなりますと……」
炎尾「断ろう、ということですね」
P「はい」
炎尾「ふふ……ははは……はははははははは!!!!!」
炎尾「プロデューサーさん!!」
P「は、はい!」
炎尾「漫画家はね、みんな命を掛けて漫画を描いているんですよ!」
炎尾「自分の魂を込めて原稿を仕上げ、それがコミックスになってたくさんの方に読んで頂き、さらに運が重なってアニメにして頂いた!」
炎尾「そんな、自分がやってきたことが認められた集大成のような作品に!!」
炎尾「たまたまのコネでイメージに合わないアイドルを起用したいなんて漫画家はいません!」
炎尾(まあいるかもしれんし何人か見当はつくが、それはそれで)
光・P「お、おお……」キラキラ
炎尾「安心してください!このお話を頂いたときに私のイメージにピッタリ合うのが彼女でした」
P「あ、ありがとうございます!!」
炎尾「光!」
光「はい!」
炎尾「頼んだぞ!!」
光「はい!任せてください!!」
ガシィッ!!
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【車内】
P「なー、ひかるー……」ボケー..
光「どうしたんだ?」
P「なんていうか……すげえ人だなー……」
光「そうだな!すごいパワーをくれる人だ!炎尾先生も、ヤスさんも、大哲さんも、英雄さんもみんな良い人だし!」
P「そっかー……なんかお前が気に入られたり合うのがわかる気がするわ……」
光「そうか、嬉しいな!でもプロデューサーもすごい人だぞ?」
P「ん……そうだな、俺も頑張らなくちゃな!」
光「ああ!収録が楽しみだ!」
P「おう!」
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【制作会社】
P「さて、これから監督に挨拶に行くわけだが……準備はいいか?」
光「おう!いつでもいいぞ!」
P「よし、気合入れて行こう……失礼します」コンコン
光「失礼します!!」
??「うーい、どうぞー」
ガチャッ
P「初めまして、モバプロ所属、プロデューサーのPです。このたび、逆境ナインで月田明子役を演じることとなりました、弊社所属の南条光を連れて参りました」
光「南条光です!よろしくお願いします!」
??「あー、あの原作者がずいぶん熱心に推してた……アイドルさんだっけか」
光「はい!」
??「アイドルさんにどれだけ演技が出来るのかねぇ……」フッ
光(むっ、なんだかこの人感じ悪いな!)
P「お仕事ひとつひとつ、修行中ながら精一杯やらせていただきます」
??「あー、どうぞどうぞ。監督の石島克彦です。ってまあ聞いてるか」
P「はい、うかがっております」
石島「んー、アイドルさんねぇ……あの原作者が気に入ってるってぐらいだ、元気だけはありそうだな」
光「はい!!一生懸命頑張ります!!」
石島「一生懸命は当たり前なんだよねぇ。えーっと、そうだなあ、これ読んでみ」バサッ
光「?」
石島「今度の本。原作。それの67Pの2コマめ読んでみてよ、もちろんマネージャーのところな」
光「は、はい」
光『元気だして!!ファイトよっ、不屈キャプテン!!』
石島「おーおー、オーケーオーケー、いいねー!ぶっつけでそれはなかなか出来ねえよ」
光「ありがとうございます!」エヘヘ
石島「じゃあ次のページ読んでみて」
光「はい!」
光『キャプテン……!不屈キャプテン、ファイト!!』
石島「あー、やっぱりそうだろうなあ……オーケー、もういいよ」
光「?」
石島「類は友を呼ぶというかなんというか……原作者から聞いてるけどさ、この漫画けっこう読んだんだろ?」
光「は、はい!子供の頃から読んでます!」
石島「んじゃあ読み込みが足りて無いわけじゃないだろ?」
光「……?」
石島「それでその演技はちょっとねえ……代役でも探す方がいいんじゃないの?」
P「(イラッ)おっしゃる意味がわかりかねますが?」
石島「元気ありすぎ。その子呼んだ原作者と同じパターンだわ」
P「……」
石島「似たようなセリフで状況違うの読ませりゃすぐわかる。抑揚、強弱、闊達さとしおらしさ、一朝一夕で身につくもんじゃないぜえ?」
P「それは理解しているつもりです」
石島「元気なシーンは確かにピッタリだ、驚いたわ。だけどこの子に演技ってのが出来んのかあ?」
P「しかし、それはこれから……!」
光「やります!!」
石島「ほう?」
光「確かに、アタシには女の子らしいしおらしさは足りて無いかもしれない……でも!!」
光「この役、絶対にみんなが満足してくれるように、アタシが演じてみせるんだ!!」
石島「そうかい、んじゃまあ今は何も言わねえ。ただしアフレコ入るような段階でも駄目だったら配役変更も考えることになるぜ」
光「望むところだ!!」
石島「おうおう、せいぜい頑張ってくれや。期待してるわ」ニヤリ
光「任せてくれ!!」
P「それでは、失礼します」
光「失礼します!!」
ガチャッ……バタン!!
石島「もっと静かに閉めてけや……」
石島「クックックックッ……いやあ面白え仕事だなあ、今回も」
石島「配役変更?あんなやかましいのモブに使えるわけねえだろ……クフフハハハ」
・
・
P「ふーっ、失礼というか歯に衣着せないというか……大丈夫か、光?」
光「ふ……ふふ……ふっふっふっふっふっ……!」
P「光?」
光「燃えてきたぞ!!」
P「お、おう?」
光「これだ……これなんだ!!」
P「ど、どれだ?」
光「これが逆境だ!!」
その日から南条光の特訓が始まった!!
力まずに声を出すため、20kmのランニング腕立て100回腹筋100回をこなした後に台本を読んだ!
満身創痍のカッコいい演技が出来るようになった!
脱力を覚えるため、双葉杏と行動を共にした!
何故かきらりん☆ぱわーを身に付けた!
演技力を身に付けるため、神崎蘭子と行動を共にした!
神崎蘭子は太陽が煩わしくなくなった!
女の子らしさを磨くため、佐久間まゆと行動を共にした!
なんだかよくおぼえていません……
そして!!
・
・
【炎プロ】
ヤス「先生、今日はアニメの収録現場に行かれるんですよね?」
炎尾「ああ、立て続けの締め切りも一段落ついたし何とか間に合ったな」
英雄「光ちゃん、マネージャー役でやってるんですよね?」
炎尾「うーん、そうだなあ」
ヤス「あれ?前に挨拶に来てましたよね?」
炎尾「そうなんだが、彼女は見ての通り元気が良すぎる子だ」
ヤス「そうですね」
炎尾「それで、石島監督がいくつか読ませたんだが、脱力した演技やしおらしい演技が苦手のようでな」
アシ(ああ……先生と一緒か)
炎尾(むしろ彼女が男なら不屈役をやって欲しかったぐらいなんだが)
炎尾「それであまりに難しいようなら、一般生徒と役を差し替えるかもしれないという報告は受けている」
大哲「そ、そんな!!」
炎尾「その後忙しくて連絡受けられなかったから、どうなっているのか確認も兼ねてだな、今日は」
ヤス「そうですかー……」
大哲「(ゴソゴソ……)先生、これを」
炎尾「む、これは?」
大哲「烈車戦隊トッキュウジャーの食玩コレクションです。これを持っていつでも遊びに来いと」
炎尾「わ、わかった(いつでもは困るのだが)」
英雄「あ、じゃあ俺はこのDXゼンリンシューターを」
炎尾「おお、いいのか?」
英雄「もう一つ持ってますから。遊びに来るとき持って来いと伝えてください」
炎尾「わ、わかった(扱いが親戚の子供みたいになってきたな)」
ヤス「じゃあ僕は」
炎尾「まだあるのか!?」
ヤス「いえ、向こうの事務所さんからお詫びで菓子折りとか頂いてるんでお返しです」
炎尾「おお、それは気が利いてて助かるな、流石だ」
アシ「「「行ってらっしゃーい」」」
炎尾「うむ!行ってくる!」
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【収録現場】
炎尾「あ、どーもモバプロさん」
P「先生、ご無沙汰しております」
炎尾「これ、頂いてばかりでしたのでつまらない物ですが……」
P「いえいえ!お気をつかって頂いて恐縮です!」
石島「よう、原作者」
炎尾「よう、アニメ監督。どうだ?」
石島「クックックックッ、いやあ面白え面白え」
炎尾「チェックしたが、いい絵描けてたみたいだな」
石島「まああんなもんよ……そんなことよりおめえさんが推してきたアイドルだが」
炎尾「おお、光くんはどうだ?」
石島「ちょうど今、ブースで音撮りしてらあ。見てみろよ」
炎尾「おお……!!」
光『元気だして!!!!ファイトよっ!!不屈キャプテン!!!!』
炎尾(声でか!!)
光『キャプテン……!不屈キャプテン、ファイト!!』
石島「どうでえ?」
炎尾「あ、あれ大丈夫なの?声でかすぎない?」
石島「カッハハハハハ、いやー、参った参った」
石島「あいつ、力むのはやめられないからって声量増やしてでかい声でしおらしい演技するようになりやがった」
炎尾「えー……」
石島「音割れしねえようにフィルター掛けて音量調節したらこれがピッタリはまる演技になっててな、今回に関して言えば大成功だ」
炎尾「おお、そうか!!」
石島「まあ流石は原作者の目に適ったってとこか?イメージ通りだったわ」
炎尾「そうか……よかったな、光!!」ググッ!!
炎尾「……あ、で、でもモバプロさん的にはそれ大丈夫なんでしょうか?」
P「えーっと、今後を考えるとちょっと……まあ音量絞れるように修正していきます……」ハハ……
光『キャプテン頑張って!!!!!キャプテンの不屈の精神力なら出来るわ!!!!!!!』
石島「なあに、舞台あがりの声優はみんな声がでけえんだ、それとタメ張って演技出来るんだから将来大物になるかもしれんぜ」クククッ
P「はは……」アセアセ
こうして南条光の声優初挑戦は、見事大成功に終わった!
彼女の録音に使われたフィルターは『南条フィルター』とアニメ関係者から呼ばれることとなった!
その後、噂は広がり『マイク無しでもライブが出来る』『声のでかさだけなら歌姫・如月千早にも負けない』などと
まことしやかにささやかれ、意図しない方向から知名度がちょっぴり上がる事となったのである!
いつしか特撮ヒーロー主題歌を歌えるその日まで、頑張れ南条光!!負けるな南条光!!
【おまけ】
光「おはよう神崎、今日もよろしく頼む!!」
蘭子「煩わしい太陽ね(おはよう!)」
光「神崎、前から言いたかったんだが、太陽は決して煩わしくないぞ!」
蘭子「ふむ……私の紡ぐ言霊は、力を発揮しないのか……(あ、あれ、ちゃんと伝わらなかったかな)」
光「仮面ライダーBLACKも、サンバルカンも、ウルトラマンだってみんな太陽からエネルギーをもらってるんだ!」
蘭子「ククク……魔導に縛られし土塊-ゴーレム-か、我が目録には収めておらんな(特撮かあ……あんまり観たことないからわからないや)」
光「よし!アタシの特訓に付き合ってもらっているしな!神崎が太陽を好きになるようにアタシも力を貸そう!!」
蘭子「え……えっ?」
光「一緒に特撮のビデオを見て演技の研究をすれば一石二鳥だな!よーし、燃えてきたぞ!!」
蘭子「」
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光「おはよう、神崎!!」
蘭子「大いなる日輪とその申し子よ、私を照らすがよい!(光ちゃん、おはよう!)」
杏「あれ……いいの?」カカワリタクナイケド
P「んー、まあ今のところはまだギリOKかな……」カタカタ
おわり。
前回に続いて誰得SSでしたが見て頂いた方、ありがとうございました。
おつかれさま!
前作共々面白かった。最近光を好きになった俺には最高だわ
なんとなく燃が振りきれてない感があったので次作があれば
もっと燃えてほしいかなーって勝手な希望すまん
大事なこと書き忘れてた
南条さんの声は個人的に日高のり子さんがベストです。
次にまた何か書くことがあれば、よろしくお願いします。
>>30
ありがとうございます!
前回が炎プロメインに視点あてた感じだったので、今回は南条さんメインを意識したんですけど難しかったです。
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