じゅうねんまえ!
梓(6)「~♪」テクテク
梓「うーんどりっびないっしゅてーれれーれっ♪」キャッキャ
梓「てれーれれれっ ないしゅてーれーれーっ♪」
梓「ただいまー ってあれ…」ガチャガチャ
梓(あ きょうお母さんおそいんだった)
梓「・・・」ごそごそ
梓「・・・・・」ごそごそ
梓(・・・・・・・・・あ)
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梓(あれ、いつもランドセルにくっつけてたのに!)ゴソゴソ
梓(うそっどうしよ! このへん、おちてないかな…?)
ごそごそ
ごそごそ
梓(・・・なかった。ちゅう車じょうにも ポストのとこにもなかった)
梓(どうしよう。おこられる。夜までおうちに入れない・・・)グスッ
梓(・・・早くさがさなくちゃっ!)タタッ
梓(・・・・なかった)
梓(ゆうほ道を ぎゃくりゅうしたけど、なかった)
梓(文ぼうぐやさんの、ちゅう車じょうのとこにもなかった)
梓(学校までいって、うさぎ小やも見たけど やっぱなかった)
梓(もういちど さがさなきゃ! 夜になるまでに・・・ぜったいぜったい・・・)テクテク
梓「・・・うううう」グスッ
\ぼすん!/
梓「きゃっ?!」
??「あふんっ」
?「うぅ・・・」
梓「いたた・・・あっ ごめんなさい!ごめんなさいっ!!」
?(・・・ふわぁ・・・・あの子 ちょーかわいい・・・・っ!!)
梓「・・・あの、その、ケガしてな――きゃっ!」
ぎゅうっ
?「えへへーあったかぁい!ちっちゃい!かわいいーっ!!
ねえね、何年生?どこの小学校?てんこーしてきたのっ?!」すりすりっ
梓「は、はなしてーっ!!」バシッ
?「はうっ?!」
梓「はあっ・・・はあっ・・・・いきなり変なことしないで!」
?「ごめんなさい・・・」
梓「って あなたこそ、だれなのっ?!」
唯(7)「わたし? ひらさわゆい! 7さい、小学2年生!」
じゅっぷんご!
唯「そっかぁ あずさちゃんも 歌がすきなんだねぇ」テクテク
梓「うん おうちでずっと聞いてるよ。
レコードっていって しーでぃーよりおっきなので聞くの」
唯「へー! それって、こーーーんなにおっきいの?!」ピョンッ
梓「そんなにはおっきくないよー。こんど見せたげる・・・あっ。
ああそうだ だめなんだった・・・」
唯「どしたの?」
梓「さっき わたし、カギ落としちゃったの・・・」しゅん
唯「えっ? カギって、おうちの?」
梓「うん・・・ごめんね。わたしさがしてくるっ」
唯「じゃあいっしょにさがそうよ!」
梓「・・・・・ほんとっ?! ありがとう!」ぱあっ
唯「ないねえ・・・」
梓「うん・・・」
唯「ねえあずさちゃん。きょう学校から帰るとき、どうだったの?」
梓「いつもとおんなじだったよ。なんで?」
唯「あのね、のんちゃんが言ってたんだよ。
『落としものをしたら、落としたときのことをよく思い出すのよ』って。
あっのんちゃんってゆうのはね、わたしの友だちで、
すーっごくあたまがよくって、がっきゅういいん?ってやってて、
おとまりしたら、ぎゅうひ?あのやぁらかいやつ、いっぱいくれて、
あんまりいらなかったっけど、あんみつかけたらすーごくおいしくってね!」
梓(おとしたときのこと・・・むむむむ)
唯「それでねっ、わたしがさかあがりできなかったときも、
のんちゃんがせなかをばーん!ってやったら、てつぼうから落ちちゃって、
それからいっしょにおふろに入ってね、それで、、
って、きいてるのー?!」ゆさゆさ
梓「わわわっ・・・あっ、おもいだした。
うた、歌ってたの! こうやって、きゅう食とうばんのふくろを持って
うーんどりっび♪ないっしゅっ」
唯「あ、あんまりうまくないですね・・・」
梓「・・・」しゅん
唯「ないねえー・・・」きょろきょろ
梓「・・・うん。公えんの前までは、ちゃんとあったのに」
唯「うーん・・・あっ」
梓「!」
唯「ねぇみて、ボンド草いっぱいはえてる!
これクキのとこちぎるとボンドでてくるんだよっ!」
梓「カギじゃなくて?!」
唯「えへへ・・・ごめんごめん」
唯「でも そろそろ公園ついちゃうね」
梓「ほんとになくなっちゃったのかな・・・・」
唯「うーん・・・」
梓「・・・・ぐすっ」
唯「だーいじょうぶだよー、いいこいいこ♪」なでなで
梓「・・・こどもあつかい しないでっ」ぎゅうっ
唯「よしよし♪ あっ そうだ。もっとみんなでさがそうよ!」
梓「みんな・・・?」
唯「いつもこの公園にくるみんなだよ!
ういー、のんちゃんー、なおちゃん、あきちゃん、あやちゃん、あとあと、」
梓(あやちゃん・・・?)
唯「とにかくいーーーっぱいいるんだよ!
きっとみんな、カギさがし手つだってくれるよっ!」
梓「・・・ありがと」
唯「あーーーー!のんちゃんだぁ!!」
梓「ええっ?!」
和(7)「はじめまして。まなべのどかです」ぺこり
梓「は、はじめまして」ぺこりっ
唯「でね、あずさちゃんのカギ、ねこのかざり?みたいなのついてるんだって、
ほら見てみてのんちゃーん、」
憂(6)「わたしはひらさわうい、お姉ちゃんの妹だよ。よろしくね!」
梓「あ・・・うん!」
憂「あずさちゃんは何年生?どこの小学校にいってるの?
もしかして、てんこうしてきたの?」にこにこ
梓(この二人、すっごいにてる・・・)
しばらくして!
梓「それでね、パパが『あずはレコードさわっちゃだめ!』って言って、」
憂「へー、大せつなものなんだねっ」
梓「すっごくきれいな曲なんだよっ! うーんどりっび♪」
憂「あ、あはは・・・・」
和「・・・・ねえ、ふたりとも! もう5時よ?」
ゆいうい「「あっ!」」
梓「あ・・・・かえっちゃうの?」シュン
和「5時半すぎには おうちに帰らないと、お母さんが」
唯「・・・ごめんね、みつからなくって」
梓「ううん、ありがとう・・・・うぅう」
憂「あずさちゃん・・・・・ って、あれ?」
唯「あっ! ねぇうい、ちょっと行って よんでくる!!」
とみ「あらぁ、唯ちゃん?」
とみ「――そうなのぉ、それは大変だったねぇ」なでなで
梓「う・・・ぐすっ」
とみ「よしよし。それじゃあ、もうちょっとだけ探そっか」
唯「ほんと?!」
とみ「唯ちゃんたちのお母さんには伝えておくからねぇ」にっこり
ゆいうい「「やったぁ!」」ハイタッチ
梓「あの、・・・ありがとうございます!!」ぺこりっ
和「それじゃあわたし、水道のところ見てくるね」
憂「わたしは、もういちど道をたどってみる!」
とみ「あらあら。車が危ないから、私もついていこうかしらね」
唯「だいじょうぶだよ、きっと見つかるからっ!」
梓「・・・・・うんっ!」
――――――
――――
――
和「ごめんね、もうわたし、かえらなくちゃ」シュン
唯「そっかぁ・・・ じゃあ、わたしたちでさがすよっ」
梓「のんちゃん、ありがとね・・・うぅ」
憂「でももう6時だよ?おねえちゃんも、」
梓「・・・・っ」
とみ「そうだねえ・・・・それなら、梓ちゃんのお母さんには、私が、」
唯「――やっ! わたし、ぜったいカギみつけるっ!」たっ
梓「え、ええっ!?」
唯「・・・・・」ゴソゴソ
梓「も、もういいよっ! だってみつかんないもんっ!」
憂「そうだよぉ、おねえちゃんも おうちに帰らないとっ、」
唯「・・・・でも、わたしがやめたら、あずちゃんが帰れないもん!」
梓「・・・」
唯「・・・ねえ、あずちゃんこれからどうする?」
梓「・・・おうちに帰って。あずが、じぶんで、ひとりで、」
唯「やっぱりさがすー!!」グイグイ
ういあず「「だめーーっ!!」」ぎゅー
唯「・・・はあっ、はあっ」
梓「ふうっ、ふう・・・・」
憂「・・・・お母さん、心配しちゃうよ・・・」
梓「そうだよ、おばあちゃんのとこ、もどろ?」
憂「あずちゃんもだよー」
梓「それはいいのっ」
唯「・・・あ!」
梓「?」
唯「うた、うたってたんだよねっ? なくしたとき!」
梓「? うん・・・」
唯「そのうた、なくした時みたいにうたおうよっ!!」
――――――
――――
――
梓「ぴんぽぱんぽ♪ ぴんぽぱんぽ♪ ででっ!」
唯「うーんどりっび♪ なっしゅーてーれれれーれっ♪」ピョコッ
憂「てれーれれれっ ないしゅてーれーれーっ♪」ピョコッ
梓「うーんどりっび♪ ないっしゅーてーれれーれっ♪」クルッ
唯「てれーれれれっ ないしゅってーれれーれっ♪」タッチ
唯「・・・・ねえ。このうた、あってるの?」
梓「ひどいー?!」ガーン
唯「・・・うーんどりっb ひゃっ!」コツン
憂「おねえちゃん だいじょうぶ?」
梓「どしたの・・・・・ 」
梓「・・・あぁあーーっ!!!!」
憂「え、まさか、もしかして・・・」
梓「そうっ それだよ、それがさがしてたやつ!!」
ゆいういあずさ「「「 ―― やったぁああああああ!!!」」」」
とみ「――そう、よかったねぇ・・・!」
梓「みんな、ありがとお! さがしてくれてっ!」
憂「めでたしめでたし、だねっ」
梓「うん! ういちゃんと、のんちゃんと、おばあちゃんのおかげっ!」
唯「もう、だめだよ? ちゃんと持ってなくちゃ」ぎゅっ
梓「うん、もうぜったいなくさないっ!」
唯「はい。どうぞ!」
梓「えへへ・・・・ゆいちゃん、ありがとおっ!」ぎゅー
――
――――
――――――
◆ ◆ ◆
梓(16)「……先輩、遅いなぁ」
梓「………」
梓(……このアルバム、もう聞き終わっちゃうよ)
梓(……なんか明るい曲でも流そ)
〔PLAY-SHUFFLE〕ピッ
〔The Beach Boys - Wouldn't It Be Nice〕ピッ
( https://www.youtube.com/watch?v=T0spkrwl9Qk )
梓「・・・・♪」
梓(……あれ? そういえば。この感じ、昔、どこかで・・・)
?「だーれだっ」ぎゅうっ
梓「ひゃっ?!」
?「えへへーあずにゃーん」すりすりっ
梓「・・・唯先輩 何してたんですか」
唯(17)「ごめんね、CDみつかんなくて・・・はい、これ」
梓「はぁ・・・ありがとうございます。で、どれが気に入りました?
ディアハンターとシガーロス、あとケリーのソロでしたっけ、貸したの」
唯「みっつともよくわからなかったです!!」
梓「・・・ですよねー。ええと、私はこの5曲目の『Memory Boy』が最近、」
唯「わ。・・・んしょっ」ヒョイッ
梓「?」
唯「・・・このカギ、あずにゃんのだよね?」
梓「わわっ、すいません。いつの間に落としたんだろ・・・」
唯「はい。
もうっ、だめだよ?ちゃんと持ってなくちゃ。 はいっ」
梓「………あ…っ」
唯「?」
梓「………えへ……わあっ…」
唯「どったの? 何かいいことあったの?」
梓「・・・ねぇ、唯先輩。
前にもこんなことありませんでした?ねえせんぱいっ」
唯「ほえ? どんな?」
梓「……やっぱりいいです。
まーそうですよね。
記憶ってそんなもんですよね。 ちぇ」
唯「ええーなんだよー!おしえてよー!」
梓「いやです。
ていうか気にしなくていいですよ、ただの個人的な思い入れなんで」
唯「ええーっ気になるーー!けちーーー!!」
梓「内緒です。なんなら自力で思い出してください。小学生じゃないんだから」
唯「ちぇ。あずにゃんてそういうとこ変わんないよね」
梓「そうだ。唯先輩、
昔、大好きだった曲があるんですけど、一緒に聞きませんか?」
唯「えーなんかはぐらかされたー。でもあずにゃんが好きなら聞くー」
梓「ありがとうございます。イヤホン貸しますね」
唯「さんきゅ。むずかしいのじゃない?」
梓「大丈夫です。一応、小学校の1、2年生だって歌える曲ですから」ピッ
唯「ふぅん・・・あ、イントロいいね。かわいい」~♪
梓「ところで唯先輩」
梓「先輩って 運命とか信じるほうですか?」
おわり。
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