リヴァイ「男にはカッコつけたい状況がある」 (13)

短編です。

書き溜めてあるので一気に投下します。









ウォールローゼ南区。

そこに俺はいる。

いると言うより、行きつけの店に向かって歩いているという方が正しいだろう。

そして俺は兵団服じゃねぇ…

完全な私服、オフモードだ。

だが、特に変装はしていない。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419964401

通行人A「あれ、調査兵団のリヴァイだよな!?」

通行人B「どいつが…?」

A「ほらアレだよアレ!」

リヴァイ(チッ…人のことをアレ呼ばわりしやがって…)

今にも殴りかかってやろうと思ったが、やめた。

B「どれだよ…あっ!」

兵団の名を傷つけることになる

何より、今は歩きにくいのだ。

A「見つけたか!?」

なぜ歩きにくいのか…?

それは…

B「ああ…だが噂だとかなり背が低いとか言われてるよな…?」

A「でも、あの顔はリヴァイ兵士長だろ!」

B「嘘だろ…?おれよりでけぇのかよ…」

俺は今、 15cmのブーツを履いている。

俺が頼み込んで作ってもらった特注品だ。

しかしこれを履くと歩きにくくて仕方ない。

不自然さは長めのジーンズを履いて誤魔化している。

リヴァイ(男にはカッコつけたい状況がある…)

A「身長175くらいか?それ以上にも見えるな」

B「ああ、風格があるよな」

A「さすが人類最強だな」

リヴァイ(今がそうだ)

この世界は残酷だ…

???「あ、リヴァイ!!!」タッタッタッ

この状況でこいつと出くわすとは…

リヴァイ「うるせぇぞ、走ってくんなクソメガネ」

A「やっぱり、リヴァイ兵士長だったんだ!」

ハンジ「いきなりひどいなぁ…ん?」タッタッタッ

リヴァイ「…」

B「本物か…すげぇな…俺握手してもらおうかな…」

ハンジ「さっきは遠かったからなんとも思わなかったけど…」

リヴァイ「余計なことを言うな…」

ハンジ「なんかリヴァイ、でかくなーい?」

リヴァイ「ハンジッ!!」

ハンジ「あ、もしかして!シーk…!?」モゴモゴ

俺は手でハンジの口を抑える。

リヴァイ(てめぇ、ぶっ殺すぞ)ギロッボソッ

ハンジ(ご、ごめん…)ボソッ

リヴァイ「はぁ…」

それは、一瞬の油断だった。

リヴァイ「!?」グラッ

バランスを保つのが難しい今の状況で、あんなことしてはいけなかったのだ…

ハンジ「リ、リヴァイ!?」

こいつは心配して言ってくれたんだろうが…

さっきの2人以外の野郎共もこちらを見ることとなった。

リヴァイ「ぐっ…」ドサッ

俺は完全に尻餅をついた…

ハンジ「…」

A「…」

B「…」

その場にいた全員がリヴァイに注目している。

しかも、その倒れた男があの人類最強であるということをハンジが大声で叫んでしまった。

この世界は、本当に残酷だ。

尻餅をついただけならまだマシだ…

ブーツが、片方だけ脱げてしまっていた。

A「おい、見ろよ…足の長さが全然違うぞ…」

B「つまりあれは…シークレットブーツってことか?しかも10センチ以上違うぞ…」

リヴァイ(チッ…)

俺はブーツを脱ぎ捨て、起き上がる。

バレてしまっては、もうこんな歩きにくいブーツを履く意味はない。

ハンジ「あ、あの…リヴァイ?」

ハンジもなんとなく周りの状況を察したようだ。

ハンジ「その…ごめん」

リヴァイ「謝る必要はねぇ、俺がただカッコつけて、失敗しただけだ…」

ハンジ「リヴァイ…じゃあ許してくれるの…?」

リヴァイ「…許すもクソもねぇ。俺の自業自得だ」

ハンジ「り、リヴァイ…!」

リヴァイ「ただ俺は、最後までカッコつけたい」

ハンジ「え?」

リヴァイ「俺が人類最強だということを証明する!」ガシッブンッ

ハンジ「うわぁぁあ!!!」グルッドサッ

綺麗な一本背負いが決まった。

ー完ー

これにて終了となります!

>>4の、15センチのブーツは 15センチのシークレットブーツって書いたつもりでした…

今更訂正しても遅いですが…w

まあ、とにかく、読んでくださった方々ありがとうございました!

応援、批判、感想、意見、質問、その他諸々、コメント待ってます(=゚ω゚)ノ

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