11月になったら書きます
男「生理現象だ。仕方が無いだろう」
女「なんで、そんなに泰然としてんのwww」
男「そんな事は無い。かなり動揺しているぞ」
女「確かに直立してるしwww引きこもり女に欲情するなんてホント物好きwww」
男「実際、お前は可愛いからな。匂いも良い」クンカクンカ
女「ちょっwww嗅ぐなwww」
男「パンツを見せて来たのだから誘ってると思ったんだが、そんな事は無かったか」
女「当たり前だろwww大体、いつまで家にいる気だよwww」
男「……ああ、こんな時間か。そろそろ帰る。ちゃんと教えたところを復習しろよ」
女「やるかよwwwばーかwww」
男「馬鹿という方が馬鹿なんだ。この阿呆。じゃあ明日」
バタンッ
女「言い逃げとかズルいwww」
女「……ふう」
女「あのテンションで喋り続けるのも疲れる」
女「大体、引きこもりの家に毎日来るか普通。どんな暇人だよ」
女「高校に入ってから今まで話し掛けもしなかったくせに」
女「そんなことより、ネットで韓国叩きでもするかあ」
女「……その前に、一応復習しておこ」
ーー男の家ーー
男「ただいま」
姉「おかえり。最近遅いね」
男「友人の家に寄ってるからな」
姉「……男ちゃんにも友達がいたんだね。お姉ちゃん安心したよ」ホロリ
男「俺をどんな目で見ていたんだ。夕ご飯は?」
姉「親子丼だよー。温めて来てあげるからその間に着替えてきなよ」
男「分かった。ありがとう」
姉「ちゃんと感謝のことばを言える子に育ってくれてお姉ちゃんは嬉しいよ」
男「物事を円滑に進めるにはクッションが必要だからな。
尤も、日本以外でいつでも通用するとは限らないんだが」
姉「……そういうことを真顔で言っちゃうから、お姉ちゃんは心配なんだよ」
ーー男の部屋ーー
男「……」カリカリ
ガチャッ
姉「男ちゃん、お風呂沸いたよー」
男「姉さん、ノックくらいはした方が良い」
姉「あ、ごめんね」
男「もしも俺がオナニーをしてたら、姉さんに浅ましい光景を見せつける事になる。
それはそれで興奮するんだろうが、姉さんに不快な思いはさせたくないからな」
姉「おな……!」カァ
男「女子校ではこういう話は茶飯事だと聞くがそうでも無いのか?
……とにかく。ノックはして欲しい」
姉「う、うん。ごめんね。……勉強してるの? 偉いね」
男「あまり頭の出来は良くないからな。他人よりも努力して初めて人並みなんだ」
姉「あー、私もあまり成績良くないからなあ」
男「姉さんこそ受験生なのに勉学に励まなくて良いのか?」
姉「し、してるよー。……ん、『女用学習指導計画書』?」
男「ああ、それは中学の時の同級生に教える為のノートだ。
姉さんと同じ女子校の生徒なんだが。
大仰な名前だが、中身は俺が受けた授業内容を要約したものに過ぎない」
姉「……ふーん」
男「姉さん?」
姉「な、何でも無いよ!」
男「そうか。取り敢えず風呂に入って来るよ」
姉「それが良いよ!」
ーー昼・女の家ーー
女「……完全に昼夜逆転の生活だ。肌が死んでる……」ポー
女「ファビョった在日が降臨したせいで盛り上がったこと盛り上がったこと」ポー
女「……ごはん、漁らないと」ポー
女「……あ、今日で不登校から一ヶ月か。早いなあ。何かお祝いでもしようかな」
女「この日々が、良いねと私が言ったから、今日という日は、ニート記念日」
女「……アホらし」
ブーブー
女「っ……」ビクッ
女「……ホットインフォか。ビビらせんな」
女「電源落としとこ。どうせ使わないし」
女「電話ってもはや兵器でしょ。私の精神を削る為の。罪悪感も溜まるし」
女「……やっぱりつけとこ。アイツからメール来るかもしれないし」
女「どうせ『今から行く予定だが、大丈夫か?』ってだけだけど。
無理ってやっても来るし、メールの意味がないじゃん」
女「今日も来るんだろうなー」
ーー夕方・女の家ーー
男「ドーナツ買ってきたぞ」
女「やっすwwwもっと高いの買って来いよwww」
男「バイトしてない高校生なんて極貧だぞ。托鉢しながら通学したいくらいだ」
女「どこのミャンマーだよwww」
男「おじさんと、おばさんの分も買ってきた。後で渡してくれ」
女「……あー」
男「それで、勉強の事なんだが日本史は俺が習っていなくてな。友人からノートを借りて来たんだ」
女「めっちゃ字綺麗www友人って女かwww」
男「いや、男だ。字に違わず眉目秀麗な男だぞ」
女「めっちゃイケメンwww」
男「ああ、俺も見習いたいところだ」
女「先ずは整形しろwww」
男「手厳しいな。まあ小金を持ったらしても良いのかもしれない」
女「別に今のままでも……」ボソッ
男「ん?」
女「何でもないってのwww」
男「いや、ちゃんと聞こえたぞ。嬉しい限りだ」
女「そこは鈍感になれよwww馬鹿www」ゲシッゲシッ
男「あ、割とマジで痛い」
・
・
・
女「咲いたコスモスコスモス咲いた。……何これwww」モグモグ
男「サインの加法定理の公式だ。それでこっちがコサインの公式」
女「コスモスコスモス咲いた咲いた。どんだけコスモス咲いて喜んでるんだよwww」モグモグ
男「幼女が喜んでる情景を想像すれば穏やかな気持ちになれるぞ」
女「ロリコンかよwwwキモッwww」
男「お前で想像しても充分に可愛らしいがな」
女「キモッwww」
男「蔑む視線が心地良いな。いい具合に欲情する」
女「マジキモいwww」ゲシッゲシッ
男「蹴るな。結構痛いんだ」
女「ほんとこんなのに付き纏われる私って不憫www」
男「どうせ暇なのだから良いだろう」
女「忙しいからwww引きこもりナメんなwww」
男「引きこもりといえば、日本最古の引きこもりは天照大御神らしいな。
その血は今もこうして脈々と受け継がれているわけか」
女「わけ分かんないwww」
・
・
・
男「それで、ここで組み換えが起こる。今までの遺伝とは大分違うんだ」
女「謎過ぎwwwアポトーシスすんぞwww」
男「積極的な細胞死は関係無いだろう」
女「別に意味なんて無いからwww響きが気に入ってるだけwww」
男「なるほどな。確かギリシャ語で、花が自然に落ちる様子、だったか?」
女「何それ、オサレwww師匠が使いそうwww」
男「あまり詳しくは無いが、あの漫画家はスペイン語を多用してるんじゃなかったか?」
女「へー」
女(ネットでネタにされてるくらいのしか知らないっての)
・
・
・
女「清少納言って自己顕示欲過ぎww褒められたことを一々書くとかww」
男「そうだな……」ウツラウツラ
女「眠いなら帰れってのww」
男「ああ……。木曜日というのは一番疲労が出やすい日だからな。
因みに、木曜日の英語の語源は北欧神話のトールらしいな」
女「そんな一言知識は要らないからwwさっさと帰れww」
男「ああ……。それじゃあな」ウツラウツラ
女「……男」
男「どうした?」
ピラッ
男「……ふむ。薄桃色か。ゆかしくて良いな」
女「勃起してるのに冷静過ぎwww」
男「いや、興奮してるぞ。おかげでもう暫く頑張れる」
女「もうホントバカwww」
男「そうだな。それじゃあな」
女「あ、お母さんに夕食運ぶように頼んどいてwww」
男「断りたいところだが、パンツのお礼だ。分かった」
バタンッ
女「……私、何してるんだろ」ハァ
ーー男の家ーー
男「ただいま」
姉「おかえり。今日も遅いんだね」
男「最近は友人の家で勉強しているんだ」
姉「……友人ってもしかして女さん?」
男「ああ」
姉「……今日学校で聞いたんだけど、女さんって一ヶ月近く不登校なんでしょ?」
男「そうらしいな。だから俺が教えられる範囲で勉強を教えているんだ」
姉「……付き合ってるの?」
男「それは違う」
姉「……男ちゃんは女さんの事が好きなの?」
男「ふむ。どうだろうな。……しかし、今日の姉さんはやけに追求してくるな」
姉「き、気になるからねっ」
男「そうか。肉親とは言え端麗な女性に関心を持ってもらうのは嬉しい事だ」
姉「なっ……」カァ
男「そうやって直ぐに頬に紅がさすところも可愛らしい」
姉「も、もうっ! お姉ちゃんをからかうんじゃ有りませんっ!」
男「事実を口述しただけだ。何にせよ、取り敢えず着替えてくる」
姉「あ、じゃあおかず温めておくからねー。今日は鯖の味噌煮だよ」
男「いつもすまないな」
姉「別にそれくらいなら何でもないよ。むしろお母さんに感謝しなきゃ」
男「そうだな。当の母さんは?」
姉「いつもみたいにお父さんと将棋を打ってるよ」
男「平常通りか。愚問だったな」
ーー女の家ーー
女「……」カリカリ
女「……飽きた」コトンッ
コンコン
女母「……女。起きてるんでしょ? ……ねえ、もう一ヶ月になるのよ」
女「……」
女母「高校は義務教育じゃないんだから、休んでばっかりいられないのよ」
女(……分かってる)
女母「男くんに教わってはいるみたいだけど、どんどん皆と差を付けられちゃうのよ。
このままじゃ落ちこぼれになっちゃうのよ」
女「……」
女母「……ねえ! 聞いてるのっ!? このままじゃワタシとお父さんが恥をかくことになるの!
分かってるの!? アナタがこのまま落第したら近所や親族に会わせる顔が無いのよ!?」
女「……」
女母「……とにかく早くまた学校に行ってね。アナタは良い子だもんね。ね?」
女「……」
ーー朝・通学路ーー
友「おはよう」
男「おはよう、友。今日も爽やかな雰囲気を身に纏っているな。
お前がそこに立っているだけで、何気ない光景が美術的な素材として成立しそうだ」
友「はは、朝から絶好調だね」
男「適度な時間でおこなう質の高い睡眠は、人の能力を遺憾なく発揮させるものだ。
……それでは行くとするか」
スタスタ
友「そういえば貸したノートは役に立ったかい?」
男「ああ。学校についたら返そう」
友「今日は日本史の授業が無いから急く必要は無いけどね。
……女さん、だったかな? 君が熱心に通いつめているのは」
男「そうだ。そういえば女がお前の字を綺麗だと褒めていたぞ」
友「照れるね。丁寧に書くように心がけてはいるだけなんだけれど」
男「簡単に言うが中々に難しい事だろう。文字には書いた者の人間性が顕れるからな。
俺なんかではあのような清廉潔白な字は書けない」
友「そうかな。おれは、君の字は中々好ましいと思っているよ。
癖字だけど、どこか誠実だ。文字に人間性が出るというのは事実だと思うな」
男「それは嬉しい言葉だ。お前は外見だけで無く中身も伴っている。素晴らしい事だ」
友「それは持ち上げ過ぎだよ」
男「そんなことはない。事実を述べたまでだ」
ーー昼休みーー
男「……」モグモグ
友「……」モグモグ
男「ごちそうさま」
友「ごちそうさま。……君は偉いな。毎回の食事時に挨拶をする若者なんて少ないと思うよ。
おれも君と食事を共にしていなければしないしね」
男「なに、幼少時からの習慣だ。人格形成期の教育の影響力がよく分かる一例だな」
友「厳格なご両親なのかい?」
男「一般的な礼儀にはそれなりにうるさいな。しかし基本的には寛容な方だと思うぞ。遅くに帰っても何も咎められないしな」
友「遅い理由は女さんの家に寄っているからかい?」
男「そうだ」
友「……おれとしては少しつまらないね。最近、君は付き合いが悪い」
男「そう言われてもな。やはり学生の本分は勉強だからな。女に教えることで俺自身の勉強にもなるんだ。
それに俺は取り分け優れた才能や要望を具有していないからな、勉強くらいは真面目に取り組まなければいけないんだ」
友「堅実だね。自分の理念を遵守して生活するのも特異な才能だと思うよ」
男「ふむ。そんな事を言われたのは初めてだ。やはりお前は風変わりしている」
友「君には言われたく無いな」
男「それは尤もだ」
ーー放課後ーー
男「それじゃあな」
友「また女さんの家かい。相当入れ込んでるね」
男「あいつは可愛いからな。共に過ごしていて不快にはならない」
友「へえ。おれも一度会ってみたいね」
男「あいつも色々と厄介な案件を抱えているようだから無理そうだ」
友「それは残念だ。それじゃあ、おれは独り寂しく家に帰ることにするよ」
男「適当に誰かを誘えば良いんじゃないか? お前ならば大体の女子は承諾しそうだが」
友「おれはあんまり女子が得意ではないんだ」
男「ふむ。それなのに女に会いたいのか?」
友「純粋に興味が有っただけさ。それじゃあね」
男「ああ」
ーー女の家ーー
女「今日も来たのかよwww帰れwww」
男「歓迎の挨拶を有り難う」
女「どうしてそうなんのwww脳みそ花畑なんじゃないのwww」
男「そうかもな。……時間が勿体ないし早く上がらせてくれ」
女「ほんと傲岸不遜www」
・
・
・
女「……倍角と半角公式の語呂合わせは無いのwww」
男「特には聞いてない。だが昨日の公式を変形した形だからな。
最悪昨日の公式を憶えていれば導き出せる」
女「めんどくさwww」
男「まあな。しかし、俺たちぐらいの年代からは無意味な羅列をただ暗記することから、理解したものを暗記するように移行しているからな。
決して効率が悪いわけではないと思うぞ」
女「ああ、もうwww完全記憶能力が欲しいwww」
男「誰もが一度は考えるだろうな。しかし、持っていないものはどうしようもない。
自分の持っている力を伸ばす努力をしないとな」
女「人生ままならな過ぎでしょwww」
男「同意だ」
・
・
・
男「そういえば訊きたいことが有ったんだが」
女「なにwww」
男「どうしていつも制服を着ているんだ? 学校に行っているわけでもいないのに」
女「……どうだっていいじゃんwww」
男「よくないな。制服は俺の色欲を昂揚させてしまう。
制服は素晴らしい。無個性の個性とでもいうべきか。殆どの女子の後姿が美人になる」
女「知るかwww」
男「それで。どうして制服なんだ?」
女「……そっちに合わせてあげてんのwww」
男「そうなのか。俺としてはお前の私服も見たいが。
最初に訪れた時くらいしか見てないしな」
女「ジャージは私服に含めないからwww」
男「そういう価値観か。まあ、機会が会ったら見たいところだ」
女「絶対ないwww」
男「それは残念だ」
・
・
・
男「今日は終わりにするか」
女「疲れたww」
男「ゆっくり休め。復習もしろよ。それじゃまた明日」
女「土曜日まで来る気かwww」
男「そうだ」
女「来んなwww」
男「断わる。…………」
女「な、なに?」
男「いや。今日もパンツを見せてくれるのを期待していた。
色々と捗るからな」
女「……wwwwww」ガッガッ
男「脛蹴りは戯れになってないぞ」ジンジン
ーー帰り道ーー
男「……」スタスタ
姉「あ、男ちゃん」
男「ん、姉さんか。勉強していたのか?」
姉「そうだよ。友達と一緒に図書館でね」
男「そちらのお綺麗な女性と一緒にか。羨ましい」
姉友「ふふ、貴方が噂の弟さんね。初めまして」
男「初めまして。男と申します」
姉友「姉友よ。話はかねがね聞いているわ」
男「ふむ。その噂とはどのようなお話か気になるところです」
姉友「色々とたくさん聞いたわ。姉は口を開くと直ぐに貴方の話を始めるから」
男「それは気恥ずかしい」
姉「い、言わないでよー!」
姉友「あら、ダメだった?」
姉「恥ずかしいの!」
姉友「ふふ、照れる貴女も可愛いわね。ペットにしたいわ」
姉「え、えー」
男「姉さんが可愛いのには全面的に同意しますが愛玩動物にされては困ります」
姉友「あら残念。随分と姉思いなのね」
男「そうです。だから代わりに俺が貴女の犬になります。ワンワン」
姉「純粋に自分の願望だよね!?」
姉友「……ふふ、お手」
姉「姉友ちゃんも乗っからないで!」
男「まさかこんな美人の手を合法的に触れるとは思ってもみなかった」ポンッ
姉友「……犬が喋って良いと、いつ言ったかしら?」ニコ
男「……」ゾクッ
男「わん……」
姉友「ふふ、良い子ね」
姉「ちょ、ちょっと姉友ちゃん……」
姉友「……あら、ごめんなさい。少し調子に乗っちゃったわ」
男「……」
姉友「方角が違うし此処でお別れね。それじゃあ、また明日。弟さんもさようなら」
姉「あ、じゃあね」フリフリ
男「……」ペコ
・
・
・
ネタも展開も有るが時間がないです
おやすみさい
半角になってましたか
端末的に視認しづらいのです
気をつけます
・
・
・
スタスタ
男「姉さん、あの女の人は?」
姉「友達の姉友ちゃんだよ。天性の女王様なんだよね」
男「なるほど。確かに高校生の威圧感とは思えなかった」
姉「色々と凄い人だよ。生徒会長もしていたし。
今日は勉強を教えて貰ってたんだ」
男「ふむ。しかし、勃起が治らない。不覚だ」
姉「ぼっ……」カァ
男「姉さんはいつも新鮮な反応を示してくれるから面白い。
変態に狙われないように気を付けてくれ」
姉「まず男ちゃんがヘンタイだよ!」
男「俺は自分の欲求ないし意思をそのまま露呈しているだけだ」
姉「えっと……結局ヘンタイってことじゃん!」
男「今日の姉さんは冴えているな」
姉「もうっ。……ところで、今日も女さんの家に寄ってたの?」
男「ん、そうだが」
姉「……人に勉強を教えてばかりいたら自分の勉強が進まないんじゃない?」
男「そんなことはない。他者に教えることで俺の理解も深まる」
姉「……で、でもいつも行ったら迷惑になっちゃうんじゃない?」
男「おばさんには有り難いと礼を言われるぞ。
もちろん社交辞令も含蓄されているのだろうが」
姉「だ、だったら行かない方が良いんじゃない?」
男「……躍起になってどうしたんだ? 婉曲な表現で、あいつの所に行かないよう警告しているように聞こえるんだが」
姉「……学校で女さんの良くない噂を色々と聞いたんだ。
だから、男ちゃんも騙されてるんじゃないかなって……」
男「姉さん」
姉「なに?」
男「心配してくれるのは嬉しい。俺は幸せ者だ。
しかし、どのような噂を聞いたかは知りたくもないが、あいつは良い奴だ。それは断言する」
姉「……そう。男ちゃんがそう言うのならそうなんだろうね」
男「ああ」
ーー男の家ーー
母「おかえり。随分と遅かったな」
姉「お友達と勉強してたんだ」
母「まあ、受験も近いし当然か。でも連絡は入れるように。心配だからな」
姉「はーい」
男「俺には何も言わないんだな」
母「心配する必要が無いだろ」
男「そんなことはない。俺もまだまだ庇護が必要な子どもだ」
母「本当の子どもはそんな事言わない。あ、ご飯できてるから温めて食べるように」
姉「はーい」
母「それじゃ、ちょっとアイツを負かしてくる」
姉「頑張ってね」
男「母さんが父さんに勝ったところを一度も見た事ないが」
母「うるさいな。今から勝ってくるんだよ」
男「まあ内心で応援しておこう」
母「それはどうも。あ、食器は各自で洗っておくようにな」
姉「はーい」
ーー脱衣所ーー
姉「ふう……」ホカホカ
ガチャ
男「ん、入っていたのか」
姉「きゃああっ!」
男「可愛いらしい悲鳴だな。着メロにしたいぐらいだ」
姉「でっ、出てってよお!」
男「これは失敬」
姉「ノックくらいしてよっ!」
男「軽率だった。すまない」
姉「もうっ! ……男ちゃんの事だからワザとだったりして」ジトー
男「姉さんの裸身が非常に蠱惑的であることは事実だが、
俺は姉さんが不快になるような行為は決してしないと自身に誓っている」
姉「あ、うん……」
男「ところで近頃思っていたが、随分と豊満で妖艶な姿態になったな。
特に胸部が。けしからん」
姉「へ、ヘンタイっ!」
ーー土曜日・女の家ーー
男「おはよう」
女「……ホントにきたしwww」
男「まあな。尤も今日は勉強しにきたわけじゃない」
女「じゃあ何しに来たのwww」
男「これだ」スッ
女「……水着?」
男「泳ぎに行こう」
女「やだよwww時期外れすぎでしょwww」
男「温水プールだから問題ない」
女「だいたい私、引きこもりだからwww」
男「不登校がプールに行ってはいけないという決まりは無いだろう」
女「そもそも私が行きたくないwww」
男「お前は一ヶ月近く運動していないんだろう?」
女「……だからなにwww」
男「体重計」ボソッ
女「……っ」ピクッ
男「運動不足。体型のたるみ」ボソボソッ
女「……脅すつもりかwww」
男「そんなつもりは毛頭無かったんだが、何か思うところが有ったのか?」
女「……別にwwwどうせ引きこもりだしwww気にしないしwww」
男「ふむ。説得は無理そうだな」
女「諦めたのなら帰れwww」
男「断わる。説得で無理ならば強硬手段に出るまでだ。さあ行くぞ」ガシッ
女「ちょっ、痛いっ」
男「お前が承諾するまで手を離すつもりは無い。
大体、日本の女性は全体的に運動不足だとは思わないか。
ネイルを磨くよりも体型をシェイプする方が重要だというのに」グググッ
女「……ああ、もう! 行けば良いんでしょ! ほんとに強情なんだから!」
男「それで良い。ほら、お前の水着だ。昨日の内にお前の母親に話していたんだ」
女「……なんでそんなに用意周到なの」
ーー行く道ーー
スタスタ
女「陽が眩しいwww溶けるwww」キョロキョロ
男「日光に当たらないと憂鬱になりやすいらしいな。
しっかりと太陽光を浴びておくと良い」
女「あっそwww」キョロキョロ
男「さっきから周囲に不自然な視線を巡らせてどうした?」
女「……知り合いに会って、彼氏と思われるの嫌だから警戒してるのwww」
男「ああ、なるほど。傷つくな」
女(……ホントはただ同級生に会いたくないだけなんだけど)
ーープールーー
女「まさかこの時期に水着を着るなんてwww」
男「……ふむ」
女「……神妙な顔して前屈みになるなwww」
男「生理現象だ。人間は年中発情期なのだから仕様の無いことだ」
女「通報されても知らないからwww絶対他人のフリするwww」
男「堂々としていれば意外に何とかなる」
女「なるかアホwww」
男「準備体操はこれくらいで良いか」
女「……もう疲れたんだけどww」
男「何を言っている。まだ入水すらしていないだろう」
女「分かってるよww」
男「……ふむ」
女「今度はなにww」
男「いや、スクール水着は薄い胸によく似合うと思っ――」
ゴキュッ
男「――ッッ!?」
女「死んどけ」
スタスタ
男「これは……やり過ぎ……」ピクピク
男「不具になってしまう……。そういえば日本では宦官制度が生じなかったな……」ピクピク
女(……やり過ぎたかな)
女(……ま、いっか)
女(あっ、こっち来た)
男「やっと復活した。無闇に股間を蹴り上げるものじゃない。
ショック死をする可能性も有るんだ。自分が子宮を蹴られるところを想像してみろ。
軽々しくこのような所業はできなくなるはずだ」
女「だったらセクハラ発言すんなwww」
男「そうだな。俺も控えよう。――それじゃあ泳ぐか」
女「……」プカプカ
男「何故自由コースで浮いているだけなんだ?」
女「水泳は苦手なのww25m泳ぐのも精一杯ww」
男「そういえば中学生だった時にそう言っていたな。改善していないのか」
女「人間は陸上生物だから泳げなくても良いのww」
男「全ての生物の起源は海だぞ」
女「もうwwwめんどくさww」
男「そう言うな。それじゃあ泳法を教授しよう」
女「だが断わるww」
男「その使用方法は間違っている。
とにかく、欠点を克服するのは大事だぞ。今ビート板を持ってくる」バシャバシャ
女「ほんと傍若無人www」
女「……もう疲れたんだけどw」
男「だいぶ上達したな。それじゃあダウンで200m泳いで終わりだ」
女「むりむりw死んじゃうw」
男「お前ならできる」
女「むwりw」
男「できる」
女「……ああ、もう!」バチャバチャ
ーー帰る道ーー
男「ひどく眠そうだな」スタスタ
女「疲れたの……。歩くの早い……」ウトウト
男「それはすまない」
女「ん……」ウトウト
男「何だか中学生だった時を思い出すな。ここ一ヶ月は高いテンションで話すお前ばかり見てるからか」
女「あっそ……」ウトウト
男「来週も行くか?」
女「絶対いや……」ウトウト
男「残念だ。お前の水着姿をまた見たいものだが」
女「……あんなに頑なだったのは私の水着が見たかったからなの?」ウトウト
男「それも有るな」
女「ヘンタイ……バカ……アホ……」ウトウト
ガッ
女「あ……」フラ
ガシッ
男「危ないな」
女「あ、血……」
男「膝を突かないと間に合わなかったからな」
女「……ごめん」
男「気にするな。お前が怪我しなくて良かった」
女「……」
男「足がもつれる程眠いのなら手を繋ぐか?」
女「……今ので目が冴えたから大丈夫」
男「そうか。それは残念だ」
女「……繋ぎたかったの?」
男「勿論だ」
女「……」
スッ
男「……ん?」
女「……」フイッ
男「……」
ギュッ
さすがに飽きてきました
おやすみなさい
スタスタ
幼馴染「……あれ?」
女「……あ」
幼馴染「……久しぶりだね、女さん」
女(……よりにもよってコイツに会うなんて)
男「……ん? 幼馴染じゃないか」
幼馴染「あ、男じゃん。久しぶり。……へえ」
女「……」
幼馴染「付き合ってたんだ。驚いたよ」
男「いや、別に付き合ってはいない」
幼馴染「手を繋いでるのに? やっぱり女さんって軽いんだね」
女「っ……」
バッ
女「……帰る」
スタスタ
幼馴染「早く学校に来てね。みんな寂しがってるから」ニコ
女「……」
スタスタ
男「……」ポリポリ
幼馴染「後を追わなくていいの?」
男「あの様子だと独りにして欲しいのだろう」
幼馴染「……女さんにはそういう配慮をするんだね」
男「誰にでもする」
幼馴染「……ふうん。私にはしないと思うけど。実際されなかった事あったし」
男「いつの話をしてるかは見当が付かないが、その時から成長したという事だ」
幼馴染「そうみたいだね。成長の結果、女さんはお尻が軽くなったと」
男「何を根拠にそんなことを言っているんだ? それにどうして他人行儀な呼び方をする?」
幼馴染「さあね。しっかしこうやって顔を合わせて話をするのも久しぶりだね。家は近所なのに」
男「……まあ、そうだな」
幼馴染「久しぶりに見てもやっぱり理屈っぽい顔をしてるね」
男「どんな顔だ」
幼馴染「そんなんだと女の子に嫌われちゃうよ。
理屈じゃ愛は語れないんだから」
男「少女マンガにでもありそうな言葉だな」
幼馴染「私、用事有るから急いでるんだ。じゃあね男」
男「相変わらず忙しない奴だな」
幼馴染「あ、幼馴染のよしみで忠告してあげるけど女さんにはホント気を付けた方が良いよ。
ばいばい」
スタスタ
男「……」
ーー女の家ーー
女「……また勝手な噂を流されるんだろうな」
女「……男にも迷惑かけちゃう」
女「……あいつにも有ること無いこと言ったのかな」
ブウウッブウウッ
女「……」ビクッ
女「……」
スッ
『さっきはどうしたんだ?』
女「…………」
ポイッ
コンコンッ
女母「ねえ、女。ワタシ、明日友達と出かけてくるから一日中家を開けるわ」
女「……」
女母「どうせ明日も学校に行かないつもりなんでしょうけど、一応言っておくわ」
女「……」
女母「……それだけ。甘えてないで、早く学校に行くようにね。
お母さんもお父さんも心配してるんだから」
女「……私のことなんて見えて無いくせに」ボソッ
女「……くしゅっ」
ーー男の家ーー
男「……」
姉「足は大丈夫?」
男「ん、大丈夫だ。治療を手伝ってくれて有り難う」
姉「どういたしまして。ケータイと睨めっこしてどうしたの?」
男「……なあ、姉さん」
姉「なに?」
男「女についてどんな噂を聞いたんだ?」
姉「……女さんと何か有ったの? 昨日は聞きたくもないって言ってたのに」
男「秋の空と男の心は七度変わると言うだろう」
姉「……よくわかんないけど、それ使い方合ってる?」
男「誤用だ。とにかく聞いておきたいと思ったんだ」
姉「なんか、その、すぐに男の人と、その……やらしいことをするとか……」
男「……」
姉「いっぱい万引きとかしてるとか……」
男「……情報源は?」
姉「クラスの人に女さんのことを訊いたら、そう教えてもらったの」
男「そのクラスメイトは誰から聞いたんだ?」
姉「そこまでは知らないよ」
男「……」ポリポリ
姉「他にも色々聞いたけど、何だったかな……」
男「いや、もう大丈夫だ」
姉「……女さんに何かされたの?」
男「そうじゃない。……学年が上の姉さんのクラスまで情報が浸透しているということは、校内中に広まっていると考えられるな」
姉「そうだね」
男「……どうしたものか」
ガチャ
母「ん? 本当にお前たちは仲睦まじいな」
男「当然だ。俺は重度のシスコンだからな」
母「シスコン? システムコンポーネントの略か?
……ところで受験生、この時期に勉強しなくて良いのか?」
姉「う……してきます」トテトテ
男「俺の癒しが行ってしまった」
母「……お前、気持ち悪いな」
男「自覚している」
母「小さい頃は仲が悪かったのに不思議だな。確か小学三年生くらいまでか」
男「姉さんが一方的に俺を嫌っていただけだと思うが」
母「ああ、そうだったな。『わたしは妹が欲しかった。弟なんて要らない』とか言ってたっけ。
無邪気というのはとんでもなく酷薄だな」
男「理性が成熟してない為に生物の淵源的な欲求に従順だからな」
母「……昔からお前は小難しい言い回しが好きだな。
そのせいで小学生の時に同級生に嫌われて悩んでたくせに」
男「……そうだったな。ところで、将棋は勝てたのか?」
母「勝ってたら嬉々として触れ回るに決まってるだろ」
男「それもそうか。しかし、勝てないのによく続ける気になるな」
母「ここまで来たらどちらかがくたばるまで続けるつもりだ」
男「もはや将棋の亡者だな。父さんも手を抜いてやればいいものを」
母「あいつは手加減してるのがあまりに分かりやす過ぎるんだよ。
だから、昔に胸ぐら掴んで手加減しないように怒鳴った」
男「dvじゃないか」
母「付き合う前だから」
男「それなら、まあ、dvではないか」
母「私は本気のあいつに勝ちたいんだよ」
男「取り敢えず頑張ってくれ」
母「当たり前だろ。……ところで、最近は同級生の女の子に勉強を教えてるらしいじゃないか」
男「姉さんから聞いたのか」
母「ああ。……しかしそうかー、お前にもついに彼女ができたかー」
男「そういう関係ではないから遠い目をしないでくれ」
母「なんだ片想いか」
男「さあな。自分でもよく分からない」
母「論理的に考えてみれば良いんじゃないか?」
男「考えたさ」
母「結果は?」
男「黙秘する」
母「なんだよ。つまんないな」
男「面白味に欠ける男なのだから仕方がないだろう」
母「そこは私に似たな」
男「そうかもな。……俺も勉強してくる」
母「……一つだけ言っておく。自分の感情を偽るなよ」
男「……分かっている。心身の健康を損なうしな」
母「……ま、理由は何でも良いけど」
ーー日曜日・図書館ーー
友「……」カリカリ
男「……」カリ…カリ…
友「……ふう。もう疲れたよ」
男「ん? ……ああ、もうこんな時間か」
友「今日の君は珍しく集中力に欠けているね」
男「そうだったか?」
友「そうとも。いつもの君の集中力には目を瞠るものがある」
男「そんなことは無いと思うが。……そろそろ帰るか」
友「疲れたし、その前に少し雑談をしよう」
男「構わないが、図書館は公器だから小さな声でな。
十二分に理解しているとは思うが」
友「もちろん承知しているよ」
男「……そういえばクラスメイトの女子からお前のアドレスを教えて欲しいと擦り寄られたぞ。
後輩にせがまれたらしいが、あの様子だと彼女自身も知りたいのだろう」
友「それは迷惑をかけたね」
男「お前が詫びることじゃない。ただ、承諾無しじゃ教えられないという旨を述べたら謗られた」
友「当然の事なのにね。本当に申し訳ないよ。後で何かお詫びをするよ」
男「一晩俺の相手をするとかか?」
友「……同性愛者なのかい?」
男「本気に取るな。最近は姉さんや女にセクハラ発言ばかりしているからつい口に出てしまった」
友「おれは男なんだけれど」
男「あまりに美形だから俺の程度の低い脳が間違えたのかもな」
友「そんなことは無いと思うけれど」
男「とにかく、あまり気にするな」
友「……女っぽい、ね」
男「気に障ったか?」
友「まあ、昔から女の子みたいと言われることは多かった。
姉さんと並べられて姉妹扱いされることもよくあったよ」
男「お前にも姉がいるのか。たいそうな美人なのだろうな」
友「どうなんだろう。自分の姉をそういう風には見れないよ」
男「俺は性的な眼でも見れるぞ。俺の姉さんは世界一可愛い姉さんだからな」
友「はは、凄いね」
男「母さんに気持ち悪がられるくらいだからな」
友「少し羨ましいよ。おれは姉さんと余り仲が良くないんだ」
男「そういう姉弟も有るんだな」
友「おれは姉さんが苦手なんだ。というよりも、あれと対等に付き合える男性がいるとは思えないね」
男「興味深いな」
友「この話は終わりにしよう。
――それで、女さんとはどうなんだい?」
男「……誰も彼もあいつの事を聞いてくるな」
友「おれを含めて君たちに関心が持っているんだよ」
男「俺としては放っていてもらいたいところだ」
友「冷たくあしらいたくなるのも分かるけれど、おれは決して野次馬根性から訊きたがってるわけじゃないよ」
男「分かってるさ。お前はそんなに浅薄な奴じゃない」
友「照れるね。……今日は何だか浮かない顏をしているから心配に思ったんだ。
それで女さんとの間に何かあったのかと思ってね」
男「……ああ。……昨日、女とプールに行ったんだ」
友「デートかい? 羨ましいね」
男「デートとは呼べないな。まあ、帰りに手を繋いだりもしたんだが」
友「……随分と進展したんだね」
男「別にそういうわけではないんだ。
それで、帰る途中に女のクラクメイトに出くわしてな。しかも俺の近所に住んでるやつで旧知の奴だったんだ」
友「それはそれは。業界用語でいう修羅場ってやつかい?」
男「どこの業界だ。……三人とも中学の同窓で、特に禍根が有ったわけでない……はず、だから修羅場では無いと思う」
友「おや、君にしては歯切れが悪いね」
男「やはり、有る意味では修羅場だったんだろう。俺は殆ど関与してないんだが」
友「すまないけれど、よく理解できない」
男「説明不足だったな。女が不登校なのは前に話したな」
友「うん、聞いたよ」
男「どうやら女の悪い風評が学校中で流れているらしくてな。
そのせいで学校に行けないようだ」
友「イジメかい?」
男「分からない。とにかく、あいつは幼馴染と出会った途端に逃げるように帰ってしまった」
友「……それなり大変なようだね」
男「ああ、メールを送っても返信が無いしな。
俺にできることは無いか考えているが妙案も浮かばない」
友「勉学に気を割く余裕も無いほどとは、よほど女さんのことを懸想しているんだね」
男「そんなことは……」
友「……嫉妬してしまうね」ボソッ
男「……え?」
友「何でも無いよ。後は帰りながら話そう」ニコ
男「あ、ああ。そうだな……」
男「俺は何も聞いてない……うん……きっと聞き間違いだ……」ブツブツ
相変わらず遅くてすまんこ
意欲が足りないssを書くのは中々に苦行です
誰か更に乗っ取っても良いのよ(チラッ
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