※これはベジータが他の作品において就職したり、就職活動を頑張るSSです。
※クロスなので世界観等の細かい部分が気になる人は回避推奨です。
※原作を再確認せずに、記憶を頼りに書いているために口調・一人称が若干おかしい場合があります。
※要するにこまけぇこたぁいいんだよ!人向け。
ある日の午後の事、トレーニングを終えた俺はブルマに怒られた。
言われてみれば、俺は意味もなく鍛えてる毎日に飽き飽きしていた。
カカロットがセルに殺されて戦いを辞めると決めたのだから、働くのも良いだろう。
「ああ……そうだな」
ブルマに短く答えた。
ブルマは心底意外そうな顔をして、
「そう!ようやくあんたも働く気になってくれたのね!」
などと言っていた。
明日から頑張ろう。
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翌日、トレーニングを終えたら就職活動をするつもりだった。
トレーニングを終えた頃には日が沈んでいた。
「ちょっと!あんた働くんじゃなかったの!?」
ブルマが呆れ気味に声をかけてきた。
「今からだと遅いだろう?」
「ま…まぁ、そうだけど………」
「心配するな。明日から働く」
「それなら良いんだけど………」
翌日こそ、トレーニングを終えたら就職活動をするつもりだった。
トレーニングを早めに切り上げた。時間を確認する。
午後三時。まぁ余裕だろう。
「ちょっと!今日から働くって言ってたじゃない!」
ブルマが金切り声をあげた。
俺の働く気が一気に失せた。
「………チッ」
ブルマの所為だと思いながら舌打ちをした。
「ちょっと!なによ!」
ブルマに対して、
「うるせぇ!!説明するのも面倒だ!てめえで考えやがれ!」
明日から頑張ろう。
翌日、トレーニングをしようと重力室にやってきたら電源が入らなかった。
「くそっ!故障してやがるぜ!!」
俺はブルマを叩き起こした。
「おい!重力装置が壊れてやがる!!
さっさと直しやがれ!!間に合わなくなってもしらんぞーーー!!!」
ブルマは目をこすりながら、
「うるさいわね~ いったい何時だと思ってるのよ」
「もう朝の三時だぞ!!眠るのとトレーニングのどっちが大事だと思っていやがるんだ!!」
ブルマは寝返りを打ち、俺に背中を向けて、衝撃的な事を言いやがった。
「ああ……あれね。あんたが働くまで動かなくしておいたから」
「な……なんだ…と………」
「働かざる者修行するべからずよ」
「貴様ーーー!!トレーニングをなんだと思ってやがる!!くそったれ!!!」
「知らないわよ!じゃあ、おやすみ!もう起こさないでよ」
それから俺が何を言ってもブルマの奴はだんまりを決め込みやがった。
仕方がないから、俺は適当な街に飛んで行った。
さて………就職しようにもどうやればいいんだ?
俺が悩んでいるとどこからか話し声が聞こえた。
「ねぇねぇ!キミ怪人なの?」
大きな盾と長槍を持った人物がプテラノドンの様な顔をした人物に話しかけている。
「ボクがっていうか……祖母がプテラノドン系の怪人だったので………」
「そう!そうそう、いきなり話しかけちゃってゴメンね!あと、世界征服とか興味ない?」
「え!!世界征服ですか!?いきなり言われても考えた事もなかったんで………」
恐竜野郎が困惑している。
「あ!そうだよね!普通そうだよ!」
槍を持った男が取り繕っている。
「あのね!私ね、フロシャイムって所で働いてるんだけど、
喫茶店で詳しい話をしたいんだけどいいかな?」
「スミマセン……ちょっと急いでるんで………」
槍男の誘いを恐竜野郎が拒否した。
「そ、そう………じゃあ、名刺渡しておくから、世界征服に興味が湧いたらいつでも電話して頂戴ね」
「は、はぁ………」
恐竜野郎が気のない返事をして名刺を受け取る。
「一応、うちは結構大手だし、福利厚生とか保険も結構しっかりしてる組織だから。変な組織じゃないのよ」
「わ、解りました」
恐竜野郎は頭を下げながら足早にその場を去っていった。
槍男の横にいた蛾みたいな奴が槍男に話しかけている。
「ヴァンプ様、あれは無理っぽいですね~」
「そうね。でもうちは本部から若い子が来るから他の組織よりも大分マシだと思うの、私」
黒いタイツを来た男が話に加わる。
「でも、ヴァンプ様は偉いですよ!怪人の噂を聞くたびに勧誘の為に足を運ぶんですから!」
「こういう地道な活動が大事だと思うの、私」
槍男が顔を赤らめながら答えた。
どうやらこいつらは福利厚生とか保険も結構しっかりしてる組織で人員を集めているようだ。
「おい!」
オレはそいつらに声をかけた。
「あの………なんでしょう?」
槍を持った、ヴァンプと呼ばれていた男が返事をした。
「オレ様が雇われてやる。感謝しやがれ!」
「えっと………どちら様でしょう」
ヴァンプがきょとんとした顔で応じている。
「オレが誰だろうと関係がねぇ!
オレが手伝ってやれば世界征服なんてすぐだ!」
「あの………お気持ちは有難いのですが、人間の方だと危険なので……」
蛾が口を挟んできた。
「オレを地球人なんかと一緒にするんじゃねぇ!!
いいか………オレ様は宇宙一の戦闘民族サイヤ人の王子だ!!!」
連中は一瞬唖然とした後に、円陣を組んで話し合いを始めた。
「サイヤってどこでしょう?」
「たぶん、アフリカかカリブ諸国じゃないでしょうか?」
「ああ!それだよ!マサイになんか似てるもん」
「じゃあ、人間?」
「でもマサイの人って凄く目が良いし、ライオンとかとも戦うらしいですよ?」
「じゃあ、かなり強いってこと?」
「あの様子だとその中でもかなり強いんじゃないですかね?なんて言っても王子ですし……」
「だけど、人間とレッドを戦わせる訳にはいきませんよね?」
「そうね…レッドさんも戦い難いだろうし…本人はやる気みたいだけど………」
「あの~………もしかしたら、俺たちと同じ戦闘員志望じゃないんですかね?」
「あ………たしかに、もうタイツを着てますね」
「でも戦闘員に空きってありました?」
「今時、既にコスチュームを着て志望してくる子なんて居ないから是非雇いたいわ。
本部が文句を言ってきても断固として突っぱねるわ!」
丸聞こえの会議が終わったようだ。
ヴァンプがオレの方を向いて、
「よかろう!お前はこれから戦闘員三号だ!」
急に偉そうになりやがった。
「それじゃあ、丁度今からレッドさんと対決だから」
また、態度が戻った。妙な野郎だ。
駆け足でどこかに向かう連中に付いて行く。
「レッドってヤロウは何者なんだ?」
「私たちの宿命のライバル」
「ほぅ?それじゃあ、そいつを倒せばいいってことだな」
「三号くんは手を出さないでね。倒すのは怪人の仕事だから」
「なに!?」
「万が一怪我されちゃうと大変だから!」
「下手に手を出したらレッドは容赦がなく殴りそうですからね~」
オレとヴァンプの会話に黒タイツの片方が入ってきた。
「じゃあ、オレは何をすればいいんだ?」
「そっちの一号くんと二号くんの真似してくれればいいから」
「でも、新人を連れてくるな!ってレッドの奴キレませんかね?」
「そりゃ、小言を言われるかも知れないけど、
誰だって初めは新人なんだし、レッドさんの我がままに付き合ってたら人が育たないと思うの、私」
ほぅ?結構まともな事を言うじゃないか。
「だからね。レッドさんが我がまま言ったら、バシッっと言い返すから!」
話しが終わる頃には空き地に着いた。ここが目的地らしい。
「な……なんとかレッドより先に着きましたね」
黒タイツが息を切らせながら、安堵している。
他の連中も息を切らしているが、こいつらトレーニングが足りないんじゃないのか?
「新人の………ハァハァ…息が全く切れてませんね……ハァハァ」
蛾が当然の事を言っている。
「当り前だ。貴様らとは体のデキが違うからな」
「…流石はマサイの……王子…」
もう一方の黒タイツがオレを褒めている。
サイヤ人の王子なんだが、こいつらの息が切れていて苦しそうだ。訂正はまた今度にしよう。
「あーーー!!」
黒タイツが声を上げた。レッドが着たのか?
「三号の覆面がありませんよ!」
「あ!じゃあ、純粋に見学になるのかしら?」
ヴァンプが応じる。
「レッドがそんなのを認めるわけがないじゃないですか!
絶対に『覆面すらしてこない新人とかお前らだらけすぎだろ!今回の対決はなしだ』なんて言いますよ」
「そうそう!レッドなら絶対にそういう風に言うよな!」
「誰がそう言うって?」
黒タイツの二人が盛り上っているとその後ろから声をかける人物が居た。
赤い覆面にTシャツ短パンの男だった。
「レ、レッド!!」
感嘆の声を上げた二人にその人物は拳骨を降ろしながら、
「レッドさんだろ」
と訂正させていた。どうやらあいつがレッドらしい。
「そう言うわけで、今日の対決はなしだ」
レッドが呆れたような声でヴァンプに告げた。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!
あの子は今さっき入ったばっかりで、衣装が用意できなかったんですよ」
ヴァンプはレッドに縋り付く。とっとと襲いやがれ!
「今さっき入った様な奴を連れてくんな!!
……それにお前の所は戦闘員の研修とかもあるんだろ?
それすらやってない奴を連れてくるのはフロシャイム的にありなのか?」
「えっと………でも聞いてください!
あの子は自前でタイツを着て志願するくらいやる気がある子なんですよ!
絶対に伸びる戦闘員だと思いますから!」
「お前なぁ………お前の所の戦闘員が伸びるってどこにだよ?」
レッドが苦笑いしているようだ。マスク越しでも解る。
「お願いします!」
「まぁ………仕方がねぇなぁ…」
「やった!流石レッドさんです!」
レッドが渋々応じて、それに対してヴァンプが歓喜の声を上げた。
「……おい………お前」
レッドがオレに声をかけてきた。
「なんだ?」
「今回でこの馬鹿らしい仕事を辞めた方がいいぞ」
ふざけんな!!折角見つけた就職口だぞ!!!
「今回の対決もお前の目を覚ます為に受けてやるんだからな」
オレの内心を知ってか知らずか、レッドは恩着せがましく言っている。
なるほど挑発か。既に戦いは始まっているんだな。
ヴァンプが思い出したかのように、
「あ!三号くんこれ!」
自分がつけていたサンバイザーを外して俺に寄越してきた。
「何の真似だ?」
オレの当然の疑問に対して、
「これすごくつばが広くてね。しかも顔が焼けない様に角度を変えられるの」
ヴァンプが俺にサンバイザーをつける事を期待する目で見てくる。
「ふ、ふざんけんな!!」
そう言って握りつぶしたかったが、ここは我慢だ。雇われたばかりだ。
仕方が無しに俺はサンバイザーを被り角度つけて顔を隠した。
他の戦闘員の様子を見る。
蛾とレッドとやらの周りを周りながら、「キー、キー」と甲高く言っている。
一体何なんだ?
俺が疑問に思っているとヴァンプが「三号くんもちゃんとやって!」などと言ってきた。
あれをやれって言うのか!?くそったれーー!!
「き、きーっ」
俺はそう言いながらレッド達の周りをうろつく。これが働くって奴なのか?辛すぎるぞカカロット!
ヴァンプから渡されたサンバイザーを一層に目深に被った俺はあの世のカカロットに助けを求めた。
「おい!お前、恥ずかしいなら辞めて帰れよ」
そんな俺にレッドが声をかけてきた。
「他の二人は甲高くキーキー言ってるだろ?お前のは照れがこっちにまで伝わってくるんだよ」
「くっ………」
事実だけにグウの音も出なかった。
「三号くん!中途半端にやると逆に恥ずかしいよ!!思いっきりやって!!」
ヴァンプがアドバイスを送ってきた。
「俺達を見習って誇りをもってやれば大丈夫ですよ!」
一号だか二号だかも言ってくる。
「う、うるせぇ!!!ぶっ殺されてぇか!!」
堪忍袋の緒が切れた俺は連中を怒鳴りつけた。
「お、おい…怒鳴りたい気持ちも解るけど、一応アドバイスのつもりなんだぞ?」
レッドが俺に何か言っている。
「てめぇもさっさとそこの虫を倒しやがれ!!出来ねぇなら代わりに俺がやってやろうか?」
愚図愚図している赤面野郎にも言ってやった。
「戦闘員が偉そうに言ってるんじゃねぇよ!」
赤面が俺のケツを蹴ってきた。
「痛ってーーーー!!!」
「あっ!!」
赤面野郎の叫びとともにヴァンプ達が驚きの声をあげた。
「てめぇぶっ殺されてぇのか?」
それとはそれとして、俺は赤面に凄んだ。
「三号くん、ダメ!!レッドさんも落ち着いて!!」
ヴァンプ達が俺と赤面の間に入ってきた。
「………こいつどんな体をしてやがるんだ?」
赤面野郎が脚を擦りながら言っている。
当り前だ。鍛え方が違うんだ。
「もういい!今日は止めだ」
赤面はそう言って退散した。
そして今、ヴァンプの家に来ている。
飯を御馳走してくれているのだが、中々に美味い。
遠慮なく食べているとヴァンプが声をかけてきた。
「あ、あの~……すごく言い難いんだけど………」
「なんだ?米がなくなったか?」
「え!?ああ、そうじゃなくて、ううんそれもあるんだけど………」
ヴァンプが言いよどむ。
「言いたいことがあるならさっさと言いやがれ!ぶっ殺すぞ!!」
「え!?あ、うん。あのね。うちは…その、最低限のマナーとか常識とかを大事にしてるの」
俺は大皿に盛られていたから揚げを一気にかき込みながら黙って話を聞く。
「ほら!その大皿のから揚げだって一人三個づつなんだよ?見れば、数えれば解るよね?」
ケチくせぇ野郎だ。俺はそう思いながらサラダボウルにまとめて入っていた野菜をかきこむ。
「………外でも私たちが挨拶してるのに近所の人を無視するし、二言目にはぶっ殺すだし…」
まだ言ってやがる。
「レッドさんも呆れて暫く戦ってくれないよ!あの様子だと」
「何が言いたい?」
「あのね。うちで雇うことはできないの。悪いけどこの話はなかったことにして」
「チッ」
俺は軽く舌打ちをしてヴァンプの家を後にした。
道路でスーツを着た赤面野郎に出会った。
「何だその恰好は?」
俺は赤面野郎に聞いてみた。
「あんたを見習って働いてみようかと思ってな。面接に行くんだ」
「そうか」
「……あんたならこんな場所じゃなくてもっと良い所で働けるさ」
「……フン」
こうして俺達は別れた。
俺はハローワークとやらにやってきた。
求人を確認する。
なになに『鷹の団』『職種:傭兵』『経験者歓迎』ふん!俺はもう戦わん。
ヴァンプの所も戦闘員だから失敗したんだと思いながら却下する。
『害虫退治及び清掃。長期期間勤務。衣食住完備。訓練期間あり』よし、こいつにするぜ!
そしてオレは『U-NASA』とやらの面接を受けることになった。
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