竹取の翁「ほう、光る竹か・・・面白い・・・ッッ!」(119)

今は昔、ある村に竹取の翁という者がいました

その翁は山に入っては竹を切り、その竹でいろいろな物を造り、生計をたてていました

そんなある日のこと・・・

翁「ふんッッ!!」ミキョッ

翁「ちぇりゃあッッ!!」ボヒュッ

翁「ふう。どうやら今日中にはこの山の竹も刈り尽くせそうじゃのぅ」

翁「じゃが、帝様に頼まれておった1/1スケールの竹編みの東京タワーを造るにはまだ足りんわい」

ピカーッ

翁「ん?」

竹取の翁は光る竹を見つけました

翁「ほう、光る竹か・・・面白い・・・ッッ!」

翁「じゃが所詮光る竹でも竹は竹。ただ珍しいだけじゃ」

翁「今は一本でも多く竹が欲しいのでなッッ!」

翁「このわしの『斧』に切れぬ竹など無いわ!!」サッ

竹取の翁はそう言い、おもむろに手刀を掲げると

翁「邪ッッ!!」ヒンッ

光る竹に振り下ろしました

ガッ

翁「!?!?」

しかし、竹取の翁の手刀は、竹に僅かなる切れ目をつけただけでした

翁「どういうことじゃ・・・?確かに竹は切れている」

翁「しかし、何かわしの斧を通さないものがあるようじゃ・・・」

不思議に思った竹取の翁は竹をわしづかむと

ミシミシッ

翁「ぬはッッ!」メキャァァ

光るところを残し、引きちぎってしまいました

すると、そこには三寸ほどの可愛らしい少女が座っていたのです

少女「・・・」コオォォォ・・・

翁「よもや・・・この少女がわしの斧を止めたのか・・・?」

竹取の翁は驚愕しました

少女「もしかして、その斧とは先程の?」

翁「あ、ああ。そうじゃ」

少女「そうですか・・・言われなければ気づきませんでした」

翁「~~~~ッッ!?」

翁(なんじゃこやつは・・・!!ノーガードでわしの斧を受けてあっけらかんとしておるッッ・・・!!)

少女「それはそうと、丁度竹から出ようと思っていたのです。出していただいてありがとうございます」

あれ程強く斧を打ち込んだにも関わらず、礼を言う少女にはキズ一つついていません

翁「ッ!・・・なるほど。それでお主、これからどうするつもりじゃ?」

少女「竹の中での瞑想も飽きましたので、熊でも狩って稽古しようかと」

翁「その背丈でかの!?」

少女「何か問題でもあるのでしょうか?」

翁も驚くのもそのはず

この辺りには体調5m程の熊などザラだからです

翁「お主、余程の強者じゃな・・・」

翁「ここであったも何かの縁。もてなしてさしあげよう」

少女「そうですか。ではお言葉に甘えて・・・」

それからというもの、少女に身寄りが無いということで竹取の翁は大事に少女を育てました

少女はすくすくと育ち、3ヶ月程で一人前の大きさに成長しました

少女はかぐや姫と名付けられ、清らかで美しく、また、誰よりも強くなりました

皆はそんなかぐや姫を見て

農民「なんと強く美しいお方だろう・・・後光もさしてらっしゃる・・・ありがたや・・・」

商人「目を合わせるとなぜか土下座しちゃうんだ。何だろうねあの感覚」

貴族「是非とも娶りたいものだ・・・」

と、その強さと美しさに惚れる者は後を絶ちません

そしておばあさんが1/1スケールの竹編みの東京タワー・・・いえ、スカイツリーを建造したころ

帝がかぐや姫の噂を聞き付け、竹取の翁の住まいに訪れました

訪れた帝は竹取の翁の住まいに入り、奥を見ると

かぐや姫「・・・」コオォォォ・・・

全身からオーラを迸らせ、美しく座っているかぐや姫を見つけました

かぐや姫「・・・!」

かぐや姫は帝に気づくや否や奥に逃げて入ろうとしましたが

ガシッ

かぐや姫「なっ・・・!」

帝「おや・・・何処へいきなさるのでしょうか?」

100mはあろうかという距離を一瞬で詰め、帝はかぐや姫の袖を掴みました

かぐや姫「・・・放してくださいまし」グググ

帝「貴女がかぐや姫というお方ですね」

かぐや姫は振りほどこうとしましたが、帝はびくともしません

かぐや姫「どうか・・・」グググ

帝「聞きしに勝る美貌をお持ちですね・・・」

帝「宜しければ私の元に来ていただけませんか?」ニコッ

かぐや姫「~~~~ッッ!?」

唐突に縁談を持ち込む帝に、かぐや姫は生まれて初めて恐怖を抱きました

かぐや姫「ッ!できません・・・!」

帝「おや、どうしてでしょう」ニコニコ

バッ

かぐや姫「・・・」

帝「・・・」ニコニコ

かぐや姫「仮に私がこの国に生まれていたらそうしていたかもしれませんが・・・」

かぐや姫「何と言われようと出来ないものは出来ないのでございます」

かぐや姫「ご理解くださいませ・・・」

サッ

そういうと、かぐや姫は奥に行ってしまいました

それを見た帝は大いに落胆し

帝「・・・そうですか」

帝「まだ私に至らない所があるのやもしれません」

帝「今日のところは引き下がりますが」

帝「次は貴女様を・・・貰い受けて見せましょう・・・」ニタァ

不敵な笑みを残すと

竹編みのスカイツリーを担いで帰って行きました

巨大な金塊を残して・・・

その後、帝の他にも、どうしてもかぐや姫を娶りたいという屈強な漢が5人現れました

彼等は名前を、石作皇子・車持皇子・阿部御主人・大伴御行・石上麻呂と言いました

彼等は金も権力もありましたし、かぐや姫にしつこく迫ってきます

しかし、帝の強さを目の当たりにしたかぐや姫には、最早ゴミにしか見えません

決闘のお誘いも断ったかぐや姫は、5人に無理難題を押し付けました

かぐや姫「どうしても私と決闘したければ・・・まずは石作皇子様」

石作皇子「なんでございましょうか」

かぐや姫「あなたは天竺まで出向き、仏から『仏の御石の鉢』を勝ち取ってきてください」

石作皇子「ッッ!?ばかなッッ!?」

かぐや姫「車持皇子様・・・あなたは、蓬莱山まで出向き、『蓬莱の玉の枝』をいただいて来てください」

かぐや姫「ただし・・・あの山には番をする大蜂がいますから、気をつけてくださいまし」

車持皇子「~~~~ッッ!?」

かぐや姫「阿部御主人様・・・」

かぐや姫「あなたは火山エリアまで出向き、アカムトルムを回復縛りで討伐し、皮を剥いできてくださいまし」

阿部御主人「廃人のぼくなら当たり前だのクラッカー」

かぐや姫「大伴御行様は、龍を召喚できる幻の宝玉を」

大伴御行「なんだそりゃ!?オラわくわくすっぞ!!」

かぐや姫「石上麻呂様はラ・ギアスへおもむき、グランゾンを破壊してくださいまし」

石上麻呂「子安・・・ふむ、なるほど・・・」

こうして5人はかぐや姫を言われた通りの依頼を果たすべく、出立しました

<石作皇子編>

石作皇子「天竺に着いた、だが・・・」

石作皇子「仏に勝てるわけがないだろう・・・ッ!」

石作皇子は仏を見る前に既に戦意喪失していました

軍師「兵の配置が済んだようです」

石作皇子「そうか・・・では、いよいよ呼んでみるか」

石作皇子「これだけの兵が居ればいくら仏とて・・・!」

石作皇子「射手、構えぃ!」

ギリリリッ・・・

石作皇子「さぁ、来るなら来てみろッッ!仏ッッ!」

石作皇子がそう吠えたその時です

ピッシャアアァァァン!

バタバタバタ

石作皇子「~~~~ッッ!?」

目も眩むような稲光が石作皇子の陣営に落ちました

どうやら立てる兵士は一人もいないようです

石作皇子「そ、そんな・・・ばかなッッ・・・!!」ガクガク

?「天誅です」サァッ

石作皇子「!?」

焼け野原に何者かが降り立ちます

?「貴殿は私と決闘なさりに来たのでございましょう?」

?「この、『仏の御石の鉢』を手に入れなさるために」

石作皇子「それはまことの・・・ということは・・・ッッ!」

仏「ええ。私は皆に仏と呼ばれております」

石作皇子「・・・」

仏「それにしても、この方達はどうしたのでございましょう。矢など番えて」

仏「まるで私と貴殿の決闘に水を差そうとしているかの様でございました」

石作皇子「・・・皆殺しにしたのか?」

仏「いえいえ、滅相もございません」

仏「一日足腰を立たなくしてあげただけでございます」

仏「この方々に業はございませんから・・・」

仏「・・・さて、そろそろどうですか?」

石作皇子「・・・ッッ!」

仏「お先によろしいですよ?」

仏「これが私の、最後の情けでございます」ニコッ

石作皇子「くっ・・・こんな、天変地異を味方につけるような奴に、俺は・・・」

石作皇子「俺は・・・挑まなければならないのかああああッッ!!!」ダッ

ドゴオッ

<車持皇子編>

一方、車持皇子は蓬莱山にたどり着いていました

車持皇子「大蜂か・・・」

車持皇子「昔はスズメバチを捕まえては羽をもぎ取り、捕まえては羽をもぎ取りしてよく遊んだものだ」

車持皇子「その時の蜂は大きくて精々我の親指ほど」

車持皇子「しかしここは神聖なる山。どんな化け物蜂が出てくるのだろうなァ・・・」ニタァ-

車持皇子はずんずん奥へ進んで行きました

するとそこには・・・

車持皇子「ほう、これが『蓬莱の玉の枝』か」

ボキッ

車持皇子は難無く蓬莱の玉の枝を手に入れることができました

しかし

ガサッ

車持皇子「ん?」

大蜂「ギギギ」ガサッ

大蜂「ゲゲゲ」ギロッ

なんと、蓬莱の玉の木周辺は、蜂の子一匹もらさぬ大蜂共の壁に囲まれていました

車持皇子「囲まれたか・・・」ギロッ

大蜂「・・・」ジリッ

車持皇子「・・・カッカッカ!実に愉快だ!」

ジャキンッ

車持皇子「虫けらの分際で大した知恵ではないか!」

車持皇子「そこまで本気で来られては致し方あるまい」

車持皇子「我が刀にその身切り裂かれるまで、本気でかかってくるがいい・・・」

ブゥーン

車持皇子「!!」

女王大蜂「・・・」ブゥーン

車持皇子「・・・なるほど」

車持皇子「貴様はそこで高見の見物を決め込むか」

女王大蜂「・・・」ブゥーン

車持皇子「そこで見ているがいい。貴様の子供が叩き切られる様を・・・」

車持皇子「そして味わわせてくれる!我の斬撃をッ!!」

車持皇子「でやああああッッ!!」

ズバッッ

<阿部御主人編>

またその頃、阿部御主人は火山エリアに来ていました

阿部御主人「ふむ、悪くはありませんねぇー」

阿部御主人「特注で作らせたアーマー、中々着心地おっけいみたいですしねぇー」

阿部御主人は、西洋の騎士風の甲冑を着ています

阿部御主人「ぼくとしては一撃も当たらずに済ませたい感じみたいなんですけどぉー」

阿部御主人「やたら暑いのはどうにもならないのですかねぇー」

ゴゴゴゴゴ・・・

阿部御主人「あらぁー」

愚痴を垂れはじめた阿部御主人の前に、討伐対象が現れました

アカムトルム「グオォォォォ!」

阿部御主人「中々に大きいお方ですねぇー」

アカムトルム「・・・」ノシッノシッ

阿部御主人「ふむ。まだ気づかれていないみたいですねぇー」

阿部御主人「やはりリオレウスやグラビモスとはスケールが違いますねぇー」

阿部御主人「ラスボス感漂ってますよぉー」

阿部御主人はアカムトルムを見ても、怖じけづいた様子はありません

阿部御主人「えっとぉー」ゴソゴソ

阿部御主人「ありましたありましたぁー」

ゴクッ スタミナが減らなくなった!

阿部御主人「んーマイルドですねぇー」

阿部御主人「最初はまずかったのに飲み慣れてしまいましたねぇー」

アカムトルム「!」

阿部御主人「あ、ばれてしまいましたかぁー」

アカムトルム「グオォォォォ!」

ドゴーンドゴーンドゴーン

阿部御主人「おっとぉー」ヒョイッ

阿部御主人「足元を疎かにはできないですねぇー」

阿部御主人「でもでも、正面からの攻撃ならどうでしょうかねぇー」ガチャッ
アカムトルム「グオォォォォ!」ノシッノシッ

阿部御主人「そろそろぼくもしかけてみましょうかねぇー」

ガチャン

阿部御主人「阿部家は代々、使い手は極太ドリルランス派です」

ダッ

<大伴御行編>

その頃、大伴御行は日本中を飛び回っていました

大伴御行「おー!これが幻の宝玉ってやつかぁ」

大伴御行「これを後6個か・・・これ集める暇あったら修行してぇなー」

一個目にして早くも飽きの兆しがある大伴御行の元に近づくものが一人

?「おい、てめぇの持ってるそれをよこせ」

大伴御行「ん?おめぇ誰だ?」

盗賊「俺は盗賊だ。寄越してくれりゃあ悪くはしねぇ」

大伴御行「わりぃけどこれは俺のもんだぞ」

大伴御行「早いもん勝ちだもんなー」

盗賊「ッッ!てめぇッッ!!」

脅されても呑気に構える大伴御行に、盗賊はとさかにきました

盗賊「こうなったら必殺の・・・ろうがふーふー」バッ

大伴御行「グー」

パシッ

盗賊「お?」

大伴御行「チョキ」

ズボッ

盗賊「うへ!?」

大伴御行「パー」

バッチイィィン

盗賊「ぶふぇあ!!」ドサッ

大伴御行「弱っちいなぁ。次集めに行くかー」

タッタッタッ

盗賊「 」ピクピク

大伴御行が宝玉を集めるそんな折・・・

悪は既に動きはじめていました

?「・・・者共、宝玉だ。宝玉を探せ」

??「ははっ」

タッタッタッ

?「・・・宝玉を7つ集めると何でも願いが叶う」

?「折角封印を解かれたのだまずは・・・」

?「・・・若返り、力を取り戻す事からだ」

?「クククク・・・」

アーッハッハッハッハァ!!

<石上麻呂編>

その頃、石上麻呂は地底世界ラ・ギアスにたどり着いていました

石上麻呂「ここがラ・ギアス・・・こんな世界もあるのか・・・」

石上麻呂「聞けばグランゾンとは巨大な機械人形なるものらしい」

石上麻呂「しかし今の私には対抗する手段がない」

石上麻呂「せめて機械人形さえ手に入れることができれば抗することもできるというものだが・・・」

石上麻呂は、グランゾンに対抗するべく、機械人形を探してラ・ギアスをさ迷いました

しかし、中々見当たらないままかなりの時間がたちました

石上麻呂「ふむ、どうすればよかろうか」

石上麻呂「かくなる上は内部から破壊して・・・」

ガッキィィン!

石上麻呂「!」

思案している石上麻呂の近くで、二つの機械人形が戦闘を始めています

キイィィン ガアァァン

石上麻呂「ここにいては些か危険かもしれませんね・・・」

石上麻呂「少し離れましょうか」

石上麻呂は冷静に判断して、その場を離れようとしました

が、その時

ガガゴァァン ドッシャアア

石上麻呂「~~~~ッッ!?」

一機の白い機械人形が、青紫の機械人形に跳ね飛ばされ、墜落してきました

?「マサキ。今の貴方では私には到底及びません」

?「私は地上に用事があるので。それでは・・・」

シュオォォン・・・

青紫の機械人形は去っていきました

プシュウウウ・・・

マサキ「チッ、逃がしちまった・・・でも、このケガじゃ・・・」ヨロッ

石上麻呂「そこの人、酷いケガですね。大丈夫ですか?」

マサキ「!?お前は・・・誰だ・・・?」

石上麻呂「私は石上麻呂と申すものです。グランゾンという機械人形を破壊しに来たのですが・・・」

マサキ「なんだと!?」

マサキ「グランゾンは・・・さっき逃がしちまった奴だ」

石上麻呂「ほう、あれがグランゾン・・・」

石上麻呂「このままでは見失ってしまいますね」

マサキ「ああ・・・たが、このケガじゃ・・・」

石上麻呂「この機械人形はまだ動きますか?」

マサキ「は?」

石上麻呂「この機械人形はまだ動くのか、と聞いています」

マサキ「・・・おう、動くぜ。このサイバスターは!」

マサキ「でもお前に動かせるのか・・・」

石上麻呂「わかりませんが・・・最善を尽くしましょう」

シロ「マサキ・・・よく解らないけど、この人はサイフィスの加護を受けているにゃ」

クロ「一応動かせはするみたいにゃよ」

マサキ「そうかよ・・・わかったぜ」

マサキ「ケガが治り次第駆け付けっから、それまで頼んだ!」

石上麻呂「ええ、了解しました」

プシュウウウ・・・

石上麻呂「なぜだか動かしかたが解りますね・・・よし」

石上麻呂「石上麻呂、グランゾンを追跡します」

バッシュウゥゥ・・・

こうして5人は各々激戦を繰り広げました

ある漢は圧倒的な力の前に屈し、リベンジすべく大雷音寺を目指す旅に出ました

またある漢は全ての大蜂を討伐した後、他にも巨大虫がいることを知り

山に住み込み巨大虫を次々と討伐し、いつしか木の番人と呼ばれるようになりました

そしてある漢は、巨大な龍の薙ぎ払いソニックブレスの前に敗北を喫し

更に強い部具を製造するために、毎日狩りに明け暮れています

もう一人の漢は、大魔王に敗北し、傷を癒しつつ修業に精をだしています

そして5人目の漢は、風の魔装機神を駆り、仲間とともに悪に立ち向かっています



なので、かぐや姫のもとには、誰ひとりとして戻って来るものはありませんでした

~富士山:山頂~

その噂は、山頂で静かに座禅をくんでいた帝の耳にも入りました

帝「・・・」

帝「皆、それぞれ新たな目的を見出だした様ですね」

帝「どうやらかぐや姫を目指す者は私で最後らしい・・・」

帝「頃合いですね。では、参りましょうか」グッ

そういい、腰を落とし・・・

帝「覇ァァッ!!」ドンッ

竹取の翁の住まいへと跳躍しました

その時踏み台にされた富士山は標高が100m縮んだと言われています

かぐや姫「・・・」

ヒュウゥゥゥ・・・ ドッシャアアン

スクッ

帝「・・・ごきげんよう、かぐや姫」ニコッ

翁「帝様・・・」

おばあさん「よくいらっしゃいました・・・」

帝はにこやかに振る舞います

しかしかぐや姫の目は帝を向いておりません

憂いを含んだ目は空に向けられています

帝「おや?かぐや姫はいったいどうしてしまったのですか?」

翁「それが・・・本日、月の使者がかぐや姫を迎えに来るのでございます」

帝「月の、使者・・・」

幸か不幸か、帝はかぐや姫が月へ帰る日に居合わせたようです

竹取の翁から詳細を聞いた帝は、しかし怒る様子もなく、むしろ落ち着きを増したように見えます

帝「・・・かぐや姫」

かぐや姫「・・・何でしょう」

帝「使者とは、どんな方々なのでしょう」

かぐや姫「・・・ッ!?まさか、帝様・・・!」

かぐや姫「私もいつまでもここにおりたいですが、それは・・・!」

帝「私の力を示してあげれば宜しいのではないのでしょうか」

かぐや姫「いえ・・・そういうわけでは無いのです・・・」

コオォォォ・・・

?「ええ、かぐや姫のいう通りでございます」

帝「・・・ッ」

月夜が更に明るくなり、5人の人が降りてきました

使者「私達は月の使者、と」

女神「こんばんは」

おや?

女神「・・・!」

^^

女神「・・・」

使者「女神様でございます」

帝「使者に、女神様ですか。はるばるここまで、よくいらっしゃいました」

使者「いえいえ。その様子でございますと、既にお話は伺っておりますのでしょうか?」

帝「伺いましたよ」

使者「では話は早いですね。かぐや姫」

かぐや姫「・・・はい」

使者「お迎えに来ました。さあ、御車へどうぞ」

かぐや姫「・・・わかりました」

翁「かぐや姫や・・・!」

おばあさん「ああ・・・往かないでおくれ・・・!」

かぐや姫「・・・」

翁とおばあさんの呼び掛けも空しく、かぐや姫は歩を進めていきます

可哀相なお二人。女神様はこの様子を見ても何も思わないのでしょうか

女神「へっ?」

ここまで大切に育てなさって、これからというときに子を連れていってしまうなんて・・・

女神「し、知りません!」

使者「女神様、静かにしてください」

女神「あ・・・すみません」

^^

女神「んぐぐぐぐ・・・!」

帝「お待ちください、使者殿」

かぐや姫と使者の間に帝が割り込みます

使者「おや・・・これはこれは。帝様、いかがいたしましたか?」

帝「どうしても連れていってしまうのですか?」

使者「ええ。その通りでございます」

帝「どうしても・・・?」コオォ・・・

使者「・・・ほう」

使者「引き止め、なさると」

帝「・・・」

かぐや姫「帝様・・・いけません」

使者「宜しいでしょう」

帝「そうですか、それは忝な・・・」

使者「ならば・・・全力でかぐや姫を引き止めてください」

帝「・・・?」

かぐや姫「いけません・・・帝様・・・」

帝「・・・どういう事ですか?」

使者「わかりませんでございましょうか?」

使者「力ずくで、かぐや姫をお引き止めになってください」

帝「・・・!」

使者「引き止める・・・つまり、かぐや姫に打ち勝つ事ができれば、私達はこのまま月へ帰りましょう」

使者「どうでございましょうか?」

帝「・・・いいでしょう」

かぐや姫「帝様・・・!」

かぐや姫「それでは帝様が無事では・・・」

帝「・・・それはどうでしょう、かぐや姫」

かぐや姫「・・・?」

帝「私はあの時、貴女の袖を掴んだときに悟りました」

帝「今のままでは貴女に勝てない、と」

かぐや姫「・・・」

帝「それから私は修業に修業を重ねました」

帝「努力を怠ったつもりはありません」

帝「ですから・・・一戦、どうです?」グニャア

かぐや姫「・・・ええ、わかりました」

かぐや姫「受けてたちましょう」グニャア

使者「素晴らしいですね。生まれながらにして月最強の実力を持つかぐや姫と」

使者「恐らく地球最強の帝様・・・」

使者「この戦い、見届けさせていただきましょう」ニヤッ

帝「月へは帰しませんよ・・・!かぐや姫ッッ!!」ダッ

かぐや姫「引き止めてくださいましッ!帝様ッッ!!」ダッ

ドスッ! バキャッ! ギャドッ! メキッ!

翁「くっ、どちらを応援すればいいのかわからぬ・・・ッッ!」

おばあさん「逞しく、美しく育ったわね、かぐや姫・・・」

ズゴッ! ドシャッ! ミシッ! ゴリッ!

女神「ひぃ・・・」ガクガク

使者「かぐや姫が・・・おされている・・・ッッ!?」

バキィィッ!

かぐや姫「ッッ!」ズザザ

帝「おや、思っていたより鈍いですね。手を抜いているのですか?」

かぐや姫「・・・女神様」

女神「へっ?へっ?」

かぐや姫「お願いがあります」

女神「な、ななな何でしょうか・・・?」

かぐや姫「私の十二単を三枚剥いでくださいませんか・・・?」

女神「へ?剥がしますというと・・・」

かぐや姫「早くッッ!」

女神「はっ、はいいい!!」

ガッシ

女神「よいしょ・・・ん?」グイッ

女神「んぐぐ・・・」グググ

女神「んぎぎぎぎ!!」グググ

使者「失礼いたします」

女神「えっ、ちょっとまっt」

バサッ ドシャアアア

かぐや姫「ありがとうございます」

使者「いえいえ」

女神「 」

帝「なるほど、その服が原因ですか」

かぐや姫「今三枚脱いだので、あと脱げるのは八枚です」

帝「脱ぐと守りが薄くなりますよ?」

かぐや姫「避ければいいでしょう?」

帝「クスクス・・・」

かぐや姫「うふふ・・・」

「「アーッハッハッハッハ!!」」

使者「こういうのを見ていますとムズムズしますね」

女神「・・・服がおもすぎて抜け出せないです

かぐや姫「ちぇりゃああッ!!」

ズドギャ!

帝「クッ! 想像以上ですよッ!!」

メキャッ!

バコッ! ズギャッ! ギャリッ!

かぐや姫「クロスアウッ!!」スルッ

帝「ふっ」サッ

女神「えっ、ちょっ」

ドシャアアア

女神「えぶっ!?」

帝「中々トリッキーな立ち回りをしますね・・・」

帝「ならば・・・覇ッッ!!」

ズドオッッ

グラグラッ

女神「うげげげ!」

かぐや姫「くっ、足元が・・・」ヨロッ

ガァンッ

かぐや姫「~~ッッ!!」

かぐや姫「く・・・帝様は・・・いないッッ・・・!?」

ズボッ

かぐや姫「足元ッ!?」

ドギャッ

かぐや姫「ぐぁ・・・!」

帝「どうです?私の土竜昇竜拳の味は」

帝「専ら、血の味といったところでしょうか」

踏み込みで地面を揺らして割った地面の中に入り、地中を突き進んだ先の敵の顎を砕くって感じか?

>>76
地面に潜る前に一撃当てて怯ませます

ナレーション死んでた。解説感謝

ドサッ

かぐや姫「う・・・」

帝「ふむ、まだ四枚しか脱げていませんが」

帝「これで決着でしょうか?」

かぐや姫「・・・」

帝「では、ブラックアウトしていただきましょうか」

かぐや姫「クロスアウトッ!」

バサッ

帝「クッ・・・」

かぐや姫「トドメはさっさとさすべきですよ、帝様」

かぐや姫「これで五枚・・・体が軽くなってまいりました」

かぐや姫「てやッ!!」

バチンッ

帝「なるほど・・・軽くなった分速さは増しているッッ!」

帝「ならば」タッ

かぐや姫「距離をとった・・・あれは・・・!」

帝「もう一度受けていただきましょうッッ!覇ッッ」スッ

バサッ

帝「~~~~ッッ!?」

帝「くっ、またもや布ッッ!!」

帝「!? かぐや姫がいない・・・」

帝「まさか下からでしょうか・・・ッッ!!」

かぐや姫「着物五枚分の質量ならッッ!!」

帝「よもや上からッッ・・・!!」

かぐや姫「クロスハンマァァァッッ!!!」ブンッ

ドシャアアアッッ!

帝「くぉぉ・・・」

メリッ ドオォォォン・・・

使者「なんと・・・クレーターが・・・」

女神「あ、大きな穴のお陰で抜け出せました」スポッ

パラパラ・・・

帝「・・・」

かぐや姫「・・・防ぎなさいましたか・・・」サッ

かぐや姫「しかしどうやら、もう腕はあてにならないようですね」

帝「・・・」

かぐや姫「残す着物は一枚。最速の私に帝様はついてこれますか?」

帝「・・・言いましたでしょう、貴女を引き止めると」

かぐや姫「!」

帝「どれだけ速く遠のかれようとも、私はそれを上回ってご覧にいれますよ」

かぐや姫「・・・なれば」

かぐや姫「やってみてくださいましッッ!!」

ヒンッ

ゴシャッ!

帝「・・・ッッ」フワッ

かぐや姫「地に足はつけさせません・・・!!」ヒンッ

バキョッ! ミシッ! ドスッ! ガゴオォ!

翁「帝様が・・・なすすべ無く舞っておられる・・・」

女神「人って・・・あんなに飛ぶんですね・・・」

使者「これは・・・決着がつきそうでございますね」

帝(・・・まずいですね)

帝(視界がぼやけてまいりました・・・)

帝(このまま私は落ちてしまうのでしょうか・・・)

ザッ

?「この方が、帝様か。初めて拝見するが・・・」

??「カッカッカッ!見た限りとんだ雑魚タレではないか!!」

帝(・・・おや?あの方達は・・・)

???「あれじゃあ、ぼくが見た感じ極細画鋲ランスが精々ですかねぇー」

????「おらが倒した緑色の奴の方が強かったんじゃねぇか?」

?????「あの程度の速さを見切れないようでは・・・」

帝(・・・言ってくれるではありませんか)

クルッ

帝「ここで諦めてしまっては示しがつきません」

帝「私が耐えられなければ・・・貴女の勝ちですよッッ・・・!」

かぐや姫「きゃおらッッ!!」

ドスッ!

帝「ぐふっ・・・!!」

かぐや姫「・・・帝様、勝負ありで―――」

グググッ

かぐや姫「なっ・・・」

かぐや姫(腹にめり込んだ拳が・・・抜けないッッ・・・!)

ガシッ

帝「ようやく止まってくださいましたね、かぐや姫」ニコッ

かぐや姫「!?!?」

ブンッ

ヒュウウウゥゥ・・・・・・ ズガアアァァァン!!

パラパラ・・・

かぐや姫「く・・・ッッ」

帝「トドメですよ」ヒュウゥゥゥ

かぐや姫「・・・ええ」

かぐや姫「一思いに、よろしくお願いいたします」ニコッ

帝「――秘技・富士砕き」

カッ―――――――

使者「・・・決着です」

使者「女神様、帰り支度をば」

女神「あ・・・はい」

女神「あの、どちらが勝ったのですか?」

使者「わかりませんか?女神様」

女神「え、ええと」

女神「何となく・・・帝様の願いが成就したように思われますけど・・・」

使者「・・・宜しいでしょう」

女神「・・・あれ、なんだか部下に見下されている気がします・・・」

女神「それとこの散らばった着物どうしましょう・・・」

帰り支度をする二人の元へ、竹取の翁とおばあさんがやってきました

翁「もし、女神様方」

女神「あ、はい。手伝ってくださるのですか?」

翁「女神様ならそれしきお手の物では?」

女神「・・・」

女神「そ、そんな言ってくれるんなら私だって本気出しちゃいますからね!」ズカズカ

ガッシ

女神「ふんぐぎぎぎ!!」グググ

女神「んぬぬぬぬぬ!!」グググ

翁「使者様・・・ありがとうございました」

翁「これからまた、かぐや姫を立派に育てて行きます故」

おばあさん「おじいさん、違いますよ」

おばあさん「かぐや姫には、今や立派なお方がついてくださるでしょ?」

翁「おお!そうじゃったな!」

使者「・・・そうでございますね」

使者「帝様はかぐや姫を勝ち取られたのです」

使者「私どもも祝福いたしましょう」

使者「では、私どもは月へ帰りますが・・・女神様」

女神「んーーーー!!」グググ

使者「女神様」

女神「チェストぉーー!!」グググ

使者「・・・」

ヒョイッ

女神「ふわっ!?」

使者「お早く・・・お願いしますね?」

女神「わ、わかりました」

女神「え、ええとー」ゴソゴソ

ピラッ

女神「・・・こほん」

女神「えー、私が去った後暮らしはさらに良くなるでしょう」

女神「今まで通り真面目にお仕事に・・・」ピラッ

女神「・・・励んでください。殻を残して行くので、食べ物には困らないはずです」

女神「・・・はい、それでは」

使者「末永くお幸せに、かぐや姫」

女神「・・・もう月の国の女神なんて辞めよ・・・」

そういい残すと女神達は去っていきました

殻「 」ザザザァァー

戦場を米まみれにする殻を残して・・・

その後、一週間の療養の後

帝「一生逃がしはいたしませんよ」

かぐや姫「貴方様が捕まえていてくださるので、離れようなどございませんわ」

二人はめでたく結ばれました

やがて五人の漢達は帝に召し抱えられ、お抱えの武将に抜擢され

日本各地でその勇猛ぶりを発揮しました




そして彼らの手によって帝のおさめる時代は、空前の発展を遂げましたとさ




殻「 」ザザザァァー

☆めでたしめでたし☆

ザザザァァー とか女神とかは
?「・・・チッ、見つかりましたか」ビャッ 男「あ、ちょっと!」
から連れて来たけどどうでもいいですよね

バキ少し読んだら書きたくなったので
題材にする漢文も無いのでかぐや姫です

ザザザァァー

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