みお「弥勒菩薩じゃないよ……まいちゃん、それガンプラでしょ？」

まい「ガンプラという名の弥勒菩薩……」

みお「いやいや……」

なの「おはよーございまーす！……ってなんですかそのフィギュア！？」

ゆっこ「あ、なのちゃんおはよー！ これ、ガンプラって言うんだって！」

なの「が、がんぷら？」

みお「『機動戦士ガンダム』ってアニメに登場するロボットのプラモデルのことだよ。 略してガンプラって言うの」

なの「へー……」

ゆっこ「みおちゃんよく知ってるねー」

みお「う、うん」

みお（いつもシロー×ミケル本にお世話になってるからね）

その日の帰り道

なの（ガンプラかー……同じロボットでも全然違うんだなぁ……）

なの「はかせー、ただいま帰りましたー」ガラッ

はかせ「わーい！！ おかえりなのー！」

阪本「む、娘ぇ！ 大変だーーー！」

なの「さ、阪本さん！ そんなに慌ててどうしたんですか！？」

阪本「お前……もう庭は見たか！？」

なの「庭？ 庭に何かあるんですか？」

阪本「ガキがヤベェの作ったぞ！」







庭

はかせ「じゃーん！ しゃいにんぐがんだむとごっどがんだむとがんだむしゅぴーげるをつくりましたー！」

なの「」

阪本「すまねぇ娘！ こうなったのも全部俺の責任だ！」

なの「な、何があったんですか？」

阪本「実は……」







はかせ『さかもとー、遊ぼ遊ぼー』

阪本（面倒クセェな……）

阪本『……ガキ、今テレビでアニメやってるんだけどよ、そっちの方が面白れぇんじゃねーのか？』

はかせ『本当！？ じゃあはかせ、テレビ見る！』

ピッ

ドモン『石！』

レイン『破！』

ドモン・レイン『ラブラブ天驚けーーーーん！』

はかせ『おーーーーー！』キラキラ

阪本「それを見た後はあいつ、自分でどんな機械があるかを調べて……三体も作っちまった！」

なの「確かにこれが庭にあったら近所迷惑ですし、何より家が目立ってしまいますね……」

はかせ「ねーねーなの！ ゆっこたちを呼んで四人でがんだむふぁいとやりたいんだけど！」

なの「四人？ でも三機しかないですよ？」

ビシッ

なの「……へ？」

はかせ「四機目はなの！」

なの「えぇっ！？」

なの「いやですよ！ ただでさえ普通になりたいのに余計普通じゃなくなりますよ！」

阪本「そうだぞガキ！ いい加減にしろ！」

はかせ「ほいっ」ヒョイ

阪本「うほうっ！/// 猫じゃらし！///」

はかせ「さかもとー、これあげるから作ってもいーい？」

阪本「ああいいぞ！ 娘をいくらでも改造しろ！」

なの「阪本さん！？」

はかせ「なのー、がんだむになってー」

なの「いやです！」

はかせ「……うぅっ」ウルッ

なの「な、泣いたって駄目です！」

はかせ「……がんだむになったらネジなくなるよ？」

なの「私がガンダムです！」

なの「と、とりあえず相生さん達は呼びました！」

はかせ「ありがとー！」

なの「ただ、私は一切喋らないけどいいですか？ 相生さん達に私がロボットだってばれたくないので……」

はかせ「いいよー！」







はかせ「できたー！」

なのガンダム「い、今まで見た景色と全然違う……」

阪本「すげーでけーな娘……」

なのガンダム「はかせ……本当に後で戻してくれるんですよね！？」

はかせ「うん、一か月かかるけど」

なのガンダム「なんで造るのが早くて戻すのが遅いんですか！？」

ゆっこ「なのちゃんの家、久しぶりだねー」

みお「そうだねー、はかせ、元気にしてるかなー」

まい「……」







ゆっこ「はかせーー！こんにちはーー！」

はかせ「わーい！ ゆっこ達だーー！」

みお「……あれ、なのちゃんは？」

はかせ「なのはいません、でも……」







庭

はかせ「なのがんだむならあるよー！」

なのがんだむ（早く終わって欲しい……）

ゆっこ・みお「」

まい「……」カシャッ

はかせ「みんなでがんだむふぁいとやりたーい！」

ゆっこ「が、がんだむふぁいと？」

みお「ガンダム同士でバトルするの」

ゆっこ「すっごい面白そうじゃん！」

はかせ「好きなの選んでいーよー！ あ！なのがんだむははかせが乗りたいんだけど！」

ゆっこ「いーよー！ じゃあ私達は違うのにしよっか！」

みお（というかなのちゃんの顔をしたMFって乗ってて変な気分になる様な……）

ゆっこ「よく見たら全部、さっきみおちゃんに教えてもらったやつばっかりだ！」

ゆっこ「これはシャイニングガンダムで……おお！ ゴッドガンダムがあるじゃん！ 私、これにする！」

まい「……ゆっこ」

ゆっこ「何、まいちゃん？」

まい「シャイニングは神より偉いって意味がある」

ゆっこ「私、シャイニングガンダムに乗る！」

みお（ゆっこ、本当に馬鹿だなぁ）

みお「じゃあ私はゴッドガンダムにしよっと」

ゆっこ「……あれ？ はかせ、なのガンダムをいれて三機しかないよ？ 」

はかせ「あれ？ がんだむしゅぴーげるがない……」

？？「ガンダムシュピーゲルは私がもらったわ！」

ゴゴゴゴゴ……！

ゆっこ「あ、あれは……ガンダムシュピーゲル！？」

みお「ガンダムシュピーゲルを盗んで……あなたは一体何者！？」

？？「そうね……名前があるとすれば……私はネオドイツの女……」

大工「それではこれよりガンダムファイト時定杯を始めます！」

大工「実況は私、大工健三郎が、そして解説は関口ユリアさんでお送りします！」

大工「この大会、誰が勝つと思いますか、関口さん！？」

関口「誰でもいいです」

みお「はぁ……なんか面倒くさいことになったなぁ……やる気が起きない……」

大工「優勝商品は豪華温泉ペアチケットをプレゼント！」

みお「！！」

みお（このチケットを使って……笹原先輩と……！）

みお「うおっしゃーー！絶対勝つ！！」

ゆっこ（みおちゃん、チケットを使って笹原先輩と温泉に行きたいんだな……しょうがない、ここは負けてやりますか）

大工「副賞は4016円をプレゼント！」

ゆっこ「ちゃんみおぶっ倒す！！」

大工「第1試合はガンダムシュピーゲル対シャイニングガンダムです！」

大工「この試合、どっちが勝つと思いますか、関口さん！」

関口「今すぐ帰らせてください」

ゆっこ「みおちゃん！ 確かこのスーツを着れば私と同じ動きをするんだよね！？」

みお「そうだよ（あのスーツもあるんだ……）」

大工「それでは第1試合！ ガンダムファイト・レディーーーー……ゴーーーーー！」

ゆっこ「おお凄い！ シャイニングが私と同じ動きをしてる！」

みお「ちょっとゆっこ！ 『帰ります』のポーズしなくていいから！ 」

？？「面白いポーズをするじゃない……なら私も！」

ゆっこ「あれは……『本当の土下座』のポーズ！！……この人、出来る！」

みお「なんの対決だよ！ ガンダムファイトしろよ！」

？？「こちらから行くわよ！」ドドドドド

ゆっこ「うわ、き、来た！」

ゆっこ「！！ は、はかせ！ なんかボタンがあるけどこれは何！？」

はかせ「それはねー、ほかのガンダムの技が使えるんだよー！」

みお（ほかのガンダムの技……月光蝶になるとかかな？）

ゆっこ「わかった！ よーし、必殺技発動！」ポチッ







チュドーーーーーン！！

大工「シャイニングガンダム自爆！ ガンダムシュピーゲルの勝利！」

みお（ウイングガンダムだったか……）

大工「第2試合はゴッドガンダム対なのガンダムです！」

大工「この試合はどっちが勝つと思いますか、関口さん！」

『帰ります 関口』

大工「いない！？」

ゆっこ「じゃあ私が解説します！」

ゆっこ「ガンダムファイト・レディーーーー、ゴーーーーー！」

大工「あぁっ！ それ俺のセリフ！」

みお（相手ははかせかぁ……どうしよう、負けた方がいいのかな……）

なのガンダム（も、もしかしてこれって長野原さんに攻撃しなきゃいけないんじゃ……）

はかせ「わーい！ なのガンダム、はっしーん！」

なのガンダム（は、はかせ！ 長野原さんに攻撃しないで！）

はかせ「ゴロゴロゴロー」ゴロゴロ

なのガンダム（ええええええええっ！？）ゴロゴロ

はかせ「もどるー」ゴロゴロ

なのガンダム（止めてくださいーーー！）ゴロゴロ

グシャッ

なのガンダム（い、今の音は……？）

阪本「」チーン

なのガンダム（阪本さーーーーーん！）

はかせ「わーいわーい！」ゴロゴロゴロゴロ

なのガンダム（は、はかせ！ もうやめてくださーい！）

……ピタッ

なのガンダム（止まった……やっと分かってくれたんだ）

はかせ「……あっ」

なのガンダム（鮫の雲……）

はかせ「サメーーー！」

ドシンドシンドシンドシン！

なのガンダム（へっ！？ちょっとはかせ、どこまで行くんですか！？）

はかせ「サメーーー、待ってーーーー！」

なのガンダム「私を止めてくださーーーい！」

大工「なのガンダム、試合放棄！ ゴッドガンダムの勝利！」

みお（あのMF、喋った様な……）

ゆっこ「さぁ、決勝はガンダムシュピーゲル対ゴッドガンダム！ 勝つのはどっちだ！？」

ゆっこ「ガンダムファイト・レディーーーー、ゴーーーーー！」

大工（俺のセリフ全部言われた……）

みお「笹原先輩のためにも……絶対にあなたを倒す！」

？？「全力で来なさい……あなたがもし負けたら……」

みお「負けたら……？」

？？「これを没収させてもらうわ！」

みお「！！！！！ あ、あれは！！」







し、師匠……///

ド、ドモン……///







みお「私が大切にしていたドモン×東方不敗の同人誌！」

？？「みおの部屋のベッドにあったから借りちゃった！」

みお「おのれえええええええ！」

みお「私の秘密をよくも……よくもおおおおおおお！」

ゆっこ「み、みおちゃんが物凄く怒ってる！」

みお「今、私が戦う理由が分かった！ 笹原先輩のためじゃない……全てはドモンと東方不敗のために！」

？？「さぁ、その怒りを私にぶつけなさい！ ……シュトゥルム・ウント・ドランク！」グルグル

みお「私のこの手が真っ赤に燃える！ 命を燃やせと轟き叫ぶ！」

ゆっこ「さぁ生き残るのはガンダムシュピーゲルか！？ それともゴッドガンダムか！？」

みお「ばあああああく熱！ ゴーーーーーーーッドォ……フィンガーーーーーーーー！」

ゆっこ「あ、あの技は！」

みお「石破！ 天驚けーーーーーーーーーーーん！」

ドゴォォォォォォン！




ゆっこ「か、勝ったのは……？」

？？「……」バタッ

みお「はぁ……はぁ……」

ゆっこ「勝者！！ 長野原みおーーーーーーー！」

みお「っしゃーーーーーーーー！」

？？「流石ね……ミオ・ナガノハラ」

みお「……大体分かるけどさ、その覆面をとって顔を見せて」

？？「しょうがないわね……負けたからには見せてあげるわ」

？？「果たして……その正体とは……」

ゆっこ「正体とは……」

？？「正体とは……」

みお「いいから早く」

スポッ

よしの「じゃーーん！ その正体はお姉ちゃんでしたーー！」

みお「やっぱり……ねっ！！」

ドゴォ！

みお「でもお姉、なんでこんなことやったの？」

よしの「……ハッピバースデートゥーユー♪」

みお「……へ？」

よしの「ハッピバースデートゥーユー♪」

よしの「ハッピバースデーディアみーおー♪」

みお「……」

よしの「ハッピバースデートゥーユー♪」

よしの「……と言う訳でみおにドッキリをプレゼントしたのでしたーー！」

みお「誕生日今日じゃねぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！」

みお「誕生日半年前だよ！ しかも全然嬉しくないよ！ ていうか誕生日にドッキリプレゼントってなんだよ！」

ゆっこ「ねぇみおちゃん、半年前じゃなくて半年後じゃない？」

みお「どっちでもいいわ！……まぁいっか、ペアチケットはもらえるし……」

大工「さぁ、いよいよ真の決勝です！！」

みお「えぇっ！？ な、なんで！？」

麻衣「……私がいる」

ゆっこ「ま、まいちゃん！？ でもガンダムはもう……」

麻衣 in ストフリ「家にあった」

みお「」

ゆっこ「……はっ！？」

高崎「おい相生、授業中に立ってどうした？」

ゆっこ「あ、あれ……なのガンダムは！？ みおちゃんと麻衣ちゃんの対決は！？」

なの「……相生さん？」

みお「ゆっこ、何言ってんの？」

高崎「お前……まさか夢でも見てたんじゃないのか？」

ゆっこ「……」

なの「……」

みお「……」

高崎「……」

ゆっこ「……廊下に立ってます」

〜おわり〜