クローバーの冠 (6)

休日の昼下がり古臭いアパートの一室で遅めの起床をする昨日は飲み過ぎたせいかやけに頭が痛い
酔い覚ましに水を飲みつつテレビをつける
テレビ「昨夜○県○町に女性が刃物で刺され死亡する事件が起きました。警察は通り魔の犯行とーー」

「……」

ニュースを見つつ自分が腹が減ってることに気づく
とりあえず冷蔵庫の中を見る

「…はぁ」

冷蔵庫には卵と鶏肉が入ってるオムライスでも作ろうかと思う冷凍庫にも炊飯器にも米がない
気は進まないが外に食べに行くしかないようだ

とはいっても休日の昼から男一人でいけるような店もなく足は事件が起きた場所に向かう
○町はアパートのある町のすぐ隣だ
近辺は警察が見回っていて少し緊張してしまうあたり自分の臆病さが出ている

「……」

しばらくそこに立ち止まっていたが空腹に耐えられなくなったのでコンビニに入り弁当を買い家帰る
昼飯を食べたあとまた眠気が襲ってくる折角の休日だがこんな日があってもいいかと思い眠りについた

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犯人は依然捕まっていないが町が落ち着いてきたそんな時だった彼女に出会ったのは、
そんなところから物語は始まる。

「ここの公園よく来るんですか?」

飲み過ぎ食べ過ぎのせいでそろそろ運動しないと行けないと思い公園でジョキングをして休憩がてらベンチに座っていた時、
そんな風に彼女は声をかけてきた。

「あぁ健康のためにジョキングしによく来るんだよ」

これは実際嘘だジョキングにきたのはこれで3回目だ、なぜこんな嘘をついてしまったかというと簡単にいえば見栄ってやつだ、
女の子に話しかけられた時つい格好良く見せようとしてしまうのはだれでもあることだろう。

「そうなんですか!私ダイエットのためにジョギングしてみようと思って今日初めて来たんですよ!」

聞いてもいないのにやたらと自分のことを話したがるあたりと見た目から高校生なのか?
そんなことを考えてつつ生返事をする。

「あっ… ごめんなさいいきなりこんな風に話しかけられても迷惑ですよね、なかなかこの公園歳の近い人がいなくてつい」

そう言われ周りを見てみるとたしかにそうだ一人で走っているときは気にしなかったが休日だというのに老人ばかりだ、
まあそれなら自分に話しかけてきたのもわからなくはない。

「ここは基本的にご老人しかいないから君みたいな若い子に話しかけられたものだから驚いたよ、君高校生?」

あくまでここの常連であるかのように振る舞うそしてそれとなく疑問だった事も聞いてみる。

「そうです!今年2年生になったんです!ピチピチのJKですよ」

ピチピチのJKがダイエットのためとはいえなぜわざわざ休日にジョキングなんかしてるんだ、
そんなツッコミも入れたかったがまあ色々あるのだろうと思いやめておこう

「良かったら一緒に走りませんか?」

女子高生と走っていると言う絵面を一瞬想像する、大丈夫かこれ?そう思い一瞬ためらうが断るわけにも行かず

「あぁいいよ」

そう答えてしまう、まあ見栄ってやつだ

「……もう……無理」

そう言い彼女は近くにあったベンチに座り込む、
対して距離はない外周コースをまだ2周ほどしかしていない。

「おいおい、まだ2周しかしてないぞ」

そんな風に余裕を見せてはいるが実際のところはキツい、
こっちだってジョキング初心者に変わりない、しかも運動なんて滅多にしてこなかったんだから。

「しかたない少し休憩するか」

気を利かせたような言葉を言いつつ隣に座る
ほんとに疲れきったような顔で笑いながら彼女は言う

「今日はこれ以上走るのは止めときます」

ちょっと待ってろ、そう言い公園の入り口にある自販機に向かいスポーツドリンクを買う
俺はほんと何格好つけてんだろうと苦笑しつつそれを持ってベンチに戻ってみる
しかしベンチに彼女の姿が見えない。
まさか帰ってしまったのかと思いつつベンチに向かうとベンチの後ろでしゃがみこんで何かをしている。

「飲み物買ってきたぞ」

そう声をかけるが集中しているのか全く反応がない。
もう一回声をかけてみたが反応が無いので仕方なくそれが終わるまでベンチで待つことにした


「ごめんなさいお待たせして」

彼女はそう言いつつベンチに座る

「これ」

そう言って少しぬるくなってしまったスポーツドリンクを渡す。
彼女は目を輝かせながら嬉しそうにお礼を言ってくる

「ありがとうございます。やっぱり優しい方ですね」

そんなことないと平静を装うものの内心すごく照れくさかった
照れ隠しついでに何をしていたのかと聞く

「あ、そのことなんですけど一つお願いがあるんです」

少し言い難そうに彼女は言う

「良かったらこれからも時間が合うときだけでもいいんで一緒に走ってもらえませんか?」

そのお願いに正直面食らったまさかそんなこと言われるとは思ってもいなかった、
今日はなんとかボロを出さずにすんだが今後はどうなるかわかったもんじゃない。
だが高校生のダイエットであるしそんなに続かないだろうと承諾した。

「休日のこの時間なら大体いるから見かけたら話しかけてよ」

連絡先を交換しようなどと言われる前にそんな言葉で牽制をする、
女子高生と連絡先交換というのは社会的に何かいけない気がしたただそれだけの理由だ。

「ホントですか!じゃあこれ約束の印です」

そう言って彼女がくれたのはさっきまで作っていたであろうクローバーの冠だった。

本日の投下はここまでにしようと思います
もし見ていて読みづらいなどあったら言ってもらえたら改善します

まだ書き始めですが批評もしてもらえるとありがたいです

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