そら「はっぴー☆はっぴー☆にゅーいやー!」 (31)

モバマス新年初SS。

今年もよろしくお願いします。

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―――某神社 境内―――

そら「プロデューサーおそーい!はりーはりー!」

P「す、すまんすまん……仕事が思ったより長引いちまってな」

そら「むぅー。ちひろさんも意地悪だよねっ、せっかくのにゅーいやーまでプロデューサーにお仕事させるなんて!」

P「ちひろさんを悪く言わないでくれ。これは俺が望んでやった事なんだからさ」

そら「プロデューサーがにゅーいやーにお仕事入れたの?」

P「まぁな。今年の年末ライブには特に力を入れておきたかったから」

そら「どーしてー?」

P「そら、お前がセンターだからに決まってんだろ」

そら「えへへー。だからプロデューサーは今日頑張ってたんだー?」

P「……そうだよ」

そら「そっかー……じゃあ許すっ。あとちひろさんごめんなさいっ!」

P「わかってくれればよし。そんじゃ、行くか」

そら「うんっ!」

―――境内―――

P「へぇ……まだ出店があるような神社がこの辺にあるなんてな」

そら「そらちんが見つけたのです!褒めてー?」

P「よしよし」ナデナデ

そら「えへへー」

P「それじゃそら、最初は何やりたい?」

そら「うーんとね、まずはあれ!」

P「射的か……何か欲しいもんでもあったのか?」

そら「うん!あの、ぴにゃこら太の貯金箱ー!」

P「……穂乃香といい、どうしてお前らはあれを可愛いと思うんだ?」

そら「えー。どんとあんだーすたーん?」

P「実際、アイドルの中には可愛いと思ってないやつもいるからな」

そら「可愛いと思うんだけどなー。むむむー」

P「まぁ、やるもやらないもそらが決める事だ」

そら「じゃあやるー!おじちゃーん!1回おねがーい!」

射的屋「おうらっしゃい。弾は3個で、倒したもんを持ってっていいぞ!」

そら「がんすりんがーそらちんを舐めるなよー!ばーん☆」

射的屋「ありゃ残念。少し逸れちまったな」

そら「だいじょーぶ!あと2発あるから……狙いを定めて……ばーん☆」

射的屋「命中したけど残念だったなー。惜しい!」

そら「あと1発……これに全てをかけ……」

P「……そら」

そら「あ、プロデューサー!」

P「りんご飴を買ってきた。調子はどうだ?」

そら「残り1発……そらの命はこの1発にかかってるといっても過言じゃないよ……」

P「大げさだな……」

射的屋「おう、そこの彼氏の兄ちゃんもやってみるか?」

そら「か、かかか、ぼーいふれんど?!」

P「俺は彼氏じゃありませんし……それに、俺がやっていいんですか?」

射的屋「あん?ブラックリストにゃ乗ってねぇだろ?」

P「まぁ乗ってないっすけど……じゃあ1回」チャリン

射的屋「毎度!んじゃ弾は―――」

P「あ、1発でいいです。ブラックリストに乗せられたら面倒なんで」

射的屋「は?」

P「そら、その1発貸せ」

そら「ん、わかった!」

P「……懐かしいな。射的をやるのは何年ぶりかな」

射的屋「お客さん。彼女の前で見得を切りたいのはわかるけど……」

射的屋「(……ん?頬に十字の傷……)」

P「……」バンッ

ぴにゃこら太「ぴにゃー」ドサッ

そら「やったー!さっすがプロデューサー!」

射的屋「……あんたさん。本業の方なら本業の方って言ってくださいよ」

P「だから俺は参加していいのかって聞きましたし、弾も1発にしたんじゃないですか」

射的屋「かー!わかったよ。参ったね、持ってけ泥棒!」

P「ありがとうございます。ほら」

そら「さんくすプロデューサー!やっぱプロデューサーはわんだふるだね!」

P「そこまで凄い才能じゃないし、誇れるような才能でもないさ」

そら「りんご飴もでりしゃすではっぴー!次はどこに行くー?」

P「そうだな……俺も腹が減ったし、焼きそばでも買うか」

そら「焼きそばー♪焼きそばー♪いちごじゃむを乗せてー♪」

P「……橘の料理はもう二度と食いたくないな」

そら「斬新な組み合わせだよねっ」

P「斬新っていうかあいつは何でもかんでも苺要素を足すだろう」

そら「すとろべりーこっく、橘ありすちゃん!」

P「そういう方面で売り出すべきなのかなやっぱ……」

そら「そしてそして、おれんじこっく、野々村そらちゃん!」

P「お前まで橘みたいになるのはやめてくれ」

そら「だってありすちゃんとゆにっと組んでみたいんだもん☆」

P「そらが橘と?意外だな」

そら「というかそらちんは事務所のみんなと組んでみたいのです」

P「どりゃまたどうして」

そら「そらのはっぴーはね、一人じゃきっと世界中の誰かに届ける事はできないの」

そら「だから、みんなと力を合わせて、みんなのふぁんと一緒に、世界中にはっぴーを届けたい!」

P「……そっか。よしわかった。今度橘に相談してみよう!」

そら「さすがプロデューサー、話がわかるっ!」

P「橘だけじゃなく、一応事務所のみんなに声をかけてみるよ。なんたって、世界中にお前のはっぴーを届けなきゃだもんな」

そら「うん!」

P「っとと、じゃあ焼きそば……お前も食うか?」

そら「あたしは……プロデューサーの分を食べるからいいー」

P「じゃあ大盛りで一つもらえますか。ええ、値段はその分足していいんで」

そら「プロデューサーふとっぱらー♪」

P「せっかくの新年にそらと一緒にいるんだからな。これくらい当たり前だ」

……さーん……

そら「……?」

P「そら?」

かあ……ん……

そら「そらちんのはっぴーれーだーに反応!あんはっぴーを感知しました!」ダッ

P「あっ、おいそら?!」

おかあ……ーん……

そら「……こっち!」

男の子「おかあさーん……!うぇぇええ……」

そら「はっけーん!ずびしっ!」

男の子「ふぇ……お姉ちゃん誰……?」

そら「お姉ちゃんははっぴーを届けるさんたくろーすなのだ!」

男の子「クリスマス……もう終わったよ……?」

そら「えっ?じゃ、じゃあ、はっぴーを届ける魔法使いなのだ!」

男の子「魔法使い……」

そら「うん!そう!」

P「おいそら……どこまで行くんだ……」

男の子「じゃあ、あのお兄ちゃんも……」

そら「うん、魔法使い!うぃざーど!」

P「へ?」

そら「というワケでうぃざーど!ここは一旦頼んだ!」スタッ

P「ちょっとお前、次はどこに……」グイ

男の子「うぃざーどお兄ちゃん……行かないで……」

P「……はぁ」

男の子「……」

P「そんで?どうしたんだ?」

男の子「あのね……お母さんがね、いなくなっちゃったの……」

P「そうか」

男の子「そこまでね、手をつないでたのにね、いつの間にかね、うぇ」

P「泣くな。男だろお前」

男の子「だってぇ……」

P「なぁ、俺の顔見てどう思う?」

男の子「お顔……痛そう……」

P「痛そう?……ああ、このほっぺたの傷か」

男の子「痛くないの?」

P「今は痛くねぇよ。けど、昔は凄い痛かったな」

男の子「そうなんだ……」

P「でも泣かなかった」

男の子「痛かったんでしょ?」

P「男ってのは、そう簡単に泣いちゃダメなんだ」

男の子「どうして……?」

P「男として強くあるためだ」

男の子「じゃあお兄ちゃんは強いの……?」

P「俺か?俺は強いぞ」

男の子「泣かなかったから?」

P「いんや。子供の頃、俺は泣き虫だったんだよ」

P「だけどさ、女の子を助けるにしても、困難に立ち向かうにしても、泣いてるやつより、笑ってるやつのがカッコイイだろ」ニコッ

P「だから、どんなに痛くても、どんなに苦しくても、頑張って、笑って立ち向かった」

男の子「じゃあ僕には無理かな……だって僕、弱いから……」

P「今は弱くていいんだよ。だから笑って強くなれ。立ち向かえ」

男の子「……」

P「魔法使いウィザード兄ちゃんとの約束だ。いいな?」

男の子「……うん」

P「よし、そんじゃまだ弱いお前に俺が魔法を見せてやろう」

男の子「魔法?」

P「お前、名前は?」

男の子「……とうま。あまがせ、とうま」

P「とうま、か。いい名前だ。そんじゃ少し待ってろ」ピッ

P「あー。もしもし?お前ら今どこにいるんだ?神社の祭り?どこの?」

P「ならちょうどいい。一人の女を捜して欲しい。迷子を捜してる、あまがせって苗字の女だ」

P「あ?わかったよ誰のサインが欲しいんだよ。へいへい、橘、薫、仁奈……てめぇらロリコンかよ!」

P「わかったよちゃんと後でやるから。そんじゃ見つけたら神社の本殿まで来てくれ。じゃあな」ピッ

男の子「電話……誰と?」

P「これは電話じゃない。魔法のスマートフォンだ」

男の子「でも、電話」

P「これで俺はさっきまで、使い魔と連絡してたんだ」

男の子「使い魔、さん?」

P「ああ。お前のおかあさんを探してくれるってよ」

男の子「ほんと!?」

P「(さて、組のやつらが探してくれるのはいいんだがちょっと時間がかかりそうだな……どう潰すか)」

そら「じゃじゃーん!そらちんただいまりたーん!」

P「あ、そらお前どこに行って……」

そら「うぃざーどお兄ちゃんが魔法を見せたのなら、次はそらちんが魔法を見せる番だね!」

男の子「お姉ちゃんも魔法、使えるの?」

そら「もっちろん!そんじゃまずは……このはっとから……てりゃ!」ポン

男の子「わっ!?帽子からポップコーンが……」

そら「さてさてそらのまじっくはまだまだ続くよ!お次はーはんかち召喚!」ボワン

男の子「凄い凄い!」

P「……ははっ。よしそら!俺も手伝うぞ!」

そら「じゃあうぃざーど!お次はこいんを消すまじっくを―――」

―――数時間後―――

母親「冬馬!」

男の子「あ、おかーさん!」ダッ

そら「ふぃー。よかった、ねた切れにならなくて!」

P「ったく……お前どんだけ色んな物持ってたんだよ」

そら「ううん、全部買ったんだー☆」

P「全部買ったって……お前、いくら使ったんだこれ」

そら「だから今日のおこずかいはすっからかーん……しょぼーん」

P「……まぁいいか。余ったお菓子とかは事務所でみんなで食おう」

そら「うん!」

母親「ありがとうございます!ありがとうございます!」

黒服「いえいえ、お礼は若に……」

P「若言うな」

黒服「若」

P「今の俺はプロデューサーだよ。若大将じゃない」

黒服「……へへっ。わかりましたよ、若プロデューサー」

P「あのな……」

黒服「そんで、桃華ちゃまのサインは……」

P「もらってくるよ。そんじゃ今日はありがとな」

黒服「いやいや。若プロデューサーと、桃華ちゃまのためならば俺らは一生懸命働きますぜ!じゃあまた!」

P「……うちの組はロリコンしかいねぇのか。ったく」

母親「あの、ありがとうございました!うちの冬馬を見つけていただいて……それにお菓子まで……」

P「いいんですいいんです。俺、こんな風貌ですけど、人助けをするのが趣味なんです」

母親「あらあらまぁまぁ……」

男の子「お兄ちゃん」

P「ん?」

男の子「僕、強くなるね。誰にも負けないくらい、強くなる。そんで笑う!」

P「ああ。その意気だ、冬馬」ニコッ

そら「じゃあお姉ちゃんとも約束ー!」

男の子「な、何?」

そら「冬馬君が大人になったら……世界中の人に、はっぴーを届けてあげて!そらも頑張るから!」

男の子「……うん!」

母親「本当にありがとうございました!さ、行きましょう冬馬……」

男の子「じゃあねー!魔法使いのお兄ちゃん、お姉ちゃん!」

そら「ばいばーい!」

P「じゃあなー」

そら「……そんじゃ、事務所に帰ろう!」

P「約束しちまったもんな」

そら「うん。それに……」チラッ

―――数年前 境内―――

そら「うぇぇぇぇえええん……おかさあああああん!!」

P「……おい」

そら「うぇええええええ!」

P「お前だよ。そこの泣いてるの」

そら「ふぇ……?」

P「この帽子を見てろ?……三、二、一!」ポンッ

そら「わぁ……ぽっぷこーん!ぽっぷこーんだ!」

P「食ってもいいぞ」

そら「ほんと?!」

P「ああ。ほら、りんご飴とかもあるぞ」

そら「どこから出したの?!」

P「俺は魔法使いだからな」

そら「そっかぁ……あむ、うん、おいしい!」

P「そっか。そりゃよかった。そんじゃ次は俺の手を見てろよ?」

そら「うん」

P「ほらよっ」バサァッ

そら「わー!はんかちが出てきた!」

P「はははっ、まだまだ。このハンカチの中から更に―――」


そら「お兄ちゃん」

P「ん?」

そら「その、お顔、痛くないの?」

P「ああ。痛くねぇ」

そら「泣かないの?」

P「泣かねぇ」

そら「どうして?」

P「こうして誰かにはっぴーを届けるやつが、泣いてたらおかしいだろ?」

そら「はっぴー……はっぴー……うん」

P「だからお前もあんまり泣くなよ。あ、いや女だからいいのか……?」

そら「うん!あたし、泣かない!みんなにはっぴー届ける!」

P「……まぁ、お前がいいならいいや」

―――現在 境内―――

そら「……そんな十字傷、忘れないよ」

P「俺の十字傷がなんだって?」

そら「なんでもなーい!ほら、はりーあっぷで事務所に帰るよー!」

P「あ、ちょ、おま、これ全部俺が運ぶのか!?おい!!」

そら「急がないと、はっぴーにゅーいやーに間に合わないよー?」

P「だったらちっとは手伝えよ……ったく」

そら「……あのねプロデューサー」

P「なんだ?」

そら「今年も、はっぴーで、はっぴーな、にゅーいやーにしようね!」



おわり

今年も、はっぴーでありますように。

ではありがとうございました。

そうそう、自分も何人か担当したシンデレラおみくじの診断メーカーもこのSSと並んでよろしくお願いします。(ボソッ

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