ディオ「うげぇええええっ」
御者「ぼ、坊ちゃん!?うわぁ!坊ちゃんが大蛇に噛まれてる!あっち行けー!」バシバシ
大蛇「シャ~~~」ピュ~
御者「大丈夫ですかい!?」
ディオ「頭が朦朧とするけど大丈夫です……早くジョースター家へ向かってください…」ヨロッ
御者「わ、分かりやした……」
ディオ(ぼくはジョースター家を利用して世界一の金持ちになるんだ!……こんなことで足止めを食らってちゃいけないんだッ!)
ディオ(あっ……でも意識が……)
・
・
・
ジョナサン「おや?馬車が来たぞ?」
ガガッ バン
ジョナサン(あっ、もしかすると今日から養子になる子かな?)
ドザァ! シャン!
ジョナサン(な、なんてスタイリッシュな降り方なんだ!)
ベチャァ!
ジョナサン(着地に失敗してるけど……)
ディオ「痛い……失敗してしまった…ぼくの人生いっつもこんなんだ、嫌になっちゃうでおまんがな…」
ジョナサン「だ、大丈夫かい?」
ディオ「おっと!お見苦しい所を見せてしまって失敬だったね!自己紹介しようぼくの名前は…………田五作?」
ジョナサン「ディ、ディオ・ブランドー君じゃないのかい?」
ディオ「そうだったそうだったディオ・ブランドーだった……そう言う君はジョナさんだね?」
ジョナサン「何か違うような気もするけどそうさ、ぼくがジョナサン・ジョースター、みんなジョジョって呼んでるよ、今日から君の兄弟さ」
ディオ「き、君に義兄さんなんて呼ばれる筋合いは無い!妹は渡さんぞ!!」
ジョナサン「えぇ!?妹さんがいるのかい!?聞いてなかったけどなぁ……」
ディオ「そうだったぼくに妹はいなかった……すまん取り乱した」
ジョナサン「い、いいよ…別に……」(大丈夫なのか?この子の頭は……)
ディオ「ただ…ぼくは……『お兄ちゃん♪』と呼んでくれる妹が欲しかっただけなんだ……」
ジョナサン(きっと長旅で疲れてるんだろう、うん!きっとそうだ!)
ダニー「わんわんお」ダダダッ
ジョナサン「紹介するよダニーってんだ!ぼくの愛犬でね利口な猟犬なんだ!心配ないよ!決して人は噛まないから、すぐに仲良しになれるさッ」
ディオ「わあワンちゃん大好きなんだ、ヘイお手!」スッ
ダニー「わんわんお」ガブッ
ジョナサン「ダ、ダニー!すぐにディオ君の手を放すんだ!」
ディオ「し、心配ないよジョナさん……こ、これはスキンシップだから…」ガクガクッ
ジョナサン「そ、そうかい?血も出てて震えてるけど大丈夫なんだね?」
ディオ「もももも、もちろんさぁ……ほら、早くジョースター卿の所に案内してくれよ…」スタスタ
ダニー「わんわんお」ズルズルッ
邸内
ジョージ一世「疲れたろうディオくん!ロンドンからは遠いからね君は今からわたしたちの家族だ」
ディオ「……」
ジョージ一世「? どうかしたかね?」
ディオ「いえ、下らないことかもしれませんが……何とお呼びすればいいんでしょうか?」
ジョージ一世「なんだそんなことか、私のことは実の父親だと思ってくれていいんだよ?好きなように呼びなさい」
ディオ「分かったよ!とっつぁん!」
ジョナサン(ああ……またアホなことを…)
ジョージ一世「ハ、ハハハハ……ジョナサン、ディオ君を部屋へ案内してあげなさい、私は仕事があるからこれで……」スタスタ
ジョナサン(面倒事をぼくに押しつけて逃げたな……)
ディオ「さあ!ジョナさん!早速ぼくたちの部屋に行こうじゃないか!」
ジョナサン「うん……いや相部屋じゃないからね……」ササッ
ディオ「あっ、荷物運んでくれるんだね?やっさすぃー!」トテトテトテッ
ジョナサン(何か頭にくるなぁ……)
それまで楽しかったジョジョ生活はとてもつらいものとなったのだった
バ チ ン
ディオ「オピョォッ!!」
ジョージ一世「またまちがえたぞっディオ!30度目だッ!同じ基本的なまちがいを30回もしたのだぞ!もう一度メアリー女王に仕えていた二人の勇者の名前を言ってみなさい!」
ディオ「クライフォートとタノレカスですッ!」
ジョージ一世「惜しいッ!少し違う!」
ディオ「えぇー……ぼくわかんなーい」
ジョージ一世「諦めるな!もうちょっとだろ!?」
ディオ「そもそも勇者の条件って何?」
ジョージ一世「ぐぬぅ……」
ジョナサン(あの残念なディオに黙らさせられる父さんは一体……)
食堂
ディオ「むっしゃ!むっしゃ!」
ジョージ一世「ディオ……作法は完璧なんだが……その音はどうにかならんのかね?」
ディオ「えっ?何のことですか?むっしゃ!むっしゃ!」
ジョージ一世「人の話しを聞くときくらい食事の手を止めなさい」
ディオ「え?止めてますよ?むっしゃ!むっしゃ!」
ジョージ一世「えぇ!?あっ本当だ!じゃあその音は一体どこから!?」
ディオ「うぅ~ん…腋から、ですかね?聞きます?むっしゃ!むっしゃ!」
ジョナサン(人間じゃねぇ……!)
ジョナサンの部屋
ディオ「ちくしょー…なんやかんや飯抜きだよ……」グスグス
キィ バタンッ
ジョナサン「ふぅ、お腹いっぱいだ…うおぅ!?ディオ!?」
ディオ「やぁジョナさん、お邪魔してるよ」ゴロゴロ
ジョナサン「なんでばくに部屋に?」
ディオ「何かおいしそうな匂いがしたから……」ガブッガブッ
ジョナサン「ああ、そういえばチョコレートを残しといたな……あげるよ、ってもう食べてるか」
ディオ「凄くスパイシー、何種類くらいスパイスが入ってるんだろ?」
ジョナサン「えぇ!?まさかそれカレールー!?ギャグマンガみたい!というか何でぼくの部屋に!?」
ディオ「ぼくが持ち込んだんだ」ガブッガブッ
ジョナサン「チョコレート関係なかった!そして部屋カレー臭い!」
ディオ「…………………食べる?」
ジョナサン「いらないッ!!」
訂正
× ばくに部屋に
○ ぼくの部屋に
アホになってきた
草っ原
実況「勝者!ジョナサン・ジョースターァァ!!」
わあぁぁッ!!!
「すげぇぜ!ジョジョ!」「チャンピオンを倒しちまいやがった!今日からお前がチャンピオンだぜ!」「貴族だからって見くびってたが、今日から俺はお前を認めるぜ!」
ワトキン「ナイスゲームだったぜ…ジョジョ…」ガシッ
ジョナサン「ハハ…もう一回勝てって言われたら…無理かな……」ガシッ
わあぁぁぁっ!!
実況「今、新旧チャンピオンが固い握手をしたぁ!こんなに熱いゲームが今まであったでしょうか!?」
ディオ「ジョナさんはワシが育てた」
ジョナサン「あっ!ディオ来てたのかい?」
ディオ「我が弟子の晴れ舞台だからな、おめでとう」
ジョナサン「君に鍛えてもらった記憶はないけど……祝福してくれてありがとう!……ところで君はボクシングはやらないのかい?」
ディオ「ああ、ぼくは今新型の花火の制作で忙しいからね」
ジョナサン「花火?」
ディオ「試作品を見てみるかい?自信作なんだッ!」ガサゴソ
ディオ「ジャジャーンッ!」バッ
ジョナサン「そ、それが花火かい?人形に見えるんだけど……」
ディオ「キャロルって言うんだ!行け!キャロル!」シュボッ ジジジッ シュバッ
ドカーーンッ
ジョナサン「いや…人形に爆竹つけただけじゃ……手足とか顔が飛び散ってホラーなことになってるし…」
ディオ「うーん…ぼくの推測だと赤や青や山吹色の煙が出るはずなんだけどなぁ」
ジョナサン「無理があるよ……というかアノ人形はどこから…」
エリナ「キャァ!!わたしのお人形さんがぁ!!うわぁ~ん……」
ジョナサン「……フンッ!!」ボシュッ
ディオ「なしてぇえ!?」ゴシャッ
エリナ「うぇ~ん!うぇ~ん!」
ジョナサン「ゴメンね……でもあんなにバラバラになっちゃったら修理はもう……あれ!?直ってる!?」
エリナ「お人形さん……」ギュッ
ジョナサン「ふ、不思議なこともあるもんだなぁ……ディオにはぼくがきつく言っとよ」
エリナ「……ありがとう」タタタッ
ディオ「あははははは……キャロルが一人、キャロルが二人…ウフフフフ」ブクブクッ
ジョナサン「ほら、帰るよディオ」ガシッ
ディオ「アイ キャン フラーイッ!」ジタバタ
ジョナサン「寝相が悪いなぁ…あっ落としちゃった……でも気絶して静かになったからいいか」スタスタッ
木の陰
おちゃらけた青年「ったっくよー、いつの時代だろうとおばあちゃんを泣かす訳にはいかねぇよなぁ?どら息子よ」
変な髪型の少年「うるさいッスね~、ジジイは何もしてないじゃねぇかよ~、やったのは俺の『スタンド』ッスよ~」
おちゃらけた青年「俺にはその『スタンド』ってのは見えないけどな、というかおばあちゃんがあんなに若いってことはやっぱりここはじいちゃんとディオってのが出会った時代なのか……」
変な髪型の少年「しっかしジジイよ~、な~んかディオって奴、話しに聞いてたのと随分違うじゃねぇかよ~、俺の親友よりアホっぽい言動だったッスよ」
おちゃらけた青年「確かに何か引っかかるな……まっ、帰る手段も無いししばらくゆっくりしてこうぜ、俺腹減っちまったよ」ヘラヘラ
変な髪型の少年(若いときから軽い性格は変わってないんスね~、我が父親ながら情けない……)グ~
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