伊織「……何それ?」 P「これ?TKG」 (64)

律子「お疲れ様でーす。お先に失礼しまーす」

P「おう、寒いから気をつけてなー」

小鳥「お疲れ様でしたー」

伊織「お疲れ様。明日もよろしくね」

ガチャッ。バタン。

P「もう19時か…俺はもう少し頑張るか」

小鳥「伊織ちゃんはまだ帰らないの?」

伊織「今日は新堂に迎えに来てもらうのよ。もうすぐこっちに着くんだってさ」

P「ふぅん。珍しいな」

伊織「今日は久し振りにパパとママと3人でディナーを食べるのよ。にひひ♪」

小鳥「へー、やっぱり高級なお店に行くの?」

伊織「もっちろん!都内の三ツ星フレンチよ!このスーパーセレブアイドルの伊織ちゃんに相応しいとも言えるわね!」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418790667

P「ふぅん…っと、俺もちょっと何か腹に入れるか」

伊織「まぁ庶民の三流プロデューサーにはそんな店は高翌嶺の花よねぇ?」

P「だなぁ」ガチャッ

伊織「アンタがどうしてもって言うなら、連れて行ってあげても良いわよぉ?3回転してワンって鳴くのが条件だけどね」

P「いらないよ」パカッ

伊織「あら、やせ我慢は身体に良くないわよ?この私がせっかく一生の記念にしてやろうって言ってんのに」

P「そんな肩凝るような店で食事するより、俺はもっとくつろげる店で食べたいね。庶民だから」パラパラ

伊織「…ふんっ!庶民の分際で私のお誘いを断るなんて生意気よ!私が最近優しくしてるからってつけあがってるんじゃないの!?」プンスカ

P「別にそんな気は無いさ。ただせっかくの親子水入らずなんだし、俺がお邪魔するのも悪いと思っただけさ」チーン

小鳥『あらあら、伊織ちゃんのアプローチは失敗かぁ…』

伊織「…って言うか、アンタのそれ何?食べ物?」

P「ん?これ?玉子かけご飯だけど?」

伊織「玉子…かけ…?」キョトン

P「え?もしかして…食べた事は…?」

伊織「あるワケないでしょ、そんな気持ち悪いの」

P「うっわぁ…勿体ねぇ…」

小鳥「それは人生の8割は損してるわよ…?」

伊織「は、はぁ?何よそれ!そんな気持ち悪いの食べなくたって、損なんかしないわよ!」

小鳥「ちなみにプロデューサーさん、そのTKGってアレンジしてますよね?」

P「えぇ、某料理レシピサイトを参考にして、色々なTKGを試してるんですよ」

伊織「…え?何?てぃ、てぃーけーじー?」

P「あぁ、玉子(T)かけ(K)ご飯(G)の略だよ」

伊織「それくらい略さずに言いなさいよ!」

P「ちなみに今日のTKGは、ご飯の上にピザ用のチーズと鰹節をかけて、その上に生玉子を乗せて、レンジで1分加熱して、TKG専用醤油をかけて完成だ」

http://img.cpcdn.com/recipes/1564529/288x432cq30/8dae14aa0d6804e9d9ad6fc1220520b0.jpg?u=17044&p=1353064216

小鳥「うわぁ!美味しそう!私もマネしちゃって良いですかぁ?」

P「えぇどうぞ。玉子はまだありますから」

小鳥「わぁい!小腹が空いてる時にこの匂いは反則ですもんねぇ♪」

伊織「ふ、ふん!よく食べれるわねぇ、そんなゲテモノ料理!」

P「ま、高級フレンチに比べりゃ確かに貧相なゲテモノ料理だけどな」

小鳥「でも手軽に食べられる、庶民の味方ですよねぇ…でーきたっと!」


伊織「…え?何?てぃ、てぃーけーじー?」

P「あぁ、玉子(T)かけ(K)ご飯(G)の略だよ」

伊織「それくらい略さずに言いなさいよ!」

P「ちなみに今日のTKGは、ご飯の上にピザ用のチーズと鰹節をかけて、その上に生玉子を乗せて、レンジで1分加熱して、TKG専用醤油をかけて完成だ」

http://img.cpcdn.com/recipes/1564529/288x432cq30/8dae14aa0d6804e9d9ad6fc1220520b0.jpg?u=17044&p=1353064216

小鳥「うわぁ!美味しそう!私もマネしちゃって良いですかぁ?」

P「えぇどうぞ。玉子はまだありますから」

小鳥「わぁい!小腹が空いてる時にこの匂いは反則ですもんねぇ♪」

伊織「ふ、ふん!よく食べれるわねぇ、そんなゲテモノ料理!」

P「ま、高級フレンチに比べりゃ確かに貧相なゲテモノ料理だけどな」

小鳥「でも手軽に食べられる、庶民の味方ですよねぇ…でーきたっと!」


ミス。連投してしまった。

P「では…いただきまーす!」

小鳥「いただきまーす♪」

P「うん!こりゃ美味い!」ハフハフ

小鳥「うーん!チーズと鰹節が合いますねぇ!」ハフハフ

伊織「……」ゴクリ

P「ん?どうした伊織?食べたくなったのか?ほしけりゃ分けてやるぞ?」

伊織「い、いらないわよ!アンタの食べかけなんて尚更いらないわよ!」

コンコン。ガチャッ。

新堂「失礼いたします。伊織お嬢様、お迎えにあがりました」

伊織「ふん、だ!アンタ達がそんな貧乏飯で満足してる間に、私は高級フレンチを堪能してやるわよ!バーカバーカ!」

P「……アイツ何怒ってんだ?」ズゾゾゾゾー

小鳥「さぁ?」ズゾゾゾゾー

翌日。

伊織「にひひ♪昨日の高級フレンチは最高だったわぁ!さっすが三ツ星よねぇ、正にこのセレブな伊織ちゃんに相応しい店だったわぁ!」エッヘン

P「へぇ、良かったじゃないか」パカッ

伊織「…あらぁ?アンタはまた玉子かけご飯?貧乏人は大変ねぇ?」

P「っつーか、手軽だしなぁ。それにハマッちゃうと色々なバージョンを試したくなるんだよな…よし、完成!今日のTKGは、なめたけバター玉子かけご飯だ!」

http://img.cpcdn.com/recipes/2029698/288x432cq30/9bab8043da1c794a33374312b4bd3b8d.jpg?u=3952799&p=1366948875

伊織「うっげぇ…相変わらずワケ解んない組み合わせよね?何で玉子とバターとなめたけ?を混ぜ合わせるワケ?」ウンザリ

P「これが不思議と美味いんだよ…うん!ほらな!」ハフハフ

伊織「……ふん!」プイッ

美希「あれ?ハニーってば何食べてんの?」

P「お、美希も食べるか?TKG」

美希「おにぎりの方が美味しそうだけど…じゃあ、あーん♪」

P「ほい、あーん」


伊織「あ…」

美希「んむ、むぐ…美味しいの!(ついでにハニーとの間接キッスゲットなの!)」

P「お、この味が解るのかぁ。美希は大人だな」ハフハフ

美希「ねぇハニー!もう一口ちょうだい♪あーん…」

P「ほいよ、あーん」

美希「んにゅ、んくっ…もう一口!」

P「おいおい、俺の分が無くなるっての」

美希「じゃあ美希にも作って!ハニーが作った玉子かけご飯食べたいの!」

P「仕方ないなぁ。じゃあオリーブオイルとコンソメのTKGでも作るか。黒胡椒もあれば尚良いけどなぁ」

http://img.cpcdn.com/recipes/1445626/288x432cq30/cbdf43b215baba62b4d708807f3cc030.jpg?u=17044&p=1305948399

美希「わーいなの!早く早くぅ!」

伊織「……ふん!」

続きはまた後程。

翌日。

伊織「今日はカワイイ親善大使の仕事で、イタリア大使館で高級イタリアンを御馳走になるのよね♪にひひ♪」

P「そっか。伊織も仕事の幅が増えたなぁ。むぐむぐ」ハフハフ

伊織「…アンタは飽きもせずまたそれ?」

P「小腹が空いてるなら、どうだ?」

伊織「い、いらないって言ってんでしょ!」キシャー!

ガチャッ。

響「うきてぃー!プロデューサーも伊織もはいさーい!」

雪歩「おはようございますぅ」

千早「今日もよろしくお願いします」

P「おぅ、おはよう」ハフハフ

響「お?プロデューサーまたTKGかぁ?ホント好きだなぁ」

雪歩「今日はどんなTKGなんですかぁ?」

P「今日はラー油とお酢のTKGだぞ」ハフハフ

http://img.cpcdn.com/recipes/2261050/640x480cq30/1575a2b6d54bc7dcfd92c0e4282a8674.jpg?u=4706174&p=1371588913

千早「へぇ…TKGにも色んなバリエーションがあるんですね」

響「千早は簡単な食事しかしないから、TKGはお手頃だもんな?」

千早「そうね。でも昨日はちょっと手間をかけてアボカドとネギを加えてみたわ。意外と合うものなのね」

http://img.cpcdn.com/recipes/1499262/640x480cq30/266b10c5f73a65accd393dda70f74a81.jpg?u=3337146&p=1331228189


雪歩「わ、私はお父さんのレシピを聞いて、試しに食べたらすっごく美味しかったですぅ。カイワレとわけぎと、青じそとみょうがを入れたTKGを…」

http://img.cpcdn.com/recipes/2764069/640x640c/b732e6045e28c72ef8018f6a9f9561db.jpg?u=10037065&p=1408603270

響「うっわぁ!すごい手間だぞ!自分はシンプルに塩昆布だけのTKGにしたさー」

http://img.cpcdn.com/recipes/1279102/640x480cq30/944d07b29acbc1f2b8141eacfef22f5e.jpg?u=1908524&p=1352986689

P「ほほぅ、それも今度試してみるか。特に千早はカロリーメイトだけじゃ栄養バランスが片寄るから、色んなTKGを試して食べるんだぞ」ハフハフ

千早「はい。最近はTKGを食べる時に自然と笑うようになったって言われて…うふふ♪」

伊織『……何でみんな普通にTKGの話題に花咲かせてんのよ!?』


その夜、水瀬邸。

伊織「……」

伊織「……」

伊織「…誰かいる?」チリンチリン

新堂「お呼びでございますか?」ガチャッ

伊織「夜食を持って来てちょうだい」

新堂「かしこまりました。何かご希望のメニューはございますか?」

伊織「……た、たまご」

新堂「は?」

伊織「た、たまご、かけ…ごはん、を、持って来なさい」ゲフンゲフン

新堂「……かしこまりました」バタン

コンコン。ガチャッ。

新堂「お待たせいたしました。玉子かけご飯の準備が整いましてございます」

新堂「福島県は本宮烏骨鶏の卵、愛知県は碧南市の白醤油、新潟県は魚沼産のコシヒカリをご用意いたしました。」

新堂「時にお嬢様、玉子かけご飯の召し上がり方は…」

伊織「そ、それくらい知ってるわよ!」

新堂「失礼いたしました。それでは」ガチャッ、バタン

伊織「……えっと、スマホスマホ」ピッピッ

伊織「なぁんだ、ご飯の上に生卵を乗せて、そして醤油をかけるだけじゃない。下手に身構えて損したわよ…」

伊織「……よし、これで完成ね。てか、ビジュアル的にあんまり食欲をそそられないわねぇ…」

伊織「…えぇい!いただきます!」ハムッ

伊織「……」ングッ、ムグッ

伊織「…思ってたより悪くないわね。まぁ素材の良さもあるんでしょうけど」ムグムグ

伊織「でも…何だか…」ムグムグ

伊織「アイツが食べてたのは、もっと美味しそうだったわよね…」

翌日。

伊織「おはよう…」ガチャッ

P「おぅ、おはよう」ハフハフ

伊織「アンタ…まぁ良いわ。好きなだけその貧乏飯食べてなさい」

ガチャッ。

やよい「おはようございまーす!」

貴音「おはようございます」

伊織「あらやよい、おはよう。貴音もおはよう」

P「おぅ、おはよう」ハフハフ

貴音「おや、プロデューサー…朝餉の途中でしたか」ギュルルルルルルルル

伊織「何かお腹から高速ドリフトみたいな音が聞こえるんだけど…?」

P「ん?貴音もTKG食べるか?」ハフハフ

貴音「まぁ…あ、いえ、私は別にそのようなつもりでは……」ギュルルルルルルルルキキーッ

P「腹が減っては何とやらって言うだろ。良いから待ってろ」

貴音「それでは、御厚意に甘えるといたします」ギュルルルルルルルルキキーッギュゴワアアアァァァァ

P「やよいも食べるか?TKG」

やよい「い、いえ!そんな!そんな贅沢なの食べられないです!」ブンブン

伊織「……へ?」

P「……贅沢?」

やよい「高槻家では玉子は病気の時だけしか食べちゃいけないって決まりがあるんですぅ!」

やよい「とっても栄養があるから、玉子を食べたらあっと言う間に病気が治っちゃうんですよぉ!」

P「……大丈夫だから!俺の奢りだから!って言うかお願いですから俺のTKGを食べてくださいぃっ!」ブワワッ

やよい「えぇっ?い、良いんですかぁ!?」ジュルリ

やよい「やったぁ!すごいよ伊織ちゃぁん!ハイターッチ!」

伊織「い、いえい…」パチーン

P「…ほい、お待たせー。まず貴音にはラーメン風TKGだ」

http://img.cpcdn.com/recipes/934175/640x480cq30/aaad863d1d5b2ce937e12e202713c4f3.jpg?u=1236542&p=1255257538

貴音「まぁ……まぁ!」ウルウル

伊織「あ、アンタ泣いてんの?」

P「そしてこれはやよいの分、もやしナムルTKGだ」

http://img.cpcdn.com/recipes/2458750/640x480cq30/90c0a32cdaf6455a39176a775f09602c.jpg?u=4994782&p=1389365184

やよい「うわぁ!わ、わ、わぁ!ほ、ほうせきばこやぁー!」ウルウル

伊織「やよい!?アンタまで泣くの!?」


貴音「では、いただきます」

やよい「いただきまーす!」

P「召し上がれー。ほんでこれは伊織の分な」

伊織「え?」

P「とりあえず、明太子バターTKGだ。美味いから食べてみな?」

伊織「な、何で私が…」

やよい「伊織ちゃん!一緒に食べようよ!」

伊織「……ふ、ふん!仕方ないわね!やよいのお願いだから食べてやるのよ!ありがたく思いなさいよね!」

P「ほいほい、どうぞ召し上がれ」

伊織「い、いただきます…」

明太子バター玉子かけご飯。
醤油の替わりにめんつゆでも可。

http://img.cpcdn.com/recipes/2261339/640x480cq30/8b2d354254c64a9939b0cc2221fcaeb7.jpg?u=2454472&p=1371699837

貴音「何と玄妙なる味わい…まっことTKGとしんぷるにして奥深きもの…」ハフハフ

やよい「うっうー!すっごくおいしいですぅ!」ハフハフ

伊織「……」ハフハフ

P「どうだ?美味いか?」

伊織「……まぁ、悪くはないわよ」

やよい「おいしいね、伊織ちゃん!」

伊織「う、うん…」

伊織『そっか…』

伊織『みんなで食べると、こんなに美味しいんだ…』ハフハフ

貴音「あなた様、おかわりを」ズイッ

やよい「私もおかわり良いですかぁ?」ズイッ

伊織「つ、ついでに私もおかわりしてあげるわよ!」ズイッ

終わり。

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