真深「余命1年の花嫁」 (16)

まふたんイェイ~

なのにこんなスレでごめんなぁ…
3分まふリチャな内容

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牌のお姉さん…春日井真深

彼女は彗星ように現れ、そして消えた。

彼女を「牌のお姉さん」として知る者は多いが…

彼女を「春日井真深」として知る者は少なかった。


だが、彼女の最後は…幸せだった

横浜市 病院…

真深「…はぁ」

春日井真深はため息をついた


真深(現在の医療では…完治は出来ないって…私は…もう牌のお姉さんは出来ないんだ…)


彼女にとって「牌のお姉さん」は自分の全てだった。 やりがいがあり、多くの人を笑顔にできる…夢のような仕事。


真深(神様…ひどいよ…)

真深は涙をこらえ、歩き始めた、 自分の夢を手伝ってくれた人達、そして弟子に伝えなければいけないからだ。


ドン

真深「きゃっ」

「うわっ」


誰かにぶつかってしまったようだ

「す、すいません! 大丈夫ですか?」

真深「あ、はい…あれ?」


腕に力が入らない。 …病気の影響なんだろうか

「やっぱり何かあったのかもしれません…俺が病院に連れて行きます!」

真深「だ、大丈夫だから…きゃっ」


その男は真深を…いわゆるお姫様だっこし、病院に運ぼうとした。


真深(な、なんなの〜!?)


だが…あまりに自分を必死に運ぶ男性の顔をみて…

真深(…真剣だ。 …なんださ…あったかいな)



真深の身体には怪我はなかった
入院生活の中で体力が落ちてしまったのが理由らしい



真深「はは…ありがとう」

「いえ、本当にすいませんでした!」

真深「いいよ。 …あなた、名前は?」

耕介「白築耕介です。 普段は島根に住んでるんですけど…姉のお見舞いに」

真深「あなたのお姉さんも? …私の自己紹介がまだだったね。 私は…春日井真深」




真深「元…牌のお姉さん」

これが…春日井真深と白築耕介の最初の出会いだった。

2人はその日、食事をし別れた。 耕介も真深も…会うことは無いだろう。 そう考えていた。


そして、1ヶ月後…


真深(…これで私は「牌のお姉さん」じゃない。 ただの「春日井真深だ」)

真深は仕事を辞め、治療に専念するようにした。

真深(とは言っても…行く場所も無いしね。 …田舎での療養がいいみたいだけど、私に…あ、はやりちゃんの実家は確か…)


愛弟子の実家を田舎と言うとは我ながらひどいな、と少し笑いながら…


真深(うん。島根だ)

思い立つが早かった。

彼女は全ての荷物を島根に運び、引越しを決めたのだ。

真深(うん、島根。 いいじゃない。 行った事は無いけど!)


島根への飛行機の中で、真深は思った。

周りには子どもがたくさんだ。 修学旅行の帰りなのかもしれない。


真深(…私は…あんな風に子どもをみることも出来ないのかな…)


少し…涙が出た。


「お姉さん…泣いてるんですか?」


すると女の子に話しかけられた。

真深「ん…ううん、ちょっとあくびしただけ」

「なら、いいんですけど…」

真深「…ありがとう。 あなた、いい子ね」

「そ、そんなこと無いです!」

真深「ふふ…そう」


自分もあんな娘がいたら…そう思いながら彼女が離れると、真深は眠りについた。


…目が覚めた時には空港の職員に起こされたが。


真深(は、恥ずかしい…26にもなって…)

真深「あー…バス無いじゃん」

真深がバスの時刻表をみると…

あと1時間は来ない

真深(田舎ダメじゃん…はぁ、やらかしちゃったな)

真深が落ち込んでいると…


耕介「ま、真深さん!」

真深「耕介さん…」




白築耕介と春日井真深 2回目の再開である。



耕介「あー…悪いな、ここ田舎なんで」

真深「仕方ないよね…」


真深は耕介の車に乗せてもらった。
耕介は姪の忘れ物を取りに来たらしい。


耕介「それにしても…お土産全部忘れちゃうなんて…」

真深「ふふ、あなたに似てドジなのね」

耕介「ひどいな! …真深さん。 島根に来たということは…」

真深「うん。 本当に辞めちゃった。 牌のお姉さん」

耕介「…」

真深「でもさ、おかげで時間がたくさんできたんだ。 それに見た目にも気を使わなくても良くなったし、それに…」


なぜだろう。 言葉と…涙が止まらない


真深「それに…厳しい仕事だったから…辞めれて…辞めれて…」

キキッ

耕介「…真深さん」


耕介は車を止めた。

耕介「…俺には何もできないけれど…今だけ…泣いてもいい」

真深「で、できないよ。 だって私は…」

耕介「いいんだ。 もう…無理しなくたって」

真深「うっ…うわああああああん!」



真深は泣いた。 今まで何処か他人事のように考えていた事を…改めて実感したのだ。

真深「…ごめんね、情けないところ見せちゃって」

耕介「気にしないでくれ。 真深さんは俺の友人だしな」

真深「友人…かぁ」

真深は何処か引っかかりを感じながらも…


真深「なんか…いいね」

耕介「そうか。 …悩みが有ったら早めに言ってくれよ?」

真深「うん。 ありがとう、耕介さん」




彼の前なら「春日井真深」を出せる
彼の前なら「弱い自分」を出せる
彼の前なら…


こうして、春日井真深の島根での…
「春日井真深」の人生が始まったのだ

真深が島根で療養し始めて数ヶ月…

秋を越え、冬を迎えようとしていた。



真深「風邪引いちゃった…」

熱は…37.5。 微熱程度だが…

真深「…さみしいな」



何時もなら…はやりやその母が遊びに来てくれた。

しかし、麻雀の強豪校を選んだはやりは練習に必死なのだ。

自分の看病などに時間をとらせたくない。



真深「まずは…おかゆでもつくって…」


真深がベッドから出た瞬間…真深の意識は途切れた…

トントントン…


真深が目を覚ましたとき…聞こえたのは何かを切っている音だ。


真深「ん…目を開けると…」

耕介「真深さん! よかった…」

慕「叔父さん! 真深さん、目を覚ましたの!?」


真深「耕介さん…慕ちゃん」



真深「そうなんだ。はやりちゃんから…」

耕介「ああ。 しかしはやりちゃんから合鍵もらわなかったらどうなってた事か…」

慕「うん。 顔も真っ青だったし…」

真深「あー…ごめんね、2人とも」


真深は深々と頭を下げる。

耕介「いや、気にするなよ」


プルプル

慕の携帯に電話だ。 …ちょうど話に出ていたはやりからだ。

慕「はい、もしもし…え? 話があるから私を? うん、わかった」


慕「ごめんなさい、叔父さん、真深さん。 私ちょっと席を外すね」


慕は真深の部屋から出て行った。

いま、部屋にいるのは…

耕介「…」

真深「…」

2人だけだ。

先に口を開いたのは…

真深「改めてありがとう…死んじゃうところだったかも」

真深だった。

耕介「いや、気にするなって。 俺は真深さんの友人だからな」

その言葉を聞くと少し胸に痛みが走る。


真深「…」

耕介「おかゆ、食べれるか?」

真深「うん」


また、沈黙が始まった。 何時もなら2人きりでも会話は進むのに…今日は違った。


耕介「…真深さん。俺、最初はすごく心配だった」

真深「耕介さん」

耕介「倒れてる真深さんをみて…頭が真っ白になったんだ」

真深「…」

耕介「俺、情けないよな。 結局全部慕頼りだ…」

真深「…耕介さん」

そう言うと真深は…


バッ

突然上着を脱ぎ始めた。

耕介「ま、真深さん!? 何を!?」

焦る耕介

真深「身体を拭いて欲しいの。 …ダメ?」

軽く言う真深


耕介「…わかった。 ちょっとタオルもあったまったみたいだし…」

2人の心境は…



耕介(裸裸裸裸裸…やばい、こんな魅力的なのか!? なんで真深さんはこんな事を!?)

真深(あわわわわわわ…なんでこんな事を言っちゃったの!? 私変態みたいだよ!)


寝ます。

まふふー!

次回には終わります

まふたんに間に合わなかったのが残念ですが

乙まふー!
細かいかもしれないけど>>6で26歳ってなってるからはやりん小4で強豪校もなにもなくない?

>>14

真深さんの年齢って出てましたっけ…?

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