幼馴染「それでは第8回鍋会議を始めます!」(95)

男「おー」
パチパチパチ

幼友「やー」
パチパチパチ

友「ヒャッハーーーー!」
バチバチバチ

幼「友君うるさい」

友「すいません」

幼「それではまず、議長の私から一言」

男「一言?」

幼「私たちは小4の頃から、毎年」

幼「クリスマスイブ、4人で集まって、鍋パーティを開催してきました」

幼「今年も全員参加で良いんだよね?」

幼友「何を今さら」

友「そうだよ、幼ちゃん。不参加なら、この会議も不参加だろー」

幼「皆、彼氏・彼女も出来なくて可哀想ですね!」

幼友「何言ってんの、あんたもでしょ?」

幼「…では全員参加って事で、話を進めます」

幼「決める事は2つ!」

幼「何味の鍋にするのかって事と、具材です」

幼「くじ引きの結果、今年の開催地は男の家です!」

幼「同時に調理係も男に決定ですっ!」

幼友「やー!」

友「ざまーみろー!」

男「俺、別に料理嫌いじゃないから良いんだけど」

友「…」

幼「それでは、ズバリ!皆の希望するのは何鍋?」

幼「幼友から順番に!」

幼友「トマト鍋とかどう?」

幼「ほぅ。美味しいと評判だね、トマト鍋!」

幼友「リコピンたっぷりだよ!」

友「次、俺ね!」

友「カレー鍋!カレー鍋が良い!」

男・幼・幼友「それは無い!」

友「えー?いいじゃん、カレー鍋!」

幼友「…アンタ、本気で言ってるの?」

男「去年の失敗を繰り返すつもりか、友」

友「は?去年、良かっただろ?」

幼「思い出したくもない…」

幼友「私は最初から反対だったからね?」

男「あの『少し味が薄いからカレールー足してみる?』の悪夢」

男「味が濃くなったら『これ、ご飯に合うんじゃね?』という話になり…」

男「最終的には男女四人が、鍋からカレーをすくって食べるという…」

男「最後、白菜が入った、只のカレーライスだったろ?」

友「カレー、最強!間違いのない味!」

男「普通にカレー食ってろって話だっただろ?」

友「…」

幼「ねぇ、皆、ちょっと聞いて」

男・友・幼友「ん?」

幼「鍋は良いよねぇ…」

幼「食文化の極みの一つと言っても過言じゃないよねぇ」

幼「シンプルに白菜と豚肉だけをコンソメでグツグツ、とかさ」

幼「逆に仕込みに手がかかる海鮮鍋、とか」

幼「海鮮だと、カニ鍋とか、鱈鍋とか良いよね」

幼「お肉を食べるなら、もつ鍋とかも美味しいよね」

幼「古今東西、様々な味のお鍋があるよねぇ」

幼「…」




幼「だがカレー!てめぇは駄目だ!」

幼「あんなの、しゃばしゃばした、只のカレー水だ!」

幼「鍋じゃないし!」

幼「海原先生にお出ししたら…」

幼「間違いなく、最大級の罵詈雑言を浴びせられるレベル!」

幼「カレーはカレーだから美味しいんだよ!」

幼「yes鍋文化!noカレー鍋だよ!」

幼「そんな訳で、カレー鍋は絶対無しです!」

友「…」

幼「さて、話しを戻そうか!」

男「お、おう」

幼友「そ、そうだね。早く味決めなきゃね!」

幼「男は?何味が良いの?」

男「俺はゴマ豆乳鍋かチーズ豆乳鍋が良いかなって」

幼友「お?それもまだ食べた事ない味だね!」

男「どっちもちょっと前にブームになってたらしい」

幼「どこでブームになってたの?聞いた事無いけど」

男「世間だよ、世間」

男「幼は?何味が良いと思う?」

幼「うーん。シンプルに鶏塩鍋とか良いかなーと思ってたけど…」

幼「チーズ豆乳鍋って美味しそうだね」

男「締めの雑炊がリゾットみたいになるんだ」

幼友「それ美味しそう!」

友「待った!」

幼「何?友君」

友「俺、もう一案ある!」

幼友「一応聞いてみようか」

友「ズバリ、すき焼きだ!」

男・幼・幼友「それは無い」

友「何でだよ!良いだろ、すき焼き!」

幼「小4から中1まで、すき焼きだったでしょ?」

幼友「そうよ。今さらすき焼きは無いね」

男「食べた事のない味にしようぜ、友」

友「…」

幼「他に案ある?」

幼友「私もチーズ豆乳がいいかなー」

友「せ、せめてくじ引きに…」

幼「解りました。それじゃクジにしましょう」

幼「ごま豆乳鍋、チーズ豆乳鍋、トマト鍋、鶏塩鍋の中から…」

友「ちょ!俺の案は?」

男・幼・幼友「却下!」

友「…」



幼「はい!と言う訳でね!」

幼「今年の鍋は、チーズ豆乳鍋で決定と言う事で!」

男・幼友「やー!」
パチパチパチ

友「ぶー」

幼友「議長の決定は絶対!」

幼友「去年、そう言ったのは友でしょ?」

友「…解りました」

幼「さて、味は決まったので、次は具材です」

幼「各自好きな食材を持ってくるって言うのは禁止です!」

男・幼友「賛成!」

友「反対!議長、再審議を要求します!」

男・幼・幼友「却下!」

友「なんでだよー。ちょっとサプライズがあった方がいいだろー?」

幼「駄目です。もう闇鍋なんて、絶対やりません」

幼「鍋にハイチュウ入れるとか、意味解んないし!」

幼「食べられる物なら何でも良いと言う安易な考えは駄目です!」

幼「私が仕切る今年の鍋は、そう言うの無し!」

幼「と、言う訳で、提案者の男、どんな食材を入れるの?」

男「鍋汁の素に色々書いてあったけど」

男「相談して、美味しそうな物を入れようぜ」

幼「いいねー。チーズかぁ…何が合うかなー?」

幼友「まず、肉と魚、どっち系にする?」

友「シーフード!」

幼「魚系かー…チーズに合うかな?」

幼友「何か、スープの味が混ざりそう」

幼「魚入れたら出汁が取れそうだよね」

幼友「サーモンとかなら合いそうだね」

男「俺は野菜メインの肉少々が良いなー」

幼「何で?」

男「魚鍋は雑炊作る時、面倒じゃん」

幼「あぁ、確かに面倒だったね。骨とか取ったり」

幼友「おととしは、ざるとキッチンペーパーで濾したもんね」

男「濾しちゃったら、雑炊の意味があまりないような気がする」

男「あの、たまーにある小さな肉の欠片とかさ」

男「煮込みに煮込まれた、トロットロの白菜とかさ」

男「そう言うのがあるから、鍋の後の雑炊って良いんじゃね?」

男「だから、肉の方が良いかなー」

幼「んじゃ、野菜メインの肉少々で!」

幼友「意義なーし!」

友「…」

幼「野菜は何入れる?」

男「まず白菜は絶対外せないとして…」

幼「うんうん!それは外せないね、絶対!」

幼友「キャベツ…はちょっと違うかな?」

幼「悪くないんじゃない?葉野菜は多い方が良いよ!」

幼友「茹でるとしぼむもんね」

幼「葉野菜だとほうれん草も入れたいね」

男「あと…ジャガイモとか?」

幼「ジャガイモ!イイね!野菜の王様だもんね?」

男「王様?」

幼「私の中で、野菜の王様はジャガイモなんだよ!」

幼「どう食べても美味しい!まさに王者の風格!」

男「それじゃ、王様も食材に追加って事で」

男「キノコも合うと思う」

幼友「良いねー。シメジ、エリンギ、マッシュルーム」

幼「しいたけはちょっと味が強すぎるかな?」

男「大丈夫じゃないかな」

幼友「しいたけから滲み出る味は美味しくなりそう」

幼「じゃ、しいたけ含めたキノコ各種も追加っと」

男「あと…ブロッコリーとか?」

幼「採用!ブロッコリーも追加っと」

友「ゴボウ!」

男・幼・幼友「却下!」

友「何でだよー。ゴボウ美味しいじゃん!」

男「チーズとゴボウ…合わないんじゃね?」

幼友「ゴボウはアクが…ねぇ?」

幼「ゴボウは却下です!」

友「…」

友「じゃあ大根!」

男・幼・幼友「…」

男「チーズと合うか?」

幼「おでんの定番ではあるけど…」

幼友「すまし汁系には合うだろうけどさー」

幼友「チーズ鍋には合わないと思う!」

友「…」

男「あとは…長ネギかなぁ」

幼「良いね。私、長ネギ大好き」

幼友「私も好きー」

幼「白菜と長ネギは多めに入れよう!」

友「反対!ネギは要らないと思いまーす」

幼「多数決で、ネギは採用です!」

友「…」

幼「野菜はこんなもんかな?」

男「そうだな。白菜を多めに用意すればオッケーじゃないか?」

幼友「あとはお肉だね」

幼「お肉は牛より鶏肉か豚肉が合いそうだね」

男「だな。パッケージにも鶏肉って書かれてたな」

幼友「鶏肉、ヘルシーだしね!」

幼「じゃあ、肉は鶏肉で決定ね」

友「ミートボール!」

男・幼・幼友「子供か!」

幼「肉は鶏肉で決定ですので、ミートボールは却下です!」

友「何だよー!俺の意見、全部却下かよー!」

幼友「アンタとは、食生活の面では意見が合わないわね」

友「くっそう…」

幼「それじゃ、大体決まったね」

幼「買出しは友君と、幼友の二人で」

幼友「了解。前日に買って、男の家に届ければ良いんだよね?」

男「うん。当日朝から、仕込むから」

幼「友君は、余計な物買わないでよ?」

友「う…はい…」

幼友「大丈夫、私が目を光らせておくから」

幼「あとはプレゼントね!」

幼「一人1000円の予算内で!」

男・幼友「やー!」

友「それ、増額しない?」

幼「あんまり高すぎると、問題出てくるでしょ?」

幼友「そうだよ。鍋代だって割り勘なんだし」

男「あ、あとあれだ。うまい棒1000円分ってのは、無しな?」

幼・幼友・友「…」

幼「それじゃ、他の人とかぶらない様に!」

幼「1000円で、思い出に残りそうな物を!」

男・幼友・友「おー!」

幼「それでは、会議を終了します!」

幼「当日は楽しもうね!」

男・幼友・友「おー!」




幼「はい、皆飲み物は持ったね?」

幼「それでは第8回鍋大会を開催します!」

幼「かんぱーい!」

男・幼友・友「かんぱーい!」

カキンッ
ゴクッ

幼「ぷはー。まずは駆けつけ一杯だよね!」

男「黒ウーロン茶だけどな」

幼「もう煮えてるよね?」

男「一次投入分は煮えてるよ、もう食べられる」

幼「それじゃ、オープン!」
パカッ

幼友「やー!チーズの匂い、良い匂いだねぇ」

友「おー!美味そうっ!」

幼「それじゃ、早速!いただきまーす!」

男・幼友・友「いただきまーす!」

幼「これは美味い!」

幼友「本当に、美味しいね!白菜最高!」

友「おぉ…ジャガイモヤバイ。これ毒入ってるぜきっと」

幼友「毒?」

友「あの、ゾウに食べさせるやつ…」

男「変な事言うなら、食うなよジャガイモ」

友「嘘嘘。ジョークだよ!」

幼「キノコも良い感じに味が染みてるねー」

幼友「んー!本当に良い感じだねー。美味!」

男「あぁ、チーズ豆乳、中々良いな」

友「なぁ、これ、ご飯にかけたら美味いんじゃね?」

男「それは最後にな?」

友「うん解った。男、白飯くれ!」

男「だから、最後にな?」

幼友「私、普段はあまりほうれん草食べないけど」

幼友「これならいくらでも食べられるね」

幼「これ、きっとカロリー凄い事になってるねー」

幼友「こんな時にカロリーなんて気にしたら負けですよ」

幼友「毎日食べてるってんなら、話しは別だけどさ」

幼「そうだよね!今日は鍋の日だもんね!」

男「今日の鍋の具材は三部構成にしてあるからな」

男「用意した食材、全部食べきるまで帰さないぞ?」

友「今夜は帰さないって…いやーん、男さんのえっちー」

男・幼・幼友「…」

友「何だよ。俺がスベったみたいな感じで見るなよー」

幼友「…」
フルフル

友「…」

幼「第一陣、食べきりましたー」

男「それじゃ第二陣、投入ー」
ドバドバ

友「豆乳だけに?」

男・幼・幼友「…」

友「あれ?聞こえなかった?」

男「…」
フルフル

友「…」

幼「二陣が煮えるまで、少し時間があるんで…」

幼「プレゼント交換、行っとく?」

男・幼友・友「やー!」
パチパチパチ

幼「それじゃ、くじ引きで決めるよー」

幼「自分のが当たったら、引き直しね」
ゴソゴソ

幼「さ、どうぞ!」



幼「それじゃ、私から開けてみます!」
ガサゴソ

幼「ん?これ…石鹸?」

幼友「はいっ!それ私の準備したやつ!」

幼友「とっても良い匂いだし」

幼友「すっごく肌に良い石鹸なんだって」

幼「わー。ありがとう、幼友!」

友「俺たちに当たらなくて良かったよな、男」

男「まぁ、幼が使った方が良いよな」

男「次、俺な」
ガサゴソ

男「これ…」

幼「お。私の用意した物です」

幼友「あー!良いなぁ!クロムハーツ?」

幼「まさか、違うよ。シルバークレイで手作りだよー」

幼「粘土代で大体800円くらい」

男「あとの200円は技術料?」

幼「そう言う事です」

男「ありがとう、幼。大切にするよ」

友「次は俺だな!」
ガサゴソ

友「…これ、幼ちゃんが選んだの?」

男「残念ながら、俺が選んだ」

幼「可愛い手袋だねー」

幼友「いいじゃん、クマの手袋。似合ってるよ、友」

友「…まぁ、寒くなってきたし良いけどな」

友「実は昨日、自分で買ったばかりなんだよ…」

男「…何か、すまん」

幼友「最後、私ね」
ガサゴソ

友「それ、俺が用意したやつね!」

幼友「…何これ」

幼友「こう言うのは無しって言ったよね?」

友「何だよ。うまい棒じゃないだろ?」

幼友「だからって、チロルチョコ1000円分?」

男・幼・幼友「無いわー」

友「アリだろ!」

男・幼・幼友「無いわー」

友「…」



幼「それでは第二陣、行ってみようか!」

男・幼友・友「やー!」
パカッ

幼「ちょっとスープにとろみが出てきたねー」

幼友「煮詰まってきてるね」

男「ちょっとチーズと豆乳足すか」

幼「第三陣を煮る時に、そうしよう」

幼「いやあ、ジャガイモって美味しいよね」

男「入れて正解だったな」

幼友「茹でてあるんだよね?」

男「レンジで20分くらい蒸した」

男「お湯で茹でるより、その方が皮剥きやすいし」

幼「あぁ、手でぺりっと剥けるよね」

男「熱いけどね」

友「鶏肉うめー!」

幼友「友、うるさいよ」

友「あー。これあれだぞ?」

友「肉、もっとあった方が良かったパターン?」

男「まぁまぁ…こんな事もあろうかと…」

友「ここでなんと…サプライズで大根が?」

男「入りません」

幼「大根は合わないと思うなー」

幼友「友ってば、八百屋で大根買おうとしてたんだよ」

幼友「阻止したけどね!」

友「皆には黙ってたけど、俺、実は大根が超好きなんだ…」

男「解った。じゃあ、ちょっと待ってろよ」

友「ん?」



男「お待たせ」

友「ん?何だそれ?」

男「大根おろし」

友「は?」

男「大根好きなんだろ?」

男「ウチ昨日の晩飯、サンマ焼いて食ったんだけどさ」

男「その時の大根おろし、余ってたから持ってきた」

男「ほら、これを友の取り皿だけに入れれば解決だろ?」

友「お、おう…ありがとうございます」

幼友「やめるなら今のうちだと思うよ?止めないけど」

幼「大根好きなら、行くはず!ね?友君?」

友「おお!行ったらぁ!」
ドバッ

友「しゃー!勝負だ!第二陣!」





友「ご、ごめんなさい…男さん、取り皿もう一つ貸して下さい」

男「はいよ」

幼「ふー。ちょっと休憩」

男「だなー」

幼友「だね。ちょっとお腹膨れてきたね」

友「鍋の締めは雑炊だぜ?」

男「ちゃんと用意はしてあるよ」

幼「今の内に、第三陣も入れちゃおうか?」

男「そうだな。第三陣はちょっと少ないからな」

幼「それじゃ、三陣投入!」

友「豆乳だけに?」

男・幼・幼友「…」

友「なんだよ…」

男・幼・幼友「…」
フルフル

友「なんで無言で首を降るの?」

幼友「それ位は察してよ、友…」



幼「もう良いかな?」

男「うん。そろそろ煮えてると思うぞ」

幼「それじゃ、第三陣オープン!」
パカッ

幼友「おー。良い感じに煮立ってるよ!」

友「これが最後の戦いだ!皆…死ぬんじゃねーぞ!」

男・幼・幼友「…」

友「…」

幼「さ、食べようか!」

男・幼友・友「やー!」
パチパチパチ

幼「二陣の残りのジャガイモ、煮崩れしてるー」

男「それも後の雑炊の時の美味しさになるさ」

幼「それもそうだね!」

幼友「やー!この白菜は先に私が取ったでしょ?」

友「いいや、俺が先だった!」

男「おい、喧嘩するなよ、二人とも」

幼友・友「口出し無用!」

男「…」

幼友「絶対譲らない!」

友「こっちの台詞だ!この白菜の芯は俺が育てたやつだ!」

幼「…これって鍋ならではの喧嘩だよねー」

男「そうか?」

幼「そうだよ。風物詩だよ」

幼「やっぱり皆でお鍋は楽しいねっ!男?」

男「そうだな!楽しいな!」



男「さて、そろそろ雑炊の準備に入るぞ?」

幼・幼友・友「やー!」

男「雑炊用にちょっとお高いチーズを用意してみましたー」

幼・幼友・友「おー!」

男「チーズとご飯、投下!」
ザッザッ

男「そして、おまけに、小さめに切った鶏肉を追加!」

友「マジで?肉あったのかよ!」

男「雑炊用にな」

友「お前、やるじゃん?」

男「あとはしばらく待てばオッケー」

幼「楽しみだね!」

幼友「スープ、かなり美味しかったもんね!」

友「肉を出来るだけ確保してやる!」

男「俺が均等によそうから、それは不可能です」

友「ぐぬぬ…」

幼「来年もさー」

幼友「ん?」

幼「来年もこうして、皆で鍋出来ると良いねー」

男「出来るだろ。近所なんだし」

友「ま、俺は東京の大学に行くから、参加は無理かもしれねーけど」

幼友「落ちるかもよ?」

友「不吉な事言うなよ!」

幼「幼友も、東京の専門学校に行くんだもんねー」

幼友「私はちゃんと年末は帰ってくるよ」

幼友「もう、友抜きで三人でやろうよ」

友「おい!俺もちゃんと帰ってくるって!」

男「本当にな、来年も、再来年もやりたいな」

幼・幼友・友「うん」



男「そろそろ開けるぞー」

幼・幼友・友「やー!」

パカッ

幼「わっ!今までで一番チーズの匂いがする!」

幼友「濃厚な匂いだねー」

友「すげー美味そう!早く食べようぜ!」

男「はいはい。今取り分けるから」



幼「それでは、最後のリゾット風雑炊を食べる前に」

幼「今回の鍋奉行である私から一言!」

男・幼友・友「おー!」
パチパチパチ

幼「小学校に入学して、四人で遊ぶようになってから」

幼「もう、約12年が経ちました」

幼「来年の3月で、それぞれの道は別れちゃうけど」

幼「良い学生生活だった!」

幼「毎年、こうして鍋を囲んで、ワイワイクリスマスを過ごせて」

幼「本当に楽しかった!」

幼「取り敢えず、受験頑張って、皆の進路がちゃんと決まったら」

幼「今度はお疲れ様鍋パーティやろうよ!」

男「お、良いね」

幼友「私も賛成!」

友「へっへっへ。今度こそカレー闇鍋リベンジだぜ!」

男・幼・幼友「それは無い」

友「…」

幼「まぁ、そんな訳で、メリークリスマス!」

男・幼友・友「やーーー!」
パチパチパチ




友「おし!片付けも終わったし、そろそろ帰るか」

幼友「そうだね。もう9時回ってるしね」

男「玄関まで送るよ」

幼「…」

男「それじゃーな、二人とも。年明け、学校で会おう」

友「おう、じゃーな」

幼友「…二人?」

幼友「あれ?幼は、帰らないの?」

幼「…お二人、彼氏・彼女も居なくて、可哀想ですねっ!」

幼友・友「!」

幼友「ま、まさか、あんた達…」

幼「ま、そう言う訳ですので」

友「こ、この裏切り者!」

男「落ち着けよ、友」

幼友「いつからよ?」

男「幼友も、声デカいよ…」

男「文化の日にさ、4人で祭りに行ったじゃん」

友「行ったな」

幼友「行ったわね」

男「その帰り道に、な?」

幼「ね?」

幼「そう言う訳なんで…」

友「くそ!爆発しろ!リア充めっ!」

幼友「全くよ!爆発しちゃえ!」

幼「大声出さないでよ、近所迷惑だよ」

幼友「て言うか、本当なの?」

男「本当だ」

幼「マジです」

幼友「そっか…」

友「おい男、てめーは俺を怒らせた…」

幼友「ほら、友。帰るよ」
ガシッ
ズルズル

友「ちょ、待って!マフラー引っ張らないで!」

幼友「お幸せに!バカップル!」

友「そ、そうだぞ!インチキ!」

グイッ

友「く、苦しいっつーの!」

幼友「こう言う時はクールに去るの!」

友「さっきの物言い、全然クールじゃあ…」



男「行ったな」

幼「そうだね」

男「寒いし、部屋戻るか」

幼「うん」

男「…あいつら、上手くいくかな?」

幼「いくでしょ。相思相愛なんだから」

男「まぁ、それもそうだな」

幼「他人の心配なんてしてる場合じゃないよ、男」

男「そうか?」

幼「大学落ちたらどうするの?」

男「あぁ、そっちの心配か」

幼「第一志望、絶対受かってよ?」

男「まぁ、なんとかなるだろ」

幼「期待してるからね?」

男「おうよ」

幼「ずっと傍に居てよ?」

男「それは任せろ。自信ある、断言出来る!」

幼「えへへー。はっきり言うんだね」

男「その約束だけは死ぬまで有効だからな」

幼「嬉しいよ」

幼「じゃ、部屋に戻って、二人で二次会…ね?」

男「おう」



友「あいつら…抜けがけしやがって…」

幼友「あら、あんた、気付いてなかったの?」

友「は?お前気付いてたのかよ?」

幼友「もちろん」

幼友「幼って案外顔に出るタイプだからね」

友「俺だけ蚊帳の外だったんかー」

友「ちぇーっ。俺も彼女欲しいなー」

幼友「へぇ、奇遇ね。私も彼氏が欲しいなと思ってたのよね」

友「そ、そうなんかー」

幼友「もうじき高校卒業するかと思うと」

幼友「最後の年のクリスマスイブくらいね」

幼友「誰かと過ごしたいと思っちゃうもんなのよね」

友「…」

幼友「ま、まぁ、あと数時間でイブも終わっちゃうし」

幼友「私の願いは叶わなかった訳だけどねー」

友「まだ望みはあるんじゃねー?」

幼友「そうかな?そう思う?」

友「て、手でも繋いでみるか?」

幼「…」

友「や、やっぱ却下か。だよな、ははは」

ぎゅっ

友「!」

幼友「鈍感!察してよ、ばかっ」

友「ん?え?」

幼友「…私の事、どう思ってるのさ?」

友「ど、どうって…友達…だろ?」

幼友「友達?それだけ?」

友「…」

幼友「私は、友の事、好きだよ」

友「マジでか?」

友「お、俺もお前の事、ずっと好きだったんだけど!」

幼友「声がデカいよ…」

友「お、おぅ、すまん…」

幼友「でも嬉しいよ、友」
チュッ

友「なっ!?」

幼友「私からのクリスマスプレゼント!」

友「おぉ…」

幼友「…東京行ってもよろしくね?」

友「こ、こっちこそ!」

ぎゅっ

幼友「さ、帰ろうか!」

友「ウチ寄っていくか?」

幼友「えー。それはちょっと…」




1年後

男「それでは第9回鍋会議を始めます!」

幼・幼友・友「おー!」
パチパチパチ

男「議長である俺から一言!」

幼「おー!」

男「去年に続き、9回目の鍋大会が開催出来て、嬉しく思います!」

男「今年も4人で、美味しい鍋を囲んで、楽しく過ごそう!」

幼・幼友・友「やーー!」
パチパチパチ

男「それじゃ、まずは何鍋にするか!」

友「カレー闇鍋!」

男・幼・幼友「それだけは絶対無い!」




おわり

これで終わりです
読んでくれた人、本当にどうもありがとうございます
チーズ豆乳鍋、本当に美味しいですよ
締めはパスタでも美味しいです

次スレは
幼馴染「さ、学校に行きましょう!」 男「おう」
ってタイトルで立てると思います
では。

乙です。そういえば、「えへ、えへへ」の幼ちゃん、元気にしてるのかな?


そして腹が減ったのと心が寂しいから謝罪と賠償

読んでくれた人、ありがとうございます

>>88
その幼馴染はどの幼馴染でしょう?
自分が書いたssなら、続編書きますけども

ツン幼改めデレ幼のその後が気になるなー(チラッ

>>88
幼馴染「今日も男の部屋に仕掛けたカメラ見なきゃっ」だろ多分

エロありだからこの人とは違うと思う

違ったらフスマン

幼馴染が入院してる話です。ちがったらごめんなさい。

乙、毎回ほっこりするよ
ピエンロー死ぬほど美味いからググってみてー

>>89
何て言うか、ごめんなさい

>>93
その幼馴染は自分の書いた幼馴染じゃないみたいですすみません
>>92も自分が書いた物じゃないですね

>>91
丁度、書きための中にあのj話の続きありました
しばらくしたら投下すると思います
見かけたら読んでくれると嬉しいです

>>94
超美味しそうだったので、作ってみました
超美味しかったです。最高に白菜を美味しく食べれました
教えてくれてありがとう

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