書店のお嬢さん モバマス (63)
タイトルどうりモバマスのssです
キャラ崩壊、誤字脱字、おかしな日本語
これらが許せると言う方はどうぞゆっくりしていってください
文章内での会計は本を渡すと同時にお金を渡していると言う解釈でお願いします
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帰宅途中、ふとたまには寄り道して帰るのも悪くないだろうと思い
いつもとは別の道を歩いていると書店を見つけた、そういえば、今読んでいる本も読み終わり
家にある本も全て読み終えてしまったことを思い出した、ちょうど良いと思いその書店に寄ってみることにした
時間のせいか店内は私以外誰も客はおらず正面のレジには店員がいない
最初は裏で品出しでもしているのだろうと思ったが物音ひとつ聞こえない
流石に店員がいないと会計ができないので店員を探すことにした
どれぐらいたっただろう、店内はあらかた探し終わったが人どころかねずみ一匹見当たらない
あと探していないのはレジの奥にある部屋らしき場所だけだ、
「あのすみません、どなたかいらっしゃいませんか」
今度は近づいて肩を揺すりながら話しかける
「すみません店員さんでしょうか」
するとその女性はビクッと反応したあとに恐る恐る私の方を見た
「あのすみません、あなたはここの店員さんでしょうか」
私がそう問うとその女性は素早く3回ほど頷いた
「すみません・・・私、本に夢中になっていたようで」
「いえ、こちらこそ読書を邪魔してしまい申し訳ない」
「それで・・・・どうされたのですか・・・お会計でしょうか」
「いえ、本を探しているのですがどの本を選んだらよいのかわからないのです、よろしければ店員さんのおすすめの本を教えていただけないでしょうか」
そう言うと店員さんは「・・・そうですねえ・・」と俯き考えていた
数分後、店員さんがそれなら、と言って本棚の方に向かって歩き出した、私もそれについて行く
「これは・・・・どうですか」
そう言うと本棚から一冊の本を抜き取りこちらに渡してくる
「推理小説ですか」
「はい・・こういうのは・・・お嫌い・・ですか」
「いえ、ただこういう小説はあまり読んだことがなかったので」
「普段は・・・どういう本を・・・お読みになるんですか」
「お恥ずかしながら人前で誇らしく言えるような本は読んでいないので言えません」
すると店員さんは軽く微笑んだように思えた
「じゃあこれをいただきます」
「ありがとう・・ございます・・・またのお越しを・・・お待ちしております」
こうして私は書店で不思議な女性に出会った
書店によってから三日後、私はまたあの書店に来ていた
今日も私以外に客はいない店員さんもレジにいない
私は迷うことなくレジの奥の部屋に向かって歩き出した
靴を脱ぎその部屋に上がる、いた
店員さんは前と変わらず本を読んでいた
私は店員さんの肩を叩き「店員さん」と呼びかけた
すると店員さんはゆっくりとこちらを向いた
「今日はお願いがあってきました」
「お願い・・・ですか?」
「はい、この小説を読んで私の考えた推理を聞いて欲しいのです」
「最後まで・・・読んだいないん・・ですか」
「こういう小説の楽しみ方は読みながら自分で推理することだと昨日ネットに書いてあったので、
それで店員さんに私の推理を聞いてもらおうと思って」
すると店員さんは驚いたような顔をしたがすぐに「はい」と優しい声で返事をくれた
それから私は店員さんに推理を披露した
私は自分の推理は完璧だと思っていたがどうやら穴だらけだったよでことごとく店員さんに潰されてしまった
「もしかして店員さんは探偵になれるのでは」
「フフ、一度・・読んだことがあるからわかるんですよ」
「ほかに店員さんのおすすめの本はありませんか」
「では・・・」
店員さんは俯き思考する
数分後、店員さんが前とは別の本棚に歩いていく、私もそのあとに続く
「これはなんか・・・・どうでしょうか」
そう言って店員さんが渡してきたのは誰でも一度は読んだことがあるかもしれい本だった
「『注文の多い料理店』ですか」
「はい・・・宮沢賢治は・・お好きですか」
「はい、好きですよ、『坊ちゃん』とか『セロ弾きのゴーシュ』あとは・・・『吾輩は猫である』とか」
少しユーモアを挟んでみた、すると店員さんは笑いを抑えようと身をかがめ肩を揺らしていた
少ししてようやく収まったのか店員さんが口を開く
「『吾輩は猫である』は・・・夏目漱石ですよ」
「おや、そうでしたか失礼、しかし」
「どうか・・されましたか」
「いえ、店員さんは笑うと可愛いのですね、いえ普段も可愛いのですが」
店員さんの顔がどんどん赤くなっていくのがわかった
「か・・・からかわないでください」
「ハハハ、申し訳ありません、ですが本当のことを言ったまでです」
「もう」
店員さんは髪を更に目の方に寄せていき目を隠してしまった
「店員さんよろしければ名前を教えていただいてもよろしいですか」
店員さんは少し手を組んだり離したりを繰り返しそして
「鷺沢です」
蚊のなくような声でそう言った
「申し訳ありません、聞き取れませんでした、もう一度お願いします」
「鷺沢・・・文香です」
尻すぼみになっていたがなんとか聞き取れた
「鷺沢文香、いい名前をお持ちだ」
「あなたは・・・なんてお名前なんですか」
「私ですか、私はkといいます」
文香「Kさん、また本の感想など聞かせてもらえませんか」
K「ええ、鷺沢さんに迷惑じゃなければ」
店員さ...鷺沢さんは微笑むと
文香「Kさん・・・またのお越しをお待ちしております」
そう言ってくれた
今日はここまで
明日には完結すると思います
>>2と>>3の間に抜けている文があったので補足
どれぐらいたっただろう、店内はあらかた探し終わったが人どころかねずみ一匹見当たらない
あと探していないのはレジの奥にある部屋らしき場所だけだ、
「あのすみません、どなたかいらっしゃいませんか」
奥に向けて問いかけたが返事はない、申し訳ないと思いながら奥の部屋に進み入ってみると人がいた
本を読んでいるようだ、顔は俯いているのと髪で隠れてはっきりとは見えないが髪の長さや体格から女性だとわかった
「あの、すみません店員さんでしょうか」
返事はない
今度は近づいて肩を揺すりながら話しかける
「すみません店員さんでしょうか」
するとその女性はビクッと反応したあとに恐る恐る私の方を
それから私はその書店に毎日のように通った
本を読んで、その感想を鷺沢さんと互いに言い合う
そんな毎日、少しずつだが鷺沢さんのことも教えてくれるようになった
友達がいないだとか、人と話すのが苦手なこと、家事があまり得意ではないとか
私も少しずつ文香に自分のことを話しだした
友達がいないこと、官能小説やライトノーベルを好んで読んでいたこと
両親から勘当されたことなどいろいろ話した
気がつけば私と文香は友だちになっていた
親友といってもいいだろ
文香と遊びに行くことも増えた
初めて二人で出かけたのは図書館だった
図書館で静かに本を読み、休憩で図書館の中にある喫茶店で読んだ本の感想を言い合う
いつもと変わらないのだが二人で外出というだけで胸が踊った
私は文香が好きになっていた
最初は初めての友達だから過剰にそう思っているだけだと思ったが
文香に会うたびにその考えは否定された
文香と目が合うだけで顔が熱くなる
文香と言葉を交わすだけで胸が踊る
私はどうしようもないくらい文香のことが好きになってしまっていた
そして私はある決意をした
その日から私はその書店に通わなくなった
その日から1週間後、私は再び書店を訪れた
いつものように客は私以外いないレジに文香の姿はない
私は迷うことなくレジの奥の部屋まで歩いた
靴を脱ぎ部屋に上がる
しかし、そこに文香の姿はなかった
「おや、お客さんかね」
後ろから声をかけられた、ふりかてってみるとそこには白い髪に白いヒゲ、まるで絵本から飛び出してきたような
老人と言うイメージの男がいた
K「あのすみません文香はいませんか」
「ああ、文香なら最近『アイドル』になったとか言って最近ここには来てないよ」
衝撃だった、あの文香がアイドルになったと聞いて
いや、可能性がなかったわけではない、人と話すのが苦手というだけで顔は整ってる
美人の類だ、まさか文香を見つけ出してスカウトするとは、その人はきっと優秀な人なんだろう
K「そうですか」
「お前さんはあれかい文香の『これ』かい」
そう言って親指を突き出してくる
K「ハハハ、違いますよ、ただの友達です、ただ」
「ただ」
K「いえ、なんでもありません、また来ます」
「うん、文香の友達なら歓迎だいつでもおいで」
こうして文香とすれ違う日々が始まった
モヤモヤしたもの胸に抱えながら帰路を急ぐ
ポケットに入れた『箱』を握り締めながら
文香に会えないながらも私は書店に通い続けた
そして久しぶりに文香に会えた
文香「あ、Kさん・・・お久しぶりです」
K「やあ文香、元気そうでなにより聞いたよアイドルになったんだって」
文香「はい・・・私・・自分を変えたくって」
K「そうですか、そうだ、久しぶりに推理を披露させていただいても」
文香「ごめんなさい、これから・・・プロデューサーがくるので」
K「そうですか」
文香「・・・・・今度の土曜・・・・・空いてますか」
K「はい、大丈夫ですよ」
文香「では今度の土曜、あの図書館で」
K「わかりました」
「おーい文香そろそろレッスンの時間だぞ」
文香「・・・プロデューサーが来たようですので」
K「はい、では今度の土曜日に」
文香「はい」
文香と一緒に書店の入口まで行くとそこにはスーツを着た男がいた
プロデューサー(P)「ん、文香、その人は」
文香「この人は・・私の・・・・・友達・・です」
P「そっか、どうもはじめまして私Pと申します文香の担当プロデューサーです」
K「はじめまして、私はKといいます、文香のこと、よろしくお願いします」
P「ではこれで、文香いくぞ」
文香「はい、ではKさんまた」
K「ええ、また」
文香を乗せた車はすぐに目に見えないほど小さくなていった
それとは逆に私の心のモヤモヤは大きくなっていった
文香がプロデューサーと話している時に胸が痛くなった
だが今回はそのモヤモヤはすぐに消えた
土曜日に、また文香に会える
そう思うだけで再び胸が踊った
後は夜に投下します
書き終わってるので投下するのを忘れない限り完結しないなんてことはないはずです
予定変更
土曜日、文香と待ち合わせに選んだ図書館に30分も早く着いてしまった
我ながら子供のようだと思う
文香「あの、Kさんすみません・・・待たせてしまいましたか」
気づけなかった
いつもは隠してる目を今日は出し服装もいつもようにゆったりとした服ではなく
体のラインがわかるような、最近の若い女性(文香も若い女性だが)が着ているような服装だった
K「いや、集合時間まであと10分もあるんだ遅刻じゃないから大丈夫だよ」
文香「そうですか、よかったです」
そう言って膝に手を起き呼吸を整える文香
危うく胸元が見えそうになったが時計を確認して見ないようにする
K「今日は、その、やけに露出が多いですね」
そう言うと文香は恥ずかしそうに体を抱える
文香「い、いえその同じ事務所の子が用意してくれた服なんです決してそんな」
K「いえわかってますよ、大丈夫です、とても似合ってますよ」
そう言うと文香は顔を赤くし俯きながら
文香「そ、そうですか」
K「さて、少し早いですが行きますか」
文香「はい」
本を読みながらたまに文香の方を見る、改めて思う、綺麗だ
見ているのがバレたのか文香もこちらを見た、目が合ってしまった
文香の顔がみるみる赤くなっていった、多分私の顔も赤くなっているだろう
K「喫茶店で休憩しますか」
そう言うと文香は顔を赤くしながら素早く頷いた
文香といつものように図書館で本を読み、喫茶店で感想を言い合う
あの頃のような夢の時間だった
楽しい時間と言うのはすぐに終わってしまうものである
いつもの書店まで文香を送り名残惜しいが帰ろうとしたとき
文香「あ、すみませんちょっと待ってください」
文香に呼び止められた
K「どうかされましたか」
文香「いえ・・・その」
何やらもじもじしている両手を後ろに回して...なにか渡そうとしているのか
文香「あの、その」
文香がうつむきながらもじもじとしていたがそれがピタッと止まった、そして
文香「あのこれ」
そして両手を私の前に差し出す、一枚の紙が両親指と人差し指に挟まれていたそれを受け取り確認してみる
K「これは、ライブのチケットですか」
そう言うと文香は顔を赤くして俯きながら
文香「私の・・・初めてのライブなんです・・よろしければ・・・見に来て頂けませんか」
K「ええぜひ、必ず見に行きますよ」
文香「本当ですか、本当に本当ですか」
顔を輝かせながグイっとこちらに一歩近づいてきた
K「ええ、本当に本当ですとりあえず今日はもう遅いのでこれで」
文香「あ、そうですね・・・それではまた」
K「ええまた」
そしてライブの日
文香の初めてのライブはどうやらそのプロダクションのアイドル全員で行うもののようだった
文香はアイドルと言っても知名度は低くファンも少ないようだった
ライブが始まると会場は一気にヒートアップした私は少し心配になった
もし文香が有名になったら単独ライブでもこれほど盛り上がるのだろうか、そうなると私の体力は持つのだろうか
そんな年寄りくさい考えをいていると周りが静かになったことに気がついた
見るとステージには文香がいた
ライブ衣装に身を包んだ文香をみて観客は息を飲んだ
「おい、あの子知ってるか」
「いや知らない、あんな綺麗な子がいたのか」
「俺、あの子のファンになる」
など周りの観客が口々にする中私はただ祈っていた
どうかこのライブで文香が成功しますように
そう祈っていた
文香が歌いだす、澄んだ綺麗な声が会場を包み観客を虜にする
そんな中、祈っている私は胸が張り裂けそうだった
成功して欲しいと願う反面失敗して欲しいとも願っていたのだ
成功すれば文香は一躍人気者となり私と会うことができなくなるかもしれないからだ
そして、楽しそうに歌う文香を見ると失敗して欲しいと願う自分は何と醜く愚かな人間なのだと思わされる
彼女は変わりたいと言ってアイドルになったのだ、私はそれを、文香の願いを否定しようとしたのだ
私では文香を変えてやれない、彼女を幸せにはできないのだ
結局私は文香の事をあまり見れずにライブは終了した
文香はアイドル同士の打ち上げに呼ばれたらしく会えなかった
一人で帰ろうとステージを後にしようとすると
P「あなたは確か文香の」
珍しい人に声をかけられた
K「どうもプロデューサーさん、こんなところでどうしたんです」
P「実はアイドルたちの打ち上げに混ざろうとしたら『プロデューサーさんはダメ』といわれて飲みにでも行こうと思ってたところです
あ、よろしければ一緒にどうです」
k「いえ私は」
P「いいじゃないですか、男同士語り合いましょうさあさあ」
そう言うと中なば強引に車に乗せられ居酒屋に連行された
居酒屋に着くとプロデューサーは酒を飲みながら『ライブが無事に成功してよかった』とか『アイドルが楽しそうで良かった』など言いながらハイペースで酒を飲み続け
P「Kさ~ん飲んれますか~」
K「ええ飲んでますよ」
出来上がっていた
P「Kさんぼかぁねぼかぁ~ね、文香が心配らんれすよ」
文香の名前が出て私は少し身構えた
K「心配、といいますと」
P「Kさんならわらると思いますが文香っれおどおどしてるじゃないれすか」
K「そうですね」
P「こう、守ってあげたくなるんですよれ」
K「そうですか」
それからプロデューサーは何も喋らなくなった、心配になって隣を見ると深刻な顔をしながら酒を飲んでいた
P「僕は・・・プロデューサー失格なんですよ」
K「どうしてそう思うので」
プロデューサーはまた酒を飲むと深い溜息を吐いたあと話しだした
P「僕は・・・文香のことが・・・・・・好きなんですよ」
私は何も言えませんでした、ただ
K「そうですか」
そう返すのが精一杯だった
頭が真っ白になった、次々に悪い考えが真っ白な頭を駆け巡る
K「・・・すみません、飲みすぎたようです・・・先に帰ります」
P「そうですか、お大事に」
それから私はどうやって帰ったのか覚えていない
シャワーを浴びたようで髪は湿っている、私はベッドに横になった
そこでもう一度考えてみることにした
私は文香を変えてやれない
プロデューサー、Pさんなら文香を変えてやれる
そしてPさんは文香のことが好きだと言った
ああ、なんだ、もう答えは出てるじゃないか
頭の中で答えが出ると胸が途轍もなく痛んだ
おかしいな、これが文香のための最善な選択なはずなのに
胸が痛い、涙が止まらない
文香の声が頭の中で響く、楽しかった時間が頭を巡る
でもダメなんだ、私では文香を変えてやれない
Pさんにならそれができるこれがきっとこれが最善なんだ
考えているうちに私は眠ってしまったようだった
日はすでに真ん中まで来ていた
やることは決まっていた、胸は相変わらず痛い
書店まではそんなに時間はかからなかった
なぜか今日は文香がいる気がした
書店の中は客は私以外誰もいないレジには、文香がいた
今日も文香は本を読んでいた文香はふと顔を上げてこちらを見た
文香は私を見つけると微笑んでこちらに歩いてきた
文香「こんにちはKさん、今日もおすすめを」
K「いえ、今日はある本が欲しいのです」
文香「どんな本ですか」
K「夏目漱石の『こころ』を」
文香「『こころ』ですかそれならこっちに」
文香は本棚に向かって歩く私はその場で待っていた
数分後に文香はこちらに戻ってきた
文香「どうぞ『こころ』です」
K「ありがとうございます」
あんなに早く『こころ』のことがバレるとは思ってなかった
文香「Kさんは夏目漱石が好きなんですね」
K「ええ、好きですよ」
文香「宮沢賢治の作品に入れるぐらいですもんね」
K「まだ覚えていたのですか」
文香「ええ」
クスクスといたずらっ子のように楽しそうに文香は笑う、心が痛い
K「文香は『こころ』で誰が一番好きですか」
そう尋ねると文香は
文香「そうですねえ」
と俯き考え出した
文香「私は・・・『奥さん』が好きです」
K「また渋い選択だ」
文香「私、『奥さん』みたいな思い切りのある女性になりたいと思いまして」
K「今でも十分思い切りはあると思いますが」
文香「いえ、私はそんなんじゃないんです、私は私を変えたいんです」
また心が痛む
文香「Kさんは誰が好きなんですか」
K「私は・・・『K』が好きです」
文香「『K』ですか」
K「ええ、読んでいるうちに何故か彼に惹かれるのです」
文香「確かに、本を読んでるとありますよね、読んでいるとその登場人物に何故か惹かれること」
文香が楽しそうに話す
でも
もう終わりにしなきゃ
K「文香さん」
文香「・・・どうしたんですかKさん」
胸が張り裂けそうだ
K「もう私は」
口が重くなる、体が命令を無視する、言わなくてはいけないのに文香のために
文香のために
K「私は、もう、ここにはきません」
文香「え」
K「私はもうここにはきません、それではこれで」
文香「待ってください、どうしたんですか突然」
K「私では、私は貴方にふさわしくありません」
文香「どう言うことですか、どうして突然そんなことを言うんですか」
K「私では貴方を変えられません」
文香はとても悲しそうな顔をした
その顔を見るたびに心が痛む
先頭に書き忘れてましたが多分鬱展開ですので苦手な方読まないことをオススメします
文香「私は・・・私は」
彼女の悲痛な叫びが更に心を痛める
それ以上は言っていけない
『それ』は違うんだ
文香「私は・・・私は・・・Kさんのことが好きです」
K「それは違います」
文香は驚いた様子でこちらを見る
k「その感情は『好き』じゃない、私たちは互いに初めての友達、そのため勘違いしやすいのです
その感情は恋愛感情じゃない」
文香「違います、私は・・・私は、あなたのことを、Kさんの事を」
K「鷺沢さん」
私が呼ぶと鷺沢さんはとても悲しそうな顔をしていた、涙も流している、顔がくしゃくしゃだ
心が痛い、胸が張り裂けそうだ、泣きそうだ
それでも声を震わせないように、悟られないように言った
K「さようなら」
そして書店を後にした
書店からは私を呼ぶ文香の声が聞こえる
これで良かったんだこれで、私では文香を変えてあげれないのだから
帰宅中、文香の悲しそうな顔が何度も頭の中で繰り返された
私は、親友のことを裏切ってしまった
彼女の思いを別の感情だと否定した
ああ、文香はもう私に会ってはくれないのだろう
心が麻痺していく、感情が、感覚がすべてが麻痺していった
家に着くと不思議と胸の痛みはなかった
浴槽にお湯をためる
ベッドに着くと書店で買った『こころ』を読み始めた
読みながら考えた『K』はどんな気持ちだったのだろう
親友に裏切られ愛する人を奪われた彼はどんな気持ちだったのだろう
『こころ』を読み終えると湯が湧いたことを告げる音楽が鳴り響いた
K「ちょうど読み終わってよかった」
包丁を持ち浴槽に浸かる
服が水を吸って肌にくっついて不快だがそんなことすらどうでもよく思えた
左手に包丁を押し当てそして、思いっきり引いた
傷口から鮮血がとめどなく溢れてくる、それを浴槽につける
ああ、これから死ぬんだ
そんなことをゆっくりと考えていた
『K』もこんな気持ちだったのだろうかそんなことを思ってしまった
血が止まる様子はない
お湯に浸かっているはずなのに寒い
もうすぐ死ぬんだ
改めてそう思う
ふと文香のことをが浮かんだ
文香はとても悲しそうな顔をしていた
ああ最低なことをしたなあ
謝れなかったなあ
そんなことを考えていると胸が痛み出した
麻痺していた感覚が戻ってくる
左手首が激しく痛む
死にたくない
浴槽から出ると体が思うように動かず倒れた
這って玄関まで向かった
文香にあって謝らなければ
だから死ねない
まだ
死に
た
く
な
い
『本日未明○○県○×市にて死体が発見されました。
死体の身元はKさんという男性のものと見られ、また警察は自殺として捜査をーーー』
バサッバサバサバサバサバサバサバサ
「嘘・・・」
これで本スレは御終いです
蛇足のようなものでこのスレの文香視点やK生存ルート(ハッピーエンドと入ってない)を書けたらいいなあと思っています
長くなりましたが見てくださった方、ありがとうございました
またどこかで会ったときはどうぞご贔屓にでは
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