【咲SS】星夏「プレゼント?」 (30)
池田「おーい!文堂ぉ!」
星夏「あっ、池田先輩、こんにちは。」
池田「はい、これあげる。ハッピーバースデーだし!」
星夏「これ!?自衛隊の協力のもと作成された限定プロ麻雀カード…」
星夏「ライジングサン小鍛治プロ!!」
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池田「にゃっ!?」
星夏「い、いいんですか?こんなレア物もらっちゃって…」
池田「う、うん…私はあんまり価値わからないし…」
(ヤバ…本命のプレゼントにケーキ買ってきたけど。これじゃソッチがおまけになりそうだし…)
星夏「やったー!やったー!」ピョンピョン
星夏「ありがとうございますっ!池田先輩!」
池田「あ、うん。喜んでくれて何より…」
(あっ、カードで喜んでるし…ケーキは無かったことにして、家に帰って食べちゃおう)
星夏「~♪」
純代「文堂さん…」
星夏「深堀先輩!こんにちは。」
純代「こんにちは。今日、文堂さんの誕生日だよね。だから…」
星夏「?」
純代「はいっ!」ドサッ
星夏「プロ麻雀せんべい…箱で!?」
純代「好きでしょ。これ、美味しいよね。」
星夏「えぇ…まぁ…」
(ホントはカードが目当てとは言えない…)
純代「美味しいからって食べすぎちゃダメだよ。」
星夏「は、はい…」
純代「全国大会編になってから出番がないからって、やけ食いはダメ。」
星夏「えっ、突然メタな話なんですか…」
純代「文堂さんはまだいいよね。プロ麻雀カードの収集っていう特徴があるから…。
私なんて咲日和でも『堅実な性格』しかないし…」
星夏「ま、まぁまぁ…日が当たってないってことは、その分いくらでも好き放題できるじゃないですか。
家がお金持ちかもしれないし、素敵な彼氏さんがいるかもしれないし…」
純代「うん。幸い、風越に通わせてもらえるくらいには裕福な家だし、彼氏もいるし…」
星夏「えっ…?」
純代「クリスマスは一人で過ごさずにすみそう…」
星夏「い、いつの間に…。あっ清澄の須賀京太郎くんですか?」
純代「えっ?誰それ?たまたま知り合った別の学校の人だよ。多分みんな知らないと思うけど…」
星夏「くうっ…物語の裏でリア充になってるっ!」ダダダ
純代「あっ、文堂さーん!?」
星夏「プレゼントありがとうございましたーっ!」ダダーッ
星夏「ふぅ…驚いてプロ麻雀せんべいの箱持ったまま走り出しちゃった…」
睦月「プロ麻雀せんべいを箱で抱えてる女の子がいると思ったら…」
星夏「…え?」
睦月「貴女でしたか。文堂さん。」
星夏「津山さん!?」
睦月「またたくさん買い込みましたね。私も人のこと言えませんけど…」
星夏「あ…これは買ったんじゃなくて、誕生日のプレゼントとしてもらったんです。実は今日誕生日なんですよ。」
睦月「えっ?そうなの?それはおめでとうございます。」
文堂「あはは…どうも…」
睦月「私もなにかプレゼントがあればいいんですが…あっ。」
星夏「?」
睦月「そうだ。これを。」
星夏「こ、これは!?」
睦月「そう…自衛隊協力の限定カード、ファイヤー立直三尋木プロ!」
星夏「ちょっ…いいんですか?貴女はプロ麻雀カード収集家。このカードの価値はわかっているはず!」
睦月「もちろんわかってるよ。でも、同好の人へせっかくの誕生日プレゼントだから。」
星夏「津山さぁん」ジーン
睦月「なーんて…」スッ
星夏「え…もう一枚?」
睦月「私は同じ物持ってるから。」
星夏「えええっ!凄いぃ!凄い豪運!!私なんていつも藤田プロが出ちゃうのに~。
あっ、もしかしてプロ麻雀せんべい買うときに無我の境地に達しているんですね。物欲を完全にシャットダウンして…。
私にはまだできないのにっ。さすが津山さんですね!」キラキラ
睦月「あはは…」
(言えない…妹尾さんが買ってきたのからレア物がザクザク出てきたなんて…
しかも封入時にミスがあったのか、同じレアカードが2枚入っていたなんて…)
星夏「津山さんにまでプレゼントもらっちゃって感激です!」
【ROOFTOP】
星夏「あ…こんなところに喫茶店が…ちょっと休んでいこうかな。」
カランカラン
まこ「いらっしゃーい!って…風越の…文堂さんじゃったか?」
星夏「あっ…あなたは清澄の…染谷さん?ここでアルバイトですか?」
まこ「アルバイトっちゅーか…家の手伝いじゃの。」
星夏「あ…ここを経営されてるんですか?」
まこ「まぁな。アルバイトはあっちじゃ。」
星夏「え?」
オ、オマタセシマシタ-ゴチュウモンハ?
ワー、サキノメイドフク!
カワイイ…ケドイマハケーキガダイジ
星夏「あれは」
咲「それではご注文は…
淡ちゃんがホットレモンティーと、お姉ちゃんがホットティーのストレートとブルーベリータルトとアップルパイと…」
星夏「あれはメイド服きた宮永さん!?…とお客さんのほうは白糸台のチャンピオンじゃないですか!?」
まこ「あぁ…宮永照は咲のお姉さんでな…今高校の後輩を連れて遊びに来てるらしい。」
星夏「そ、そうだったんですか…道理で清澄の宮永さんも強いわけだ。」
咲「染谷せんぱーい、注文が入りました。あれ?文堂さん?」
星夏「あ…どうも…ちょっと休憩しようと寄ったのですが。」
咲「そうなんだ。いらっしゃいませっ!」ペッコリン
咲「じゃあお席に…」
淡「サキー、サキー、麻雀卓があるよ!打ってもいいの!?」
咲「えっと…お客様用だからいいんだけど…面子が…」
淡「えーっ、咲も入ってよ。」
照「淡、ダメだよ…咲はバイト中なんだから…」
まこ「お客さんの相手も仕事だからええって。咲、相手してやりんさい。文堂さんもよければどうかの?」
星夏「ええっ!?私がですかぁ?」
淡「んにゃ?どちら様?」
咲「風越女子の一年で、文堂星夏さんだよ。文堂さん、こちらは私のお姉ちゃんの宮永照、その後輩の白糸台一年、大星淡ちゃんです。」
淡「よろしく~」
照「風越というと…福路さんのところ。」
淡「ねぇねぇ、セイカは強いの?」
星夏「えっ…私は…」
咲「うん、名門風越で一年でレギュラーになっちゃうくらい。」
淡「ふぅん。じゃあ私の相手ができるかな?」
照「咲と文堂さんをいれれば4人になるから、一局打とっか。」
星夏「ええっ!?私なんかじゃ…」
淡「いいじゃん、いいじゃん。私に勝ったら、このプロ麻雀カードあげちゃう。」
星夏「それは!?」
照「いいの?それ淡のお気に入りだったでしょ?」
淡「3日前に誕生日プレゼントでもっと良いものもらったからね。それに…」カミノケブワッ
淡「負けなければいいんだよ」ゴゴゴ…
星夏「……」
星夏「 や り ま す ! !」
クワッ!ピカァァァ!!
淡「……」シュン
照「淡の髪の毛が…」
咲「文堂さんの目が見開いたら、淡ちゃんの髪がおとなしくなってストレートになった!?」
星夏「あなたに勝てば、その限定カード『テスラコイル内蔵瑞原プロ』をもらえるんですね…」クワッ
淡「う…うん…」
星夏「はじめましょう…」カッ
染谷まこはこの4人の対局を遠くから見ていた。
彼女は、文堂星夏が他の3人相手に苦戦してボロ負けすると予想していたが、それも含めて良い経験になると思っていた。
だが実際は…
目を見開いた文堂星夏は、淡の絶対安全圏を突破し、照の連続和了を潰し、咲にカンをさせなかった。
鬼神めいた気迫で他を圧倒し、約束通り淡が限定カードを渡すと、文堂星夏は気を失って倒れたのだった。
星夏「はっ!?」
咲「あ…気がつきました?」
星夏「私は…」
咲「もの凄い集中で麻雀を打ってたと思ったら、急に気を失ったんだもの…びっくりしちゃったよ。」
星夏「そうだったんですか…カードのことになると夢中になっちゃって…
」
淡「うう…」
星夏「あの…大星さん…このカードお返しします。」
淡「え?いいの?」
星夏「お誕生日のプレゼントなんですよね。だったらもらえませんよ。
私も今日が誕生日で…いろんな人にお祝いしてもらえましたから、誕生日プレゼントが大切だってことはわかってます。
わかってたのに、欲に負けて暴走してしまいました…」
淡「セイカぁ…」ジワ
星夏「だから、勝負事に賭けたりしたらだめですよ。」
淡「うん。セイカ、また麻雀打とうね。」
星夏「はい。今度は池田先輩も混ぜてあげたいですね。」
照「…っ」ガタッ
咲「な…何だろう…この面子に池田さんが入ることを考えると…」ゾク
星夏「?」
まこ「なんじゃ…文堂さんは今日が誕生日なんか。じゃあ何か飲み物でもサービスしようかの?」
星夏「あっ、じゃあコレを…」
淡「ゴフ…ッ」
咲「きゃああっ!淡ちゃんが吐血した!?」
まこ「はい。じゃあ文堂さんへの誕生日プレゼントじゃ。」つミックスジュース
カン
星夏たんいぇい
咲さんとかまこ先輩、文堂さん、深堀さんとか地味な子すっごい好き。
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