ｶﾞﾁｬ

紬「あら、大きな声でなんのお話？」

澪「ムギ！助かった。聞いてよ律が……」ﾊｯ

紬「りっちゃんが？」

澪「……」

紬「どうしたの？」

律「澪がさ、クン───」

澪「わぁー！」

紬「クン？」

澪「燻製！燻製が食べたいな！なんて」

紬「ごめんなさい……今日はバームクーヘンなの……」ｼｭﾝ

澪「ム、ムギそうじゃないんだ！私なら家でいっぱい燻製食べるから気にしないで！」

紬「……そうなの？」

澪「バームクーヘン嬉しいな！」

紬「よかったあ」ﾊﾟｱｧ

澪「ほっ……」

紬「じゃあお茶いれるから待っていてね」

梓「先輩、手伝います」

紬「いいのよ梓ちゃん。座っていて」

梓「いえあの、ちょっと先輩にお話ししたいことが……」ﾎﾞｿｯ

紬「私に？」

梓「はい。ムギ先輩にしか相談できなそうなことなので」

紬「何かしら？」

梓「ここじゃなんなんで帰りに聞いてもらっていいですか？」

紬「ええ、わかったわ」

───

澪「もう、なんでこんなことに……」

律「うーん、しょうがないな。今日はもう無理っぽいし明日やろうぜ」

澪「あ、明日？本当にやるの？やっぱりそんなのやめようよ」

律「ダーメ。私が許さない」ﾌﾞｰﾌﾞｰ

澪「ブーブーじゃない。無理ったら無理！」

律「澪は我慢できるのか？」

澪「そ、それは……」

律「どうなんだ？ブーブー」

澪「うう……」

唯「ブヒブヒ」

澪「わかったよ。私も覚悟を……って唯！？」

唯「何を嫌がっていたの？」

澪「そ、それは……」

唯「明日何するの？」

澪「い、言えない……」

唯「ええー、ずるいよ澪ちゃん。私だけ仲間外れなんて！」

律「そーだよなー。じゃあ唯も一緒に……」

澪「律ぅ！？」ｺﾞﾝ

律「痛あ！」

澪「ゴメンな唯。こればっかりはお前を巻き込みたくないんだ」

唯「ううー、ムギちゃーん！」ｶﾞﾊﾞｯ

紬「あらあらよしよし」

唯「酷いんだよ。澪ちゃんとりっちゃんが私に内緒で明日何かするんだって」

紬「そっか。二人にも言いたくない事情があるんだからここは大人しく身を引きましょうね」

澪「本当にゴメン」

唯「ううー、いいもん。明日は私憂とお出掛けに行くもん」

律「拗ねるなよー」

紬「はい。今日のおやつはマドレーヌよ」

唯「わぁーマドレーヌ！」

紬「ふふ」

澪「ほっ……ありがとうな、ムギ」

───

さわ子「ムギちゃん、私レモンティー」

澪「うわあ！？」

さわ子「なんて声出してんのよ。失礼しちゃうわね」

澪「す、すみません……」

さわ子「それよりなんの話していたの？聞きたいわぁ」

澪「う……」

さわ子「なんてね。深追いしないわ。大人の余裕ってところを見せてあげる」

唯「大人の余裕……」

さわ子「ふふ、唯ちゃんにはまだ早そうね」

律「へん、どの口が言ってんだか」

さわ子「ああん？」ｷﾞﾛｯ