男「女子から告白されるなんてありえねぇだろ....」(17)


友「すまんな、勝ち組で」

男「誰からだ。それによってこの拳の行き先が決まる」

友「何それ怖っ」

男「いいから早く言え。言うんだ」

友「じゃあ例えばこのクラスで一番美人と評判の女さんからって言ったら?」

ドン!!!!

友「....」

友「いきなり壁ドンはやめろよ」


友「これ穴空いてないか?教室破壊すんなよ....」

男「それで、本当に女さんなのか」

友「いやちがうけど」

男「....」

友「女友さんからだよ」

ドン!!!!!!

友「....」

友「だから壁ドンするなって....」


男「女友さんと言えば生徒会長でありながら美人でそれでいて性格がいいという当に女さんの親友に相応しい人じゃないか」

友「そ、そうだな」

男「何故」

友「....」

男「何故だ」

友「ま、その俺も生徒会入ってるじゃん。それでまあ一緒に話してたり帰ったりしてたら仲良くなっちゃって」

男「....」

友「おい、もう壁殴んなよ」

男「*ら"や"ま"じい"」


男「何故だ!何故お前だけがモテる!容姿普通!性格普通!勉強普通の何もかもが普通のお前が!」

友「まるで俺がモテモテみたいに聞こえるから訂正するけど告白されたのは生まれて初めてだぞ」

男「その初めてがダイヤの原石とかふざけんじゃねぇよ....」

友「まあ俺も内心驚いてるよ。告白された時はエイプリルフールか確認したぐらいだ」

男「ち"ぐじょ"う"!!!」

友「....泣くなよ。お前だって幼馴染ちゃんがいるじゃん」


男「お前それ本気で言ってるのか」

友「あ....」

男「そうだよなぁ。俺みたいなブスで卑屈で勉強もできない煮っ転がしみたいな人間には幼馴染がお似合いだよなぁ」

友「いや、その....」

男「体重100キロのジャムおじさんみたいな女、俺が回収しないと誰も引きとらねぇもんなぁ」

友「正直すまんかった」

男「それと一つ付け足しておくとだな、あいつも俺のこと嫌ってるぞ」

友「....」


女「それはお互い様じゃないかなぁ」

友「あ、女さん」

女「二回も大きな音がするから何事かと思ったら友くんが八つ当たりされてたのね」

友「八つ当たりって訳じゃ....」

女「八つ当たりみたいなもんよ。女友との話を打ち明けたら祝福されるどころかこの有様。友くんはもっと怒っていいよ」

男「....」

友「そ、それでお互い様って?」

女「あぁ、そのことなんだけどね」


女「男くんが一番分かってるんじゃないかしら。さっき言ってたじゃない」

女「自分はブスで卑屈で勉強もできない煮っ転がしみたいなゴミクズだって」

友「ゴミクズはなかったような」

女「とにかく、そんな人間に少し太ってるだけで貶される幼馴染ちゃんの気持ちになってみてよ。可哀想じゃない」

男「....」

友「そうだね」

女「そんなことも分からない人は絶対に女の子から告白なんてされないわ。夢のまた夢よ」


友「なるほど....」

男「じゃあ何故こいつは告白されたんだ。しかもダイヤの原石から...」

女「そんなの知らないわよ。本人に聞いてないんだから」

女「でも一つだけ教えてあげる。女友はね、他人のことを外見で判断しないよ。それに自分のことも」

男「自分のことも?」

女「そう、多分女友は自分が美人だなんて自覚したことは一度もないと思う。私は多少あるけどね。色んな人に言われたから」

友「要するに俺の外見は関係なかったと」

女「そういうこと」


女「要するに自分だけがモテないなんて嘆き続けてるだけの人間なんて誰も振り向いてくれないのよ」

男「....」

友「女さん、それはちょっと言い過ぎじゃ」

女「ごめんね。口が悪いのは自覚してるんだけど。ちょっとイラっときちゃったから」

男「いや、俺も悪かった。俺がモテない理由、よく分かったよ」

友「よかったな、モテない理由が自覚できて」

女「友くん、フォローになってないよ」

男「それでだ。話は一つ前に進む訳だが」


女「ん?」

男「どうすれば俺はモテるようになるんだ....」

友「....」

女「....」

男「例えばだ。俺の性格が良くなったとしよう。それで俺はモテるのか?」

男「こんな煮っ転がし野郎が」

女「そ、それは....」


男「精々"あいついい奴だな~"って評価で終わるんじゃないか?」

男「あいついい奴だな~でも煮っ転がしだし。みたいな」

男「友だってそうだ。偶々女友さんに振り向いてもらえたがそれは運が良かっただけで特別モテる訳じゃないんじゃないか?」

友「だからそうだって言ってんだろ」

女友「それは違います!!」


友「女友さん!!」

女友「友くんはいい奴止まりなんかじゃありません!!」

男「それ『君にとっては』って言葉が前に付かないかい?」

女友「付きません!!いい加減にしてください!!」

男「....」

女友「私は友くんのいいところいっぱい知ってます。あなたが知らないだけで友くんは男として魅力的なんです」

女「あんた恥ずかしくないの....」

女友「ハッ!はうっ...///」

友「///」

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