遊矢&柚子(恥ずかしい……)(26)
遊矢「俺達の関係をみんなには内緒にしておく?」
柚子「ちょっと、声が大きいわよ。わざわざ復唱しなくても良いから」
遊矢「あ、悪い。でも急に何でそんな話を?」
柚子「考えたんだけどやっぱり私達が付き合い始めたって知ったら周りも驚くと思うの。幸いまだ誰にもばれないけど、もし知られたら色々気を使わせそうだし」
遊矢「成る程」
柚子「それと実際まだみんなには知らせるのは恥ずかしいというか、心の準備が出来ていないと言うか……」ゴニョゴニョ
遊矢「本音はそっちか。まあ恥ずかしいのは俺も同じだけど」
柚子「特にお父さんはもし知ったら例え相手が遊矢でも何か荒れそうなのよね」
遊矢「塾長、柚子の事を溺愛してるもんな」
柚子「まあ何時かはお父さんにも話さないといけないだろうけどね」
遊矢「その時は俺、スーツとか着て行った方が良いのかな?」
柚子「そこまで改まらなくても良いわよ。ていうかそれだと何かもっと重要な報告っぽくなるし……///」
遊矢「?」
柚子「と、とにかくこれから塾に行くけどくれぐれも他のみんなにはばれない様にしてよね」
遊矢「念を押さなくても分かってるって。それに今日の今日までばれなかっただし、普通にしていれば大丈夫だって」
柚子「そうだと良いんだけど……何か不安だな~」
◇◇◇◇
数分後・遊勝塾……
素良「――それで遊矢と柚子は何時から付き合ってんの?」アメチャンペロペロ
遊矢&柚子「」
遊矢「え? ちょ? はい?」アタフタキオン
柚子「いや、あの、その!?」アタフタスケルトン
素良「おお、あからさまに狼狽えてるね」
タツヤ「うん、これは白か黒かと言われたら間違いなく黒だよ」
フトシ「まあ俺は痺れるくらいお似合いだと思うけど」
アユ「やっぱり本当なんだ……」
遊矢「お、お前ら、いきなり何でそんな事を言うんだよ?」
素良「何でって言われてもね~」
タツヤ「最近の2人、明らかに様子が違ったし。塾長はまだ気付いてないみたいだけど」
フトシ「さすがに子供の俺達でも分かるぜ。おかげでアユの奴も最近落ち着かないみたいだしさ」
アユ「べ、別に落ち着かなくなんかないもん!」
遊矢(え、何これ? そんなにバレバレだったのか、俺達?)
柚子(どどどどどどどうしよう!?!?)
素良「それで付き合ってるのは火を見るより明らかだけど、遊矢達が何時まで経っても何も言わないからさ」
タツヤ「正直僕達どういう風に接すれば良いのか分からなかったから、こうやって直接聞く事にしたんだよ」
遊矢(くっ、秘密にしておこうって決めた矢先にこれかよ! どうする、柚子……って!?)
柚子「いや、あの、その……///」カオマッカッカー
フトシ「柚子姉ちゃんの顔、痺れるくらい真っ赤だぜ」
アユ「これってもうYESって言ってる様なもんだよね……」
遊矢(駄目だ、柚子の奴完全に上がってる……仕方ない、ここは俺1人で何とかしないと!)
遊矢「お、落ち着けよ、お前ら! 俺が柚子と付き合う訳が無いだろう?」
タツヤ「でもさっきまで明らかに動揺してたよね?」
素良「てか日曜日に一緒に映画観に行ってたじゃん。あれ明らかにデートだよね?」
遊矢「何でそれ知って……いや、あれはただ遊びに行っただけだ! 付き合ってなくても遊びに行くくらいはあるだろ?」
タツヤ「でも……」
遊矢「とにかく! 俺がこんな暴力女のストロング柚子と付き合うとか少し考えればおかしいって分かるだろう!?」
遊矢「俺にだって相手を選ぶ権利がある! だからありえないから、俺が柚子なんかと付き合うなんて!!」
アユ「……柚子お姉ちゃん?」
遊矢「え?」
柚子「…………」ナミダポロポロ
遊矢「」
柚子「うっ、えぐぅ……ひっく……」
遊矢「あの、柚子……な、何で泣いて……?」オロオロットン
素良「何でって明らかに今の遊矢の言葉にショック受けたからでしょ?」
タツヤ「遊矢兄ちゃん、いくら何でも今のは言い過ぎだよ……」
フトシ「うわぁ、柚子姉ちゃんマジ泣きだぜ……」
アユ「遊矢お兄ちゃん最低!!」プンスカブックス
遊矢(うぅ、まさか泣かせちまうなんて……ああ、もう!)
遊矢「柚子、どうしたんだ? え? 目にゴミが入った? それは大変だな!!」
素良&タツヤ&フトシ&アユ「え?」
遊矢「よし、じゃああっちで見てやるよ! さあ、この部屋を出よう! 迅速に移動しよう!!」ササッ
素良「あ、逃げた」
タツヤ「しかもかなり無理のある逃げ方だね」
アユ「大丈夫かな、柚子お姉ちゃん?」
別室……
遊矢「頼むからいい加減に泣き止んでくれよ、柚子? ほら、ハンカチ」
柚子「……いらないわよ、そんなの」グスン
遊矢「し、仕方ないだろ? あの場はああ言うしか……そもそも周りにばれない様にしろって言ったのは柚子の方じゃないか」
柚子「だからってあそこまで言う事ないじゃない。私『なんかと』とか何よ、『なんかと』とか」
遊矢「あれはその、慌てていたからつい口から出ちまったというか……」ゴニョゴニョ
柚子「どうだか……案外あれが遊矢の本音なんじゃないの?」
遊矢「はあ? お前いきなり何言ってんだよ?」
柚子「遊矢って時々妙に責任感が強い所あるし……」
遊矢「柚子?」
柚子「私達が付き合う事になったきっかけだって……雰囲気に飲まれてキスしたからだし……」
遊矢「おい、柚子?」
柚子「遊矢が私に告白したのだって……その事に責任感じたから……仕方なく……」
遊矢「柚子!!」
柚子「!」ビクッ
遊矢「告白した時にも言っただろ? 確かに雰囲気に飲まれた所もあったけど……あの時俺がキスしたのは相手が柚子だからだって」
柚子「分かってる……それは分かってるわよ……」
柚子「遊矢の事は……信じたいから……だけど、私……」
遊矢「柚子……」ギュ
柚子「あっ……」
遊矢「ごめんな、柚子……俺があんな事言ったから柚子を不安にさせちゃって」
柚子「……ううん、私が遊矢を信じきれないのが悪いのよ」
遊矢「そんな事は無い。柚子は何も悪くないさ」
柚子「…………」
遊矢「……好きだ」
柚子「え?」
遊矢「好きだ、柚子。たまらなく好きだ。心の底から大好きだ」
柚子「ゆ、遊矢? そんな、耳元で何度も囁かなくても……///」
遊矢「何度でも言うさ。柚子に俺の本気が伝わらないなら……何度だって言ってやるさ」
柚子「遊矢……///」
遊矢「柚子は俺の事どう思ってるんだ? 酷い事を言った俺なんかもう嫌いか?」
柚子「……そんな事無い。嫌いになんかなれる訳が無い」
柚子「私も遊矢の事が好き……たまらなく好き……」
柚子「心の底から……大好き」
遊矢「柚子……」
柚子「遊矢……」
遊矢「…………」
柚子「………んっ」
遊矢「んく……」
柚子「ん……あぅ……んっぁ……」
遊矢「うぅ……んん……」
柚子「ん……ん……っんあ……んく……」
遊矢「……はぁ、はぁ///」
柚子「……んあ……はぁ、はぁ///」
遊矢「……二回目、だな」
柚子「……ううん。初めて、だよ」
遊矢「え?」
柚子「確か二回目だけど……雰囲気に流された訳じゃ無い……遊矢と心が繋がった本当のキスはこれが初めて、だから」
柚子「だからこれが……私と遊矢の初めてのキス、だよ?///」ニコッ
遊矢「柚子……」
遊矢「……ごめん、柚子」
柚子「何が?」
遊矢「その、あんまりがっつくのもどうかっていうのは分かってるんだけど……」
遊矢「今の柚子が、えっと、滅茶苦茶可愛過ぎて……早くも次のキスがしたくて堪らないというか……」
柚子「……やっぱり今の私達、心が繋がってるんだね」
遊矢「へ?」
柚子「だって私も、したいから……もう一度、遊矢と……///」
遊矢「柚子……///」
柚子「遊矢……///」
素良「えっ、まだ続けるの!? お盛んだね~」ビックリボー
遊矢&柚子「!?」ピシィ!!
遊矢「そ、素良……?」ガタブルーアイズ
柚子「な、何で……?」ガタブルーアイス
素良「塾長が2人を探してたから呼びに来たんだよ。まさかこんな所で乳繰り合ってるとは思わなかったけどね」
遊矢「お、お前、い、何時からそこに……?」
素良「えっと、確か遊矢が柚子にハンカチ渡して断られた辺りからかな?」
遊矢「ほぼ最初からじゃないか!?」
素良「まあ僕も野暮じゃないからしばらく見守ってたんだけど、何時まで経っても終わらないからさ~。あんまり遅いと僕が塾長に怒られちゃうし」
柚子「あ、あ、あ、あ……///」プシュー
素良「というかやっぱり付き合ってるんじゃないか。それならそうとはっきり言えば良いのに」
遊矢「お、お前なぁ……」
素良「まあどうしても隠したいなら他のみんなには適当に誤魔化しとくよ。それにしても見たのが僕1人で良かったね。あれは子供には刺激が強過ぎるし♪」ハハハ
柚子「…………」スッ
遊矢「ゆ、柚子?」
素良「あれ、ドアはこっちだよ。何で窓の方に……」
柚子「…………」ガラガラ
遊矢&素良「…………」
柚子「離してぇー! ここから飛び下りさせてぇー!!」ジタバタッグフォース
遊矢「落ち着け、柚子! 素良も見てないで一緒に柚子を止めてくれ!!」
素良「えぇ、面倒臭いよ。てかデュエリストなら大丈夫でしょ、これくらいの高さ」チョコモグモグ
柚子「確かにそうかもしれないわ! けど頭から飛び込めばあるいは!!」
遊矢「おい、目が血走ってるぞ! 危ない事を考えるのは止めろ!!」
素良「ねえ、それよりいい加減塾長の所に行ってよ。イチャイチャするのはその後でも良いじゃない」
遊矢「くそ、何でこうなるんだよぉ!!」
柚子「もう嫌あぁぁぁ!!」ビエーン
<おわり>
読んでくれた人、ありがとうございました。今更ですがこの話は、
『遊矢&柚子(気まずい……)』
『遊矢&柚子(緊張する……)』
の続きとなっておりますので、もし何処かで見かけたらよろしくお願いします。では。
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