いーちゃん「希望ヶ峰学園?」 (77)
【プロローグ】
潤「そうだ。いーたんも名前くらい聞いたことがあるだろ?」
「それはまあ、一応」
潤「この哀川潤が直々にお前に請け負って欲しいって言ってるんだ。断ったらぶち折るぞ」
「…………」
潤「返事しなくても折る」
「なんで哀川さんが」
潤「べきっ」
「……本当に折れかけたじゃないですか……潤さん、どうして潤さんがやらないんですか?」
潤「あん?」
「いえ、このくらいの仕事なら―――」
潤「これくらいの仕事だから私ごときが出る仕事じゃ無いのさ……いーたん、請負人始めたんだろ?いいじゃんいいじゃん」
潤「……それに私じゃ流石に高校生演じるのは無理有りそうだしな」
「やってたじゃないですか、一姫ちゃんの時に」
潤「んなの昔の話じゃねえか。とにかくいいな、お前暇だろ。年単位で」
「年単位……」
潤「さて、改めてだ。いーたん」
潤「依頼は単純。希望ヶ峰学園に潜入……入学、色々噂されてる話を暴けってだけだ。簡単だろ?」
「なんでわざわざ入学しなきゃいけないんですか」
潤「決まってるだろ。ぼっちのいーたんが見たいからだよ」
「…………」
※ 戯言シリーズ×ダンロンのSS
※ 矛盾等あったら言ってください
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1415000809
「そもそも入学、って時点でおかしいですよ。ぼくは――――」
潤「おいおいおい、お前こそ一姫の時を忘れたのかよ。編入届けはすでに出してある」
「本人不在で……編入届け?なんで編入なんですか?」
潤「そりゃあお前、希望ヶ峰学園っていったらそれぞれの道のエキスパートが集まる学園じゃないか」
「そうですね」
潤「そんなとこになんの取り柄もないお前が普通入れると思うか?」
「一般人から抽選で選ぶとか聞いてますが」
潤「……細かいとこだけ知ってんな、お前。まあいいや」
潤「お前は向こうでは【澄百合学園から来た転校生、超高校級の策師萩原子荻】だ」
「…………は?」
潤「だから向こうでは女装しろよ」
「は?」
「……編入って無理がありませんか?」
潤「向こうも【策師】は元々欲しかったらしいしな。澄百合学園がまだ機能できるかって言うネックはあったが、そこは友ちゃんがなんとかしてくれたよ……というか、大体全部友ちゃんがなんとかしてくれた」
「友が?」
潤「あいつもいーたんの女装が見たいのさ」
「…………」
潤「ま、心配してる訳じゃないけど」
潤「気を付けろよ」
「……はい」
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早速矛盾見っけたけど気にしない
夜に一話やるます
時間軸的にはどの編?
期待
>>6
狐さんとの対決(潤vs真心)後それほど建ってないです
零崎人識の伊織との関係しばらく後みたいな感じですかね
【第一章 イキキル(息切る)】
環境に責任を求めるな。
適応できないお前が悪い。
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01
気が付けば教室にいた。
どうやら気を失っていたらしい。
それにしても。
窓と言う窓が鉄板で覆われ、至るところに監視カメラが設置された、無骨と言うより不気味な教室だった。
「……思ったほど驚きませんのね」
声をかけられ、ハッと振り向く。
そこには、なんと言うか、奇抜な女の子がいた。
「奇抜、とは心外ですわね……」
心外もなにも心からの感想なのだが。
「それで。私の問いに答えてくださいませんかしら」
「ああ。どうして驚かないのか、って?」
「ええ。もしや、この状況の事を少なからず知っているのではないのですか?」
「いいや知らないね。きみの方が知ってるんじゃないかな。だってぼくが驚かなかったのはこれまでの状況をド忘れしてただけだと思っていただけだからね」
「……馬鹿じゃありませんの?」
「本気だよ。ぼくは忘れやすいんだ。昨日食べた夕御飯さえ忘れてるよ」
「……腑に落ちませんわね」
と言いつつも、奇抜……奇抜ゴスロリちゃんはそれ以上の詮索をしてこなかった。
「セレスティア・ルーデンベルグ」
「奇抜ゴスロリちゃんの呼び名は不快です。私の名前は、セレスティア・ルーデンベルグ。自分の名前を忘れてもこれだけは覚えておきなさいな」
「そりゃまあ、ご丁寧にどうも」
セレス「実は貴方が一番遅く起きたのです。それまでに貴方以外は自己紹介は終えてしまいましたわ」
「ふうん」
セレス「……そんな興味なさげに頷かれても困りますわ。もしかして『他人には興味ない』とかそんな人種ですか?」
興味ないのは他人じゃなくて人間なんだけど。
とか言ったら絶対引かれるだろうなぁ。
「それじゃ、みんなもう一回自己紹介しようよ」
多少弱々しくもそんな意見を出したのは……
……………
「?どうしたの?」
仮名アンテナパーカーくんだ。
どうもぼくは大きな特徴がないと人を見分けるのが難しいらしい。
もしかしたら千賀三姉妹も他の人が見たらわかる程度には区別があったんだろうか。
とにもかくにも、そのアンテナパーカーくん……苗木誠くんの提案により、それぞれの自己紹介がなされた。
なるほど『その道のエキスパートが集う学園』なだけあって、ぼくでも見知ったような子がちらほらいた。
セレス「それで?貴方は自己紹介をなさらないのですか?」
「そうだね、忘れてたよ」
セレス「…………」
「ぼくの名前は……ああ」
途中で言葉を止める。別に正直に本名を言いかけたとかそんなんじゃなくて、ただ哀川さんが言ってたことを思い出しただけだけど。
「ぼくの名前は萩原子荻。澄百合学園から来た転校生。【超高校級の策師】らしいけど、よろしく」
危ない危ない。いきなり隠した素性を晒すところだった―――――
「澄百合学園って女子高じゃなかったかしら」
「…………」
そういえば女装忘れてたな、
なんて思ったときには後の祭り。
というかそんな事いちいち覚えてんなよ。
「えっそうなの!?」
「てめーどういう事だ女子高とか羨まどんな手ぇ使ったんだ!」
あっちこっちからやいのやいの。
この騒々しさは巫女子ちゃんたちを思いだす。
やばいやばい、現実逃避してる暇はない。
しっかりしろ戯言遣い。言い逃れは十八番だろう。
「…………いつもは、女装して登校してたから……」
「……………」
沈黙。
当たり前だ。
ぼくは何を口走ってるんだろう。
これ以上詮索されたら面倒だな、と思っていると。
『オマエら、入学式を行いますので、至急体育館まで来てください』
場違いに陽気なアナウンスが響いた。
「ほ、ほら。集合だってさ。行かなくちゃ」
「話の反らし方が下手すぎるよ!!」
「それでよく策師を名乗れるわね……けどまあ」
そう言って立ち上がるのは、さっき澄百合学園女子高をバラした女の子……霧切響子ちゃん。
彼女一人才能がはっきりしないらしい。
ぼくにとっては髪の毛が紫になるのは十分才能と言って差し支えないと思うけど。
響子「取り敢えずは体育館へ向かいましょう。このまま女装趣味の詮索は今すべきことじゃないわ」
女装趣味ってもしかしてぼくのことだろうか。
「あっコイツの鞄の中にカツラあったし!やっぱ女装趣味なんじゃん!」
いつの間にか鞄の中漁られてた。
帰りたい。
閑話休題。
とにかく体育館へ向かおうと言う話になり、それぞれまばらに移動する。
それにしても、この人選。ピンからキリまで様々だ。
【プログラマー】や【御曹司】はぼくでも知ってるほどの有名人だけど、【同人誌作家】はどうにも見劣りする。
【策師】のぼくが言えた話じゃないんだけど。
【策師】なんて才能、一般人には判らないだろうな。
判るとすれば、【御曹司】十神白夜くんか、【格闘家】大神さくらさん…さくらさん位か。
少なくとも、他に【普通じゃない世界】に通じている人がいなければこんなものだろう。
閑話休題……戯言休題とでも言うべきだろうか。
ぼくは体育館へ向かう。
そのあとに、あの子と接触しよう。
そう思った。
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??「……………」
まだモノクマ出てこないなんて
深夜に続き書きます
02
体育館。
そこには先客がいた。
どこか見たボディの、どこか聞いた声が言うは、どこか聞いたような設定だった。
「オマエらはここから出れない。出たくば殺し合ってもらうよ」
白と黒に彩られた不安定なスタイルのクマ型ロボット、自称モノクマは噛み砕いて言うとそんな風な事を言った。
まあ勿論、成人にも満たない高校生のみんなには途方もない話な訳で。
ひたすら困惑する人、形だけでも冷静でいようとする人、これを現実だと思ってない人。
一番最後はぼくだ。
『狐さん』とのいざこざが終わって、ようやっと流血の日常からおさらばできると思った矢先にこれだ。
現実逃避でもしないとやってられない。
ぼくの薔薇色青春ライフはまだかな。
哀川さんはぼくがぼっちになるのがお望みらしいけど。
モノクマ「そこ!人の話を聞く!クマだけど!」
妄想を先生に咎められた。
至極健全な高校生で大変宜しい。
成人だけど。
「さっきから黙って聞いてりゃよお」
ぼくの陰からすっと現れたのは。
超高校級の暴走族。大和田紋土くんだった。
物凄く青筋立てて怒ってる。
おおよそぼく(と彼)の知る暴言を吐き散らしながら、モノクマの小さい体を掴み上げる。
その姿はやっぱり暴走族的で、暴力的で。
ぼくにとっては平穏そのものだった。
出夢くん以上の暴力なんてそういないだろうけど。
突然の、
ノイズ。
突如ぼくの思考にかかったそれは、果たして雑音ではなく電子音だった。
とりとめのない戯言染みた妄想を遮る電子音じゃなくて、
明らかな、アラート。
「危ない!投げて!」
響子ちゃんが怒鳴る。
おいおいしっかりしろよ響子ちゃん。
きみはそんなキャラだったのかい。
なんて呑気なことを考えてたのはぼくだけらしい。
剣呑な雰囲気だけ感じ取った紋土くんが訳も分からずという風にモノクマを投げる。
刹那、爆発。
モノクマ「学園長への暴力は校則違反です。今のは見逃してあげるけど、二回目は無いからね?」
背後から声。
そこにはまたモノクマがいた。
おいおい、量産型かよ。
その後。
ぼくたちはモノクマから「電子生徒手帳」なるものを貰った。
校則なり何なりが書かれているそれを、特に所作無く弄ってみる。
ネットワークに繋げられれば友と連絡が取れるのだが、生憎とそう簡単にはいかないらしい。
あいつの万能は回線上にしか通用しない。
生徒手帳弄ってたらいつの間にかモノクマが消えていた。
ついでに誠くんが紋土くんに殴られて失神して部屋に運ばれたらしい。
そこらへんの事情は知らないけど、大方喧嘩の仲裁か何かをしようとでもしてたのだろう。
気にならなくもないけど、ぼくはそれより気になることがあった。
この場でも人一倍ものを主張しない、『彼女』のもとへ向かう。
【超高校級のプログラマー】、不二咲千尋のもとへ。
今日はここまで
たぶん一回の更新量はこれくらいになります
ゲームが今手元にないので台詞もろもろは思い出しながらなのですがそこら辺気になる方はどうもすみません
あとハッピーエンドです(憤怒)
03
【校則】
??? 1.この学園内のみで共同生活を送りましょう。共同生活の期限はありません。
??? 2.夜10時から朝7時までを”夜時間”とし消灯します。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。
??? 3.就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし処罰します。
??? 4.希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に制限は課せられません。
??? 5.学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラや扉の破壊を禁じます。
??? 6.仲間を殺したクロは卒業になりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
??? 校則は随時追加されていきます。確認を怠らないようにしましょう。
玖渚友。
『超人間級のプログラマー』とでも呼ぶべきだろうか、とにかくその方向には並ぶべき者はいない彼女でも、自立思考プログラムを作ったことはあまり無かった気がする。
『だってわざわざそんなプログラム組み立てて仕事任せるより、僕様ちゃんがやった方が手っ取り早いし正確だもん』
とか何とかのたまってた気がする。
『この不二咲千尋って人はよく頑張るよね。自我を持つコンピューターだってさ』
『コンピューターが自我を持ったら駄目だよね』
どうして駄目なのさ。ぼくは問うた。
果たして友はなんて答えたっけか―――――
千尋「ええっと、あのう。どうしたの?」
我に返る。
なんで人の前で妄想に耽ったりするかね。
「いやいやなんでもないよ、千尋ちゃん。ごめんね、声かけた方がぼけっとしちゃって」
千尋「いや、別にいいんだけれど……」
千尋「僕になにか、用なのかな?」
「用って程じゃないんだけど」
「かつて全盛期のネットワークを震撼させた大規模なサイバーテロ、覚えてる?」
瞬間。時が止まる。
千尋ちゃんの穏和そのものの雰囲気が、一瞬で逆ベクトルへ変化する。
『敵意を持った穏和』に。
千尋「……誰?」
先刻よりはっきりとした声で、喋る。
ぼくは確信した。
やっぱりそうだ。
「ぼくは『仲間』を知っている」
「と言うより……ぼくは友の友達だ」
千尋ちゃんは喋らない。
「ぼくは千尋ちゃんが『どれ』かは知らないけどさ」
「ぼくはこんな密室で殺人が起きるかもしれない空間なんてのはうんざりなんだよね」
「脱出したい。協力してくれないかな」
少しの間、静寂。
しばらくして、
またさっきのような弱々しい声で、
千尋ちゃんは―――――言った。
「僕は『永久立体』だった」
「君が――萩原クンが『蒼』とどんな関わりを持ってるかは聞かないし、知りたくもないけど」
「脱出するのは吝かじゃないよぉ……!」
『仲間』。
『一群』。
『領域内部』。
『矛盾集団』。
『犇く血眼』、棟冬六月。
明らかに常軌を逸した存在が、この空間にはいた。
千尋「それで、協力って、何をすればいいのかな?」
千尋ちゃんのオーラは人畜無害そのもので、さっきまでの敵意が嘘のようだった。
これもひとつの才能なのだろうか。
ヘイトを集めないと言うのはぼくにとっては喉から手が出るほどほしい代物だが――それはともかくとして。
「この学園にハッキングして、外に出られるように――」
千尋「無理だよ」
敢えなく撃沈。
「……なんで?」
千尋「ハッキングのためのパソコンはどうするのぉ……」
千尋ちゃんは――六月ちゃんは困った顔でそう言った。
そりゃそうだ。
千尋「……僕は『電因子』――萩原クンの言う『仲間』では『創作担当』だったんだぁ」
千尋「OS、プログラム、AI……まあそれはいいんだけど」
千尋「流石の僕でも無から有は取り出せないかなぁ……」
本当にごめんね、と六月ちゃん。
この子は芯からいい子なんだろう。
悪いのは馬鹿みたいな提案をしたぼくの方だ。
千尋「ねえ、僕もひとつ聞いていい?」
「うん、いいけど。何かな?」
千尋「蒼は元気?」
「…………」
「はい」
千尋「そっか。よかったぁ」
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―――――――
その後。
気絶して伸びてる誠くん以外のみんなで、この学園を探索しようと言うことになった。
この場には15人。五つのグループに別れることになる。
ぼくは六月ちゃんと回りたかったけど、やはりというか彼女は高倍率だった。
まあどうしてもと言う訳でもなかったし、余り物とかなと思って待っていたら。
白夜「…………」
冬子「…………」
【御曹司】の十神白夜くんに、【小説家】の腐川冬子ちゃん。
みんなの中でも圧倒的に協調性に掛けるであろう二人が残ったのは、まあ当たり前っちゃあ当たり前だろう。
白夜「言っておくが俺はお前らと馴れ合う気はない。くれぐれも俺の邪魔をするなよ」
と言って、白夜くんはさっさと探索に行ってしまった。
冬子ちゃんは多少狼狽えながらも白夜くんの後を追う。
彼ともいずれ話をしなければな。
ともかく、ぼくは一人になってしまった訳だ。
白夜くんの後を追ってもいい。というか、そうしないと僕たちの調べたテリトリーの結果を報告する人がいなくなってしまう。
あの二人が素直に結果報告する人間だったらぼくも楽なんだけど。
だめだだめだ、ぼくはこんな苦労人キャラじゃない。
ぼくは自由奔放に生きる豪快なキャラだったはずだ。
絶対に違う。
余計なことを考えながらも、ぼくは足を進める。
行き先は寄宿舎。
苗木誠くんの部屋だ。
ごみみたいな更新速度とごみみたいな文章力でごめんなさい
明日も更新する予定ではあります
まだこれ一日終わってないんだよなぁ。。
このSSまとめへのコメント
続き、面白いんで期待してます。
戯言シリーズ&ダンガンロンパ好きですぜ。