上条「不幸なんぞ力で捩じ伏せる!」 (45)
不幸――
俺にとってこの言葉ほど忌まわしい物はない
生まれついて俺は不幸だった
町を歩けば何かしらの事件にあう
他人さえも巻き込む呪い
だから幼い頃の俺は決意した
――不幸を捩じ伏せる力を得ると
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朝――
上条当麻「ん、朝だな」ベシャ
俺はベッドから起き上がり、ボーリング玉を握り潰す
上条当麻「絶好調だな」
そのまま着替えずにベランダから飛び降りる。そこからスキルアウトと朝の運動――これが俺の日課だった
だが、今日はそれができなかった
なぜなら――
白い何か「ご飯くれるとうれしいかも」
白い何かがベランダにいたからだ
上条当麻「・・・不法侵入?」
白い何か「違うんだよ」
これは不幸を捩じ伏せる物語
俺が全ての不幸を捩じ伏せる只の苦労話だ
1 上条当麻と云う男
白い何か「」ガツガツモッシャ
上条当麻「落ち着いて食え、はしたないぞ」
白い何か「ふぁつふぇばばがずいた!」モチャゴヒァ
上条当麻「ちゃんと飲み込んで話せ」
白い何か「」ゴクン
白い何か「だっておなかすいたんだよ!」
上条当麻「そうか・・・とりあえずまだホットケーキはあるから落ち着け」
白い何か「わかったんだよ!」
白い何か「」ガツガツモッシャ
そして舌の根が乾かぬうちに白い何かは荒く食い出す
さて、愉快にがっつく白い何かは暫く放置――
パソコンを起動する
上条「シャッ!」
よし、国債が上がっている
最近は大損が無くなってる――ん? 何をしてるかって?
見ての通り――国債だ
現在はそれなりに利率が高い国債を中心にして回している
どうしてするか? 簡単だ――物理的な力だけでは不幸を捩じ伏せる事はできない
物理的な力と権力、この二つが揃って初めて不幸を捩じ伏せる事ができる
それが俺が小学生の時に気付いた真理だ
では単純な話、物理的な力を得るには鍛えればいい――だが、権力を得るにはどうするか?
金だ
初めは株に手を出した
だが、株はどうも俺の不幸の力に引き摺られ会社を潰してしまう
アメリカの某有名企業がつぶれたときはすいませんと思った
しかし、国は違った
国は俺が余程長い間国債を持たない限り破産しない
だから適度に利益を得たら一度手を引く
それの繰り返しで、俺は比較的豊かな資金を持っていた
だからこそ、不幸で学校を爆発させたときも死人を出さず、そして自腹で修復までできた
親父から教わった経済学に感謝する
白い何か「えっと、ありがとうなんだよ」
上条当麻「よく食べるな」
白い何か「う、うん・・・」
上条当麻「良いくいっぷりだ、嫌いじゃないぜ」
白い何か「」キュン
さて、とりあえずこの白い何かをどうするか―――ん?
上条当麻「おい、そこの白いの」
白い何か「」ポー
白い何か「」ハッ!
インデックス「わ、わたしはインデックスって言うんだよ!」
上条当麻「そうか、インデックス――」
俺はインデックスに顔を近づける
やはりそうだ
上条当麻「お前、不幸を背負っているな?」
インデックス「―――っっ!」
ああ、ビンゴだな
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