隼「誘拐された妹がいきなり現れたら誰だってああなるだろ！」

カイト「だが別人だ」

隼「ユートだって初めは勘違いするくらいそっくりなんだぞ、間違えたって仕方ない!」

隼「大体何で俺が未だにあの女と瑠璃の区別がついていないように扱われるんだ！　ユートに違うと説明を受けるシーンがあっただろ！」

カイト「試合を見に行ったりするからじゃないか？」

隼「それは前回はじめて描写されたシーンだ！」

カイト「はぁ、それでお前は何が目的なんだ?」

隼「ネタキャラの印象を払拭するにはデュエルで実力があることを証明するしかない」

隼「だがまともに描写された俺の唯一のデュエルは、志島北斗のプレイミスばかり取り沙汰される」

カイト「墓地利用を考えなければ悪手ではなかったと思うがな。光津真澄に止めを刺させるためでもあったし」

隼「メタ視点で見ればあそこで俺が負けるわけがない！　プレミがなければライズファルコンにバウンス無効なりの効果が追加されていただけだ！」

カイト「そうなっていればまだ救いが……いや、変わらんか」

隼「天城カイト、貴様はメタ視点で見れば負けるようなデュエルにでも勝ち続けてきた。その結果、Ⅱではネタキャラとしての扱いはなりを潜めていった！」

カイト「他が濃くなっただけだ。それにⅡの俺にもデュエリストの生存本能やらのネタ要素はあるぞ」

隼「だが最終的には九十九遊馬の兄貴分として、屈指の名台詞と共に華々しく散っただろう！」

カイト「ヌメロンドラゴンとして出てきたし、最後は生き返ったがな」

隼「そんな貴様を倒し、俺のネタキャラとしての印象を全て壊すんだ！」

カイト「やれやれ、仕方がない。付き合ってやろう」

隼「いくぞ！」

カイト・隼「デュエル！」

カイト「俺は銀河眼の光子竜皇でライズファルコンを攻撃！」

隼「くっ、ライズファルコンは銀河眼の光子竜の効果で一度除外されたことで攻撃翌力が100に戻っている」

カイト「そして銀河眼の光子竜皇はその効果により、フィールド上のモンスターのランクの合計×200攻撃翌力を上昇させている！」

カイト「現在フィールドのランクの合計は、ライズファルコンの4、銀河眼の光子竜皇の8。これでも十分だが銀河眼の光子竜皇の効果で1ずつ上がり、合計14！」

隼「14×200で攻撃翌力は2800上昇、攻撃翌力6800だと！？」

カイト「これで終わりだ！　エタニティフォトンストリーム！」

隼「ぐああああ！」

カイト「ふんっ、初戦はＯＣＧで弱体化するような雑魚カード。貴様はらくがきじゅうすてごにブレイブインでもしているのがお似合いだ」

隼「なぜだ！　他のＲＲは軒並み良調整、良再現されたのに！」

カイト「カードを書き換えたんだ。ドン・サウザンドの仕業に決まっているだろう」

隼「許さん、絶対に許さんぞドン・サウザンド！」

カイト「それでどうする？」

隼「どうすればいいんだ。シスコンキャラも消えない、LDS絶対殺すマンだったのがLDSになるし、どうすれば」

カイト「いっそのことほんとうにシスコンになればいいんじゃないか？」

隼「なんでだ！」

カイト「伝統だからな」

隼「で、伝統だと？」

海馬「そうだ、貴様もこの果てしなく続くアニメ遊戯王ロードに立っているのだ」

翔「そうっす、伝統は守らなきゃいけないっすよ」

龍亞「お決まりってやつだよ」

隼「な、なんだ貴様ら、離せ！」

カイト「歴代のブラコン・シスコンキャラ達だ」

隼「待て！　丸藤翔！　貴様はブラコンじゃないだろう！」

翔「やだなぁ、おいらにも実の兄貴はいるっすよ」

隼「貴様が兄貴兄貴と呼んでるのはそっちじゃないだろうが！」

ユート「……」

隼「ユート！　助けに来てくれたのか！？」

カイト「魂の書き換えは荒療治だ。昔のヤツにはもう二度と会えないぞ」ﾎﾟﾝ

隼「ユート！　裏切ったのか！？　俺を売ったのか！？」

ユート「すまない隼。俺が腹パンなんかしたせいで、お前のネタキャラ化に拍車をかけてしまった」

ユート「お前をその苦悩から救うにはもうこれしかないんだ」

隼「ユートォォォ！」

カイト「アニメ遊戯王も今年で15周年。15年の伝統があるんだ」

海馬「貴様も俺がうち立てた路線の礎となるのだ」

翔「コンプレックスの世界に来るっす」

龍亞「ｺｰﾝﾌﾟﾚｰｯｸｽ……」

隼「い、いやだ、やめろ」

カイト「狩らせてもらおう、お前の魂ごと！」

隼「やめろぉぉぉぉ！」

舞網チャンピオンシップ会場

素良「やっときた。遅いよ」

隼「……」ｷﾞﾛｯ

素良「おおこわ。君のお友達とはちょっと喧嘩したけど、君とはなんの因縁もないんだから、そんなに睨まないでよ」

隼「いや、ある」

素良「なんかあったっけ？　前に一度会っただけじゃ」

隼「貴様は瑠璃に融合を教えた！」

素良「えっ？」

隼「貴様は瑠璃をたぶらかし、よりにもよって融合召喚を使わせた！　その罪は万死に値する！」

素良「ちょって待って、瑠璃って誰さ。僕の弟子は柚子……」

隼「黙れ！　貴様を倒し、俺は瑠璃を取り戻す！」

素良「だめだこりゃ」

隼「待っててくれ瑠璃ぃぃぃぃ！」