京太郎「でも、咲が脱衣麻雀出来るなら丁度いいな」

咲「え？何が？」

京太郎「放課後、時間空いてるよな？」

咲「え？ま、まあ、空いてるけど…」

京太郎「脱衣麻雀、やろーぜ」

咲「は？」

咲「京ちゃん、話聞いてた？私、脱衣麻雀は嫌いだって」

京太郎「気にするな。家族でやる脱衣麻雀が嫌いなだけであって、部活は別腹だろ」

咲「部活って、もしかして…」

京太郎「ああ。脱衣麻雀部だ」

咲「やだやだやだ！！京ちゃん、何考えてるの！？」

咲「脱衣麻雀で私一人女子なんて脱がしてくださいって言ってるようなものだよ！！」

咲「京ちゃん以外の男子に裸を見られるのとか絶対に嫌だからね！！」

京太郎「安心しろ。うちの脱衣麻雀部、俺以外は女子だけだから」

咲「……」

咲「……は？」

京太郎「あと、男子がいても脱衣を狙うとすれば和か部長だな。おっぱい的に」

咲「…………」

咲「ふ、ふぅん。そうなんだ」

京太郎「ま。今日は部長が部活に来るの遅くなるって言ってたから面子が足りないんだよ」

京太郎「頼むよ、咲」

咲「………………」

咲「脱衣麻雀部で男子が京ちゃんだけなんだ。へえー……」

咲「女子部員の裸を見放題なんだ、京ちゃんは…」

京太郎「咲、……さん？」

咲「いいよ。行くよ、脱衣麻雀部に」

京太郎「ほんとか？じゃあ、放課後頼むぜ」

咲「うん。絶対に行くから」ﾆｺｯ

放課後―――

咲「というか、京ちゃんみたいなえっちな男子がよく脱衣麻雀部に入れたよね」

咲「脱衣麻雀部って普通は入部審査とかあるんじゃないの？」

京太郎「よくわからないが強豪校はそういうのがあるらしいけど、うちは少人数で団体戦にすら出られない弱小校だからな」

京太郎「簡単な面接だけで入れてくれたぞ」

咲「面接？」

京太郎「ああ。副部長さんの下着姿の写真を見せられて欲情しますかって質問に『いいえ』って言ったら面接に通ったんだ」

咲「ふーん。その副部長さんって…」

京太郎「胸が咲と似たようなもんだったからな。そんなんじゃ１ミクロも興奮しなかった」

咲「へ、へえー」

京太郎「今年は原村和が入部したから、それ目当てに男子がこぞって入部しようと企んだみたいだが、受かったのが俺だけっていう奇跡」

咲「他の男子は副部長さんで欲情したって事だよ」

咲「だから私くらいの胸でも立派に欲情対象ってことだよね」

京太郎「ははっ。咲さん、ご冗談を」ﾜﾛｽﾜﾛｽ

京太郎「あのサイズで欲情したら、それはただのロリコン予備軍だ」

咲「そんな事ないから。私だってちゃんとブラジャーしてるし、寄せて上げれば谷間だって出来るんだからね」

京太郎「和は寄せて上げなくても谷間がくっきりハッキリ出来てるんだ。咲とは格が違うし」

咲「胸なんてただの脂肪だよ。えっちな京ちゃんにはそれがわからないんだよ」

京太郎「おっぱいは脂肪じゃなくてロマンだから。貧乳の咲にはそれがわからんのですよ」

咲「ううーっ」

京太郎「ここが脱衣麻雀部の部室だ」

咲「結構遠いんだね」

ｶﾞﾁｬｯ

京太郎「おーっす。脱衣麻雀出来る女子を連れてきたぞー」

咲「お、お邪魔します」

優希「ほほう。でかしたじぇ、京太郎！！」

和「こんにちわ。……あっ。あなたは今日、通学路にいた」

咲「あ、あぅ、あの時の…」

京太郎「なになに？咲と和、もしかしてすでに知り合い？」

優希「のどちゃん、手が早いじぇ！！」

和「何を言ってるんですか、優希は。この人をたまたま今日見かけただけで知り合いというわけではありませんよ」

咲「う、うん。知り合いじゃないよ」

京太郎「なーんだ」

咲（確かにこの和って呼ばれた女の子、胸の辺りが凄い事になってるよ）

咲（それに……）ｼﾞｰ

和「？」

咲（アイドルみたいに可愛いし…）

咲（確かに男子が脱衣麻雀部に殺到するのも納得だね）

咲（でも、京ちゃんは脱衣麻雀でこの子の裸を見てるんだよね…）

京太郎「今日こそは和を脱がしてやるぜ！！」

優希「甘いじぇ、京太郎。今日も脱ぐのはお前だけだじぇ！！」

京太郎「くっ、優希もついでに脱がしてやるから覚悟しろ！！」

優希「ついでだと！？ぐぬぬ、京太郎のくせに生意気だじょ」

咲「な、なあーんだ、まだ…」

京太郎「どうした、咲？」

咲「あ、う、うん、なんでもないよ」

咲（そういえば京ちゃん、中学校の時はハンドボール部だったし、脱衣麻雀なんてやってなかったっけ）

咲（脱衣麻雀の高校デビューじゃ、京ちゃんの運が相当よくない限り勝つのも難しいかも）

咲（今の会話だと、部活じゃ常に脱がされてるだけっぽいし、少し安心したかな）

咲（……）

咲（でも、部員の人たちは京ちゃんの裸を見てるんだよね…）

咲（私が見てない京ちゃんの裸を…胸板とか、おへそとか…隅々まで…）////

和「ま、麻雀は運の要素もありますから、これからもずっと須賀君が負け続けるとは思えませんが、もう少し考えて打たないと勝てないと思いますよ」

京太郎「自分なりには考えて打ってるんだけどなー」

和「まあ、須賀君が部活で少し強くなっても、私達だって同じように強くなってるわけですから、もっと頑張ればいつかは勝てるようになりますよ」

京太郎「せめて部長の部活引退までに和と部長だけは脱がしたいぜ」

優希「そこになんで私が入ってないんだじぇ！？」

和（染谷先輩も入ってませんけどね）

和「まあ、部長に勝てるようになれば私だってうかうかしていられませんけどね」

京太郎「よしっ！！当面の目標は部長に勝つことだな」

優希「いきなりハードルが高すぎだじぇ」

和「まあ、須賀君が連れてきた…えっと…」

咲「あ。み、宮永咲です。一年生です」

和「宮永さんですか。私は原村和。同じ一年生です」

優希「私も一年で名前は片岡優希だじぇ」

咲「えっと…原村さんに片岡さん、ですね」

和「宮永さんが来てくれたおかげで脱衣麻雀が打てるわけですから、今から打ちましょう」

京太郎「待ってました！！」

優希「今日も泣きながら脱ぐのは京太郎だけどな」

咲（京ちゃんの泣き顔かぁ…）

咲（それは凄く見たいよ！！）

和「では、はじめますか。脱衣麻雀を」

ここまで

優希「オッケーだじぇ！！さっそくサイコロ回すじぇー」

ｶﾗｶﾗｶﾗｶﾗｺﾛﾝ

京太郎「えっと、出目が左８だから俺か…」

ｶﾗｶﾗｶﾗｶﾗｰ､ｶﾗｶﾗｶﾗｰ､ｺﾛﾝ

京太郎「えっと右１２って事は…」

優希「私が起家だじぇ！！」

京太郎「うへえ。また優希が起家かよ」

咲「また？」

京太郎「俺が入部してから知ってる限り優希の起家率は５割超えてるんだ」

京太郎「昨日の部活でも３回の半荘中、２回起家だったし」

咲「そうなんだ」

優希「ふっふっふっ。東場で起家の私は最強だじぇ！！」

和「宮永さん。もうすでに打ち始めてますが、ルールについて少し説明させてもらっていいですか？」

咲「は、はい！！お願いします」

和「えっと、そんなに畏まらなくてもいいですけど…」

咲「あ、はい」

京太郎「咲は人見知りだからなあ」

咲「そ、そんな事ないよ。人と話すのに慣れてないだけで」

京太郎「そういうのも人見知りに分類されるんじゃねーのか？わからんが」

咲「でも京ちゃんとは普通に話せるから問題ないよ」

京太郎「俺と、って……ていうか、高校卒業して社会に出たらどうするつもりだよ」

咲「何とかなるんじゃないかな、多分」

咲「京ちゃんが一緒にいてくれたら…」ﾎﾞｿｯ

京太郎「ん？何か言ったか？」

咲「なな、何にも言ってないから！！」////

和「えっと、話を続けてもよろしいでしょうか？」

京太郎「あ、ああ、悪い悪い」

和「それでですね、私達はインターハイに向けての公式ルールにあわせて部活の脱衣麻雀をやってるんですが」

咲「うん」

和「脱衣麻雀もローカルルールや地方ルールが多いので一応、よろしければ宮永さんにも公式ルールでやって欲しいのですがよろしいですか？」

咲「あ、はい。いいですよ」

和「ありがとうございます。ではルールの説明を簡単にしますね」

和「麻雀部分に関してはドラは赤ありでカンによる責任払いがあります」

和「ただしダブル役満以上はありません。最大で役満止まりです」

咲「基本的な打点は高くなるけど、上限が決まってるんですね」

和「はい。そうは言ってもダブル役満どころか役満も滅多に出ないのであまり意味のない制約ですけどね」

咲「確かにそうですね」

和「そして脱衣部分に関してですが個人戦では原点が２５０００点で、１５０００を下回れば１枚、５０００点を下回れば２枚脱ぐ事になります」

咲「そうなんですか。私の家でやってた時は５０００点毎に１枚脱ぐ感じだったんだけど」

京太郎「て事はハコシタで５枚も脱ぐのか。つーか、５０００以下になったらほぼ全裸で打たないといけないのか！？」

咲（だからハコシタにならなように、ハコシタにしないように打つようにしてたんだけど…）

咲「……」

咲「あれ？という事はインターハイの公式ルールだと脱ぐのは制服だけってこと？」

和「いえ、インターハイでは半荘終了後に脱衣タイムを設けて２位は１枚、３位は２枚、４位は３枚脱ぎます」

咲「あ。公式戦でも最下位になるような人は最後はほぼ全裸になるんだ」

優希「そりゃ、そうだじぇ。脱衣麻雀の基本だじぇ」

和「まあ、接戦で全員が原点付近にいればそうならないかもしれませんが、殆どの場合は最下位の人は全裸になりますね」

和「あと、原点から１００００点以上浮いている場合は脱衣枚数が１枚減ります」

咲「最終結果で２位が３５０００点以上だと脱がなくていいって事ですか」

和「はい。そういう事です」

咲（うーん。このルールだとプラスマイナス０でも脱がないといけないのかぁ）

咲（２位なら靴下だけで済むけど、３位なら上か下、どっちかを脱ぐ事になるんだよね）

咲（……ど、どうしよう）

優希「あ、京太郎。それ、ロンだじぇ」

京太郎「何ぃっ！？」

優希「平和、タンヤオ、一盃口、赤１。１１６００だじぇ」

和「話に気が逸れてるからこんなみえみえのタンヤオに振り込むんですよ」

京太郎「いや、そう言われると……ていうか話の発端は和じゃないか」

和「私は話をしていても優希や須賀君、宮永さんの捨牌に注意しながら打ってましたよ」

優希「京太郎は注意力が散漫だじぇ」

京太郎「ぐぬぬ」

優希「とにかく点棒と脱衣を早くするじぇ」

京太郎「ちくしょうっ！！脱げばいいんだろ、脱げば！！」

京太郎は忌々しげに顔を歪め、ゆっくりと椅子から立ち上がる。

学生服のボタンに右手の親指をあてがい、上から乱暴に弾くようにボタンを外していく。

ボタンを全て外し終えた京太郎は左手で学生服の右袖を掴み、肩を小さく狭めて一気に引き抜いた。

そして、残った左腕も何度か腕を振るい、徐々に袖から腕を抜いていく。

完全に脱げた学生服は支える力がなくなり、パサリと音を立てて椅子の背凭れに引っかかる。


京太郎「くっ、次は絶対に負けないからな！！」

優希「次も私が脱がしてやるじぇ！！」

和「さて、次いきますよ」

優希「そうだ京太郎！！」

京太郎「なんだ」

優希「どうせしばらくは制服は脱いだままだし、お前の学生服を私に寄越すじぇ！！」

京太郎「なんでだよ」

優希「ちょ、ちょっと肌寒いからだじぇ！！」

優希「なんでもいいから、敗者は勝者のいう事を黙って聞けばいいんだじょ」

京太郎「ぐっ、図に乗りやがって…」

京太郎「こうなったら俺も優希をへこませてなんか命令してやるぜ」

優希「いいから早く寄越すじぇ！！」

京太郎「ほらよっ」ﾎﾟｲｯ

優希「んっ」

優希「それじゃ今回もサイコロ回すじぇー」

ｶﾗｶﾗｶﾗｶﾗｺﾛﾝ

和（さて、起家の時の優希は尋常じゃないほど集中してますからね。何とか止めないと…）

京太郎（くそー、優希の奴、やりたい放題しやがって…）

咲（とにかく最悪靴下だけならプラスマイナス０の２位狙いでいくかなぁ）

咲「んっ……？」

優希「……」ｸﾝｶｸﾝｶ

咲「！？」

咲（って、片岡さん、京ちゃんの学生服の匂いを嗅いでるーーーっ！？）ｶﾞﾋﾞｰﾝｯ

咲（わ、私もそんな事したことないのに…）

優希「さあ、次は京太郎のズボンを脱がすじぇ！！」

京太郎「させねえよ！！」

咲（まさか片岡さん、京ちゃんのズボンまで匂いを嗅ぐ気じゃ…だ、駄目だよ、そんなの）

咲（で、でも、これは何とかしないと…）

咲（とは言ってもどうすればいいんだろ）

咲（片岡さんを狙い撃ちにして、最下位にする？でも、それじゃ私がプラスマイナス０になるのが難しくなるし…）

咲（かといって普通にプラスマイナス０を狙ったんじゃ京ちゃんのズボンは高確率で誰かに脱がされるし、どうしたらいいんだろう）

咲（……）

咲（そうだ！！）

咲（私が京ちゃんのズボンを脱がせばいいんだよ！！あと８４００点で脱がせるんだから跳満直撃で京ちゃんのズボンはゲットだよ）

咲（プラスマイナス０も難しくないし、京ちゃんのズボンもゲットできる！！一石二鳥だね）

咲（うん。なんか俄然やる気が出てきたよ！！）